chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
仏教を楽しむ
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2018/07/29

arrow_drop_down
  • 言葉について⑦

    7.言葉と記憶は密接な関係にある。米国の動物行動学者、R・ヤーキーズ(1876-1956)の実験に興味深いものがある。小さな窓のついた部屋にチンパンジーをいれる。その小さな窓に赤か緑の板が不規則な順序であらわれる。赤の板が出たときに側にあるレバーを押すと、その板は消えて一定時間がたってから餌が出てくる。緑の板が出たときにレバーを押しても板が消えるだけで餌は出てこない。次の実験は、板が消えてから餌が出てくるまでの時間を四~五秒以内にする。するとチンパンジーは、このしくみを覚えいつでも餌を手に入れることができる。ところが、餌の出てくる時間を、板が消えてから五秒以上になると、何回繰り返しても決して覚えられない。五秒以上になると、色と餌の関連性を忘れてしまう。最幼児期記憶―臨界年齢とその意味では、このような最幼児...言葉について⑦

  • 正解のない問題

    『産経新聞』(2022.11.29)「正論」に、「へー、そんだんだ」という、次の言葉がありました。米国のテストには、正解のない問題も交ぜてあるが、日本では必ず正解が一つある。そこで若者は正解があると信じて、探す。正解を求めて次々と教団の扉を叩き、「宗教はしご」をするのだ。(以上)なぜ「正解のない問題」が今、話題になっているのか? manavi(zoshindo.co.jp)より転載です。整理すると、「正解のない問題」は、「解が一意に決まらない」=「複数の正解がある」と誤解されることもありますが、それはちがいます。正解のない問題というのは、正解を「発問者が予め決める」のではなく、「受験者が答えをつくりあげた」答案を、その妥当性や信憑性によって評価するということです。発問者は課題を提示しますが、それへの回答は...正解のない問題

  • 言葉について⑥

    6.パフォーマテイブ・行為遂行的言語言葉には、パフォーマテイブ(執行)という性能がある。言葉が、世界をつくり出し、現実をつくり出すというはたらきがあるということです。たとえば「命令」、「転勤を命ず」。その命令によって勤務が変わるという新しい現実が生み出される。「約束」もそうだ。「明日、一緒に映画に行こう」という約束によって、映画に行くという現実が到来します。「注意しろ、地面が滑り易くなっているぞ」-他人に注意するよう警告する言語行為「夕食に間に合うよう全力を尽くすよ」-帰宅時間を約束する言語行為「紳士淑女のみなさん、ご静粛に」-聴衆を静かにさせようとする言語行為「あそこの建物で、私と競争しませんか?」-挑戦する言語行為言葉には、世界を記述しているだけではなくて、世界をつくり出し、現実をつくり出すというはた...言葉について⑥

  • 言葉について⑤

    5.言葉は意味を生み出していく(経験が生み出されていく)英語のriceは、日本語だと「イネ」「コメ」、「ゴハン」となります。植物としてのイネ、穀物としてのコメ、植物としてのゴハンとなり、ライスでは表さなかった意味が生まれます。このような違いは、それぞれの言葉を使っている人たちの文化的な関心の違いを反映しています。英語のブラザーも、日本の伝統的な文化において、長男と他の息子たちの間に設けられていた差別があり、兄、弟という言葉が生まれました。サピア=ウォーフの仮説というものがあります。異なる言語を使うと、認識する世界観や概念のあり方が変化するという仮説で、言語相対性仮説とも呼ばれています。古い本(1996年刊)ですが『発達心理学への招待』に次のようにあります。文化人類学の領域でより積極的な仮説を提唱したのはサ...言葉について⑤

  • 事前焼香

    昨(2022.11.25)『産経新聞』にーコロナで簡略化、「お悔やみ欄」分析―という記事が掲載されていました。以下、転載。日本が新型コロナウイルス禍に入ってから、間もなく3年。葬送の在り方を調査する干葉大大学院人文科学研究院の特別研究員、金沢佳子さんによると、各地の葬儀場家族葬が急増し、一般の会葬者には直前に焼香してもらう「事前焼香」が定着したという。「コロナ禍で葬儀の個人化・簡略化が加速し地域社会に浸透した」と分析する。金沢さんは家族社会学の観点から平成19年以降、全国各地の新聞社が地元の葬儀情報を無料で掲載する「お悔やみ欄」を調査。各紙の担当者や葬儀社への聞き取りも重ねてきた。その結果、コロナ第1波の令和2年4月以降、東北から九州の複数の地元紙に事前焼香が登場していることが分かった。今年8月までの傾向...事前焼香

