プロフィールPROFILE

長内那由多のMovie Noteさんのプロフィール

住所
未設定
出身
未設定

最新映画や海外ドラマ、Netflix配信作を中心とした映画レビュー。アカデミー賞予想記事も有り。半期毎に総括ベストテン記事も書いています。「ドラマも同じくらいの熱量で見ていなければ今の映画は語れない!」が最近の信条です。

ブログタイトル
長内那由多のMovie Note
ブログURL
https://blog.goo.ne.jp/nayutagp01fb-zephyranthes
ブログ紹介文
映画レビュー、俳優論など映画のことを中心としたブログ
更新頻度(1年)

172回 / 365日(平均3.3回/週)

ブログ村参加:2017/03/20

本日のランキング(IN)
読者になる

新機能の「ブログリーダー」を活用して、長内那由多のMovie Noteさんの読者になりませんか?

ハンドル名
長内那由多のMovie Noteさん
ブログタイトル
長内那由多のMovie Note
更新頻度
172回 / 365日(平均3.3回/週)
読者になる
長内那由多のMovie Note

長内那由多のMovie Noteさんの新着記事

1件〜30件

  • 『イエスタデイ』

    “もしもビートルズを知っているのが世界で自分1人だったら...”世界中の物書きが酔いに任せて一度は考えたであろう企画を『アバウト・タイム』のリチャード・カーティスが臆面もなく脚本にし、『スラムドッグ・ミリオネア』のダニー・ボイル監督が何の創意工夫もなしに映画化した。売れないミュージシャンの主人公ジャックは世界同時停電の夜、交通事故に遭ってしまう。快気祝いにもらったギターをつま弾けば、皆が「いつの間にこんな曲書いたの?」。はぁ「イエスタデイ」なんですけど!シチェーションコメディとして笑える部分はある。ビートルズが存在しないという事はその影響下にあるカルチャーも存在しないため、オアシスもいなければ何とタバコもなく、さらにはハリーポッターも生まれていないのだ(え、ハリーってジョン・レノンだったのか!?)。本作はビート...『イエスタデイ』

  • 『ラスト・クリスマス』

    ドラゴンを降りた我らがカリーシことエミリア・クラークが酒飲み、自己チューのホームレスを演じるラブコメディ。インタビュー等のオフショットで見る限り、我らがドラゴンの母はこのジャンルに打ってつけのファニーフェイスの持ち主。ガールネクストドアな親しみ易さがある。舞台はクリスマスシーズン真っただ中のロンドン。彼女が働くのはクリスマスグッズ専門店で、オーナーはなんとミシェル・ヨーだ。そこへエミリアの恋のお相手としてヘンリー・ゴールディングが現れる。『クレイジー・リッチ!』の母子再共演にシンガポールで没落したヨーがロンドンで再出発し、生き別れの息子と再会する話しかと思っちゃったよ!(2人の共演シーンはなし。)ゴールディングは『クレイジー・リッチ!』の成功がフロックでなかった事を証明するハンサムぶりで、ハリウッド女優の恋のお...『ラスト・クリスマス』

  • 『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』

    1862年、気象学者と気球飛行士のコンビが最高高度到達記録に挑むアドベンチャードラマ。『博士と彼女のセオリー』で共演したエディ・レッドメインとフェリシティ・ジョーンズが再共演し、気球という畳一枚ほどの限定空間で息の合った演技を披露している。前作でオスカーを獲得したレッドメインは今回見せ場を譲っており、実質上はジョーンズの単独主演。夫を飛行中の事故で亡くしたトラウマを抱えながら、それでも空への冒険心を抑えられないまさに女傑と呼びたくなる女性を快演だ。アクションシーンも頼もしく、大作『ローグ・ワンスター・ウォーズストーリー』を経て女優としてスケールが大きくなった感がある。音楽をスティーヴ・プライスが手掛けており、限定空間を舞台にした極限状況からのサバイバル劇という構成もあってかアルフォンソ・キュアロン監督の『ゼロ・...『イントゥ・ザ・スカイ気球で未来を変えたふたり』

