2-xII-16
「いや、それは有難いが必要ない。ただもう一つある……」「何でございましょう?」「この……何と言うか、取り決めにはいくらかかるのかな?」この問いをパスカルは予期していたので、自分の役割にふさわしい答えを用意していた。「通常の料金をいただきます。すなわち六パーセント、そして一・五パーセントの手数料でございます」「ふうん、それだけか……」「それと私への謝礼金を頂きます」「ほう!でその謝礼金とやらは、いくらに設定しているのかね?」「千フランでございます。高すぎましょうか?」侯爵がまだ疑いを持っていたとしても、それは消え去った。「ふふん」と彼は鼻で笑った。「千フランは私には良心的な額と思えるよ」しかし彼が代理人だと思っている相手がこの言葉をどう受け取ったかを見たとき、彼は嘲笑的なにやにや笑いを後悔したようであった。...2-xII-16
2024/09/30 12:10