  • 言葉について④

    4.経験されたさまざまな観念内容を抽象化して実体化させる言葉の持つ特性に、目で見たり手で触れたりできないものを、あたかもそうできるかのようにしてしまう働きがある。たとえば美しい花、美しい女性。美しい景色など、何を想像するかは人によって、違いますが、想像出来ます。では「美しい」想像することは、できるでしょうか。できないはず。「美しい」には形がないからです。だれもモノと同じように「心」を見たり触れたりすることもできません。「社会」「自由」「精神」「観念」「美」「真理」「善」「平和」「平等」「人権」「命」など、みな同じです。これらは言葉によって、知るのです。『脳が言葉を取り戻すときー失語症カルテから』(佐野洋子・加藤正弘)に「言葉を失うとはどういうことか」に次の様にあります。このような、人間存在の根本を支える言...言葉について④

  • 言葉について③

    3.「近代言語学の父」とも称されるソシュール(スイスの言語学者1857-1913)。ソシュールは、自ら言語観や言語思想の論文を発表することなく、1907年から1911年にかけてソシュールの授業を受講していた学生が書き留めたノートを本人の死後に編集して出版された『一般言語学講義』(1916)が一冊あるだけだ。それが言語学のコペルニクス的転回を遂げたと称されるほどの功績を成し遂げた。通常、私たちは「言葉とはモノや概念の呼び名である」と思っている。言葉には、すでに存在している事物や観念にラベルを貼るという作用もある。例えばパンダが生まれて、そのパンダに名前を付ける場合だ。日常的な感覚からすると、「言葉の役割とは何か」と問われたとき、むしろこちらのほうが答えとして当たっているのではないかと思われるかもしれない。し...言葉について③

  • 進歩でなく進化を考えよう

    『ちくまQブックス科学はこもままでいいのかな』(中村桂子著)進歩でなく進化を考えよう今の社会は、より便利になることがよいという考え方で動いていることを見てきました。進歩を求めているのですね。進歩という言葉が辞書でどのように説明されているかを見てみましょう。私か好きな辞書、新明解国語辞典に「よい(望ましい)方に次第に進んでいくこと」とありました。ここで重要なのは、よい方向とは何かです。今の科学技術は便利で自然離れする社会をよしとしていますから、進歩はその方向を目指します。進歩・成長はいつまでも続かない進歩の根底にはたった一つの価値観しかありません。先進国、開発途上国という言葉がありますね。先進国は経済的、物質的に豊かであり、進んだ科学技術を持ち、便利な生活を送っている国を指します。これに対して、開発途上国は...進歩でなく進化を考えよう

  • 便利はとてもよい だろうか

    『ちくまQブックス科学はこもままでいいのかな』(中村桂子著)便利はとてもよいだろうか便利はどのようなことを言うのか考えて見ると、次の三つのことが浮かび上がります。効率よくできる手がかからない思い通りになるまず「効率」です。あなたの家とお隣の家で、同じ時に赤ちゃんが生まれれとします。どちらも一年かけて一歳、二年かけて二歳となっていきます。どちらかが突然大人になるということはありません。……工場ではより早く製品を仕上げられるように努力して、効率よく生産することができますし、実際に競争に勝った工場が高く評価されますれ。そちらの方がお金も儲かります。生きものはそうはいきません。一歳は一歳として大事、二歳は二歳として大事なのであり、それを飛ばしては生きていることになりません。車などの機械は出来上がり、つまり結果で評...便利はとてもよいだろうか

