「グルルー夫妻が言うには、見習いのマルグリット嬢が、彼らの言葉を借りると『お偉方に貰われて行った』後は、彼女とは会っていないとのことだった……でも、それは嘘ね。少なくとも一度は彼女に会っている。彼女が二万フランを彼らのところへ持って行った日にね。そのお金が彼らの財源なのよ……。あの人たち、そのことを吹聴したりはしなかったけど……」「ああマルグリット、心優しいマルグリット!」そう呟いた後、彼は大きな声で尋ねた。「でも、お母さん、そんな細かいことまでどこで知ったんですか?」「グルルー夫妻に引き取られる前にマルグリット嬢が育った孤児院でよ……そこでも、聞いたのは彼女を褒めそやす言葉ばかりだったわ。修道院長様が仰るには、『あれほど生まれつきの才能に恵まれ、気立てが良く、利発な子供は見たことがありません』と。もしも...2-XI-7