「人間考学」からみる唱和力
雀の樹≪狼は月に向かって吠えるとはいうが、連らなって群れが吠えはじめると一定のリズムがあり心地よいハーモニーになる。何処にでもある唱和だが、人間界だけは調和もなければ連帯もない。かえって狭い範囲の軋轢さえ起こしてしまう。「和して唱える」とは、よく言ったものだ。いまは唱(となえ)に和するようになったが、それに疑問も持たないようだ。つまり、従うことに安逸している。≫さまざまな民族は複雑の要因を以って国家なるものを構成しているまた、環境に棲み分けられた人々は神と精霊の存在を認知し、それを共に畏れ崇めることによって宗教なり習慣的陋習をもとに連帯と調和を司ってきた。人は集い、衆を構成し、共通な陋習を掟や規範として血脈の継続と、拡大する衆の統制に活用した。それが衆を構成するシステムとして成立すると陋習は「矩」や「則」...「人間考学」からみる唱和力
2023/12/29 01:25