  • 言葉について②

    2.言葉によって分別される言葉によって物事が分別される。「昨日、妻とレストランで昼食を食べた」、今日で、一昨日でもない「昨日」、友人でなく「妻と」、家ではなく「レストラン」で、夕食ではない「昼食を」と言った具合だ。また、言葉の価値(体系における位置づけ)は、他の言葉との差異(関係)、すわなち分別を成立根拠としている。「嬉しい」という語が持つ価値は、その語だけでは規定できない。「楽しい」や「悲しい」「苦しい」「憎い」など、様々な語との差異や関係によって説明される。現実の世界を人間が分節化し、差異を生み出すことで初めて言語の意味を定義することができる。言葉は、現実を分別するだけでなく、「真実/真実ではない」「正しい/正しくない」「美しい/美しくない」など、言葉によって価値観をも分別することができる。アメリカの...言葉について②

  • 言葉について①

    言葉について、来年2月に一時間ほど話す事になっています。まとめたものを抜粋して掲載します。1.言葉には内言・外言がある。言語がもっているこれら2つの働きを,ヴィゴッキ―(Vygotsky,1934)は外言と内言と呼んで区別した。すなわち,声に出してコミュニケーションの道具として用いられる言語を外言と呼び,声に出さずに頭のなかで思考の道具として用いられる言語を内言と呼んだ。ヴィゴッキーは,内言は外言から派生したものだと考え、言語はまずコミュニケーショッの道具(外言)として発生するが,人間の成長・発達の過程で思考の道具(外言)の働きを獲得するのだと考えた。内言は、声には出されるが、コミュニケーションの道具としての働きはもたず、「独り言」のような発話である。内言は3歳から6歳頃にかけて頻繁に出現することが知られ...言葉について①

  • ケヤキの検品

    令和7年に寺院を移転する予定で、現在、本堂他の設計中です。基本設計は出来たので、材木等の契約に入っています。昨日は、群馬のケヤキを専門に扱う商店に「検品」で、仕入れるケヤキの確認に行きました。ケヤキばかり、百本以上を50年から20年寝かせてありました。一枚板のテーブル用ケヤキ板も200枚近くあり、検品とは別に、余りに見事なので230センチほどの一枚板を注文しました。原本なのこれから製材して行きます。まずはテーブルの足をどうするか、設計師に頼みました。板自体は50万円程ですが、仕上がりが楽しみです。ケヤキの検品

  • 第27回 千鳥ヶ淵 全戦没者追悼法要

    古い法話原稿ですが、記録のためにアップしておきます。第27回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要2007年(平成19年)8月18日参拝資料の法話本願寺派布教使西原祐治地球が誕生して四十六億年。当初、地球は微惑星の衝突エネルギーによってマグマの海となり、二酸化炭素やチッソ、水蒸気などのガスに覆われていたといいます。そして少しずつ冷えてくると大気の八割を占めていた水蒸気が雨となって降り注ぎ、海ができ、その水中に生命が誕生しました。神奈川県立生命の星・地球博物館に三十五億年前の地球最古のバクテリアの化石が展示されています。すでに光合成を営み酸素を排出する複雑な構造をもつといわれています。この化石から推測して、生命の歴史は三十八億年とも四十億年ともいわれています。以来、生命の連鎖は、弱肉強食というなかで常に強くあれという方向...第27回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要

  • 自己家畜化

    古い本ですが『無痛文明論』(森岡正博著)からの転載です。このことは、人間が自分自身を家畜にするという意味で、「自己家畜化」と呼ばれてきた。自己家畜化という言葉は、一九三〇年代にE・フオンーアイクシユテットによって提唱された。彼は、人間が、人工環境のもとで、自分自身を家畜のような状態にしていると考えた。その証拠として、人間の身体の形態に、ちょうど家畜と同じような独特の変化が起きていることを指摘した。その考え方は、やがて口―レンツや小原秀雄らに受け継がれた。無痛文明について深く考えるためにも、彼らの自己家畜化論をまず検討しておく必要がある。自己家畜化論を独自の方向に展開させた小原秀雄の著書を参考にしながら、簡単に見ていきたい(小原秀雄『ペット化する現代人』NHKフックスー九九五年/『教育は人間を作れるか』農文...自己家畜化

  • 築地の報恩講

    昨15日は、築地本願寺の報恩講に参拝しました。午前中、テントの何でも相談、法話も20分程聞くことが出来ました。築地の報恩講は、3年ぶりの参拝であったかも知れません。ご法話は、ご講師の話より、その話に耳を傾けるご門徒の姿に、阿弥陀仏のはたらきを実感しました。築地の報恩講

