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2018/07/29

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  • おすすめ動画の機能の弊害

    ネットの弊害を収集指しています。『明日のための現代史―戦後の世界と日本―』(伊勢弘志著)からの転載です。トランプ政権末期になり協調外交路線に修正を試みたが効を奏せず、2020年11月の大統領選挙は民主党のバイテンが勝利した。ところがトランプ陣営は選挙に不正があったとしてバンデイの勝利を認めなかった。トランプが抗議を呼びかけると、支持者は選挙結果を確定させようとする議会を襲撃した。大統領選の最中にネットで陰謀論が流れ、「民主党は財界やハリウッドスターと結託し、影の政府を築いて国際的な児章売春を行っている」などと、途方もない偽情報が広められた。議会を襲撃したトランプ支持者はそうした虚報を信じ込んでいた。コロナでの失業や自粛による閉鎖的な環境の中で、情報が遮断された状態に置かれた市民がSNSの一部の情報だけに影...おすすめ動画の機能の弊害

  • 記念講演でした

    昨2022.10.29は、福岡県の田川で記念講演でした。講演時間は30分、最近学習している言葉の話をしました。28日、小倉入り。友人と会食、そして式当日の記念講演。そして午後11時の帰宅出した。一日中、他の人と居る事に疲れたのは、北九州空港で便が少なく20時間待ちが疲れたのか、変に空白の時間が多すぎて、疲れたのかも知れません。27日は、京都で会議があったので26日は京都一泊、これは帰りの新幹線の2時間が疲れました。隣席に人が居るのに疲れたのだと思われます。30分での記念講演、今から考えると、15分を二つという時間配分で、話の真ん中あたりに、笑いや和む話を挿入して組み立てたてたが良かったようです。記念講演でした

  • われわれがそれを非難するから犯罪なのである

    『社会問題の社会学』(赤川学著)よりの転載です。社会学の始祖のひとりであるエミール・デュルケイムの『社会分業論』のなかに有名な一説がある。「ある行為は社会によって排斥されるからこそ、社会的に悪なのだとしか言いようがない(中略)われわれは、それを犯罪だから非難するのではなくて、われわれがそれを非難するから犯罪なのである。」というのである。有害とみなされている社会状態のすべてが社会問題とされるわけではない。たとえば現代社会では、性差別や人種差別は社会に対して有害だとみなされているが、身長差別はそうではない。ところが、身長の高い人は就職や昇進がしやすく、身長が低い人は、それだけで差別の対象となるという事実がある。その意味で、過酷な身長差別があるといってよいのだが、多くの人は身長による異なる取り扱いを差別(という...われわれがそれを非難するから犯罪なのである

  • それを,真の名で呼ぶならば: 危機の時代と言葉の力

    『それを,真の名で呼ぶならば:危機の時代と言葉の力』(2020/1/30・レベッカソルニット著・渡辺由佳里翻訳)、内容(「BOOK」データベースより)「ものごとに真の名前をつけることは、どんな蛮行や腐敗があるのか―または、何が重要で可能であるのか―を、さらけ出すことである。そして、ストーリーや名前を変え、新しい名前や言葉やフレーズを考案して普及させることは、世界を変える作業の鍵となる。解放のプロジェクトには、新しい言葉を作り出すか、それまで知られていなかった言葉をもっとよく使われるようにすることが含まれている。(以上)著者は、「災害ユートピア」「マンスプレイニング(説明したがる男性のこと)」「ノーマライゼーション」、「採取/搾取主義」「燃やせない炭素」、「ウォーキング・ワイル・ブラック」、「ガスライティン...それを,真の名で呼ぶならば:危機の時代と言葉の力

  • データ管理は私たちを幸福にするか? ⑥

    『データ管理は私たちを幸福にするか?自己追跡の倫理学』(光文社新書・2022/6/14・堀内進之介著)のつづきです。イヌイットがGPSと引き換えに失ったもの最後に収り上げる懸念は、科学技術に依存する私たちの行く末に関するものである。すなわち、次々に開発される便利なツールの使用は、私たちの能力の維持とトレードオフの関係にあるかもしれない。本書では、これを「依存―能力退化」への懸念と呼びたい。その象徴的な事例を紹介しよう。イヌイットは、カナダ北部の寒冷地に住む先住民族として知られている。この土地では、雪や雲の影響によって視界が白一色となる、ホワイトアウトと呼ばれる現象が生じやすい。ホワイトアウトになると視界はゼロになり、方向感覚や高度、地形が分からなくなる。氷床や積雪で地形が変化するため、目印となるような景観...データ管理は私たちを幸福にするか?⑥

