『バカの壁』は、2003(平成15)年4月10日に発行した養老孟司氏の著書である。養老氏によれば「人は話せばわかると思っているが、自分の頭の中に入ることしか理解できないか理解しない」また「自分の考えと違うことにはそれを「無かったもの」「間違ったもの」として存在を拒む」としている。この養老氏の指摘がまさに適合する社会科学分野がある。それは日本近現代史である。現代の高等学校では「授業時間が足りない」という理由で、まともに近現代史を取り上げることはしない。その実は「時間が足りない」と言いながら「自国の近現代史があまりにも虚言が多く恥ずかしくて取り扱えない」のだ。そのカギとなる言葉が戦前は「明治維新」であり「日英同盟の成功」である。また、戦後は「押し付け憲法」であり「GHQ史観」なのである。2024年2月28日、...養老孟司氏『バカの壁』と日本近現代史の『バカの壁』-またまた、イギリスの三枚舌に騙される日本人-