  • 第92回アカデミー賞予想

    第92回アカデミー賞は例年よりも約1か月早い2月9日に開催される。賞レース期間の長期化がキャンペーン活動の悪質さを招くという懸念から早められたようだ。ここから本番に向けて予想の重要な指針となる各組合賞が矢継ぎ早に発表されるが、オスカー本番までの期間が短いという事は会員の投票意思が固定化せず、翻意もありえるという事だろう。まさにオスカーウォッチャーの腕の見せ所。今年も主要6部門を中心に見ていきたい。【作品賞】『ジョーカー』最多11部門候補(作品、監督、主演男優、脚色、編集、撮影、衣装、音響、音響効果、作曲、メイク)2019年最大の問題作。DCコミック『バットマン』に登場する悪役ジョーカー誕生秘話を描くスピンオフ…という表向きだが、コミック的要素はほとんどオミットされており、社会の下層に生きる青年が虐げられ、やがて...第92回アカデミー賞予想

  • 『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』

    2010年代の終わりと共に多くのシリーズものが完結した2019年。まさに2010年からスタートしたドリームワークス製アニメ『ヒックとドラゴン』3部作も完結である。アカデミー賞、アニー賞の常連であり、メガヒットの人気シリーズだったが日本では冷遇されてきた。第1作は公開半年以上も前から芸人タイアップによる予告が流れ続けて食傷感を誘い、興行的に大コケ。当時、人気だった3D公開もろくに館数が確保される事はなかった。続く第2弾に至っては劇場未公開のソフトスルーである。完結編となる本作は本国に遅れること半年以上経っての劇場公開で、箱は小さい。劇場公開されただけでも良しとすべきか…。2019年のアニメ『天気の子』『アナと雪の女王2』が環境問題をテーマとする中、ドラゴンとの友情をテーマとしてきた本作は自ずと“自然との共生”に帰...『ヒックとドラゴン聖地への冒険』

  • 『パラサイト 半地下の家族』

    大旋風である。カンヌ映画祭パルムドール受賞を皮切りに全米の批評家賞を席巻、ついにアカデミー賞では国際長編映画賞のみならず作品賞はじめ主要6部門にノミネートされる大快挙となった。『殺人の追憶』『グエムル』『母なる証明』などを手掛けてきた韓国映画界の鬼才ポン・ジュノ監督がついに天下を取ったのだ。2004年、今は亡き渋谷のミニシアター“シネアミューズ”で『殺人の追憶』を見た時の衝撃が甦った。ポン・ジュノは僕らが現在進行形で見てきた現代の巨匠なのだ。何よりハリウッド進出で辛酸をなめた彼が地元韓国でこのマスターピースを作り上げた事が嬉しい。そしてこの『パラサイト』は2019年に生まれるべくして登場した映画である。主人公キム一家は家族4人全員が失業中であり、低所得者向けの半地下物件に住んでいる。肩より上にしか窓がなく、外か...『パラサイト半地下の家族』

  • 『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』

    映画が始まるまでの間、無数に流れる邦画の予告編に「いったい誰が見るのだろう」と気が遠くなった。声を張り上げるだけの演技を有難り、いつまでも学園モノにすがって大人になることを拒み、二昔前のハリウッド映画がやっていたであろう娯楽に歓喜する。そんな日本の芸能界で所属事務所との確執から名前と活動の場を奪われた能年玲奈は多くの若手女優が辿る凡百なキャリアを辿らずに済んだ。それで良かったのではと思う。2016年に公開された『この世界の片隅に』は低予算映画ながら口コミで3年ものロングランヒットを続け、その成功を受けて新たに40分ものシーンが追加されたのが本作が製作された。単なるディレクターズカット、“完全版”ではない。構成が変わり、演出のスピードも変化したが、それでもなお観客に求めるリテラシーの高さは変わらず、より豊かな傑作...『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』

  • 『2人のローマ教皇』

    先頃、来日したローマ教皇フランシスコ。彼が教皇になる前、前教皇ベネディクト16世との間で行われた対話を描く…と書けば堅苦しいが、映画は思いのほか軽やかで、そして笑える。フランシスコ教皇(本名ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)はアルゼンチン出身、草の根で布教活動を続けてきた庶民派だ。三度の飯よりもサッカーを愛している“サッカー狂”で、ジョークも大好き。なんとも親しみやすい人柄である。方やベネディクト教皇は神学一筋の宗教家であり、ピアノを楽しむインテリ肌。ビートルズも知らないカタブツだ。そんな水と油の2人が唯一の共通点“キリスト教”を縁(よすが)に対話を重ね、互いを知り、罪を赦して教皇というバトンをリレーするバディムービーになっている。近年、『ウエストワールド』で変わらぬ怖さを見せつけたアンソニー・ホプキンスがベネディク...『2人のローマ教皇』

