マイペースの蠅取蜘蛛がキーボードをよぎって行くまで見る指止めてマイペースの蠅取蜘蛛がキーボードをよぎって行くまで見る指止めて歌う風・・・719千葉甫
一所見えていた空の青消えて予報通りに雨の迫るか一所(ひとところ)見えていた空の青消えて予報通りに雨の迫るか歌う風・・・673千葉甫
昨日を今日もなぞっているように過ぎてはいるが今日は今日である昨日を今日もなぞっているように過ぎてはいるが今日は今日である歌う風・・・672千葉甫
聴いているギターの曲に遠い日の弦の感触還る指先聴いているギターの曲に遠い日の弦の感触還る指先歌う風・・・671千葉甫
苛立って言葉の荒くなってゆく私を見つめている私が居る苛立って言葉の荒くなってゆく私を見つめている私が居る歌う風・・・670千葉甫
返事して夢から覚める何事を問われたのかの記憶は抜けて返事して夢から覚める何事を問われたのかの記憶は抜けて歌う風・・・669千葉甫
拾い読みしている本から三十年前に記したメモの出てくる拾い読みしている本から三十年前に記したメモの出てくる歌う風・・・668千葉甫
日常の茶飯事一つ忘れては思い出しつつまた一日行く日常の茶飯事一つ忘れては思い出しつつまた一日行く歌う風・・・667千葉甫
ヘッドホン外せば夜は更けていて聞くのは私の脈拍の音ヘッドホン外せば夜は更けていて聞くのは私の脈拍の音歌う風・・・666千葉甫
アンケートに書くわが齢を逸早くコンピューターが答えを示すアンケートに書くわが齢を逸早くコンピューターが答えを示す歌う風・・・665千葉甫
忘れつつ思い出しつつ片づけていない一つが意識に潜む忘れつつ思い出しつつ片づけていない一つが意識に潜む歌う風・・・664千葉甫
考える間は机上に置いていた眼鏡のつるの冷たさ沁みる考える間は机上に置いていた眼鏡のつるの冷たさ沁みる歌う風・・・663千葉甫
ヘッドホンで聴いている曲折々に聴かずに過ぎる想いに落ちてヘッドホンで聴いている曲折々に聴かずに過ぎる想いに落ちて歌う風・・・662千葉甫
通りには斜めに雪が降っていてぽつりぽつりと人影の行く通りには斜めに雪が降っていてぽつりぽつりと人影の行く歌う風・・・661千葉甫
十を割る数となったが元日に今年は揃って来た年賀状十を割る数となったが元日に今年は揃って来た年賀状歌う風・・・660千葉甫
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マイペースの蠅取蜘蛛がキーボードをよぎって行くまで見る指止めてマイペースの蠅取蜘蛛がキーボードをよぎって行くまで見る指止めて歌う風・・・719千葉甫
いつか雨が降ったのを知る窓際の木の葉に残る雨滴のあっていつか雨が降ったのを知る窓際の木の葉に残る雨滴のあって歌う風・・・718千葉甫
カーテンの外から滲む街灯に明かるむ部屋を見る目覚めてはカーテンの外から滲む街灯に明かるむ部屋を見る目覚めては歌う風・・・717千葉甫
ことも無く一日が行く次に為す予定の一つを今日も忘れてことも無く一日が行く次に為す予定の一つを今日も忘れて歌う風・・・716千葉甫
この道の一つの桜の花終えてその他の木々の中に埋もれるこの道の一つの桜の花終えてその他の木々の中に埋もれる歌う風・・・715千葉甫
似通ったこの日この日を生きている食べることさえ定型化して似通ったこの日この日を生きている食べることさえ定型化して歌う風・・・714千葉甫
ぎこちなくなった時間の救われるタイミングよく電話の鳴ってごこちなくなった時間の救われるタイミングよく電話の鳴って歌う風・・・713千葉甫
一本の雑木の枝の新緑の日に日に迫る窓の下から一本の雑木の枝の新緑の日に日に迫る窓の下から歌う風・・・712千葉甫
ここからは見えないところの桜から漂って来た花びら一つここからはみえないところの桜から漂って来た花びら一つ歌う風・・・711千葉甫
?呼ばれたように覚えて彼は立ち止まり、あたりを見回した。見覚えのない住宅街の通りだった。人影は無い。なぜ、ここを歩いているのだろう?それに、ここへ来た記憶もなかった。再び、声を聞いて振り返った。塀の上に座った猫が彼を見つめていた。見覚えのある猫だった。少年時代に居た飼い猫のトムを思わせた。「トム?」呼んでみた。「あぁ」猫が答えた。そのときドアが開いて出てきた人に眼をやった彼は、衝撃に身が凍りついた。その人は逝ってほぼ三年になる彼の父親と瓜二つだった。その人も、顔に驚きの色を浮かべて、「一夫か!もう、こちら彼岸へ来たのか。えらく早いじゃないか!」掌奇譚Homecoming千葉甫