  • データ管理は私たちを幸福にするか?⑤

    『データ管理は私たちを幸福にするか?自己追跡の倫理学』(光文社新書・2022/6/14・堀内進之介著)のつづきです。スマホの利用者数の増加は、無論日本でも確認できる。総務省の「令和2年版情報通信白書」によると、二〇一九年時点での個人におけるスマホの保有率は67・6%であり、NTTドコモが行った「2021年一般向けモバイル動向調査」では、日本国内のスマホ・ケータイ所有者のうち「スマートフォンを所有している」とした人は92・8%であったという。実際、いまや離婚は珍しいものではない。厚生労働省の「人口動態統計の年間推計」によれば、二〇一九年の婚姻件数が58万3000組であったのに対して、離婚件数は21万件であり、すでに相対離婚率は35・O%を超えている。家族社会学の権威であるポールーアマートによれば、世界的な相...データ管理は私たちを幸福にするか?⑤

  • データ管理は私たちを幸福にするか? ④

    『データ管理は私たちを幸福にするか?自己追跡の倫理学』(光文社新書・2022/6/14・堀内進之介著)のつづきです。「盲点の窓」を開ける鍵「自分のことは、自分が一番よく分かってる!」。お節介に対しては、こう言い返したくもなる。しかし残念ながら、これは本当では無さそうだ。私たちは本当のところ、自分自身についてはよく知らないからだ。この点に関して、アメリカの心理学者ジョセフ・ルフトとパワー・インガムが、一九五五年に発表した「ジョハリの窓」という心理学のツールは、ちょっとした気づきを与えてくれる。ジョハリの窓では、他者とのコミュニケーションの進め方や、そこでの自己の開示のあり方を考えるために、「自己」を次のように四つの窓に分けている。・開放の窓=「公開されている自己」・盲点の窓=「自分は知らないが他人は知ってい...データ管理は私たちを幸福にするか?④

  • 築地本願寺東久留米会館

    昨23日(日)、築地本願寺東久留米会館の報恩講のご法話での出講ででした。東久留米会館は40年ぶりに行きました。40年前、当時の私は築地本願寺に勤務していた、初めての法話での出講でした。初めてなので、一回通しでお話してみてチャレンジしたことを覚えています。東久留米会館は、東京の東久留米市にあり、光真前門主がまだ新門主のころ、東京で結婚式を執行され、お祝い金を都市開教に役立てて欲しいとのご希望で、そのお祝い金を原資として建立に至ったと聞いています。法話は、言葉について、私としては会ったらしい角度から話せました。来年2月に鹿児島で九州全域の布教使の研修会があり、2日間、私が講義することとなっています。80分と60分ですが、その60分は言葉について話そうと思っています。その内容の一部を、ご法義に絡めて話しました。...築地本願寺東久留米会館

  • データ管理は私たちを幸福にするか? ②

    『データ管理は私たちを幸福にするか?自己追跡の倫理学』(光文社新書・2022/6/14・堀内進之介著)のつづきです。セルフトラッキングとは、以下転載。自分自身の専門家アリゾナ州立大のトーマスーキャトローとポートランド州立大のビリー・サンドバーグは、QSサイトに投稿されたビデオログを研究対象とする中で、「自分自身の専門家」になろうとするセルフトラッカーたちの姿を見出している。ここでは、その中から四つの代表的な事例を取り上げておこう。第一は、健康維持に関して独自の取り組みを行っている、ウィリアムという男性の事例だ。彼は血栓ができることを心配し、食生活の変化が血液凝固度にどのような影響を与えているかを知りたいと考えていた。そこで、彼は食生活を記録し、同時に毎週血液凝固度を検査することにした。その結果、自分の食生...データ管理は私たちを幸福にするか?②

