chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 学校で生きる

    「学校という社会」1月26日『「つながり」が生むスポーツの価値』という見出しの記事が掲載されました。コロナ禍の東京五輪について考察し、『札幌市が招致を目指す2030年冬季大会で語られるべき意義は何か』を専門家に問う記事です。その中に、次のような記述がありました。『ウェルビーイングというと、幸せや健康と訳されがちです。幸せとは一瞬の感情のことを指しますが、ウェルビーイングとは持続する豊かな状態を表す言葉で、意味が異なります。また、ウェルビーイングは心身の健康だけでなく、社会との関係性における健康も含まれます。自分の役割実感や貢献実感、そして自分の居場所の実感などです』。このウェルビーイングの概念、これこそ学校という社会の中で実現されなければならないものなのではないでしょうか。心身の健康などは前提条件として誰...学校で生きる

  • 正念場がくる

    「禁止の実効性」1月25日『AI応答ソフトに1兆円マイクロソフト投資へ「思考力低下」利用禁止する学校も』という見出しの記事が掲載されました。『米新興企業「オープンAI」が開発した人工知能を使った自動応答ソフト「チャットGPT」』に関する記事です。記事によると、『対話のスムーズさが話題となり、インターネットの使い方を変える可能性が指摘される一方、思考力低下につながると利用を禁止する学校も現れた』ということです。『学生がリポートの作成などに使用する恐れがあるため』だそうです。授業や講義などの際に使用を禁止するのは、イメージが浮かびます。でも、教員の目の届かないところ、放課後や休日に自宅で、となればどのように禁止令の実効性を確保するのでしょうか。別のAIを使って照合すれば、「チャットGPT」を使ったか否かが分か...正念場がくる

  • 楽になった、でいいの

    「どうしてる」1月24日大学生が作るページ『キャンパる』に、『「SNSで」が圧倒的多数』という見出しの記事が掲載されました。『年末年始の恒例行事として定着していた年賀状書き(略)SNSを駆使する若者は、年賀状についてどう感じているのだろうか』ということで、アンケート調査を実施した結果について報じる記事です。結果は7割が年賀状を出していない、でした。また、『新年のあいさつでLINEやツイッターなどのSNSを利用したかどうか』という問いには、9割が利用したと答えたそうです。そして私が感心したのは、『「友人にはLINEで簡略に、先生などにはメールで」というように相手によって手段を使い分ける』という記述でした。これは大学生の話です。彼らは、『年賀状を出さなかった人全員が「過去に出したことがある」』と答えているので...楽になった、でいいの

  • マンツーマンではなく

    「下支え」1月23日『格差の再生産「学校の力」見つめ直そう』というタイトルの社説が掲載されました。『親の貧困が子に引き継がれることを「格差の再生産」と呼ぶ。密接に関わっているのは教育(略)家庭が貧しいほど授業の理解度が低い生徒が多かった。学力が身につかないと進学もままならない(略)家計に余裕がない家庭のこの学力を下支えする仕組みが欠かせない』という問題意識で書かれたものです。全く同感です。そして、『全ての子に学びを保障するのは公教育を担う学校の役目』という指摘もその通りだと思います。しかし、その先が少し違うのです。『学校が困窮家庭の子を支える福祉的機能を高めるには、専門スタッフの手厚い配置が不可欠だ。教師は、子ども一人一人に丁寧に関わって学力を伸ばす指導に専心できるようにしていくべきだ』。日本大教授末富芳...マンツーマンではなく

  • 体質、個人も組織も

    「体質」1月22日心療内科医海原純子氏が、『炎上するかな』という表題でコラムを書かれていました。その中で海原氏は、今年の箱根駅伝について触れ、『優勝したチームの監督が6区を走る学生に「男だろ」と声を掛けていたのには衝撃を受けた。翌日その話が新聞やテレビで肯定的に紹介されていたのにもかなり驚いた』と書かれています。実は私も同じでした。以前にも「男だろ」発言があり、そのことが報道され、その問題点が指摘されていました。ここで繰り返すまでもありません。性によるアンコンシャスバイアスです。私はこうした発言が、まがりなりにも教育者として位置づけられる大学スポーツの監督の口から発せられ、本人が反省の弁を出すこともなく、大学上層部が見解を述べることもなく、駅伝の主催者や陸連等の関係者から批判の声も上がらないという状況に危...体質、個人も組織も

