アンギオポエチン様3(ANGPTL3)は、リポ蛋白および内皮リパーゼを阻害し、トリグリセリドに富むリポ蛋白残渣の肝への取り込みを阻害します。ANGPTL3欠損機能保有者は、非保有者に比べて、トリグリセリド、低比重リポ蛋白(LDL)コレステ…
現役の薬剤師が論文情報や情報の活用法についてご紹介します.
猫になりたい薬剤師と申します🐈 とっつきにくい論文,しかしその情報は有益であり,日常業務にも活かすことができます. 気軽に,気楽に,論文情報が活用できるよう,要点をご紹介していきます♪ 分からないことがあれば,お気軽にお問合せください.
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急性期虚血性脳卒中に対する血管内血栓除去術後の集中的な血圧管理は機能回復を妨げる?(PROBE法; ENCHANTED2/MT試験; Lancet 2022)
急性虚血性脳卒中に対する血管内血栓除去術後の最適な収縮期血圧のコントロール目標値は不明です。そこで今回は、血管内治療による再灌流後に血圧が上昇した患者を対象に、より集中的な治療目標とより低い治療目標による血圧低下治療の安全性と有効性を比較したENCHANTED2/MT試験の結果をご紹介します。中国…
おくるみは股関節異形成不全リスクを増加させる?(RCT; BMC Pediatr. 2021)
モンゴルの伝統的な乳幼児の産着(おくるみ、swaddling、スワドリング)は、手足を伸ばし、股関節を内転させるため、股関節の成熟と形成に異常をきたし、股関節の発達異常(DDH)の一因となる可能性があります。しかし、おくるみとDDHリスクについては充分に検討されていません。そこで今回は、おくるみの…
血圧を低下させると認知症の発症を予防できますか?(個人データのメタ解析; Eur Heart J. 2022)
観察研究では、高齢者における血圧と認知症発症のU字型関連が示されていますが、高血圧患者における血圧低下治療に関するランダム化比較試験では、このアウトカムに関する結果が一貫していないことが示されています。そこで今回は、認知症予防のための血圧低下治療の効果について検証した5件の主要なランダム化二重盲検…
アスピリン使用中の高齢患者におけるヘリコバクター・ピロリ除菌は消化性潰瘍出血を予防できますか?(RCT; HEAT試験; Lancet 2022)
アスピリン投与患者における消化性潰瘍は、Helicobacter pylori(H pylori)感染と関連していることが報告されています。しかし、ピロリ除菌によりアスピリン誘発の消化性潰瘍を予防できるのかについては明らかとなっていません。そこで今回は、H pylori除菌がアスピリンに関連する潰…
コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の治療における亜鉛投与の効果はどのくらい?(DB-RCT; Clin Infect Dis. 2022)
亜鉛の補給は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する潜在的な治療法と考えられています。しかし、充分に検討されておらず、また結果の一貫性は示されていません。そこで今回は、COVID-19感染症の成人患者における亜鉛の有効性を検討した二重盲検ランダム化比較試験の結果をご紹介します。本試験は…
認知症患者の死亡率に対するコリンエステラーゼ阻害剤の効果はどのくらいか?(RCTおよび非RCTのメタ解析; Neurology. 2022)
コリンエステラーゼ阻害薬は認知症患者の死亡リスクに影響するのか?コリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)は神経作用に加えて心血管系への作用があり、死亡率を変化させる可能性がありますが、充分に検討されていません。そこで今回は、ChEIによる治療が
急性心不全患者におけるポイントオブケアは、通常ケアと比較して死亡リスクを低減する?(段階的ウェッジクラスターRCT; COACH試験; N Engl J Med. 2022)
急性心不全の患者は、有害事象リスクが不明であることや迅速なフォローアップの選択肢が充分でないことから、頻繁にあるいは計画的に入院させられています。臨床医が患者を退院させるか入院させるかの判断を支援する戦略を用い、外来診療での迅速なフォローアップと組み合わせることが転帰に影響を与えるかどうかはまだ不…
頭頸部癌に対するがん休眠療法(メトロノミック療法・低用量抗がん剤治療)の効果はどのくらい?(RCT; J Clin Oncol. 2022)
進行性頭頸部扁平上皮癌の治療に承認されているレジメンは、その費用の問題から、中低所得国の患者の1~3%しか利用できていません。以前の研究では、がん休眠療法(メトロノミック療法・少量あるいは低用量抗がん剤治療)がこの環境における頭頸部癌患者の生存率を改善しました。また、レトロスペクティブデータでは、…