  • SNSと自殺

    本日(2022.10.22)の『読売新聞』社説からの転載です。悩みを抱えた若者どう救うかSNSと自殺自殺願望をSNSに書き込んだ若者が、それを見た人物に誘い出され、命を落とす事件が絶えない。負の連鎖を断ち切らなければならない。横浜市の女子中学生の自殺を手助けしたとして、神奈川県警は、さいたま市の28歳の男を自殺ほう助の疑いで逮捕した。男は、女子中学生がSNSに自殺願望と読み取れる書き込みをしていたのを見つけて接触を図ったという。男は、出会って間もない女子中学生を相模原市の相模湖付近の橋に連れて行ったとされる。女子中学生はこの橋から飛び降りたとみられ、後日遺体で見つかった。女子中学生が自殺をほのめかしたとしても、それを止めるのが大人の役割だ。自殺を後押しするなど、あってはならない。札幌市で女子大学生の遺体が...SNSと自殺

  • エコーチェンバー

    『ソーシャルメディア・プリズム――SNSはなぜヒトを過激にするのか?』(2022/6/3・クリス・ベイル著・松井信彦翻訳)、「SNS上で『仲間』陣営の発言ばかり目にすることで、思想が過激化していく。それはエコーチェンバーや、フィルターバブルと呼ばれる、異論を排除した閉ざされた言論空間の中に置かれることによって生じる現象である」とあります。本には、大勢の米民主党派・米共和党派の人々に協力を依頼し、自分とは異なる意見のツイートばかりをリツイートするボットアカウントをそうとは知らせずにフォローしてもらう。実験前後には丁寧な聞き取り調査も行い、さまざまな度合いの政治的思想の持ち主が、「異なる意見」を一カ月間、目にした結果、どうなったかを調べる。自説に近いものばかり目にするエコーチェンバーを壊し、外側の意見に触れた...エコーチェンバー

  • データ管理は私たちを幸福にするか?①

    『データ管理は私たちを幸福にするか?自己追跡の倫理学』(光文社新書・2022/6/14・堀内進之介著)、図書館の入庫にあった本です。本書は、さまざまな事柄を測量するセンシングという技術と、それによって新たな洞察と解決策を生み出そうとするトラッキングという実践を論じたものである。こうしたテーマを扱う場合、大抵は、ヘルスケアを始めとした自分自身の状態や行動をトラッキングする個人的な実践、いわゆる「セルフトラッキング」に焦点が当てられる。そこでは、セルフトラッキングは自分の健康管理や作業の効率化を図る、ライフハックの一環という位置づけだ。つまり、巧く生きることを目的とする、良くて個人主義的、悪くすれば利己的な実践と見なされている。確かに、カロリー、心拍数、血圧、睡眠などの健康面での管理や、タスク、作業時間、集中...データ管理は私たちを幸福にするか?①

  • イングバード著、宗教の凋落?

    『宗教の凋落?:100か国・40年間の世界価値観調査から』(2021/9/13・ロナルド・イングバード著・山﨑聖子翻訳)世界的な世俗化の加速を生み出しているものは何か?来たるべき未来とは?定量調査データで読み解く新しい信念体系のゆくえ。生存への安心感の高まりが宗教の需要を低下させた。宗教が課してきた生殖・繁殖規範は、ジェンダー平等や同性愛など個人の選択の自由を重視する新しい価値観へと急速にシフトしている。経済格差、民主主義へのコミットメント、出生率の低下、排外主義…定量データから見えてくる社会の潮流とは?世界価値観調査を牽引した碩学の遺著。以下転載です。(1)人は不安定な状況にあると伝統的宗教の予見可能性や絶対的な教えを求めるものであり、歴史を通じて生存は不安定であることが常たった。しかし近代化に伴う繁栄...イングバード著、宗教の凋落?

