昼過ぎに学校が終わると、私はたいてい州立図書館に出かける。広い自習机がたくさんある美しい図書館で、その日の復習や課題をすませるのが日課だ。 その図書館の前にはゆるやかな階段状の広場があり、路上ミュージシャンや社会運動家らをよく見かける。 そこで先日出くわしたのが、オーストラリア人が問題意識を抱える、「虹」と「難民」だった。 ***** オーストラリアは多数の難民を受け入れており、また多文化主義を掲げる移民の国である。しかし同国政府は船で入国しようとした難民を、太平洋の島ナウル、マヌスに強制収容し、劣悪な環境下においていたという。 国民には隠されていたこの事実が明らかになり、今大きな話題になって…
尊敬できる教師というものに出会える確率は、何パーセントくらいなんだろう? 幸い私はオーストラリアで、そんな教師に出会えた。語学学校の講師、ポールである。 ***** 私の英語力は低くはないが高くもなく、文法は理解できるものの、会話がさっぱりである。 語学学校では、予想より上のクラスに入ってしまって苦労しているのだが、しかし授業はおもしろい。それは、明るいけれどちょっと渋めのインテリ、ポールの力だと思う。 オーストラリアでは長期休暇は当たり前に使われる権利であり、外国への長期の出張も珍しくないようで、ポールはミャンマーに英語を教えにいったり、日本に数週間旅行に来ていたり、ほかにもアジアの国々での…
先日語学学校の授業で、“life”を使った慣用句が話題になった。 教わったのは、以下のようなもの。 “Life is one time offer, use it well.”(人生は一回しかないから、有効につかえ。意訳、以下同) “Life is short. Smile while you still have teeth.”(人生は短い。歯があるうちは笑え。) “If you love someone, show it.Life is too short to keep your feelings inside.”(もし誰かを愛したら、それを示しなさい。感情を内に秘めておくには、人生はあ…
外国人は、よく肩をすくめるような動作をする。そのしぐさは日本では見られないものであり、そんな動作を日本人がしているのを見ると、私は無性に腹が立つ。 先日語学学校で、そんな現場を目撃した。そしてもれなく反感をもった。 無論、他人のことに干渉するつもりはないので、これは私の独り言である。 ***** 世界一周中、私はすっかりアジアの国々にシンパシーを抱き、ベトナムやラテンアメリカを苦しめたアメリカに反発を感じた。かつて世界を分割し植民しまくったヨーロッパ諸国にも、距離をおきたい思いがある。 (もちろんそれは国家に対してであって、そこに住む市井の人々への反発ではない。スペインにもポルトガルにもフラン…
世界一周から帰国するとき、再び日本の企業で働くのは無理だと思った。それにできれば日本にもいたくない。外国にいるときのほうが、私はハッピーである。 そんなことを言うと、 旅行していると他国のいい面ばかりが見えるからそう思うのだ、日本ほど安全で発展した国はないのだ。それに日本食が世界で一番うまいじゃないか。 とでも諭されそうだが、しかし私にも言い分はある。 私は地震や過労で人が死ぬ日本を「安全」な国だとは思えない。言論の自由だって怪しいし、女性差別も間近で見たし、ほんとに「発展」しているの? とおおいに疑問を持っている。それに日本酒も日本食ももちろん好きだが、世界各地の街角で食ったパッタイもタコス…
着いた初日は大雨が降った。2日目は広場でサンドイッチを食っているとき、カモメにつつかれ指を切った。3日目以降は無事だったけれど、昨日は図書館から帰るときにまたもやどしゃ降りにあい、宿まで濡れて帰るはめになった。 そんなアンラッキーを跳ね返すかのように、今日は青空が美しい。 今、私はオーストラリア南東の都市、メルボルンにいる。いわゆるワーキング・ホリデーであり、先日語学学校に通い始めたところだ。 私は1年半前に都内の会社を辞職し、昨年から今春にかけて、約11か月の世界一周の旅をした。その際にはTRAVEL NOTEというブログをつけていて、帰国後はTRAVELER'S JOURNALというのを始…
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