カナグリフロジンの心血管系への影響は腎機能やアルブミン尿により異なりますか?(CANVAS・CREDENCEのプールデータ; J Am Coll Cardiol. 2022)
2型糖尿病(T2DM)患者は、心不全による入院(HHF)を含め、心血管(CV)リスクが高いことが報告されています。CANVAS(CANagliflozin cardioVascular Assessment Study)プログラムおよびCREDENCE(Canagliflozin and Rena…
降圧薬の服薬アドヒアランスが良いと脳卒中後の心血管イベントおよび転倒のリスクを低減できる?(後向きコホート研究; PRECISE試験; Hypertension. 2022)
脳卒中後の転倒リスクを増加させることなく、降圧剤が主要な有害心血管イベント(MACE)を回避するのに役立つかどうかに関する実環境でのエビデンスは限られています。そこで今回は、脳卒中後のMACEおよび入院を要する転倒の発生率と降圧薬のアドヒアランスとの関連について検討した後向きコホート研究の結果をご…
学校におけるユニバーサル・マスクの解除はCOVID-19の発生率を増加させる?(N Engl J Med. 2022)
2022年2月、米国マサチューセッツ州は公立学校における全州共通のマスク政策を撤回し、マサチューセッツ州の多くの学区がその後の数週間のうちにマスク装着要件を解除しました。ボストン地区では、ボストン地区と近隣のチェルシー地区の2学区だけが、2022年6月までマスク装着要件を維持しました。マスク装着義…
小児において週21時間以上ビデオゲームをすると認知能力が向上する?(症例対照研究; JAMA Netw Open. 2022)
ビデオゲームと小児の攻撃的行動の関連については、過去の個々の攻撃性を考慮した上で、ほとんどの研究において、その後の攻撃的行動の増加と関連していることが示されていますが、ビデオゲームと認知能力との関連については、研究結果が分かれています。そこで今回は、思春期脳認知発達(ABCD)研究のデータを用いて…
血液透析中の心房細動患者に対する出血リスクにおいてアピキサバンとワルファリンに違いはありますか?(PROBE; RENAL-AF試験; Circulation. 2022)
血液透析を受けている心房細動を有する末期腎不全(ESKD)患者における脳卒中予防のためのアピキサバンの安全性や有効性を評価したランダム化比較試験のデータは限られています。日本において、透析患者へのアピキサバン(商品名:エリキュース)使用は承認されていません(2022年11月3日時点)。そこで今回は…
腎臓アウトカムに対するSGLT2阻害剤の効果は疾患や腎機能により異なりますか?(メタ解析; Lancet 2022)
グルコース共輸送担体-2(SGLT2)阻害薬は、心不全や慢性腎臓病、あるいは2型糖尿病で動脈硬化性心血管病のリスクが高い患者において、腎臓や心血管系の有害事象のリスクを低減することが大規模試験により明らかにされています。糖尿病患者を対象とした臨床試験では、糖尿病患者以外の患者を対象とした転帰を個別…
英国における心不全および鉄欠乏症患者に対するデリソマルトース第二鉄の静脈内投与の効果はどのくらい?(PROBE; IRONMAN試験; Lancet 2022)
心不全、左室駆出率低下、鉄欠乏症の患者に対して、カルボキシマルトース第二鉄(商品名:フェインジェクト)の静脈内投与は、短期的にQOLと運動能力を改善し、1年以内の心不全入院を減少させることが報告されています。しかし、デリソマルトース第二鉄静注(商品名:モノヴァー)の効果については充分に検証されてい…
ペマフィブラートは心血管リスクを低減できますか?(DB-RCT; PROMINENT試験; N End J Med 2022)
トリグリセリド(中性脂肪)高値は心血管系リスクの上昇と関連している可能性が指摘されていますが、単独リスクとしての中性脂肪の高知が心血管リスクとなるのかについては一貫した結果が得られておらず議論が分かれています。また、中性脂肪を低下させることで心血管系イベントの発生が抑えられるかどうかは不明です。選…
慢性腎障害に対するエンパグリフロジンの効果はどのくらいですか?(DB-RCT; EMPA-KIDNEY試験; N Engl J Med. 2022)
ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)2阻害薬は、尿中に糖を排出し、血糖を低下することから2型糖尿病の治療薬として使用されています。2型糖尿病は様々な合併症を引き起こし、患者の予後を悪化させます。また、SGLT2阻害薬は2型糖尿病の他、心不全や慢性腎臓病に対しても有効性が示されています。しかし…
進行した慢性腎臓病患者においてACE阻害薬は中止した方が良いのか?(Open-RCT; STOP ACEi試験; NEJM 2022)
レニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬(アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)など)は、軽度または中等度の慢性腎臓病の進行を遅らせます。しかし、いくつかの研究結果から、進行した慢性腎臓病患者におけるRAS阻害剤の中止は、推定糸球体濾過量(eGFR)を増…
アンジオテンシン変換酵素阻害薬が市中肺炎の入院と死亡を減少させる?(コホート研究; Pharmacotherapy 2022)
肺炎は世界的な疾患であり、入院を長期化させる一般的な理由となっています。アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEi)には肺炎を抑制する作用があると考えられていますが、その効果の一貫性は示されてなく、意見が分かれるところです。そこで今回は、神経学的障害のある患者群において、ACEiによる肺炎の改善効果…
小児急性感染性結膜炎の罹患期間に対するモキシフロキサシン点眼薬の効果は?(RCT及びメタ解析; JAMA Netw Open. 2022)
急性結膜炎は、小児によく見られる感染症で、通常、細菌によって引き起こされます。この疾患に対して、医師は抗生物質を処方しますが、小児患者におけるその有効性に関するエビデンスは限られており、相反するものです。Gigliottiらは、小児の急性結膜炎を対象とした最初のランダム化試験で、抗生物質の局所投与…
米国における中等症および重症COVID-19成人に対するワクチンの効果減弱と追加免疫の効果は?(試験陰性症例対照研究; VISIONネットワーク; BMJ. 2022)
BNT162b2(ファイザー・バイオンテック)およびmRNA-1273(モデナ)ワクチンのランダム化試験では、成人においてCOVID-19に対する94~95%の予防効果を示し、入院を要するCOVID-19に対する有効性が示唆されました。2020年12月にこれらのワクチンが導入されて以来、ワクチン接…
2型糖尿病における尿路感染症および性器感染症のリスクに対するDPP4阻害薬 vs. SGLT2阻害薬(NWM; Adv Ther. 2021)
ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)阻害薬とナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬は、低血糖のリスクが低いため、T2DM患者にしばしば使用されてきました。しかし、DPP4阻害薬やSGLT2阻害薬は、感染症リスクを高める可能性があります。そこで今回は、2型糖尿病患者における2つの新しい…
乳幼児期の川崎病発症に関連する暴露因子には何がありますか?(日本の前向きコホート研究; JECS試験; Sci Rep. 2021)
川崎病(KD)は、主に乳幼児に発症する急性の全身性血管炎です。未治療の場合、KD患者の約25%が冠動脈瘤を発症するといわれています。KDは、先進国における小児後天性心疾患の主要な原因となっています。冠動脈瘤を発症したKD患者は虚血性心疾患のリスクがあり、長期の抗凝固療法が必要となります。KDは、遺…
家庭血圧は非弁膜症性心房細動を有する高齢患者において脳卒中/出血イベントのリスクを予測できますか?(日本のコホート試験; ANAFIE試験; Hypertension. 2022)
心房細動(AF)は虚血性脳卒中の主要な危険因子であり、高齢者の生命予後に影響を与えます。心房細動の発生率および有病率は、年齢とともに増加します。ANAFIE (All Nippon AF in the Elderly) Registryは、75歳以上の非弁膜症性心房細動 (NVAF) を有する高齢…
軽症から中等症のCOVID-19外来患者における回復持続時間に対してイベルメクチンは有効ですか?(RCT; ACTIV-6試験; JAMA. 2022)
COVID-19治療は進歩していますが、特に外来での追加治療が必要となります。高所得国の高リスク者に対しては、新規の経口抗ウイルス薬が認可されていますが、ワクチン接種者におけるこれらの薬剤の有効性は不明であり、世界的に入手が制限されています。米国では、高リスクでない個人に対しては、現在COVID-…
インフルエンザによる入院または死亡の予防において、吸入ザナミビルと経口オセルタミビルどちらが優れていますか?(人口ベースコホート研究; Clin Infect Dis. 2022)
ランダム化比較試験の患者個人データのメタ分析によると、インフルエンザに対する早期のオセルタミビル治療により、肺炎と入院のリスクがそれぞれ44%と63%減少しました。しかし、吸入ザナミビルの入院と死亡の予防効果に関するデータは不足しています。そこで今回は、インフルエンザの臨床診断後48時間以内に吸入…