  • イングルバート③

    『日本人の考え方世界の人の考え方II:第7回世界価値観調査から見えるもの』(2022/8/12・電通総研編集),池田)謙一編集)のつづきです。「文化的進化論」のもう1つのポイントは,価値観の変化には[世代効果]と[経路依存性]があることだ。『古典的近代化論』では、「価値観は時代とともに(世代にかかわらず)変わっていく]が,「若いときはリベラルでも,年をとるにつれて保守的になる」と考える。イングルバートの重要な業績は,世界価値観調査の膨大なデータを検証して,[人は若いときに培った価値観を持ち続ける]という強固な世代効果を確認したことだ。もちろん価値観は,そのときどきの社会・経済的な環境の影響を受ける。それを[時期効果]という。したがって景気低迷期にはどの世代も物質主義的になり,景気が回復すると脱物質主義的に...イングルバート③

  • イングルバート②

    『日本人の考え方世界の人の考え方II:第7回世界価値観調査から見えるもの』(2022/8/12・電通総研編集),池田)謙一編集)のつづきです。「文化的進化論」イングルバートの理論および謌査による検証研究については,さまざまな批判もある一方で,特定の価値観に対して,それが生理的変化によってのみ生じ変化ではなく,社会構造の変化によってもたらされることを明らかにしようとした点て高く評価されている。イングルバートは世界価値観調査のデータをもとに「脱物質主義的価値観」に関する理論に磨きをかけ,『文化的進化論』(2018)を上辞した。人間性を進化的に説明しようとする試みは,ダーウィン以後,長らく忌避される傾向にあった。その背景には,ナチスの優生学を生んだ「社会進化論」への忌避感がある。だがイングルバートは,意図的に「...イングルバート②

  • イングルバート仮説①

    『日本人の考え方世界の人の考え方II:第7回世界価値観調査から見えるもの』(2022/8/12・電通総研編集),池田)謙一編集)を借りて、一番良かったのは、イングルバート仮説を知ったことです。以下転載です。アメリカの政治学者ロナルド・イングルバート(1934年9月5日-2021年5月8日)による仮説―「脱物質主義的価値観」へ世界カルチュラルマップは,世界価値観調査の創始者であるインクルバートの仮説を検証するために原型が作成され,後にクリスチャン・ウェルツェル(ロイファナ大学リューネブルク)とともに修正・発展させたものである。イングルバートが立てた仮説は次のようなものであった。それは,アブラハ・マズローの[欲求階層論]とダニエル・ベルの「政治世代論」と[脱工業化社会論]の3つの理論のユニークな総合と言われる...イングルバート仮説①

  • 日本人の考え方 世界の人の考え方

    『日本人の考え方世界の人の考え方―第7回世界価値観調査からみえるもの』(2022/8/12・電通総研、池田謙一)からの転載です。2019年第7回調査勤勉な日本人というイメージは,20世紀に育まれた強いステレオタイプだが,勤勉さに関わる「仕事]や[働く]ことの意識は変化しただろうか。日本人にとって生活の中で「仕事が重要」だと考える人の割合は,2010年までの8割台半ばから2019年には4ポイントほど下がり,8割ぎりぎりとなった。下がってはいても,大半の市民は重要だと思っているのだからやはり勤勉なのだな,と思われるかもしれない。しかしその位置づけは世界最低レベルである(71位/77か国中)。「余暇時間が減っても仕事第一に考えるべき」という意見に反対する人びとも世界第2位と高いのだから,この点は、」一貫している...日本人の考え方世界の人の考え方

  • 元アスリートが心の健康

    2022.10.10、体育の日、NHKテレビで「元アスリートが心の健康語る動画配信世界メンタルヘルスデー」の放映がありました。2022年10月10日元アスリートが心の健康語る動画配信世界メンタルヘルスデー NHK 医療からの転載です。この動画は厚生労働省が企画したもので、競泳の元日本代表でリオデジャネイロオリンピックで金メダルを獲得した萩野公介さんやバレーボール元日本代表の大山加奈さんら4人の元アスリートが、対談形式でみずからの経験などを話しています。萩野さんは心の不調などを理由に2019年におよそ3か月間、競技から離れ休養していて「オリンピックで1番をとって純粋に速さを競う世界が終わった瞬間、なんで泳いでいるんだろうと思い始めるようになった。東京オリンピックの前などは部屋から出られなかったり眠れなくなっ...元アスリートが心の健康