  • ホストコロナの生命哲学

    『ホストコロナの生命哲学』(福岡伸一・伊藤亜紗・藤原辰史著)にあった言葉です。魔女狩りの状況が新聞を賑わせていた最中、私か強く心を動かされたのは、新型コロナウイルスの最初の感染爆発地となった中国・武漢で、封鎖中の口々を綴った日記をネットで公開した作家、方方(フアンフアン)さんの言葉でした。ある国の文明度を測る基準は、どれほど高いビルがあるか、どれほど速い車があるかではない。どれほど強力な武器があるか、どれほど勇ましい軍隊があるかでもない。どれほど科学技術が発達しているか、どれほど芸術が素晴らしいかでもない。ましてや、どれほど豪華な会議を開き、どれほど絢爛たる花火を上げるかでもなければ、どれほど多くの人が世界各地を豪遊し爆買いするかでもない。ある国の文明度を測る唯一の基準は、弱者に対して国がどういう態度を取...ホストコロナの生命哲学

  • 自由とは

    『産経新聞』(2022.11.13)に「信教の自由とは何か」を冨岡幸一郎関西学院大学教授が寄稿されていました。その一部を転載します。(前略)現代日本の「正義」の正体信教の自由とは何か、それは旧統一教会問題を前に今、深く問われるべき問題であろうが、とりわけ「信教の自由」というものの「自由」の正体についてはさらに深く考察されるべきだろう。戦後の日本は個人の自由意志と生存を何よりも重んじ、「自由」「平等」「平和」といった概念を議論の余地のない正義としてきた。最近の「リベラル」思想もその延長線上にあるといえようが、その結果、近年では「ジェンダー」「環境」がその観点から、絶対的な善とされ、誰も反対できない正義とされている。しかし、その一方で自由とは、時に社会に牙をむくものだということも事実である。例えば「言論の自由...自由とは

  • これからの葬儀を考える②

    宗派発行の『宗報』(2022.10月号)にお「これからの葬儀を考える」が掲載されていました。参考になるので転載します。②三、葬儀における僧侶の三つの役割磯部氏は続いて、葬儀における僧侶の役割について社会学における研究成果を整理し、以下の三点を提示されました。さらに、新潟県旧新津市(現新潟市秋葉区)と岐阜県西濃地域における聞き取り調査(上記参照)の結果を踏まえ、具体的に僧侶のどのような行為が葬儀の場において重要な役割を果たしているのかについて述べられました。・「型」の体現者(儀礼論)・死者の「記憶」を共有(記憶論)・「死者と生者」としての関係性の再構築(秩序形成論)「型」の体現者僧侶が読経や法話を行うことは、葬儀を構成する「型」を体現していると認識することができます。すなわち、葬儀の場で僧侶が儀礼を執行する...これからの葬儀を考える②

  • アイデンティティにまつわる不安

    『現代の自殺』(石濱照子)からの転載です。消費社会における変化消費社会は、生産より消費が価値づけられる社会と考えられている。消費社会の台頭は、1960年代の経済の高度皮長期以降からで、1970年代半ばには「消費社会化」が語られるようになり、1990年代には格差社会の進展が指摘されるようになった(佐々木2003)。この「消費社会化」では、伝統や風俗、儀礼や慣行などによって規定された生活の時間を過ごすことがそれ自体の時間的縛りの強さにより忌避され、あるいは失われる。一方、流行現象を伴って推移する現在の時間の流れがすべてであり、永遠に続く現在という感覚に陥っているとも考えられる。さらに、近代以降の産業社会-般の随伴物とも言える永遠の不満が「貪しさ」の中でではなく「豊かさ」の中で、物の所有を超えて、人間の生き方そ...アイデンティティにまつわる不安

  • これからの葬儀を考える①

    宗派発行の『宗報』(2022.10月号)にお「これからの葬儀を考える」が掲載されていました。参考になるので転載します。浄土真宗本願寺派総合研究所では、これまで「葬儀」についてさまざまな視点より調査・分析を行ってきました。その中で問題の中心となってきたのは、「社会状況の変化」が葬儀や墓にどのような影響を与えたのか、そして急激に変化する葬儀や墓に対して私たちはどのように対応すべきなのかです。近年、「葬儀不要論」や「直葬」などの「僧侶を介在しない葬儀」が取りざたされるように、「葬儀」の場における僧侶の存在そのものの必要性が疑問視されるようになってきましたが、変化の著しい現代日本の葬儀において、僧侶が介在する意義はとこにあるのでしょうか。総合研究所では二〇二二年六月に、現代日本の葬送儀礼、特に僧侶介在の意義につい...これからの葬儀を考える①