2型糖尿病におけるSGLT2阻害剤の使用は尿路感染症や性器感染症のリスクとなりますか?(SR&MA; Sci Rep. 2017)
グルコース共輸送担体-2(SGLT2)阻害剤は、2型糖尿病(T2DM)患者に対する最新の糖質低下薬の一つです。SGLT2阻害剤は、腎臓のグルコース排泄閾値を低下させ、尿中グルコース排泄量を増加させることにより、血糖降下作用を発揮します。また、ランダム化比較試験のメタ解析により、低血糖を引き起こすこ…
児童のマスク着用は手指と顔面の接触回数に影響しない?(シミュレーションRCT; Back-to-School COVID-19 Simulation試験; JAMA Pediatr. 2022)
地域環境におけるフェイスマスクの使用は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型(SARS-CoV-2)の感染とCOVID-19の発生を抑えるために用いられる公衆衛生対策の重層的アプローチに不可欠です。しかし、子供や学校でのフェイスマスクの使用は、利害関係者が潜在的な利益と否定的な結果をどう判断する…
駆出率低下型心不全(HFrEF)におけるリラグルチドの有害事象のリスクはどのくらいですか?(FIGHT試験の事後分析; Diabetes Obes Metab. 2022)
グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1RA)は、血糖コントロールおよび体重減少、血圧低下、脂質プロファイル改善を促進する薬剤群です。ランダム化比較試験(RCT)において、GLP-1RAは、心血管リスクの高い2型糖尿病患者における主要な有害事象(MACE)リスクを減少させることから、現在の…
心房細動・心臓弁膜症患者におけるアピキサバンとリバーロキサバン、どちらが良さそうですか?(傾向スコアマッチ・人口ベースコホート研究; Ann Intern Med. 2022)
心房細動(AF)と心臓弁膜症(VHD)を有する患者には、アピキサバンとリバーロキサバンがよく使用されていますが、これらの患者における2剤の比較検討は限られています。そこで今回は、心房細動と心臓弁膜症患者におけるアピキサバンとリバーロキサバンの有効性と安全性を比較検討した傾向スコアマッチ・人口ベース…
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アンギオポエチン様3(ANGPTL3)は、リポ蛋白および内皮リパーゼを阻害し、トリグリセリドに富むリポ蛋白残渣の肝への取り込みを阻害します。ANGPTL3欠損機能保有者は、非保有者に比べて、トリグリセリド、低比重リポ蛋白(LDL)コレステ…
アテローム性動脈硬化症による急性軽症虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)患者における二次的脳卒中予防および神経保護に対する即時集中スタチン療法と遅延集中スタチン療法の比較は限られています。脳梗塞急性期のスタチン投与は、インターロイ…
高齢者の経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention, PCI)後の二重抗血小板療法(dual antiplatelet therapy, DAPT)の至適期間は不明です。そこで今回…
メトホルミンは広く用いられており、特に海外では妊娠糖尿病に使用可能であり、母体の体重増加や妊娠高血圧症候群、児の新生児低血糖のリスクを低減することが報告されています(注意:日本の添付文書においては妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投…
肥満は世界的な公衆衛生の問題になっており、中国は世界で最も多くの罹患者を抱えていることが知られています。持続性GIP/GLP-1受容体作動薬であるチルゼパチドは、副作用として紹介症状や体重減少をもたらしますが、肥満患者における有効性・安全…
混合型高脂血症患者では、中性脂肪(トリグリセリド、トリグリセライド)に富むリポ蛋白中の残存コレステロールに起因する非高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値の上昇により、アテローム性動脈硬化性心血管系疾患のリスクがあります。トリグリセリド…
心不全(HF)の基本的な治療薬として、β遮断薬、ACE阻害薬/ARB、そしてミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MA拮抗薬)が使用されていますが、腎機能障害の併存は、しばしば救命のためのHF治療の開始や継続を躊躇させます。そこで今回は、著し…