  • 言葉は経験を生み出す④

    「言葉が経験を生み出す」のつづきです。随分事前、寺報に執筆した文章です。お浄土でお会いしましよう昨年、築地別院報恩講が終わった翌日(十一月十七日)「お説教拝受についてのお願い」という手紙が私の元に届いた。文面には「五十一歳の会社員Kと申す者、末期がんで余命数ヵ月。九月に余命数力月と告げられ、浄土真宗の本をむさぼるように読んでいるが、このまま命終わらせてよいのか不安であり、一度でよいから説教を拝受したい」(意趣)という内容であった。翌々日、私自身の法話を録音したものと数冊のお念仏の本を持って、電車で二時間半の距離にある病院へ赴いた。病室に伺うと、喉頭癌で、昨年の八月より声を失っているとのことで、筆談での会話である。枕元には、仏教書が置かれ、小さな個室は、念仏の道場のように思われた。私は、短い会話の中で、仏様...言葉は経験を生み出す④

  • 言葉は経験を生み出す③

    言葉は経験を生み出すのつづきです。少し拡大解釈かも知れません。“念仏でタバコ止めました”。何度か紹介した話です。産経新聞のコラムをまとめた『脱常識のすすめ』(探究社刊)からの転載です。禁煙私は念仏によってタバコを止めたという経験があります。それは学生の頃、ある本を読んでいた時に起こりました。「隠れ念仏」という史実をご存じでしょうか。鹿児島を中心とする旧薩摩藩では、慶長二年(1598)以来、明治九年(1876)に至るまで、浄土真宗の念仏を禁止するという宗教統制が行われたのです。禁を犯す者は、斬首、はりつけ・火あぶり等の極刑に処せられ、あるいは逆さずりや、石責めなどの過酷な拷問にかけられたと伝えられています。天保年間の弾圧だけでも藩内十四万人が検挙され、難を逃れ藩外に逃れた者は一夜だけでも2804人に及ぶと史...言葉は経験を生み出す③

  • 言葉が経験を生み出す②

    前回同様、池上嘉彦著ですが、『ことばの詩学』よりの転載です。言葉が経験を生み出すこの点に関して、もう」スぜひつけ加えておかなくてはならない点があります。新しい、日常の枠を越えた経験が、新しい、日常の枠を破った詩的な表現を生み出すということはすでに述べました。しかし、実は詩ではその逆も起こるということです。つまり、日常の枠を破った新しい表現が目常の枠を越えた新しい経験を生み出すということです。このことは、言葉遊びやナンセンス詩と呼ばれるものにおいて典型的に見られます。(以上)これは信仰体験でも言えることでしょう。念仏との出遇いによって、新しい????を体感するということがあります。“念仏でタバコ止めました”。何度か紹介した話です。産経新聞のコラムをまとめた『脱常識のすすめ』(探究社刊)からの転載です。禁煙私...言葉が経験を生み出す②

  • 言葉が経験を生み出す①

    『意味の世界―現代言語学から視る』(池上嘉彦著)、昭和53年刊の古い本ですが、興味深い事が記されていました。言語に対する現代的な関心は、このような手段、道具としての言語という見方を越えた認識が持たれるところから始まる。おそらく三つの面が考えられよう。まず第一に、言語は単にわれわれの思想、感情の表現の手段というようなものではなく、それを使う人たちの文化をその中に反映し、場合によっては、ある言語を使うということによってわれわれのものの見方なり思考なりが、その言語の構造に従ってある特定の方向へ規定づけられているのではないかということ。第二に、単なる手段として言語を眺めるということを止めて回路そのものの働きにもっと注目すれば、言語が意味を表わすのではなくて、むしろ意味が言語によって作り出されるというのが言語の本質...言葉が経験を生み出す①

  • 意味の世界

    『意味の世界―現代言語学から視る』(池上嘉彦著)、昭和53年刊の古い本ですが、興味深い事が記されていました。言語に対する現代的な関心は、このような手段、道具としての言語という見方を越えた認識が持たれるところから始まる。おそらく三つの面が考えられよう。まず第一に、言語は単にわれわれの思想、感情の表現の手段というようなものではなく、それを使う人たちの文化をその中に反映し、場合によっては、ある言語を使うということによってわれわれのものの見方なり思考なりが、その言語の構造に従ってある特定の方向へ規定づけられているのではないかということ。第二に、単なる手段として言語を眺めるということを止めて回路そのものの働きにもっと注目すれば、言語が意味を表わすのではなくて、むしろ意味が言語によって作り出されるというのが言語の本質...意味の世界

