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長内那由多のMovie Noteさんのプロフィール

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最新映画や海外ドラマ、Netflix配信作を中心とした映画レビュー。アカデミー賞予想記事も有り。半期毎に総括ベストテン記事も書いています。「ドラマも同じくらいの熱量で見ていなければ今の映画は語れない!」が最近の信条です。

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長内那由多のMovie Note
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https://blog.goo.ne.jp/nayutagp01fb-zephyranthes
ブログ紹介文
映画レビュー、俳優論など映画のことを中心としたブログ
更新頻度(1年)

222回 / 365日(平均4.3回/週)

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長内那由多のMovie Noteさんの新着記事

1件〜30件

  • 『ユートピア~悪のウィルス』

    殺人ウィルスによる世界滅亡を予見したコミック“ユートピア”を巡って、オタク達が悪の組織に立ち向かう…なんだか浦沢直樹の漫画みたいなプロットだが、原作は2013年の英国産同名TVドラマ。2020年に“ウィルスによるパンデミック”を描いただけでもリメイクとしては地の利を得たと言っていいだろう。ショーランナーを務めるのは何と『ゴーン・ガール』『シャープ・オブジェクツ』の原作者ギリアン・フリンだ。所謂“厭ミス”の女王でもあるフリンならではのストーリー展開を期待する所だが、意外や正攻法のエンターテイメント娯楽作になっていて驚いた。引きの強いクリフハンガーと、ハードなバイオレンス描写は今やPeakTVのトレードマークの1つと言える。それだけに、全てがこちらの予測値、期待値を上回ることなく、何とも生煮えなまま全8話を終えてし...『ユートピア~悪のウィルス』

  • 『危険がいっぱい』

    アラン・ドロンが『太陽がいっぱい』に続いてルネ・クレマン監督と組んだ本作は、ジャンルレスな怪作でめっぽう面白い。ドロン扮するイカサマ師のマルクは、マフィアの女房に手を出したせいで命を狙われる。巻頭から拷問描写もハードで、「お、これは本格ハードボイルドか」と身を乗り出した。間一髪、難を逃れたマルクと彼を追うギャングのチェイスアクションも迫力十分。命からがら教会に駆け込むと、そこには美しい未亡人バーバラとその従妹メリンダが慈善活動に訪れていた。マルクは専属運転手として雇われ、彼女らの住む大邸宅に転がり込むのだが…。おっと、ここまで。さながらジョーダン・ピール映画のような後半の転調に黒い笑いが洩れ、やがてそれは引きつる事になるだろう。本作でも美女を手玉に取るドロンの色男ぶりには女性蔑視とも言える女嫌いが見え隠れし、皮...『危険がいっぱい』

  • 『地下室のメロディー』

    1963年、ジャン・ギャバン、アラン・ドロンの新旧2大スターが共演したケイパー映画の古典だ。冒頭、ギャバン扮するシャルルが刑期を終えてパリに戻ってくる。モノローグに誰もが1度は聞いたことのあるミシェル・マーニュのテーマ曲が被されば、後は本作のスタイルを語るまでもないだろう。撮影、編集、音響と全ての面で現在の娯楽映画に影響を与えている事がわかる。シャルルはブタ箱に入ったからと言って、少しも怯んではいなかった。次のヤマは南仏カンヌのカジノホテルだ。当てにしていたムショ仲間はすっかり腑抜けてしまったから、別のヤツを雇うことにした。まだまだ青いが、威勢のいい男だ。若き日のアラン・ドロンは反骨の象徴とも言えるパンキッシュさだ。貧しい生まれの彼が貴族に成り済ませば、カンヌの街はひれ伏す。ホテルに忍び込むべく次々と美女を篭絡...『地下室のメロディー』

  • 『クライム・ヒート』

    日本劇場未公開だが、拾い物の1本だ。原作は『ミスティック・リバー』で知られるデニス・ルヘインの小説『TheDrop』(ルヘインは脚色も担当)。ベルギー映画『闇を生きる男』でアカデミー外国語映画賞にノミネートされたミヒャエル・R・ロスカム監督もストーリーテラーとしての確かな腕を持っており、ここにトム・ハーディ、ジェームズ・ガンドルフィーニ(本作が遺作となった)、ノオミ・ラパスら豪華キャストが結集した。冒頭、原題“Drop”の意味が明かされる。マフィアの金が集金される場所であり、いつ回収されるかは誰にもわからない。トム・ハーディ扮するボブはその時を待って、集まり続ける金を金庫にDropし続けるだけだ。しかし、2人組の強盗が集金場所であるバーを襲撃。金を奪われてしまう。ハーディがいい。これまでも見せてきた無骨な男くさ...『クライム・ヒート』

