久方の光のどけき春の日に しず心なく花の散るらむ。
きのう(2023/03/25)は、わが津幡町の桜について投稿した。花の好みは人それぞれだが、日本では総じて桜の人気が高く、日本人が桜を特別視しているのは異論のないところだろう。それは「言葉」からも窺える。花が咲く頃の薄ぼんやり霞む空は「花曇り」。同じ時期に訪れる一時的な寒さを「花冷え」。お花見用の敷物は「花筵(はなむしろ)」。満開の時期は「花盛り」。盛りを過ぎ、ハラハラと舞い散るさまは「花吹雪」。花びらが吹き寄せられ川面を流れてゆくのは「花筏(はないかだ)」。---これだけ多彩なバリエーションを与えられた花は、桜だけ。更に、パッと咲き、パッと散る桜にはどこか“死の影”が付きまとう。今回は、そんな観点から一つの物語を取り上げてみたい。ほんの手すさび手慰み。不定期イラスト連載第二百二十二弾「花時の八雲とセツ」...久方の光のどけき春の日にしず心なく花の散るらむ。
2023/03/26 22:00