  • 『ドクター・スリープ』

    さて前述『シャイニング』における監督キューブリックと原作キングの仲を取り持ったのが40年ぶりの続編『ドクター・スリープ』だ。キングはファンからの「ダニーはその後、どうなったんですか?」という問いかけをきっかけに本作の執筆を始めたという。40年後のダニーは実の父親に殺されかけたトラウマと、自身の持つ特殊能力“シャイニング=かがやき”に怯え、かつての父と同じようにアルコール中毒となって生きていた。本作でダニーを演じるのはいよいよ名バイプレーヤーとして円熟するユアン・マクレガーだ。ここでマイク・フラナガン監督について触れておこう。1978年生まれの41才、キング作品は既に2017年の『ジェラルドのゲーム』で映画化済みのホラー界の新鋭だ。本作ではキューブリック版にオマージュを捧げつつ、キング原作に準ずる作劇(脚本も担当...『ドクター・スリープ』

  • 『シャイニング』

    スタンリー・キューブリック監督による本作はホラー映画史に燦然と輝く古典としてその後、多くのフォロワーを生み出す事となったが、原作者スティーヴン・キングはその仕上がりに納得しておらず、後に自ら脚本、製作総指揮を務め1997年にTVドラマ版を製作する。『シャイニング』の映画化権は当時キューブリックにあったが、キングが映画版への批判を止める事を条件に再映像化の許可が下りたというのだから原作者の怨みは怨霊もかくやだ(結局、キューブリックの死後、キングはまた文句を言っている)。確かに“シャイニング・輝き”と呼ばれる超能力を持った少年ダニーと彼の能力に気付くハロランの素性や、舞台となるオーバールックホテルの悪霊たちがそれを欲している事にはあまり触れられていない。超リアリストであるキューブリックがキングの描く超常現象を全く信...『シャイニング』

  • 『アナと雪の女王2』

    日本でも大ヒットを記録した“アナ雪”待望の第2弾は拍子抜けする程こじんまりとした作りだが、ディズニー映画をネクストレベルへと導く重要作だ。美しい音楽と映像、ユーモア、そして姉妹愛の物語には多くのディテールが隠されている。新時代の本格ファンタジーを標榜するかのような幻想的オープニングが素晴らしい。アナとエルサを物語へと誘う新曲“AllisFound”を歌うのは『ウエストワールド』のエヴァン・レイチェル・ウッドだ。その歌声はかつてアレンデールの民と山奥の先住民が共存し、自然に調和がもたらされていた過去を解き明かす。しかしエルサとアナの祖父が先住民を騙して巨大なダムを作り、火水木土からなる自然のエレメントを怒らせた事で王国に危機がもたらされてしまうのだ。2019年を語るトピックとして外せないのが環境問題に対して声を上...『アナと雪の女王2』

  • 『マリッジ・ストーリー』

    タイトルに反して離婚の物語である。冒頭ニコールとチャーリーの夫婦は互いの好きな所を挙げていく。相手に敬意を持ち、欠点すら受け入れるそれは愛情以外の何ものでもない。このシーンだけで僕らは2人の事が大好きになってしまう。ようやくアベンジャーズから解放されたスカーレット・ヨハンソンと、ようやくスター・ウォーズから解放されたアダム・ドライヴァーが見せる自然体の表情が何とも魅力的だからだ。両親の離婚を基にした2005年作『イカとクジラ』でブレイクした私小説映画作家ノア・バームバックが今度は自身の離婚体験を基に本作を撮った。ここにはかつての突き放すような冷徹さはなく、温かい人間洞察に根差したヒューマニズムが満ちている。バームバックは女優ジェニファー・ジェイソン・リーと2005年から2013年まで結婚しており、離婚後のうつ状...『マリッジ・ストーリー』