  • 『ゴールド 金塊の行方』

    アッと驚く仰天実話だ。1990年代、170億ドルもの金(きん)の大鉱脈が一晩で消え失せ、株式市場を大混乱に陥れた“Bre-x事件”を基にする本作は、脚本に惚れ込んだマシュー・マコノヒーが自ら製作、主演を務め、ますます強烈な“臭い”で映画を牽引している。マコノヒー扮するケニー・ウェルズは3代続いてきた採掘会社の社長だが、経営は壊滅的状況にあり、今や飲み屋をオフィス代わりにしている有様だ。ある日、彼は啓示的な夢に従い地質学者アコスタを訪ねてインドネシアへと渡る。既にその学説がトレンドを過ぎ、落ち目にあったアコスタはケニーを連れて新たな金脈を掘り当てようとする。見所は何と言ってもマシュー・マコノヒーの怪演だ。ケニーは口八丁、詐欺師同然のヤマ師であり、80年代という劇中設定からやはり同時代を舞台にした『ウルフ・オブ・ウ...『ゴールド金塊の行方』

  • 『ひまわり』

    一面に広がるひまわり畑とヘンリー・マンシーニのテーマ曲…このオープニングからうっとり溜息がもれるヴィットリオ・デ・シーカ監督、1970年の名作だ。第2次大戦末期のイタリア。ジョバンナはソ連戦線に出征したきり消息の知れない夫アントニオの生存を信じて行方を捜していた。時は遡り、2人の最後の一時が描かれる。兵隊は結婚をすれば11日間の休暇が得られた。前半30分はイタリア映画らしい、大らかなドタバタコメディ調で大いに笑える。舞台は変わり、ジョバンナはアントニオの消息を追ってロシアに辿り着く。ろくろく言葉もわからず、寒村を身振り手振りで訪ね歩けば老婆に誘われ、一軒の家の前に辿り着いた。その戸口から若い娘が現れた瞬間、ジョバンナは全てを悟るのだ。ソフィア・ローレンの真骨頂は激しく生きるイタリア女の気丈ではなく、繊細な感情表...『ひまわり』

  • 『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』

    アメリカ大統領選挙は民主党ジョー・バイデン候補の勝利に終わった。しかし、未だ公式に敗北宣言をしていないトランプの得票数は7000万票にも上ると言われており、アメリカの分断の深刻さはより一層、鮮明となったと言える。この傾向は特に都市部と地方で顕著なのだと言う。原作となるJ・D・ヴァンスの小説『ヒルビリー・エレジーアメリカの繁栄から取り残された白人たち』は2017年のトランプ政権誕生の際、時代を読み解く1冊としてNYタイムズに紹介され、長らくベストセラーランキングの1位を獲得する事となる。ヴァンスは今回の選挙でもトランプの勝利に終わったオハイオ州で生まれ、少年時代を過ごした。ハリウッドのメインストリームではあまりお目にかかる事のできない光景だ。ヨーロッパからの移民が炭鉱や製鉄で発展させてきたこの地域は時代の流れと共...『ヒルビリー・エレジー郷愁の哀歌』

  • 『これからの人生』

    ソフィア・ローレン御年86歳、10年ぶりの映画出演作だ。老いたりと言えど、激しく生きたイタリア女の気性は衰えず、かつて『ひまわり』で見せた気丈は威厳へと円熟した。セネガル移民の少年との交流を描いたヒューマンドラマは、多分に我々のソフィア・ローレンに対する映画記憶に依っている部分が大きいが、彼女には『運び屋』におけるクリント・イーストウッドのような得難い深味があり、何より繊細な表現力に何一つ翳りがない事に驚かされる。映画の主人公はイブラヒマ・ゲイェが演じる移民の少年モモだ。両親から見捨てられ、イタリアで移民として蔑まされてきた彼は犯罪に走る。やはりNetflixからリリースされた『獣の棲む家』もヨーロッパにおける黒人移民の迫害がテーマであり、アメリカでBlackLivesMatterが激化した2020年、やや異な...『これからの人生』