慢性腎臓病、2型糖尿病、高血圧(the kidney-dysfunction triad; 腎機能障害の3要素)を有する患者に対する有効な治療法があるにもかかわらず、この集団における死亡や合併症のリスクを減少させるためのガイドラインに沿っ…
シスプラチンは様々ながんに対する有効な第一選択療法です。シスプラチンは催吐性が強く、その結果生じる体液量の減少は急性腎障害(acute kidney injury, AKI)リスクの一因となります。この合併症を予防するために、5-ヒドロキ…
小児期の長期間にわたる短時間睡眠は、精神病の発症を含む長期的な精神的健康に有害な影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらの関連性の潜在的な基礎となる機序は依然として不明です。そこで今回は、小児期の持続的な夜間睡眠時間の短縮と、24歳時…
リラクゼーション介入による母乳保育の効果は? 母乳保育は、乳児と母親・両親の健康を最適化するための重要な公衆衛生目標ですが、世界の授乳成績は推奨される授乳期間と排他性を満たしていません。また、授乳と精神的健康の関連性が報告されていますが、リ
75歳以上の成人における心血管疾患(CVD)および全死亡の一次予防にスタチンを使用することについては、ランダム化比較試験におけるこの集団の割合が低いため、ほとんどコンセンサスが得られていません。そこで今回は、高齢者(75~84歳)および超…
COPD患者に対するβ1選択的遮断薬ビソプロロールの影響は? 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は世界的に罹患率と死亡率の主要な原因です。観察研究では、β遮断薬の使用はCOPD増悪リスクの低下と関連する可能性があると報告されています。しかし、最近
変形性膝関節症は障害をもたらしますが、有効な治療法はほとんどありません。クリルオイル(オキアミ油)のサプリメントは膝の痛みを改善することが予備的に示唆しましたが、変形性膝関節症に対する効果は不明です。そこで今回は、著しい膝関節痛と滲出液-…
頭痛はプロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用に伴う有害事象です。近年、片頭痛がPPI使用に伴う潜在的有害事象としてより具体的に浮上してきました。しかし、実臨床における検証は充分ではありません。そこで今回は、既存のデータを活用し、片頭痛および…
尿路感染症(UTI)の生涯罹患率は女性で50%以上である。尿路感染症の臨床的、生理的、生活習慣的な危険因子は多岐にわたりますが、トイレ後の肛門や会陰の衛生習慣、特にトイレットペーパーで拭く方向と尿路感染症の危険性との正確な関係はまだ調査さ…
アセトアミノフェン(パラセタモール)には、無細胞ヘモグロビンによる脂質やその他の基質の酸化を抑制するなど、敗血症に有益と思われる多くの薬理作用がありますが、その効果については充分に検証されていません。そこで今回は、アセトアミノフェンがプラ…
2型糖尿病患者において、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬とナトリウムグルコース共輸送体-2(SGLT-2)阻害薬の併用が、どちらか一方の薬物クラスのみの併用と比較して、主要有害心血管イベントおよび重篤な腎イベントのリスク…
スチュワードシップ(Stewardship)とは本来、管理運用、管理責任などの意味を有していますが、こと医療においては、抗菌薬の適正使用推進を指します。多剤耐性菌の発生を防いだり、資源として確保したり、今ある抗菌薬を適切に大事に使ってもら…
2型炎症を伴うCOPD患者におけるデュピルマブの有用性はどのくらいなのか? デュピルマブは、2型炎症の主要かつ中心的な促進因子であるインターロイキン-4とインターロイキン-13の共有受容体成分を遮断する完全ヒト型モノクローナル抗体です。 慢
COVID-19の収束は困難であり、インフルエンザなどの感染症と同様に共生していくことが求められています。COVID-19の特徴としてコロナ後遺症(long-COVID、post-covid-19 condition)があげられます。しか…
入院中の高齢者における血圧管理は厳格な方が良いのか?無症状の血圧上昇は入院中の高齢者に多いものの、入院中の血圧上昇の臨床管理には広範な異質性が残存しています。したがって、集中的な血圧の管理による患者転帰への影響についてさらなる検証求められて
帝王切開分娩時のトラネキサム酸の予防的使用は理論上、出血量を減少させることが示されていますが、輸血の必要性や母体死亡リスクへの影響は不明です。そこで今回は、米国の病院31施設で帝王切開分娩を受けた患者を、臍帯クランプ後にトラネキサム酸を投…
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と帯状疱疹との関連性が報告されていますが、SARS-CoV-2感染からの回復後の帯状疱疹の長期リスクは不明です。そこで今回は、COVID-19患者における帯状疱疹リスクを評価したレトロスペクティ…