  • 『ラストムービー』

    社会現象となった『イージー・ライダー』に続くデニス・ホッパーの監督第2作『ラスト・ムービー』はその難解さから製作ユニバーサルとの対立を招き、ハリウッドから事実上追放される要因となってしまった。ここ日本でも31年ぶりの劇場公開となる幻の1本だ。ホッパーはその後、ドラッグとアルコールに長らく苦しみ、完全復活は86年のデヴィッド・リンチ監督作『ブルー・ベルベット』まで待つ事になる。『ブルー・ベルベット』における映画史上屈指の狂人フランク・ブースを演じた衝撃は今なお語り草であり、デニス・ホッパー=怪優というイメージを持つ映画ファンがほとんどだろう。そんな彼のキャリアを一時、破壊した映画ともなればさぞかしや…と期待したが、『ラストムービー』は安易な言葉では括り切れない一品だ。若きホッパーの美しい顔(そう、彼はベイビーフェ...『ラストムービー』

  • 『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』

    ライアン・ジョンソン監督による前作『スター・ウォーズ最後のジェダイ』はこれまでのシリーズから換骨奪胎した“新約聖書”として批評家から大絶賛された一方、多くのファンからは「こんなのスター・ウォーズじゃない」と激しいバッシングを受け、その5か月後に公開された『ハン・ソロスター・ウォーズストーリー』の興収に甚大な影響を及ぼす程のファン離れを起こす結果となった。これを受け、ディズニー、ルーカスフィルムは当初予定していたスピンオフ映画第3弾の製作を中止、エピソード9以後の製作ペースを落とす事を表明した。間もなくして次期3部作の製作総指揮を託されていた『ゲーム・オブ・スローンズ』のショーランナー、デヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスがNetflixへ鞍替えし、プロジェクトを離脱した事も明らかとなる。そんな中、エピソード9の...『スター・ウォーズスカイウォーカーの夜明け』

  • 2019年ベスト10

    【MOVIE】1、『パラサイト半地下の家族』監督ポン・ジュノ2、『アイリッシュマン』監督マーティン・スコセッシ3、『ジョーカー』監督トッド・フィリップス4、『アス』監督ジョーダン・ピール5、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』監督クエンティン・タランティーノ6、『マリッジ・ストーリー』監督ノア・バームバック7、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』監督片渕須直8、『エルカミーノ:ブレイキング・バッドTHEMOVIE』監督ヴィンス・ギリガン9、『天気の子』監督新海誠10、『アベンジャーズエンドゲーム』監督ジョー&アンソニー・ルッソ【TVSHOW】1、『チェルノブイリ』監督ヨハン・レンク2、『マインドハンター』シーズン2監督デヴィッド・フィンチャー、他3、『フリーバッグ』シーズン2監督ハリー・ブラッド...2019年ベスト10

  • 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』

    1985年にカナダの作家マーガレット・アトウッドによって発表されたディストピア小説『侍女の物語』は近未来のアメリカが宗教原理主義政権によって支配され、女性が“産む機械”として支配層の男性に支給されるという衝撃作だった。それから30余年の時を経て、Metoo時代の2017年にTVドラマシリーズとしてリリースされたのが本作だ。昨今、長編小説の映像化は潤沢な予算を持つTVドラマに大きな利点があり、本作も一級の美術、衣装、撮影が原作小説の世界観を忠実に再現している。実力派俳優陣のキャスティングもイメージ通りだ(セリーナ・ジョイ役のイヴォンヌ・ストラホフスキーはちょっと美人過ぎる気もするが)。【読み直された『侍女の物語』】だが2010年代に甦ったのは単なる完全再現のためではない。本作の見所の1つは今語るべき物語として再構...『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』

  • 『アトランティックス』

    今年のカンヌ映画祭で次点となるグランプリを受賞したマティ・ディオップ監督作。現地メディアによる星取表では振るわなかったものの、受賞の背景には最高賞パルムドール受賞作『パラサイト』と並ぶ現代性が由縁しているのではないだろうか。舞台はセネガルの首都ダカール。主人公エイダは親の決めた結婚が近付く中、その心は貧しい労働者の青年スレイマンにあった。賃金の未払いに苦しむスレイマンは仲間たちと共にスペインへ出稼ぎすべく密航する。別れもままならなかった2人だが、やがてエイダの元にスレイマンの死の報せが届く。映画は悲恋の物語を紡ぎながら、中盤はガラリと転調して驚かされる。遺された女達が夜な夜な夢遊病者のように歩き、工事会社社長の家へと押し入って死んだ男達への未払いの賃金を求めるのだ。海沿いにあばら家が立ち並び、埃が舞うダカールに...『アトランティックス』