  • 『トランス』

    2008年の『スラムドッグ・ミリオネア』でオスカーを制し、とっくに巨匠と言ってもいいキャリアのハズなのに一向に老けない人である。ダニー・ボイル監督の2013年作は彼ならではのデタラメな疾走感で突っ走るサスペンスだ。頭に傷を負った泥棒が盗んだ絵画の隠し場所を思い出すべく、心理学者の催眠術を受ける…こうして書いてるだけでも「なんじゃそりゃ」と言いたくなるプロットはドンデン返しのためのドンデン返しを繰り返し、ついには僕らも劇中人物よろしく夢か現かわからなくなっていく。マジメに付き合うだけ無駄だ。ジェームズ・マカヴォイ、ヴァンサン・カッセルも才能のムダ遣いである。劇中「ゴヤが裸婦にヘアを描いたせいでパイパンはなくなった!」という仰天ゴヤ評が飛び出し、心理学者役のロザリオ・ドーソンがまさかのフルヌードを披露!(モザイクで...『トランス』

  • 『ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー』

    ※このレビューは物語の結末に触れています※マイク・フラナガン監督によるアンソロジーシリーズ“ザ・ホーンティング・コレクション”の第2弾は、ヘンリー・ジェームズの中編『ねじの回転』を原作に物語の舞台を1980年代へと移している。ある夜に集った人々が語り合う怪談話は、主人公ダニーが人里離れた邸宅“ブライ”にやって来る所から始まる。彼女はここに住む10歳の少年マイルズと、8歳の妹フローラの家庭教師として雇われたのだ。そこで彼女は想像を絶する恐怖に直面する…と基本プロットはそのままに、今回も登場人物それぞれのドラマが掘り下げられ、胸に迫る怪談へとアレンジされている。大傑作だった前作『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』の完成度を期待したファンにはちょっと肩透かしかも知れない。恐怖描写は控え目で、ホラーとしてはそんなに...『ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー』

  • 『ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー』

    マイク・フラナガン監督によるアンソロジーシリーズ“ザ・ホーンティング・コレクション”の第2弾は、ヘンリー・ジェームズの中編『ねじの回転』を原作に物語の舞台を1980年代へと移している。ある夜に集った人々が語り合う怪談話は、主人公ダニーが人里離れた邸宅“ブライ”にやって来る所から始まる。彼女はここに住む10歳の少年マイルズと、8歳の妹フローラの家庭教師として雇われたのだ。そこで彼女は想像を絶する恐怖に直面する…と基本プロットはそのままに、今回も登場人物それぞれのドラマが掘り下げられ、胸に迫る怪談へとアレンジされている。大傑作だった前作『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』の完成度を期待したファンにはちょっと肩透かしかも知れない。恐怖描写は控え目で、ホラーとしてはそんなに怖くない。1話ずつ登場人物を描いていく構成...『ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー』

  • 『ローガン・ラッキー』

    2013年の『サイド・エフェクト』を最後に、“映画監督”引退宣言をしていたスティーブン・ソダーバーグ。2017年の本作『ローガン・ラッキー』で復帰となるまでの4年間、彼はデヴィッド・フィンチャーと並んでTV界へと進出していた。2013年に手掛けたTVムービー『恋するリベラーチェ』はエミー賞席巻。2014年にはTVシリーズ『TheKnick』をプロデュースしている。巨匠2人の活躍は今日に至るPeakTVに大きな影響を与えたと言えるだろう。そんなインターバルを経た復帰作はお得意の犯罪コメディだ。大金強奪を目論む男達のスットコドッコイな騒動は、完全犯罪のプロットが何とも小気味良く、兄弟に扮したチャニング・テイタム、アダム・ドライバーのユーモラスなケミカルも好調。爆破のプロ、ジョー・バングに扮したダニエル・クレイグは「...『ローガン・ラッキー』

