医学書院から単行本で発刊された『中動態の世界―意志と責任の考古学―』(國分功一郎著)が今から6、7年ほど前に馴染みの古書店の書棚に並んだ時、私は手に取ってざっと全体のページを捲ってみたものの内容が難解な感じがしたので、そっと元の場所へ戻したことがあった。でも、タイトルの“中動態”という言葉に少し興味をもち、いずれは読んでみたいと思ったが、そのうち忘れ去ってしまっていた。ところが、今年になって本書が文庫化されたことを知り、職場の市立N中学校からの帰宅途中にある明屋書店で購入し、隙間時間を活用しては少しずつ読み継いできた。内容の理解が覚束ない部分も多々あるが、私なりに “中動態”という概念について…