  • 『6アンダーグラウンド』

    いつも通りライアン・レイノルズが昔懐かしネタで無駄口を叩き、若者から相手にされない場面が出てくる。その度に彼は「ちっ、ミレニアル世代かよ!」と毒づく(ついこの間までゲースロの最終回を堂々とネタバレするエンタメ通だったのに!)。監督のマイケル・ベイも内心そんな気持ちでこの数年を過ごしていたのではないか。『バッドボーイズ』『ザ・ロック』『アルマゲドン』などで一世を風靡したのはもう20年以上も前のこと。ド派手なアクションと破壊による通称“ベイヘム”演出は90年代ハリウッドアクションを象徴する大らかさだったが、そんな彼も2000年代以降はロボットアニメ『トランスフォーマー』の実写版でファミリー映画へとナイズされたベイヘムでその衝動をごまかし続けてきた。原作アニメやロボットに対する明らかに愛のない演出は批評面はもとより、...『6アンダーグラウンド』

  • 『17歳』

    フランソワ・オゾン監督の2013年作。キッチュでカラフル、まるで毒入りカクテルのような作風は『まぼろし』『スイミング・プール』で開拓した心理描写へとシフトチェンジし、今やフランス映画界の巨匠とも言うべき貫禄が備わったオゾンだが、初期ファンとしてはその毒気の薄まりが何とも物足りなく映るのである。美人女子高生の援助交際を描く本作も『まぼろし』の焼き直しに過ぎない。ひと夏のバカンスで処女を失った17歳のイザベルはその後、出会い系サイトで知り合った男達と情事を繰り返す。主演マリーヌ・ヴァクトの痩せすぎた肢体は少女の未熟さを感じさせるが、一度メイクを施せば女の顔へと変わる。イザベルは一向に快楽を得られず、まるで肉体の実感を確かめるように行為を繰り返す。そんな中、年かさの男ジョルジュがセックスの最中に腹上死。驚いたイザベル...『17歳』

  • 『ザ・レポート』

    9.11以後、CIAは次なるテロの情報を掴むべく、容疑者に対してシステム化された拷問プログラムを実践していた。それが結果的に全く効果を上げなかった事はおろか、死亡者まで生んでおり、これらの事実を組織的に隠ぺいしたのである。本作は上院スタッフのダニエル・J・ジョーンズが実に5年の歳月をかけて膨大な記録書類を精査し、この事実を暴き出すまでを追っている。監督、脚本を務めたスコット・Z・バーンズはやはり脚本を手掛けた『ザ・ランドロマット』の飄々とした筆致から一転、余分な人間ドラマをオミットして事実だけを列挙するジャーナリスティックな演出で、この並々ならぬ気迫に牽かれた主演アダム・ドライバーも諸突猛進の力演だ。バーンズのストイックな姿勢はやや生真面目が過ぎるきらいもあるが、日本の表現者もまずは爪の垢を煎じて飲むべきだろう...『ザ・レポート』

  • 『失くした体』

    切り離された手が体を探して旅をする。道中、ハトやネズミに襲われ、様々な苦難を経ながら手は体に着いていた頃を追想する(手にも自我があるのだ!)。ジェレミー・クラバン監督のアニメーションは一見、突拍子もないが、描かれるのは普遍的な喪失と再生の物語だ。クラバンの筆致は詩的ですらあり、過去に捉われた主人公の背中を“飛んでみろよ”と押して、喪失を乗り越えさせる。何かを失わなければ人は成長できない。奇妙な手の物語は誰もが通る道なのだ。『失くした体』19・仏監督ジェレミー・クラバン※Netflixで独占配信中※『失くした体』

