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逍遥亭主人
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大網白里市
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2017/02/13

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  • 『蒙求』仁君の条件

    当意即妙の受け応えが素晴らしい話である。 魏の文侯が家臣たちと歓談していた時、 「ところで、私は君主としてどうだろう?」 と尋ねた。 あまり良い質問とはいえない。 真の明君ならこんなことは訊ねないだろう。 家臣たちは、本心は別として、次々と、 「君は仁君です」 と答えた。 ところが、翟璜(てきおう)という家臣だけは、 「君は仁君ではありません。中山の国を征服した時、君は弟君にそれを与えず、ご自身の長子に与えました。これからしても、君は仁君ではないでしょう」 と、思ったことを率直に口に出してしまった。 当然、文侯は怒り、翟璜を追い出してしまった。 次に、任座(にんざ)という家臣が答える順番となっ…

  • 『論語』 コストと収益のバランスを考える

    全ての生き物は、コストと収益のバランスの上に成り立っている。 コスト以上の収益が得られなければ、生き物は死滅するしかない。企業でいえば、潰れるしかない。 このコストと収益を組み合わせることによって、三つの方策が考えられる。 一つは、どれだけコストをかけてもよいから、収益を最大にしていこうという方策、つまり収益最大化策である。 二つ目は、コストあたりの収益を最大にしようとする方策である。つまり、生産性最大化策である。 最後は、収益は小さくてもよいから、コストを最小にしようという方策、つまりコスト最小化策である。中南米に住むナマケモノが、この典型であろう。 人以外の動物が取る方策は、二番目もしくは…

  • 『孟子』年金制度を考える

    鰥夫(おとこやもめ)、寡婦(やもめ)、独者(ひとりもの)、孤児(みなしご)、という4者は、支えてくれない家族を持たない人たちである。 彼らを助けるのが政治だと、孟子は言う。 古代の聖王である文王は、必ず彼らのことを優先したというのである。 今の時代であれば、貧しい人への生活保護ということだろう。 この生活保護が悪用されているという報道が多い。 また、悪用ではなくても、場合によっては年金よりも有利だと聞く。 一生懸命、年金を払い続けてきた人にとっては、腹立たしい話である。 かといって、本当に困っている人たちを救わない訳にはいかない。 そもそも、年金制度という制度自体に、無理があるのだろう。 ミル…

  • 『世説新語』 善を褒めるのが本当の善である

    臣父淸畏人知、臣淸畏人不知(徳行 世説新語) 臣の父の清は、人に知られることを畏れ、臣の清は、人に知られざることを畏る。 本当の聖人であれば、人の評価などは気にしないであろう。 しかし、普通の人間は、そうではない。 やはり、尊敬されたり、信頼されたりすることを求めている。 僕は、それでいいじゃないかと思う。 立派なことをしても、誰も誉めてくれないのであれば、多くの人は立派なことをしなくなる。 それが、今の日本の実情だろう。 西晋の時代に、胡威(こい)という人がいた。 都から、父の許へ帰省した時、父から絹を与えられた。 胡威は、父の清廉さを知っていたから、「どうしてこのような高価な品を」と訊ねた…

  • 『列子』 情けは人のためらなず

    「情けは人のためならず」という言葉があるように、最終的には自分の利益が大切である。 利益が目的であり、人に敬意を払ったり親切にしたりすることは、手段かもしれない。 しかし、手段は大切である。 手段を間違うと、結局、利益を手にすることはできない。 目的は利益であっても、行動の判断基準は手段である。 目的(りえき)を判断基準にしてしまえば、それは禽獣と変わらない。 自分が禽獣になれば、人も禽獣となり、社会は禽獣の社会となる。 これでは、誰一人、利益を得ることはできない。 別に、社会全体のことを考えて行動しなくてもよいだろう。 何が義であり人の道理なのかは、誰もが分かっている。 人間の短い一生の経験…

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