  • 少し違う

    「少し違う」1月22日『「教員がいじめなんて」滋賀・市立小報告書案現場の思考停止指摘』という見出しの記事が掲載されました。『野洲市の市立小学校で教員による児童いじめが相次いだ問題で、市教育委員会が事案を分析し再発防止策をまとめた報告書案』について報じる記事です。その中にとても強い違和感を抱いた記述がありました。『授業や学級経営につまずいた教員らが子供の言動に原因があるとみて障害などのレッテルを貼ろうとする風潮があるのではないか』『小学校では1人の担任が基本的にすべての授業と学級経営を行うため、教室の密室化を招きやすく、担任の児童に与える影響が大きくなると指摘。高学年での教科担任制の導入促進や、中低学年での交換授業などの検討も求めた』の2点です。まず最初の記述ですが、「授業や学級経営につまずいた教員」は、子...少し違う

  • あなたが変わればいい?

    「あなたが変わればいい」1月20日『博多の女性殺害事件ストーカー対策再検討を』というタイトルの社説が掲載されました。『なぜ、最悪の結果を防げなかったのか。事件の全容解明と合わせ、警察の対応の検証が欠かせない』と主張する内容です。その中に気になる記述がありました。『警察は女性に避難や転職を勧めていたが、被害者が不利益を被るのは筋違いである』という記述です。全くその通りです。ストーカー対策の目的は単にストカー被害をなくすことではありません。被害者の人権と生活を守ることが大前提としてあり、その上で被害防止を考えるのです。もし、ストーカーから被害者の身を守ればいいだけならば、簡単です。被害者を刑務所に収容して、独房に入れればよいのです。でもそれを良しとする人はいないでしょう。私はこの記述から、学校におけるいじめ対...あなたが変わればいい?

  • 2つの選択肢

    「同じことを言っている?」1月20日『教員残業月平均92時間10年前と大差なし「過労死ライン」超え』という見出しの記事が掲載されました。『全日本教職員組合は19日、小中高校などに勤める教職員の1カ月当たりの平均残業時間が92時間34分に上ったとする独自調査の結果を発表した』ことに関する記事です。その中に、気になる記述を発見しました。『長時間労働の解消に向けては、教職員の増員(89.7%)▽受け持つ授業を減らす(62.5%)▽少人数学級を広げる(55.8%)-を求める意見が多かった』という記述です。3つの選択肢が挙げられているように見えますが、私には同じ回答だとしか思えませんでした。受け持ち授業減を実現するためには、授業の総時間数が変わらない以上、教員数を増やすしか方法がありません。そして、多くの教育課題が...2つの選択肢

  • 笑顔の価値

    「学校は無力」1月19日『本当の「サクラ咲く」とは』という見出しの特集記事が掲載されました。『中学受験のリアルが描かれた人気漫画「二月の勝者-絶対合格の教室-」』中で話題となった『君達が合格できたのは、父親の「経済力」。そして母親の「狂気」』という言葉について、教育ジャーナリストおおたとしまさ氏とともに読み解く記事です。その中に、とても大切な記述がありました。『(子供の)心の奥底にある本当のモチベーションは、第1志望に受かりたいという気持ちよりも、親の笑顔。受かったら、親がきっと喜んでくれるだろうと思うから頑張れるわけです』というおおた氏の言葉です。私は、教員時代に8回6年生を担任し、何十人もの私立中学受験者とその親(主に母親)を見てきました。ですから、おおた氏の言葉がよく分かります。自分のため、自分の夢...笑顔の価値