  • 新宗教を問う②

    『新宗教を問う:近代日本人と救いの信仰』(ちくま新書・2020・島薗進著)のつづきです。精神世界とスピリチュアリテイでは、新宗教に向かっていた人々の心は、どのような方向へと向きを変えているのだろうか。第11章の末尾では、一九七〇年代から「精神世界」に対する志向が広まり「スピリチュアリティ」とか「霊性」といわれるもの、あるいは「癒やしの思想」とされるものへと人々の関心が移っていったことについて触れた。この章では、こうした「救済以後」の動向、つまりは「新宗教以後」の精神文化の動向について見ていきたい。本の書店で初めて「精神世界」というセクションができだのは1978年である。「精神世界」という語は翻訳語ではなく、日本でつくられたものだ。「宗教」と関わりが深いが、今や過去のものとなりつつある組織的「宗教」と異なり...新宗教を問う②

  • 現実を直視しない日本

    『産経新聞』(2022.10.4)「正論」に龍谷大学の利そう李相哲氏が「現実を直視しない日本が心配」と日本人への憂いを執筆していた。その中に次の様な記述があった。私は、学生に対し「一年だけ死ぬほど頑張って、外国語一つでもマスターすれば人生が変わるよ」ということもあるが、「なぜ変えるんですか」と反問される。おそらく多くの日本人は人生を変える必要性を感じないはずだ。その潜在的意識には、日本は永遠に今のように平和で安全、少々努力すれば食うに困ることはない、病気で治療を受けられない心配もない国であり続けるという前提がある。(以上)日本の現状が良く理解出来る話だと思った。現実を直視しない日本

  • 新宗教を問う①

    最近、1990年頃から新宗教の信者数が減少していることと、「希望の達成」という高度経済成長時代の価値観の変転は関係あるのではないかと思っていました。『新宗教を問う:近代日本人と救いの信仰』(ちくま新書・2020・島薗進著)に、その当りのことが記されていたので、その部分だけ転載します。一九世紀中葉から二〇世紀にかけて、救済宗教において現世肯定的な傾向が以前より強くなっているのは日本だけのことではなく、世界的な傾向だろう。その中で、日本の新宗教はとくにその傾向が強い。これは資本主義による経済成長と大いに関わっていると思われる。多くの人がこの世つまり大きな幸せを得られるような方向で生活が変化していく、その希望とともに生きるという経験は、現世救済の主張と相性がいい。そして人々の横の仲問的なつながりがそれらを下支え...新宗教を問う①

  • 生きる意味が明らかになる

    大乗10月号掲載の「フオーカス仏教ライフ生きる意味が明らかになる」。執筆者無記名ですが私の執筆です。現代社会の閉塞感の根底に「生きる意味の喪失」があるといわれている。生きる意味の喪失とは「むなしい」ということだろう。世間では、むなしさの体験は、無意味なできごとだが、仏教の視点から見ると、無常と同様に、真実なものからのはたらきかけであり、より確かな存在に出遇う機縁ともなる。天親菩薩は「仏の本願力を観ずるに、遇ひて空しく過ぐるものなし」(『浄土論』)と仰せになっている。つまり現代ほど浄土真宗が、求められている時代はないとも言える。ところで、私の世界は私の認識によってたもたれている。だから、子どもの時の私の世界と今の私の世界では、異質の世界を生きている。仏の世界は、お覚りの体験によって開かれていく世界。その覚り...生きる意味が明らかになる

  • 不安⑦

    『不安の哲学』(岸見一郎著・2021年6月1日刊)のつづきで、これで終了です。クセントリックな人生を生きよ一度、災害や事故に遭ったり、病気になったりして、覆われていた現実を知ってしまうと元に戻ることはできません。中には大病をしても、よくなればすっかり元の生活に戻ってしまい、病気をしたことなど深い忘却の底に沈んでしまったかのように見える人心いますが、そんな人も病気になった時に垣間見ることになった死を慰戯によって忘れようとしているのです。イタリアの作家パオロ・ジョルダーノは「大きな苦しみが無意味に過ぎ去ることを許してはいけない」といっていますが(『コロナの時代の僕ら』)、病気になることや病気になるかもしれないという不安の中に生きることに意味があるとすれば、それまでとは人生につて違った見方ができることです。安住...不安⑦

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