アトピー性皮膚炎(AD)と複数の心血管疾患との関連は、慢性全身性炎症に関する病態機序と血管への影響の可能性から調査されてきました。しかしながら、成人期におけるADと静脈血栓塞栓症(VTE)発症との関連はほとんど知られていません。そこで今回…
骨粗鬆症の治療法として最も広く用いられているのが抗骨吸収剤です。デノスマブは、核因子κB(eceptor activator of nuclear factor κ, RANK)リガンド(RANK ligand, RANKL)に対するヒト…
CYP2B6遺伝子多型がクロピドグレルに及ぼす影響はどのくらいか?In vitro試験において、クロピドグレルの薬物代謝酵素としてCYP2C19、1A2、2B6、2C9、そして3A4/5が関与していると報告されています(Drug Metab
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の全体的な拡散には、特にエアロゾルと呼ばれる小さな粒子を介した空気感染が重要であることを示す証拠が増えつつあります。しかし、SARS-CoV-2の感染に対する学校環境の寄与はまだ…
脳卒中の発生予防のために抗凝固療法が実施されますが、実施タイミングの比較に関するエビデンスは充分ではありません。そこで今回は、急性虚血性脳卒中を発症した心房細動患者における直接経口抗凝固薬(DOAC)の投与開始時期が早い場合と遅い場合の効…
骨粗鬆症に対する基本的治療薬としてビスホスホネート系薬が使用されており、診療ガイドラインにおいても第一選択薬とされています。比較的新しい治療薬として骨同化薬であるアバロパラチドやロモソズマブが挙げられますが、閉経後女性の骨折リスク低減に対…
早期の重症呼吸器シンシチアルウイルス(respiratory syncytial virus, RSV)感染は、小児期の喘息疾患の発症と関連している可能性が報告されています。しかし、この関連性の検証は充分ではありません。そこで今回は、乳幼…
ピーナッツアレルギー患者に対する表皮免疫療法の効果は?幼児、小児の食物アレルギーの原因として、卵、牛乳、小麦、ピーナッツなどが挙げられます。米国ではピーナッツバターの使用量が多く、ピーナッツ(落花生)は関心の高いアレルゲンの一つです。日本に
慢性腎臓病(CKD)患者における腎機能の縦断的な軌跡は、心血管イベントと関連していることが報告されています。しかし、CKDを有さない患者における腎機能の変化パターンは、まだ報告されていません。そこで今回は、CKDを有さない集団における腎機…
五十肩の管理については、これまで多くの治療戦略が考案されてきました。しかし、これまでのところ、運動と経口コルチコステロイド(ステロイド)の有効性を直接比較したランダム化比較試験はありません。そこで今回は、五十肩患者を運動療法と経口ステロイ…
ブレクスピプラゾールは、セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用、セロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用及びドパミンD2受容体部分アゴニスト作用を併せ持つ特徴的な薬剤です。日本では「統合失調症」の保険適応を取得しています(2…
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)と呼ばれる抗うつ薬の一つであるデュロキセチン(Duloxetine)は、中枢性感作を抑制することで疼痛緩和作用も有していることから、鎮痛緩和を目的として以下の疾患にも用いられています。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)は胃酸関連疾患の治療薬として広く使用されていますが、腸内細菌叢に影響を与える可能性があります。2型糖尿病は血管内皮細胞の機能低下に起因する血糖コントロール異常を特徴としますが、腸内細菌叢へ影響することも報告さ…
ワクチン接種後の突然死の原因とは?2022年8月10日、14歳の女子中学生がファイザー製ワクチンの3回目接種を受けました。 女子中学生は翌日、37.9度の発熱を認めましたが、夕方には下がりました。 夜に息苦しさを訴えながらも眠りについていま
尿酸値が基準値7.0mg/dLよりも高い高尿酸血症について、日本では、腎臓や心血管アウトカムの発生リスク増加の懸念から早期治療を推奨しています。一方で、米国や欧州では痛風発作がなければ治療の対象としないとするスタンスが一般的です。しかし、…
血糖値の変動が大きいと血管への負荷が大きくなり、血管合併症のリスク増加の可能性が報告されています(PMID: 30040822)。したがって、グルコーススパイクなどの血糖変動が大きくなることと、患者の予後不良が関連している可能性があります…