  • みどりの会

    当寺が経営している墓地(かしわ青光苑)に、「みどりの会」という墓苑を清掃してくださる集まりがあります。毎月、第2第4水曜日の午前中の作業です。その「みどりの会」を中心としたメンバーによるバーベキューが昨日開催されました。昼からのアルコールでした。参加者は20名、新しい人も2名参加。次回は春の花見の会です。みどりの会

  • 「何になりたい」から「どうありたいか」へ

    ForbesJAPAN(フォーブスジャパン)2022年11月号雑誌2022/9/24の記事が紹介されていました。《「何になりたい」から「どうありたいか」へ。》がい、今の流行のようです。以下、紹介記事から。「自分らしさを諦めない!」が新しい成功の法則隠れた才能を生かそう長期休養中のプロバスケットボール選手、靴下を自由に吐きたかった高校生、やっと娘との誕生日会をゆっくり過ごせたエグゼクティブ。小さな「もやもや」はあなたが本当にやりたいことのサインだ。「何になりたい」から「どうありたいか」へ。社会的な地位や名誉よりも、自身の「充足感」を追求すれば、あなたの隠れた才能が発見され、人生が変わるかもしれない。新しい時代の新しい成功の法則を、ユニークなキャリアを追求する人物たちと、東西の豪華有識者と共にお届けする。(以...「何になりたい」から「どうありたいか」へ

  • 合掌してお迎え下さい

    顔なじみの葬儀社職員に「葬儀の導師入場の時、浄土真宗はなぜ、合掌してお迎え下さい」と言わないのですかという質問を受けました。質問を受けて「ということは、浄土真宗以外に所属する宗派の僧侶は、合掌してお迎えくださいなんだ」と思ったことです。そのとき「浄土真宗の葬儀の導師は導師と言っても、名ばかりで、他宗のように引導を渡したり、故人を得度させたりという導師でなく、立場は共に仏徳讃嘆する並みの人だからです」と答えました。その質問を受けて、浄土真宗以外の僧侶は、会うたびに合掌して礼拝してくれる理由が分かった気がしました。それは「僧侶は偉い(尊い)人だと思っているから」ということです。曹洞宗のお坊さんのホームページを見ていたら次の様な文言がありました。「いうまでもなく「導師」とはなにも葬儀など法要・儀式上だけのもので...合掌してお迎え下さい

  • 文化と言語の特性の共進化

    『格差の起源なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか』に、「文化と言語の特性の共通化」と言うことについて、次の様にありました。◆文化と言語の特性の共進化北極の近くに暮らすイヌイットと、ノルウェーやスウェーデンやフィンランドの北極地方に暮らす「サーミ」と呼ばれる先住民族には、異なる種類の雪を表すおびただしい言葉があるという。ひるがえって、雪があまり降らないもっと南で暮らす民族集団には、驚くまでもないが、雪を表すのにそこまで豊かな語彙は発達しなかった。同様に、日差しを多く浴びる社会ほど、その言語は「緑」と「青」をひとまとめにする傾向が強いようで、それは二つの色を識別する能力が低いせいだ。一方、湖の近くに住む人々は、「青」を「緑」から明確に区別する言葉をもっていることが多い。言語は無数の力によって形成される。そう...文化と言語の特性の共進化

  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

    『格差の起源なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか』(2022/9/28・オデッド・ガロー著)を借りてきました。書評からです。30万年近く前にホモ・サピエンスが誕生して以来、人類史の大半で人間の生活水準は生きていくのがぎりぎりだった。それが19世紀以降、平均寿命は2倍以上に延び、1人当たりの所得は世界全体で14倍に急上昇した。世界30カ国で刊行され、このたび邦訳版が発売された経済学者オデッド・ガローの新著『格差の起源なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか』(柴田裕之・監訳、森内薫・訳、NHK出版)は、この劇的な経済成長がいったいなぜ生じたのか、そして、この経済的な繁栄はなぜ世界の一部にとどまり、いまなお国家間に貧富の差があるのかについて考察する。今から数百年前、大半の人の暮らしは、その子孫である現代人の暮...格差の起源なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