鳴るたびに近づいていた雷鳴の遠退き始める雨は上がるか鳴るたびに近づいていた雷鳴の遠退き始める雨は上がるか歌う風・・・710千葉甫
薄暗い時間のままに昼が来てまた降り出した雨の聞こえる薄暗い時間のままに昼が来てまた降り出した雨の聞こえる歌う風・・・709千葉甫
過去からの声だったのか未来から来た声だったか呼ばれて覚める過去からの声だったのか未来から来た声だったか呼ばれて覚める歌う風・・・708千葉甫
ポケットを裏返しても出てこない確かに入れた筈だけれどもポケットを裏返しても出てこない確かに入れた筈だけれども歌う風・・・707千葉甫
来る風の躊躇うようにカーテンの静止するとき揺れているとき来る風の躊躇うようにカーテンの静止するとき揺れているとき歌う風・・・706千葉甫
ソリテアの挫折の続く今度こそ今度こそはと向きになりゆくソリテアの挫折の続く今度こそ今度こそはと向きになりゆく歌う風・・・705千葉甫
春の陽の輝く髪を右左揺らして私の前を行く人春の陽の輝く髪を右左揺らして私の前を行く人歌う風・・・704千葉甫
眠れないまま聞いている耳鳴りに加わっている新しい音眠れないまま聞いている耳鳴りに加わっている新しい音歌う風・・・703千葉甫
夢に来てランチを共にした人は十年前まで接していた人夢に来てランチを共にした人は十年前まで接していた人歌う風・・・702千葉甫
行く夜の時間に眼をやりもう一章読みたいところでページを閉ざす行く夜の時間に眼をやりもう一章読みたいところでページを閉ざす歌う風・・・701千葉甫
行く雲を見ていて過ぎたひとときの記憶を辿る眠り待ちつつ行く雲を見ていて過ぎたひとときの記憶を辿る眠り待ちつつ歌う風・・・539千葉甫
雨はまだ降っているのか窓外へ眼を凝らす耳も澄まして雨はまだ降っているのか窓外へ眼を凝らす耳も澄まして歌う風・・・538千葉甫
選挙車の連呼の声の通過してひそかな雨の降る音続く選挙車の連呼の声の通過してひそかな雨の降る音続く歌う風・・・537千葉甫
聞こえるは耳鳴りばかり眠れない夜の時間は遅々と過ぎつつ聞こえるは耳鳴りばかり眠れない夜の時間は遅々と過ぎつつ歌う風・・・536千葉甫
太陽は表の窓から裏窓へ移ってことも無く今日の行く太陽は表の窓から裏窓へ移ってことも無く今日の行く歌う風・・・535千葉甫
側溝の隙から生えている草に鮮やかな黄の花を見る今朝は側溝の隙から生えている草に鮮やかな黄の花を見る今朝は歌う風・・・534千葉甫
卓上に今日も突っ立つ固すぎてキャップの開かないペットボトルは卓上に今日も突っ立つ固すぎてキャップの開かないペットボトルは歌う風…533千葉甫
声出して自らに問い声出して答えて徐々に記憶の戻る声出して自らに問い声出して答えて徐々に記憶の戻る歌う風…532千葉甫
購うことを忘れた一つがあったのをふと思い出す半日経って購うことを忘れた一つがあったのをふと思い出す半日経って歌う風・・・531千葉甫
十年間ハンドルネームで親しんだ人のふっつり絶えてそのまま十年間ハンドルネームで親しんだ人のふっつり絶えてそのまま歌う風・・・530千葉甫
過ぎて行く時間静かな昼下がり鏡を覗いている猫の居て過ぎて行く時間静かな昼下がり鏡を覗いている猫の居て歌う風・・・529千葉甫
売られては建て替えられる家々に包囲されつつわが家がある売られては建て替えられる家々に包囲されつつわが家がある歌う風・・・528
ここからは見えぬ夜空でホバリングの音の続いているヘリコプターここからは見えぬ夜空でホバリングの音の続いているヘリコプター歌う風・・・527千葉甫
今日もまた高層ビルの屋上にある反射光同じ時刻に今日もまた高層ビルの屋上にある反射光同じ時刻に歌う風・・・526千葉甫
雨の日は滑りの悪くなる障子私と共に家も老いつつ雨の日は滑りの悪くなる障子私と共に家も老いつつ歌う風・・・525千葉甫
振動をした雷鳴に読んでいたロンドン消えてわが四畳半振動をした雷鳴に読んでいたロンドン消えてわが四畳半歌う風・・・524千葉甫
朝食はパンに牛乳味噌汁の香で覚めた日々遥かになって朝食はパンに牛乳味噌汁の香で覚めた日々遥かになって歌う風・・・523
父母は夢ではいつも健在で今では私のほうが年上父母は夢ではいつも健在で今では私のほうが年上歌う風・・・522千葉甫
クリックと同時に悟るまた同じ誤りをしてしまったことをクリックと同時に悟るまた同じ誤りをしてしまったことを歌う風・・・521千葉甫
カーテンが風にまくられ暮れ際の陽ざしの伸びる部屋の端までカーテンが風にまくられ暮れ際の陽ざしの伸びる部屋の端まで歌う風・・・520千葉甫