  • コスト主義にNO

    「コストが減った?」1月19日東洋大INIAD学部長坂村健氏が、『「迷走」恐れない社会』という表題でコラムを書かれていました。その中で坂村氏は、『日本では一度決めたことを短期間で変更することを嫌う(略)だから時間をかけて検討してからでないと決断できない』と書かれています。そして、それに対置させる形でイーロン・マスク氏のやり方を取り上げています。『スペースXの新型ロケットエンジン開発では、とにかく作っては壊しの連続。それによって小型高性能と量産型を両立した新設計のエンジンが短期間で完成した』『新ロケットも、無謀な挑戦と言われ何度も爆発を繰り返したが、数年で完成させた』と。この事例から導き出されたのは、『紙と電話とファックスの時代には、業務の手戻りのコストが非常に大きかった(略)しかしインターネットが普及し、...コスト主義にNO

  • 水平と垂直

    「水平と垂直」1月18日論点欄は、『「自立」の意味を考える』というタイトルで、東京大准教授熊谷晋一郎氏へのインタビュー記事でした。その中で熊谷氏は、『人間の「自立」とは依存しないことではなく、独占されることなく依存先を多く持つことだ』『自立とは依存先を増やすこと』と語られていました。やや分かりにくいですね。熊谷氏は、『依存先の多さと、一つの依存先への依存度の深さとは反比例の関係にある。依存先が多ければ、依存先から支配されなくなる』という説明もしています。少し見えてきた気がします。私が好きな歌(タイトルは忘れた)の歌詞に、「私は今日まで生きてきました。ときには誰かの力を借りて~」というフレーズがあります。人は誰しも、誰かの力、何らかの助けや補助を受けなければならないときがあります。困難に直面し自力では解決す...水平と垂直

  • 世間の評価

    「聞いたことがない」1月17日『大学の女性登用策多様性こそ創造の源泉だ』というタイトルの社説が掲載されました。『同質性の高い集団からは、斬新な発想や技術は生まれにくい。独創性を育むためには、多様な人材を集めることが必要だ』ということで、高等教育機関の女性教員比率向上を求める内容です。当然の主張ですが、今回この社説を目にして、その主題とは全く関係のないことが浮かんできました。私が教委に勤務するようになってから、部下に女性は3人だけでした。その3人ですが、現在、2人が大学の教授職にあり、もう1人が、NPO法人の副理事長を務めながら大学の講師をしています。皆、高等教育機関=大学の教員をしているというわけです。3/3、100%ですから、なんだかすごい数字です。私は教員としてはあまり有能ではありませんでしたが、上司...世間の評価

  • 堂々と「ええ、知りません」

    「スペシャリストということ」1月12日読者投稿欄に、大学生T氏による『教員になる前に職業体験を』というタイトルの投稿が掲載されました。教員志望のT氏は、『教員は(略)社会を教える立場でありながら社会の厳しさを知らない』『教師とは異なる苦労や大変さは経験してみないとなかなか理解できない』とし、『教員志望者であっても、企業でのインターンなど就職活動に近い経験をしてみたらよいのではないか』と述べられていました。そうすれば、『(インターン)の経験を通じて生徒の就活の相談にも乗りやすくなる』というのです。私はこの投稿を読んで、教職にまつわる問題について考えさせられました。まず、教職とは何か、ということです。教職は専門職であるというのが私の考えです。では、医師志望者は企業でインターンを、という提言を聞いたことはあるで...堂々と「ええ、知りません」