  • 『クイーンズ・ギャンビット』

    新型コロナウィルスによってブロックバスター映画が途絶えた2020年。演出、脚本、撮影、演技が揃った『クイーンズ・ギャンビット』はハリウッドが見過ごしてきたナラティヴの力を謳う傑作だ。1950年代アメリカの孤児院から始まる本作は、交通事故で母を失ったベス・ハーモンがチェスの天才的才能を開花させていく。『ローガン』等で知られる名脚本家であり、傑作西部劇『ゴッドレス』を監督したスコット・フランクの下、音楽カルロス・リヴェラ、撮影スティーヴン・メイズラーらスタッフが再集結した。【反逆者アニャ・テイラー=ジョイ】群像劇だった『ゴッドレス』が時にその語りの“遅さ”も魅力にしていたのに対し、本作はアニャ・テイラー=ジョイという絶対的主演女優によって強い推進力を得ているのが特徴だ。野性的な異貌、細長い手足とアンバランスなふくよ...『クイーンズ・ギャンビット』

  • 『ハスラー』

    当時36歳、眩いばかりのカリスマ性を持ったポール・ニューマン扮する“ファスト・エディ”がビリヤードで標的をカモっていく。テンポは快調、クールなモノクロにケニヨン・ホプキンスのクールなジャズも相まってハードボイルドな匂いが立ち込める。だがウォルター・テヴィスの同名小説を原作とする本作はそんなジャンルの枠に収まろうとはしない。巻頭早々、映画は長い時間をかけてエディと宿敵“ミネソタ・ファッツ”の死闘を描いていく。ジャッキー・グリーソンがその巨躯を翻すミネソタ・ファッツはまるでダンスを踊るかのようにキューを操り、一糸乱れぬプレーを見せていく。一方のエディはその名に恥じぬ速打ちで圧倒、25時間に及ぶ激戦はついにファッツを追い詰める。常人には理解の及ばない、勝負に取りつかれた者達の異次元だ。勝ったのはファッツだった。気付け...『ハスラー』

  • 『リカウント』

    11月3日から投開票が始まった米大統領選挙は本稿を書いている11月6日時点で未だ決着を見ていない。新型コロナウィルスの影響により当日消印有効の郵便投票が増えたこと、史上最高と言われる投票率、何より大方の予想通り劣勢に立たされたドナルド・トランプが「不正な選挙が行われている」とデマを拡散し、法的手段に訴えて票の集計作業を中断させようとしている事が原因だ。民主主義の根幹を揺るがすこの一大事件にデジャヴを感じた人も少なくないだろう。2000年のブッシュ対ゴアの泥沼の訴訟合戦である。これには地方自治体毎で異なるアメリカの選挙制度が大きく影響している。次点との差が一定数の僅差である場合、票の再集計が行われる。さらにはパンチカード方式の投票用紙が機械での読み込みに欠陥を抱えており、これに目を付けたゴア陣営が法廷に打って出た...『リカウント』

  • 『獣の棲む家』

    アフリカからイギリスへ亡命した夫婦がようやく手に入れた住居。そこには自分たち以外の“誰か”がいて…レミ・ウィークス監督による本作は『ゲット・アウト』『アス』など社会的イシューを含んだジョーダン・ピール以後のホラーであり、A29に代表される作家主義ホラーの系譜にも連なる1本だ。今、最も社会問題を反映できるジャンルはMCUとホラーだろう。ウィークス監督は現在のハリウッドホラー同様、Jホラーにルーツを持つ湿度の高い恐怖演出を見せており、壁紙がぺろりと剥がれ落ちるシーンには思わず「うわぁ…」と声が漏れた。パラノイアと密室というモチーフにはロマン・ポランスキーの『反撥』も頭を過る。本作はNetflixによる配信リリースだが、昨今のホラー映画同様、耳の良い演出が施されているだけに出来る限り良い音響環境で見てもらいたい所だ。...『獣の棲む家』

  • 『続・ボラット 栄光なる国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』

    ヤグシュマシェ!あのボラットが帰ってきた。2006年、陽気な人懐こさでアメリカ人の絶対に笑ってはいけない無知とヤバさをあぶり出したカザフスタン人レポーターが今度はトランプとコロナウィルスのアメリカに突撃する。あれから14年。祖国カザフスタンの恥を晒した罪で強制労働を課せられていたボラットに大統領から特命が下る。トランプ陣営との友好を築くべく、貢ぎ物を持って渡米せよ。ターゲットは女好きの副大統領ペンスだ。かくしてボラットは娘トゥーターを土産に再びアメリカの地を踏む!14年ぶりの続編だけに予め書いておくと、これはイギリス人コメディアン、サシャ・バロン・コーエンの自作自演によるモキュメンタリーだ。多くの人が場所もロクに知らないカザフスタンの名を騙り、バカを装ってアメリカ人の本音を引き出すドッキリである。前作以後、長年...『続・ボラット栄光なる国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』

