米中裁判所による外国訴訟差止め命令(anti-suit-injunction: ASI)応酬、最新事例の続編です。米国訴訟における原告エリクソンの「反干渉差止め命令*(anti-interference injuction (or anti-ASI))」申立てを認めたテキサス東部地区連邦地裁の判決(命令)後半部からです。*定訳
今回は昨夏以降急激に盛り上がりつつあるSEP/FRAND論争の中でも、とりわけ裁判所の動きが顕著で専門家からも頻繁にとりあげられるようになったテーマ “Anti-Suit Injunction”(外国訴訟差止め命令)をとりあげます。このブログで最初にとりあげたのは、『第140話:IoT時代の
第159話:米国2021年統合歳出予算法に「埋め込まれていた」重要知財法改正3つ
≪2020年12月27日、トランプ大統領が新型コロナウイルス追加景気対策・歳出法案に署名。政府機関の閉鎖が、回避される。≫...年末ぎりぎりで成立した米国の「2021年統合歳出予算法(Consolidated Appropriations Act, 2021)(H.R.133)」については日本でも広く報じられましたが
速報! 独デュッセルドルフ地裁がNokia v. Daimler事件のSEP論争を欧州司法裁判所に付託
速報です。11月26日(木)、Nokia v. Daimler訴訟を審理していた独デュッセルドルフ地裁が、焦点となっていたSEPライセンス論点を欧州司法裁判所(CJEU)に付託することを決定しました。今年後半に入り、欧米でSEPホルダー寄りの重要判決(および米独禁当局見解)が相次ぐ環境下、
第158話:米司法省反トラスト局がIEEEの2015年改訂IPRポリシーに対する見解を修正 -- 大幅にSEPホルダー寄りに引き戻す
今回も「SEPもの」です。前話で手短に速報した司法省反トラスト局の2020年9月10日付ビジネスレビューレター(BRL)について少し詳しく紹介します。司法省反トラスト局のBRLといえば、アバンシの5GSEPプールライセンシングに対する2020年7月28日付BRLを少し前にとりあげました(
第157話:Go To "SEP論争" !! 猛暑去ってもSEP/FRAND論争は熱く。 米司法省反トラスト局が新たなBRL発表。「つながる車」SEP訴訟、米独で新たな動き ... etc.
この夏に米欧各国の重要判決や独禁当局見解が相次ぎ、一気に過熱したSEP/FRAND論争の勢いが、9月に入っても一向に衰えません。前話(第156話)で掲げたリストをここで更新しておきます(漏れていた8月の出来事もいくつか補足します)。2020年5月5日 (独) 最高裁判決(*判決文公表
第156話:特別な夏 -- 大物「SEP判決」ラッシュ。Unwired Planet v. Huawei 英最高裁判決下される。その前にSisvel v. Haier 独最高裁判決も。<補足あり>
今年の夏はまさに「特別」... SEP・FRANDの世界においても。2020年8月26日、第1審である英高等法院(High Court)バース判事の判決で有名になった注目の Unwired Planet v. Huawei事件の英最高裁判決が下されました(Unwired Planet v. Huawei and Conversant v. Huawei and ZT
速報!! SEPライセンシングをめぐるFTC v. クアルコムの反トラスト法訴訟、控訴審でクアルコムが逆転勝訴
注目のFTC v. クアルコム 反トラスト法訴訟の最新動向です。2019年5月に第一審・カリフォルニア北部地区連邦地裁のルーシー・コー判事から完全敗訴の厳しい判決を受けたクアルコムですが、2020年8月11日、連邦第9巡回区控訴裁判所から逆転勝訴の判決を受けました。(FTC v. Qu
第155話:米司法省反トラスト局がアバンシによる5G必須特許ライセンス・プラットフォームの競争促進効果を認める
前話(第154話)に続き「SEPもの」です。前話のCAFC判決(2020.8.4)からちょうど1週間前に遡ります。2020年7月28日、米司法省反トラスト局はアバンシ(Avanci, LLC)*が昨年末に提出していたビジネスレビュー申請に回答し、アバンシが計画している自動車業界向け5G必須特許ライセ
第154話:SEP訴訟をめぐる最新CAFC判決 - 「必須性」は裁判官が判断すべきクレーム解釈問題ではなく、陪審による侵害分析の一部
久々にSEP(標準必須特許 standard essential patent)のトピックをとりあげます。かなり新しいCAFC判決です。いま(8/7になったところ)から3日前に出たばかり。(Godo Kaisha IP Bridge 1 v. TCL Communication Technology, Fed. Cir., 8/4/2020)標題の通り、標準必須特許の「必
第153話(後編): ユニリーバ研究者の職務発明対価訴訟。英最高裁が "Too Big To Pay”ルールにとらわれない柔軟なアプローチを採用