  • 『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』

    『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞10部門にノミネートされ、いよいよ世界的名監督となったヨルゴス・ランティモスだが、怪作『籠の中の乙女』で彼を知った身としては“オスカーノミネート監督”という肩書がどうにもミスマッチに思えてしまう。既存の企画に後乗りしたオスカー候補作よりも、脚本も手掛けこの2017年作の方がよっぽど彼らしい底意地の悪さだ。コリン・ファレル扮する主人公は心臓外科医として成功を収め、美しい妻(ニコール・キッドマン)と2人の子供に恵まれる順風満帆な生活を送っていた。しかし、彼は家族や職場の目を盗んでバリー・コーガン扮する少年と度々、面会を繰り返していた。親し気な2人の関係の秘密をランティモスは易々と観客に予想させない。隠し子?それとも愛人?コーガンの謎めいた目つきが不穏な空気を醸し出す。彼は言う「...『聖なる鹿殺しキリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』

  • 『俺たちホームズ&ワトソン』

    ウィル・フェレルとジョン・C・ライリーがイチャイチャしながらボケとツッコミを無限に繰り返す“俺たちシリーズ”(非公式)最新作。今回は近年、TVや映画でリメイクの続く『シャーロック・ホームズ』がネタだ。ベネディクト・カンバーバッチ×マーティン・フリーマン、ロバート・ダウニーJr.×ジュード・ロウによってしきりにBLというか、やおいというか、ブロマンス要素が強調されてきたこの古典はまさに“俺たち”シリーズに打ってつけ。かくして公開されてみれば…うわーい、ラジー賞独占しちゃったよー!気難しいホームズがフェレルで、ホームズラブなワトソンがライリーというのは何だか真逆なキャスティングに思えるが、裏返してみてもこの2人じゃ大差ないか(企画初期段階ではホームズがサシャ・バロン・コーエン、フェレルがワトソンだったらしい)。なぜ...『俺たちホームズ&ワトソン』

  • 『オフィーリア』

    『眠れる森の美女』を邪悪な魔女側から描いた『マレフィセント』など、古典作品の再映画化がブームとなっている昨今だが、往々にして本末転倒な発想ばかりであり、いい加減にしてくれという気分になってしまう。本作もシェイクスピアの代表作『ハムレット』に登場した悲劇のヒロイン・オフィーリアの視点で描く新解釈版だが、古典をないがしろにした底の浅い2次創作と言わざるを得ない。そもそも『ハムレット』のスピンオフにはトム・ストッパードによる名作『ローゼン・クランツとギルデン・スターンは死んだ』があり、今さら新訳が立ち入るのも憚られる聖域なのだ。デンマーク王妃の下で侍女として育てられた平民の娘オフィーリアは大学から帰省した王子ハムレットと運命的な恋に落ちる。時同じくしてデンマーク王が急逝。王の弟クローディアスが玉座に着き、先王の妻ガー...『オフィーリア』

  • 『永遠の門 ゴッホの見た未来』

    自身も画家であるジュリアン・シュナーベル監督がデビュー作『バスキア』に続いて画家の映画を撮った。それもゴッホだ。これまでも多くの映画作家がその創作に迫り、一昨年前にも全編をゴッホの油絵のタッチで描いた傑作アニメ『ゴッホ最期の手紙』が公開されたばかりである。これ以上、語るべき物語があるのか?これまでの諸作同様、本作もゴッホの最晩年が描かれる。ゴーギャンとの出会いからアルル地方へ移住したゴッホは多くの傑作を描き上げるが、精神疾患に苦しみ、村人とのトラブルは絶えず、やがて孤立を深めていく。シュナーベルはそんな特殊な精神状態にある人物の視点から世界を映し、ゴッホがアルル地方から得たインスピレーションを観客へ追体験させていく。心地よい空気の冷涼さ、陽光のぬくもり、肌を撫でる風…ウィレム・デフォーはゴッホの感動や苦しみを大...『永遠の門ゴッホの見た未来』

  • 『真夜中まで』

    上京して20年近くになるが、東京も変わった。街はチェーン店ばかりになり、住宅街は一戸建てを潰して集合住宅ばかりになった。時に危険で猥雑だった繁華街は違法な呼び込みを防ぐ注意アナウンスがけたたましく流れ、風情の欠片もない。かつての眠らない街も今や人影はまばらだ。99年に製作され、2001年に公開された本作はまだ楽しかった頃の夜の東京がかろうじて収められている。監督は先頃亡くなったイラストレーター、エッセイストとしても知られる和田誠だ。カメラが夜の東京の繁華街から裏通りへと入り、そのままふわりと雑居ビルの窓に入り込む。心地よい夜気と仄かなアルコールをも錯覚させるこの素晴らしいオープニングから、和田が夜の東京を楽しんできた事がよくわかる。ジャズバーではトランぺッターの真田広之がマイルスを吹く。キザで結構。東京の夜はと...『真夜中まで』