  • 『レベッカ』(2020)

    アルフレッド・ヒッチコック監督による1940年版のリメイクではなく、ダフネ・デュモーリアによる原作の再映画化という触れ込みだが、監督ベン・ウィートリーはもちろんヒッチの影響から脱していないし、かと言って原作を読み込んでいるとも言い難い。主演はリリー・ジェームズ、アーミー・ハマー。この古典心理ホラーにはいささか健康的過ぎるキャスティングで、舞台となるマンダレイ屋敷にも仄暗さが足りない。何より現代的テーマを読み切れていないのが致命的だろう。貴族階級の男と庶民の女という格差、自己肯定の低い女とガスライティングする男、という非常に今日的モチーフをリリー・ジェームズの健全さ1つに集約してしまっている。登場シーン毎に衣装が変わるジェームズの可憐さは目にも楽しいが、この眩さでは亡き前妻レベッカに負い目など何ひとつない。194...『レベッカ』(2020)

  • 『レベッカ』(1940)

    風光明媚なモンテカルロの地で貴族ド・ウィンター卿に見初められたヒロイン(劇中、名前は明かされない)はイギリスにある大邸宅マンダレーへと招かれる。卿は前妻レベッカを事故で失っており、長年悲嘆に暮れていた。屋敷のあちこちにはレベッカの遺品が置かれており、使用人も客人も皆、一様にレベッカの素晴らしさを口にする。ド・ウィンターの愛を得たいヒロインの精神は次第に追い詰められ…。アルフレッド・ヒッチコック監督のハリウッド進出作にして、彼のキャリア史上唯一のアカデミー作品賞受賞作だ。後半、突如として法廷劇に変わる構造の欠陥があり、決して高い評価をされてきたワケではないが、近年ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ファントム・スレッド』、マイク・フラナガン監督のTVシリーズ『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』シリーズなど影...『レベッカ』(1940)

  • 『レディ・マクベス』

    本当なら2020年はフローレンス・ピューがスターダムに立つ決定的な1年になるハズだった。主演ホラー『ミッドサマー』は日本でも異例の大ヒットを記録。グレタ・ガーウィグ監督作『ストーリー・オブ・マイライフ』ではアカデミー助演女優賞にノミネートされ、アメリカでの評価を確立した。そしてマーベル・シネマティック・ユニバースのフェーズ4『ブラック・ウィドウ』が無事公開され、噂通りスカーレット・ヨハンソンの後を継いで2代目ブラック・ウィドウを襲名していればいよいよその人気は決定的なものとなっていただろう。まぁ、そんなことを考えても仕方がない。ここ日本ではフローレンス・ピューの実質的デビュー作となる『レディ・マクベス』がついに劇場公開された。僕たちは既にアリ・アスターの呪詛もガーウィグの才気も引き受けた彼女を知っているが、それ...『レディ・マクベス』

  • 『複製された男』

    近年『メッセージ』『ブレードランナー2046』『DUNE』とSF大作が続くドゥニ・ヴィルヌーヴ監督だが、そのルーツは深海魚が狂言回しをする異色のデビュー作『渦』であり、ねっとりと絡みつく悪夢のような本作『複製された男』だろう。それは同郷カナダの巨匠デヴィッド・クローネンバーグを思わせるが、ヴィルヌーヴの特色は『灼熱の炎』『静かなる叫び』で見せた卓越した演出力と、その異能に湛えられたノーブルさだ。自分そっくりの男を見つけた主人公の恐怖の徴候はくすんだトロントの街に蔓延し、闇の口がポッカリと口を開く。眩暈を誘う2人のブロンド美女メラニー・ロランとサラ・ガドンも僕らをアンモラルに引き込むには十分だ。ミステリアスなスコアに乗って90分間、胸の高鳴るようなサスペンスが展開する。三流役者の主人公は美人妻が妊娠し、追い詰めら...『複製された男』