  • 野球好きは社会人野球へ

    「やりがいにもいろいろある」1月12日『教員負担軽減現場の葛藤』という見出しの記事が掲載されました。『(教員の仕事のスリム化)を、当の先生たちはどう受け止めているのか。ある研究グループが調査したところ、先生たちの抱える多様な考え方と、その中で葛藤する姿が見えてきた』という特集記事です。負担軽減のため、中教審答申では『①基本的には学校以外がになうべき業務②学校の業務だが必ずしも教師がになう必要のない業務③教師の業務だが負担軽減が可能な業務』の三つに整理されています。記事では、東京大名誉教授小川正人氏のグループが行った研究結果が紹介されています。教員を対象に、上述①~③について、『「負担である」「どちらでもない」「負担ではない」の3択で尋ねた。また、教員以外の手に委ねたいかについても「任せたい」「どちらでもな...野球好きは社会人野球へ

  • レッテル貼りだと思うけど

    「男は、女は」1月11日『コロナ下の学生たちよ』という見出しの記事が掲載されました。詩人伊藤比呂美氏へのインタビュー記事です。その中で伊藤氏は、若者たちについて語られています。『学生に詩を書かせる授業もしました(略)女の子は、日常から題材を得て書き始める。軽自動車ですうっとコーナーを回るみたいに。一方、男の子は遠くを見たがる。遠くを見据え、高速道路を時速100kmで走るような詩が多い』『男の子として育てられた若者の「アーマー(よろい)」はとても厚い。今の時代、男の子は「防御アーマー」、女の子は「攻撃アーマー」を身につけているように感じます。男の子の防御のためのよろいは分厚く、思いから、脱ぐのが大変』。他にもありますが、長くなるので書きませんが、ほとんどが、「男の子」と「女の子」の対比という形で書かれている...レッテル貼りだと思うけど

  • 何型?

    「アーティスト、それとも」1月11日映像プロデューサー吉川圭三氏が、『商業化はびこる日米の映像』という表題でコラムを書かれていました。その中で吉川氏は、『かつてプロデューサーたちは「楽しめてかつ心に何かが残る映画」を目指していたというが、最近では会議で出席者たちが「数字」をはじき出して話し合っている。それでは心に染み入るものは作れない』と書かれています。これは日米に共通する現象のようで、日本でも『視聴率を重視する傾向が強くなった(略)人気アイドルが出ているだけの安易で企画意図不明のドラマが増えました』とも述べていらっしゃいます。まあ、よく聞く話です。ただ、次の記述には少し考えさせられました。『米国では製作者がビジネスマン化し、日本ではサラリーマン化した、といったところ』という記述です。ビジネスマン化とサラ...何型?

  • ヒトは何をする?

    「人間が行う分野は?」1月9日『デジタル活用いじめ対策』という見出しの特集記事が掲載されました。『「GIGAスクール構想」で小中学生に1人1台ずつ配られたデジタル端末などを活用し、いじめの端緒をつかむ取り組みが広がっている。最大の狙いは、見て見ぬふりをする子どもを減らすこと』の具体例を報じる記事です。記事によると、『いじめをやめようと言う勇気はないけど、匿名ならそうだんできるかもしれない』という児童や、『相談先が学校外にもある意味は大きい』という教員の声が紹介されており、効果を上げているようです。『相談したことがクラスに発覚して新たないじめの標的にされる心理的なリスクを減らせる』ことのメリットは私もよく分かります。ですから、良い試みだと思います。広がってほしいものです。ただ、記事では、その先が書かれていな...ヒトは何をする?

  • 使い捨て

    「キャリア設計は」1月8日『不登校専門教員配置』という見出しの記事が掲載されました。『小池百合子知事は7日、不登校への対応を強化するため、新たに中学校への専門教員や小中学校の別室で学習指導をする支援員を配置することを明らかにした』ことを報じる記事です。記事によると、『専門教員を中学20校』に配置ということですが、気になるのは専門教員の教員人生です。教員の仕事は職人芸、これは拙著「教師誕生」の帯の言葉ですが、教員は大学の教職課程で学んだことよりも、実際に多様な子供と向き合い、失敗と成功を繰り返していく中で、体に染み込ませた感覚や技術を武器に日々の職務に当たるものだという意味です。この考えは、今も変わりません。以前このブログで、中学校夜間学級に赴任した新人教員のことを書きました。中学校夜間学級、いわゆる夜間中...使い捨て