  • 『アルファ 帰還りし者たち』

    『ポケットいっぱいの涙』『フロム・ヘル』『ザ・ウォーカー』で知られるアルバート・ヒューズ監督8年ぶりの新作。弟アレン・ヒューズとのコンビ監督として知られているが、近年はそれぞれでソロ活動をしているようだ。本作は2万年前の氷河期を舞台に、仲間とはぐれた少年ケダと狼のアルファによる帰還の旅が描かれる。登場人物全員が古代語と思しき言葉を喋り、中盤以後はケダとアルファの2人芝居でほぼセリフもなしというコンセプチュアリーな作りで、ヒューズも独自の映像センスをさく裂させている(ちょっとフランク・ミラーのグラフィック・ノベルっぽい絵作り)。だが、この程度のバジェットでは彼の野心的なヴィジュアルを再現するには足らないのだろう。CGはまだしも、美術に関してはBlu-ray以上の画質では見るに堪えない安さである。一定のヒットを飛ば...『アルファ帰還りし者たち』

  • 『コレット』

    1920年代に活躍したフランス人作家シドニー・ガブリエル・コレットほど#Metooの時代に相応しい人物はいないだろう。女性名義での出版が主流でない時代に夫のゴーストライターとして書き続け、人気作家となってからは夫を捨て、同性の恋人と舞台巡業の旅に出て、女優デビューも果たしている。彼女が書いた小説『ジジ』のブロードウェー版では当時無名のオードリー・ヘプバーンを発掘しているというのも驚きだ。1つの性にも1つの肩書にも収まらない、マルチな才能の持ち主であり、時代を100年先駆けたと言っても過言ではないだろう。そんな彼女をキーラ・ナイトレイが凛々しく演じている。『アリスのままで』で知られる監督ウォッシュ・ウエストモアと故リチャード・グラツァーのコンビが脚本執筆に取り掛かったのは遡ること2001年であり、当初のタイトルは...『コレット』

  • 『IT イット THE END“それが見えたら、終わり。』

    スティーヴン・キングの代表作『IT』を映画化した前作チャプター1(邦題は字数も多いし、覚えられない)はキング作品へオマージュを捧げたNetflixドラマ『ストレンジャー・シングス』風にアレンジする、というハイコンセプトでホラー映画史を塗り替える大ヒットを記録した。その27年後を描く本作で大人になったルーザーズ・クラブを演じるのはジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャステインの実力派スターであり、さらには監督、脚本、主演を務めたTVドラマ『バリー』でエミー賞を獲得したビル・ヘイダーら演技巧者達だ(あらゆるギャグをキメるヘイダーの好アシストを見よ!)。ハッキリ言ってピエロ1人じゃ太刀打ちできない強力メンツである。さらには前作から2年を経て、ビル・スカルスガルド演じるピエロ怪人ペニー・ワイズはインターネット上ですっか...『ITイットTHEEND“それが見えたら、終わり。』

  • 『偽りの忠誠 ナチスが愛した女』

    1940年、オランダ亡命中の元ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世と、彼の警護を担当したナチス将校、そしてイギリスから送り込まれた女スパイを描いた歴史サスペンス。2003年にアラン・ジャドによって発表された小説『Thekaiser'sLastKiss』が原作だ。本作が長編監督デビューとなるデヴィッド・ルポーは皇帝役クリストファー・プラマー、将校役ジェイ・コートニー、スパイ役リリー・ジェームズらスターの力を借りて一定の見応えを得る事に成功している(さらにはジャネット・マクティア、エディ・マーサンらが名を連ねる豪華キャストだ)。しかし、演出力不足ゆえか、前半の早い段階で物語のセッティングに失敗しており、僕たちがその違和感を抱えたまま映画が進行してしまうのが惜しい。コートニーは赴任当日の夜、メイドに手を出すなと釘を刺されていた...『偽りの忠誠ナチスが愛した女』

カテゴリー一覧
商用