  • 『消えた画 クメール・ルージュの真実』

    人類史上、度々繰り返されてきた虐殺の最もたる非道さは文化を破壊し、歴史上から跡形もなく消し去ってしまった事だ。1975年、カンボジアに現れた共産主義政権クメール・ルージュは“平等”を旗印に人々を強制労働下におき、思想を統一して文化を滅ぼした。労働資源として使い捨てられた人々は名前を奪われ、尊厳を踏みにじられた。監督のリティ・パニュは当時13歳だった。両親兄妹を殺された彼はやがてカンボジアを脱出。後にフィルムメーカーとなってポル・ポト政権の非道をドキュメントする。クメール・ルージュが製作した公式記録としての“シネマ”しか存在しないカンボジアに対し、彼は自らのイマージュ(記憶)を頼りに、死者の眠る土地から作った土人形を使って奪われた時を甦らせていく。それは彼が自らの記憶を辿る旅路であり、虐殺によって命を落とした人々...『消えた画クメール・ルージュの真実』

  • 『her 世界でひとつの彼女』

    これまで奇抜な脚本と映像表現で映画ファンを魅了してきた奇才スパイク・ジョーンズ監督。一転『her』は見る者の琴線に触れる、成熟の1本だ。独創的なSF世界に誰もが失恋の痛みと人を想うことの幸福を噛み締めるだろう。ライアン・ジョンソン監督の『LOOPER』しかり、この時期のSF映画のトレンドは上海の様子で、とてもロケとは思えない街並みが未来のLAとして謳われる。ここでアーケードファイアの浮遊感ある音楽に包まれ、失恋の痛みに揺蕩うのは『ザ・マスター』から解脱したホアキン・フェニックスだ。無気力でぼんやりした彼は手紙の代筆を生業としているが、千の言葉を知っていても胸の傷は癒えない。失恋とはかくもつらい体験だが、これだけ強く物事を想うのはどんなに稀な事か。恋している人も、恋のブランクがある人もジョーンズの柔らかなタッチに...『her世界でひとつの彼女』

  • 『シカゴ7裁判』

    2020年は終わっていない。コロナショックによってハリウッド映画が『テネット』ただ1本となり、ディズニーが劇場向けの映画製作を止めると宣言しても、アメリカ大統領選挙という重大な年に現れた『シカゴ7裁判』を見逃してはならない。かつてはスピルバーグ監督作として企画が進行し、十余年の紆余曲折を経て登場したアーロン・ソーキン監督による本作は今こそ見るべき烈火のような1本だ。1968年、ベトナム戦争反対のデモを先導したとして7人の活動家が告発される。民主党大会をターゲットとしたそれは警官隊との衝突で多くのケガ人を出してしまったのだ。事件後に発足したニクソン政権は反政府的世論を打ち砕くべく7人を見せしめに国策裁判を断行する。おお、振り返ればこんな堂々たる法廷劇はいったい何時以来か。巻頭早々に審理の幕は開き、2時間10分ほぼ...『シカゴ7裁判』

  • 『教授とわたし、そして映画』

    主演女優(キム・ミニ)との不倫を堂々公言し、映画監督と女優の色恋ばかりを描いてきたホン・サンス。“韓国のウディ・アレン”とも評される彼だが、御大のようなエグ味がないのは女優に惚れ込むある種のフェミニズムが自己愛を絶対的に上回っているからだろう。『威風堂々』をテーマ曲に映画監督、不倫相手の学生、彼女に恋する若い男の3人を描いた4話構成のオムニバスだ。ホン・サンス映画の男たちはどうにも冴えない。映画学科で教える監督(明らかにホンだ)は風采が上がらないし、若い男もルックスはともかく話し方に品があるとは言い難い。翻って2人と付き合う学生オッキ(チョン・ユミ)は清廉なルックスで、男達に依らない自立したヒロインだ。毎度、同じ女性像でホンの好みは本当にブレがない。チョン・ユミはキム・ミニが登場するまでの2010年代前半を支え...『教授とわたし、そして映画』

  • 『40歳の解釈 ラダの場合』

    やれやれ、もうすぐ40歳だ。“30歳以下の30人”に選ばれ、気鋭の劇作家と目されたのも今は昔。地元で劇作の講義をしているが、生徒には「ヒット作がないくせに」とバカにされた。ブロードウェイを目指して新作を売り込むも、鼻持ちならない白人のジジイに頭を下げなくちゃならない。クソ不味いダイエット飲料は一向に体重が落ちる気配ナシだ。これが40歳、Thisis40。監督、脚本のラダ・ブランクが実名で演じる自分語りだ。彼女は内に宿った言葉を書き溜め、ラッパー転身を試みる。そうだ、アタシは子供の頃から言葉を操ってきたんじゃないか。だが“ハッスル&フロウ”は起こらない。大失敗をかまし、物笑いの種になった。「アタシはアーティストになりたいの!」雑多で愉快、人情味にあふれるNYハーレムを撮らえたモノクロームが80~90年代のアメリカ...『40歳の解釈ラダの場合』