  • 空っぽ

    「がらんどう」1月8日人生相談欄に、43歳女性が、『オンとオフ切り替えたい』という相談を投稿していました。彼女は、『帰宅しても仕事のことや会社の人間関係のことが頭から離れず、リフレッシュできないことがあります。夢にも出てきます(略)仕事のことをスパッと忘れる方法はありますか』と尋ねていました。作家高橋源一路氏の回答が素晴らしいのです。高橋氏は、『(仕事や人間関係を忘れていることができる人たちは)オンとオフを切り替えているからではありません。社会生活のオンから「私」のオンへと切り替えているのです。スイッチをオフにしても、「私」に何も準備なければ、その空っぽな隙間に「社会」や「仕事」が入り込んできます』と答えていらっしゃいました。なるほど、と思いました。近年、教員の多忙化が言われ、精神を患う教員も増え続けてい...空っぽ

  • 反撃権保有

    「反撃権保有」1月8日『6歳男児教師撃つ』という見出しの記事が掲載されました。『米南部バージニア州ニューポートニューズの小学校で6日、6歳の男子児童が教室内で30代の女性教師を拳銃で撃ち、警察に拘束された』ことを報じる記事です。記事によると、『事件前に教師と児童の間で「争い」があった』そうで、偶発的事件ではなく児童が故意に撃ったようです。6歳の子供では、30代の大人に体力的に対抗できません。そこで銃をもち出すことで、対抗できるもしくは優位に立てるように計画したということでしょう。この記事を読み、とんでもないことを考えてみました。もし、すべての児童が拳銃をもって登校するとしたら、教員による体罰や暴言は劇的に減ると思われます。ビンタをしたらバンッと撃たれ、バカ野郎と怒鳴ったらバンッでお陀仏、ということになれば...反撃権保有

  • 介入?

    「押し付け?」1月7日『「脱・結婚強要」願い、迷い多様性の時代行政、試行錯誤』という見出しの記事が掲載されました。『「結婚等に対する強迫観念を排除していきます」(略)少子化対策として2代前の市長が始めた結婚支援事業の廃止』を打ち出した安芸高田市長石丸伸二氏へのインタビューに始まる記事です。その中で石丸氏は、『結婚というプライベートに行政が介入すべきではない。結婚が正しいとの価値観の押し付けになる』と語られています。なんだかモヤモヤしてしまいました。私も特定の価値観を行政や政治が押し付ける行為には反対です。たとえ、行政が押し付ける意図はなかったとしても、結果として押し付けることになるのであれば反対です。ただ、今回のケースが押し付けに該当するとすると、行政ができることが非常に限られてくるように思うのです。例え...介入?

  • 温かみに欠ける私

    「たしかに」1月4日『「分かり合えぬ」が開く希望』という見出しの特集記事が掲載されました。情報学者ドミニク・チェン氏へのインタビュー記事です。チェン氏は、『私たちを幸福感に包む「共話」によるコミュニケーションの可能性』について語られています。共話というのは耳慣れない言葉です。チェン氏は、共話につて次のように説明なさっています。『「ねえ、今日の天気さあ」「うん、気持ちいいよね」冬晴れの日、誰かと空を見上げる。こんな会話ができたら、自然と気持ちがよくなる』『話し手と聞き手の区別もなく、何となく会話が成立するやりとり』『あらぬ方向に話題が脱線することもあるので、議論にも向きません』『会話の成立を担任に委ねている』『ぬるま湯的な安心感がある。動物のグルーミングに似ているかもしれません』などと。何となくお分かりいた...温かみに欠ける私