  • 虫の音ー雑音

    以前、外国人は虫の音が雑音として聞こえるという話を聞いたことがあります。これは本当のようです。下記転載します。【衝撃】虫の鳴き「声」は日本人にしか聞こえない!?最新研究でわかった外国人との“脳の違い”が誇らしすぎる(2017年4月13日)-エキサイトニュース(excite.co.jp)【衝撃】虫の鳴き「声」は日本人にしか聞こえない!?最新研究でわかった外国人との“脳の違い”が誇らしすぎる次第に暖かくなり、虫の増える季節がやってきた。トカナ読者は虫が好きだろうか?筆者は魔女だが、虫は苦手で、黒魔術の時に生け贄として協力してもらう以外は、なるべく関わることなく共存するよう努めている。さて、虫が好きな読者も嫌いな読者も“虫の鳴き声”は聴いたことがあるはずだ。「そんなの当然、いちいち記事に書くことではないだろう!...虫の音ー雑音

  • 自己肯定感

    『大乗』(2022.11月号)ーフォーカス仏教ライフー執筆原稿です。掲載は無記名ですが。自己肯定感「70億人のオンリーワン」個性の尊重、個人の自由、自尊心、自己表現、自己啓発、自己主張、自己実現、自己宣伝、これらの自己肯定感にかかわる内容は、尊重したい面もあるが、容易に自己中心的な自己愛、いわゆるナルシズムへと転倒する危険性がある。ナルシズムとは、「自己を愛したり、自己を性的な対象とみなす状態を言う。転じて自己陶酔」(広辞苑)とあるが、この言葉は、ギリシャ神話のナルキッソスにもとずいている。ナルキッソスをムーサの山にある泉に行きが水を飲もうと、水面を見ると、中に美しい少年がいた。それはナルキッソス本人だった。ナルキッソスはひと目で恋に落ちた。そしてそのまま水の中の美少年から離れることができなくなり、やせ細...自己肯定感

  • 言語本能

    『進化を超える進化サピエンスに人類を超越させた4つの秘密』(2022・7ガイア・ヴインス著)野中香方子翻訳)、のつづきです。第七章言語からの転載です。言語はどうやって始まったのか人類の祖先は、どのようにして話し始めたのだろう?わたしたちの話し言葉は類人猿の発声から進化したと考える学者もいれば、類人猿の身振り手振りから生まれたと考える学者もいる。最も信憑性が高いのは、その両方の組み合わせから生まれたという説だろう。オーストラリアと北アメリカの狩猟採集社会では、かなり最近まで、複雑で豊富な手話が広く使われていた。たとえば、プレイン・サイン・トーク(平原インディアン手話)は、ヨーロッパ人が侵略する以前、北アメリカの広域で、会話、物語、交易に使われていた。今も世界中で耳の不自由な人々は手話を使っている。二足歩行す...言語本能

  • 物語、22倍以上記憶しやすい

    『進化を超える進化サピエンスに人類を超越させた4つの秘密』(2022・7ガイア・ヴインス著)野中香方子翻訳)、ホモ・サピエンスの並外れた進化は、4つの要素――火、言葉、美、時間――によって推進されたと主張しています。物語と言葉を中心に紹介します。人々が新宗教にハマル大きな要素に、物語が提供されるということがあります。興味を持った部分だけ転載します。仮に、「あの大岩のそばに近づかないようにしなさい卮険ですよ」と言われても、わたしたちはあまり気にかけないだろう。しかし、こう言われたら気にかけずにはいられない。「わたしのいとこがあの大岩のそばに座っていたら、そこを寝床にしているライオンに顔を食われたんだ」物語が文化のメモリーバンクとして機能するのは、事実情報を理解、整理、共有、保存するための、文脈の「基盤」を物...物語、22倍以上記憶しやすい

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、仏教を楽しむさんをフォローしませんか?

ハンドル名
仏教を楽しむさん
ブログタイトル
仏教を楽しむ
フォロー
仏教を楽しむ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用