烈火の大地
熱帯夜の所為だろう。ここ数日来、眠りが浅い。疲れがとれない質が甚だ悪いのだ。 (フリーゲーム『××』より) 昭和七年も暑かったらしい。 午前十時の段階で31.5℃を観測しただとか。 池水が煮えたようになり、養殖中の鯉や鰻がほとんど全滅、損害莫大なりだとか。 その種の悲鳴は珍しくない。まったく異常な暑さだと、汗を拭うのも忘れ去り、途方に暮れる古人の姿が多くの記録に見て取れる。 ところが今やどうだろう。たかが31℃やそこら、十時はおろか七時八時の段階で、容易く突破するではないか。 これでは毎日焙烙上で炒られているも同然だ。古人をここに在らしめたなら、すわ灼熱地獄の接近かと狼狽超えて恐慌へと至るのが…
2024/07/31 17:15