  • 初恋の相手

    「そうかもしれない」1月4日作家あさのあつこ氏による連載企画『迷い道』が始まりました。とても楽しみです。その初回は、『遠回りの人生だってある』という表題のコラムでした。その中に、気になる記述がありました。『幼いころは感受性の強い子供でした。大人に、「おまえのことは分かっている」と言われるのがたまらなく嫌でした。「未熟な子どもを成熟した大人が導いてやるんだ」というにおいがするんです。「分かる」というのは、裏を返せば支配できるということです』という記述です。軽い衝撃を受けました。一般的に、教員にとって必要な能力として、子供理解、つまり子供のことが「分かる」が挙げられます。私もこのブログで、子供のことが「分かる」ことはあり得ないし、「分かった」と思い込むことは傲慢だが、「分かろう」と努力し続ける姿勢は持ち続けな...初恋の相手

  • 早口に名人なし

    「理解は別では」1月4日ナレーター近藤サト氏が、『視聴速度、多様な時代に』という表題でコラムを書かれていました。その中で近藤氏は、コロナ禍で始まったオンデマンド授業に触れ、『当初、学生たちが1.5倍速で受講していると聞いた時は何だかばかにされているような気もして、正直良い気はしませんでした(略)でもよく考えてみれば、言葉を聞く最良のスピードは個人の好みであって正解はありません。実は学生は、今まで我々の話すスピードに耳を合わせていただけなのでは?とふと思い直したのです』と書かれています。つまり、タイムパフォーマンスを重視する若者が、近藤氏の講義を1.5倍速で聞き時間短縮を図っている行為を、人それぞれの好みと認めているのです。そして、NHKニュースは1分間に300文字であるのに対し、ご自身が担当している民法バ...早口に名人なし

  • あるときは厳しさも

    「解釈は」1月4日『名門再輝中央2位食らいついた』という見出しの記事が掲載されました。『名門が新しい時代を紡いでいる(略)最多14回の総合優勝を誇る中央大が、箱根路での輝きを取り戻した』と、箱根駅伝で総合2位を獲得した中央大学について報じる記事です。昨年度まで8年間シード権さえ取れない低迷状態が続いた中央大を立て直したのが藤原監督です。その藤原氏について、記事の中に次のような記述がありました。『16年4月にOBの藤原監督が再建を託されて就任(略)最初は「鬼のように怒っていた」と生活から厳しく指導して立て直しを図った藤原監督。学生たちの自律と成長を見てとれるようになると、寄り添う指導へと変わった』。今、管理型の指導、厳しい指導、細かいことにまで口出しする指導などは、時代遅れの間違った指導とされています。望ま...あるときは厳しさも

  • 私が私が

    「私が私が」1月3日余禄欄では、『昨年11月のワシントン条約締結国会議で商業取引の全面禁止が議題となった』ことを取り上げていました。その中で、作曲家シューマンの著書の言葉が引用されていました。『みんなが(メロディー担当の)第1ヴァイオリンをひきたがったら、オーケストラはまとまらない』という言葉です。確かに第1ヴァイオリンは目立ちますし、誰もがその地位をつかみたいと考えるのかもしれません。しかし、それ以外の楽器を担当し、そのポジションで黙々と努力し、そこでの最善を尽くそうという多くの人がいてこそ、演奏は成り立つわけです。今回の引用は、会議で、各国がエゴを押し付け合う状況を諷したものですが、私には、別の連想が働きました。それは、社会のあり方についてです。私たちの社会や企業などの所属している組織においても、第1...私が私が

  • 男子校女子校が差別でないなら

    番外「女子校男子校…」WSJWSJ日本版12月号に、『LGBT向け高齢者住宅登場』という見出しの記事が掲載されました。『パームスプリングスにある総戸数24戸の介護付き集合住宅、ストーンウォール・ガーデンズ(略)、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの人々とその友人の要求に応えた施設』を取り上げた記事です。記事によると、『LGBTの高齢者の82%が高齢になるにつれて、必要な社会的支援を受けられていないように感じている。52%が人との関りがないなどと回答し、社会的に孤立している』であり、『一般的な高齢者施設に入居したが、LGBTが歓迎されていなかったりスタッフが対応を教育されていなかったりして、再び性の自認を隠したり大切な人の写真を隠したりしなければならない人がいる』のだそうです。だからこそ...男子校女子校が差別でないなら