第153話後編は職務発明の対価をめぐる2019年のイギリス最高裁判決です。前編で触れた本庶教授と小野薬品の訴訟に関する報道のいくつかが、医薬メーカーの職務発明対価について書いており、これを読んでいるうちにユニリーバ判決のことを思い出しました。こんな内容です。Shan
速報です。本年2月に欧州統一特許裁判所(UPC)への不参加を表明していたイギリスが、正式にUPC協定の批准を撤回しました。とり急ぎ、批准撤回を明らかにしたUPC準備委員会の発表骨子をお知らせします。2020年7月20日 UPC準備委員会本日、イギリスは欧州統一特許裁判所(UPC)プ
第153話(前編):(1) オプジーボ発明者に米研究者2名を加える地裁判決をCAFCも支持 (2) ユニリーバ研究者の職務発明対価訴訟 Shanks v. Unilever
今回は医療系の特許をめぐる米英訴訟トピックをふたつとりあげます。ひとつ目は、オプジーボ特許の発明者認定に関する米CAFC判決(Dana-Farber Canser Institiute v. Ono Pharmaceutical, Fed. Cir., 7/14/2020)。ふたつ目は、ユニリーバの研究者が職務発明の適正な対価を求め
第152話(後編):「オレンジブック」生誕40年を迎えたFDAの取り組み -- 掲載特許プラクティスの見直しを迫る(?)第1巡回区控訴裁判決
生誕40年「オレンジブック」をめぐるトピックの後編です。オレンジブックへの特許掲載をめぐる反トラスト法事件で下された控訴裁判決を紹介します(後述の通り、正確にいうと、訴答段階で出された訴え却下申立てに対する命令をめぐる控訴事件。ディスカバリも始まっていない段
第152話:「オレンジブック」生誕40年を迎えたFDAの取り組み -- 切望された掲載特許情報の見直しでコメント募集
最近「オレンジブック」のトピックがよく目に入るようになりました。たとえば、FDAがオレンジブックへの特許掲載プラクティスの見直しへ "FDA Launches Review of Orange Book Patent Listing Practices" Colleen Heisey, Anthony Insogna, Gasper LaRosa, Cary Miller
第151話:欧州統一特許制度の行方。ドイツ憲法裁判所によるUPCA違憲判決その後 ... 手続き上の問題(修復可能)と思いきや、かなり根深い(?)
【COVID-19と知財】シリーズを始めましたが、コロナばかりに気をとられていると見落とすものも出てきます(まあ大切なものを見落とすのはコロナ前からですが)。ということで、今回は3月に速報したドイツ憲法裁判所判決のフォローアップです。ドイツ憲法裁判所判決 (2/13/2020)
第150話:【COVID-19パンデミックと知財 2020】(その2・後編) この救済請求は「不要不急」にあらず ... N95マスクの便乗値上げ業者に対し、米NY地裁が商標法違反で予備的差し止め命令
N95マスクの便乗値上げ業者に対する3M社の商標侵害訴訟、続編です。2020年4月10日に3M製N95マスクをリストプライスの5,6倍で販売しているPerformance Supply, LLCを訴えた3Mは、その後すぐに暫定禁止命令(Temporary Restraining Order:TRO)と予備的差止め命令(Preliminary
第149話: 【COVID-19パンデミックと知財 2020】(その2・前編) N95マスクの便乗値上げ業者に対し、米NY地裁が商標法違反の予備的差し止め命令
前回(第148話)から始めた【COVID-19パンデミックと知財 2020】シリーズ、その2です。今回はカテゴリ(5)「商標・ブランド保護」に飛びます。新型コロナ問題と切り離せない、マスクをめぐるトピックです。我々一般人が使うようなサージカルマスクはようやく店頭に出始め、価格
第148話:【COVID-19パンデミックと知財 2020】(その1)パンデミック終息に向けた知財開放 "Open COVID Pledge"とは
テレビ、新聞、ネット、あらゆるメディアが連日COVID-19問題を論じていますが、海外知財コミュニティにおいても、とりわけWHOによる3月11日のパンデミック宣言以降、様々なCOVID-19議論が展開されています。ざっくり以下のようにカテゴライズしてみました。(このブログにお
速報:ドイツ憲法裁判所判決 -- UPC協定を承認する法は違憲。UPC不参加表明のイギリスに続き、ドイツまで...欧州統一特許制度の行方は
2020年3月20日(金)午前9時30分、ドイツ連邦憲法裁判所による注目の判決が公表されました。ドイツ政府による欧州統一特許裁判所(Unified Patent Court: UPC)協定の批准を可能とするUPC協定承認法(「協定承認法」)がドイツ憲法に違反するとして、ドイツ特許弁護士Ingve Björn
第147話:新型コロナウイルスと知財 -- 1) 中国、コロナウイルス関連商標の大量出願に指針、2) ウイルス感染リスクなし「クラウド法廷」、3) テレワーキングと営業秘密保護 etc.
