戦争は人間の病である。古代より繰り返される殺戮の歴史は、遺伝子に組み込まれた異常なリビドー、理性と相反する欲望の脳細胞なのかもしれません。まさしく理性の仮面を被った野獣である。戦争とともに進化を続ける大量破壊兵器は皮肉に文明を加速させる。覇権主義と独裁者は後を経たない。独裁者の民族主義と饒舌な国を讃える演説に多くの民衆が洗脳されてゆく。経済不況、貧困にあえぐ民衆の心に矢の如く突き刺さるのである。遠い地平の彼方で多くの若者たちが銃弾にミサイルに倒れて行く。私が七つの時に経験した恐怖の戦争体験はいまだ心の闇として刻まれています。空襲警報とともに、現在の東京タワーの下に掘られた横穴式の防空壕に近所の方々と避難、恐怖のあまり母親の膝にすがりついていた。京浜地帯を爆撃する爆音がしだいに近づいてくるあの恐ろしい記憶は...戦争と戦争の束の間の平和のなかの記憶