  • いいとこどり

    「いいとこどり」1月1日特別企画『若手起業家に聞く日本再生のカギ』は、3人の若手起業家へのインタビュー記事でした。その中の1人、LabBase代表加藤倫明氏の話の中に気になることがありました。ちなみにLabBaseとは、『理系人材に特化した就職・転職支援を実施』している会社のようです。加藤氏は、『ジョブ型採用の浸透』を訴えています。そして『必要なくなれば「クビ」という欧米型への移行ではなく、それぞれの技術、研究分野に合う就職という意味でのジョブ型を浸透させたい』と語られているのです。良い考えだと思います。しかし、実現可能なのでしょうか。我が国の主流であるメンバーシップ型採用にも利点があります。だからこそ、今まで続いてきているのです。その良さの最たるものは、雇用の安定、労働者の立場からすれば雇用の安心感とい...いいとこどり

  • 後退でしょう

    「悪いこと?」12月28日『「3年で地域移行」緩和』という見出しの記事が掲載されました。『公立中学校で部活動の指導を地域へ委ねる「地域移行」を巡り、スポーツ庁と文化庁は27日、2023年度からの3年間で集中的に移行を進めるとした方針を改め、期間何の達成にこだわらないと明記した部活ガイドラインを公表した』ことに関する記事です。要するに当分の間、学校主体の部活が併存してもよいということです。私はこの記事を見て、まず「緩和」という言葉が気になりました。私の言語感覚で言えば、「緩和」とは何か良くないこと、よくない状態をそれ以上進行する、深刻化するのを遅らせるというイメージで使われる言葉です。例えば、「緩和ケア」というのは激しい痛み、その痛みに苦しんでいる状態を和らげ、深刻化する痛みを軽減するということです。その「...後退でしょう

  • ひねくれ者の悪い癖

    「逆に見えてしまう」12月27日『外から日本見る目持って』という見出しの記事が掲載されました。海外で長年暮らしたバイオリニスト黒沼ユリ子氏へのインタビュー記事です。その中で黒沼氏は、早稲田大名誉教授木村利人氏の若い頃のエピソードを話されています。『学生時代、フィリピンにボランティアで行ったら、住民から無視され、他の国の学生と同じ寝室から彼のベッドだけ外に出されてショックを受け、やっと戦時中の日本が何をしたかが分かったんですって。父も母も日本人の刀で首を切られた人がいたわけですから』と。そして、『戦争の記憶ではなくても、一度でも外から日本を見るのが大事』と話を展開なさっているのです。なるほど、と多くの人が感じるかもしれません。しかし、私はへそ曲がりなのか、全く逆の感想をもってしまったのです。木村氏は88歳だ...ひねくれ者の悪い癖

  • 加害者を守るのか、という批判

    「言い難い」12月24日『絶えぬ暴力許すな』という見出しの記事が掲載されました。スポーツ現場における児童生徒への暴力行為について取材を続けてきたジャーナリスト島沢優子氏に取材した記事です。その中にとても印象に残った記述がありました。『キャリアを積んだ指導者の人生を守るためにも、パワハラ根絶と新しい指導スタイルの構築に力を注ぐべき』という島沢氏の言葉です。全くその通りなのです。私は教委勤務時に、運動系部活や体育の授業における体罰の事後処理に携わってきました。記事の中で、島沢氏が指摘するように『指導者は暴力を振るっている、許されないことをしている自覚がない。奮起させるため、本人のためによかれと思ってやっている』と感じることが多々ありました。そのとき、一番有効な指導は、「体罰は、あなた(指導者・教員)の人生をが...加害者を守るのか、という批判

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、ヒマローグさんをフォローしませんか?

ハンドル名
ヒマローグさん
ブログタイトル
ヒマローグ
フォロー
ヒマローグ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用