  • 『ラチェッド』

    不朽の名作『カッコーの巣の上で』に登場し、映画史上屈指の悪役と言われるラチェッド婦長の前日譚…これを聞いてネタ不足のハリウッドもついにここまで来たかと悪寒が走った。しかしショーランナーは当代随一の名プロデューサー、ライアン・マーフィーである。この酔狂のような企画も彼ならではの大胆な解釈の下、現代を捉えるのではと期待した。オリジナル映画でラチェッド婦長を演じたルイーズ・フレッチャーはアカデミー主演女優賞を獲得。今回演じるのは『アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件』でエミー賞に輝いた名女優サラ・ポールソンだ。不足はない。今回のTVシリーズ版の舞台は戦後間もない1950年代。ミルドレッド・ラチェッドが州立精神病院ルシアへ面接に訪れる所から物語は始まる。ここには牧師4人を殺したエドモンド・トールソン...『ラチェッド』

  • 『82年生まれ、キム・ジヨン』

    撮れば当たるような大ベストセラーを終始抑制されたトーンで撮り上げ、ほとんど原作小説の続編のような大胆な脚色を施せてしまう所に『パラサイト』で天下を取った韓国映画の充実がある。原作未読の観客はもちろん、読了済みの人も新鮮な感動を得ることができるだろう。チョ・ナムジュによる原作は82年生まれの主人公キム・ジヨンが韓国社会の女性差別、家父長社会で生きてきた様を精神科医(原作では男性、映画版では女性になっている)のレポートを通して振り返るという体裁で、何の解決も見ないラストには作者の絶望と社会の断絶を感じてゾッとさせらた。映画版は果敢にも幼少期から現在までのエピソードをほとんどオミットし、産後うつによって人格が分裂したキム・ジヨンの再生に焦点が当てられている。原作では理解のない男達にも“顔”が与えられ、不器用なりに自身...『82年生まれ、キム・ジヨン』

  • 『フェアウェル』

    ブラックムービーやネオウーマンリヴ映画の躍進によってハリウッドが急速に多様性を増している昨今、アジア系の台頭も著しい。正統派クロエ・ジャオは新作『ノマドランド』でヴェネチア映画祭金獅子賞を獲得し、マーベルはそんな彼女を超大作『エターナルズ』で一本釣り。昨年は韓国映画『パラサイト』がオスカーを制し、同年の賞レースを賑わせたルル・ワン監督による本作『フェアウェル』はやはりアジア系キャストで大ヒットを記録した『クレイジー・リッチ!』のB面とも呼びたくなる作品だ。幼い頃に中国からアメリカへ移住した主人公ビリーは大好きな祖母ナイナイの重病を聞き、帰郷する。中国には余命宣告をする文化がなく、残り3か月の命を伝えることができない。アメリカ育ちのビリーには全く受け入れられない考えだが、家族は最後に良い思い出を作ろうと従弟の結婚...『フェアウェル』

  • 『ヴァンパイアvsザ・ブロンクス』

    再開発の進むNYブロンクス。ここで次々と用地買収を行う悪徳不動産屋の正体は人の生き血を吸うヴァンパイア軍団だった!下町の危機に立ち向かう悪ガキ3人組のバイブルは我らがウェズリー・スナイプス主演の『ブレイド』だ!ここにヴァンパイア対ブロンクスの戦いの火ぶたが切って落とされた!ジェントリフィケーションへの批評と『ストレンジャー・シングス』以後、ブームとなった80sキッズホラーをマッシュアップした微笑ましい1本だ。長年、黒人を中心に低所得者が住んできた町をヴァンパイア=白人が搾取する、という一種の格差社会映画でもある。ちなみに僕は大好きな女優サラ・ガドン目当てに本作を見た次第。ブロンクスに引っ越してきた超~感じの良いお姉さん役で、もちろん“世界で最も美しい顔”に選ばれた美貌が活かされているのでファンは見るように。彼女...『ヴァンパイアvsザ・ブロンクス』

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