新型コロナウイルスの影響が自分自身の生活のあらゆる側面に及んでいます。変えざるを得ないものが多くなってきました。働き方、外出時の作法、心構え、飲み方...。一方こんなときだからこそ、変えてはいけないものもあります。一番は生活のリズムですね。学童・学生のいる方
第146話:「イギリスはUPCに参加せず」... 政府の表明に失望の声多く(「特に驚くべきことではない」との声も)。欧州統一特許制度の行方は、ドイツの批准は...
2020年2月27日、イギリス政府はUPC(Unified Patent Court)制度に参加しないことを表明しました。≪イギリスは今後、単一効特許/統一特許裁判所(Unitary Patent/ Unified Patent Court)制度への参加を求めない。EU法を適用し、欧州司法裁判所(CJEU)に拘束される裁判所に参加す
第145話(後編):カリフォルニア州リバースペイメント対策法、2020年1月1日施行 --- ジェネリックメーカー団体の違憲訴訟、"Dormant Commerce Clause"違反は認められず
(すっかり間が空いてしまいましたが、何事もなかったかのように続けます)第145話(前編)でとりあげた、ブランド薬メーカーとジェネリック薬メーカー間のリバースペイメント取決め(和解契約)を規制するカリフォルニア州新法の執行差止めを求めたジェネリックメーカー団体の訴
第145話(前編):カリフォルニア州リバースペイメント対策法、2020年1月1日施行 --- ジェネリックメーカー団体の違憲訴訟、仮処分申請は認められず
第144話に続き2019年中にとりあげ損ねたトピックを紹介します。州法としては初めて制定されたというカリフォルニア州のリバースペイメメント対策法です。リバースペイメント(reverse payment)(あるいは "pay-for-delay"と呼ばれる)については過去にもしばしばとりあげました(
第144話(後編):米特許庁、司法省、国立標準技術研究所が『SEPの救済に関する政策表明』を発表 - 2013年政策表明を撤回したDOJ反トラスト局長の発言、それを支持する上院議員 etc.
第144話後編では、前編でとりあげた2019年政策表明前後の動向や専門家コメントを紹介しておきます。1)司法省反トラスト局長Makan Delrahim氏の発言2019年政策表明中には「USPTOとDOJは2013年政策表明を撤回し、NISTを加えて、今回の政策表明を策定した」と明記されています
第144話:米特許庁、司法省、国立標準技術研究所が『SEPの救済に関する政策表明』を発表 - 2013年の政策表明を撤回し、差止め救済の利用可能性を明確化
(2019年中にとりあげられなかったトピックがあまりに多いなか、まだ「いまさら」にならないものをとりあげておこうと思います)2019年12月19日、米特許庁(USPTO)、司法省(DOJ)反トラスト局、および国立標準技術研究所(NIST)は「FRAND宣言をしたSEPの救済に関する政策表明」を
勝訴当事者は、関連するIPR手続きに基づく「例外的事件」を理由として、特許法第285条に基づく弁護士費用の支払いを敗訴当事者に求めることができる。(American Vehicular Sciences v. Autoliv ASP, ED Mich. 8/30/2019)第143話・後編では、IPR(Inter Partes Review)に関連
今回は最近目にした米国の”exceptional case"事例をふたつとり上げます。"exceptional case"=「例外的事件」ですが、通常目にする「例外的事件」とはちょっと異なる「例外的事件」例です。(Amgen v. Sandoz, CAFC, 9/3/2019; AmericanVehicular Sciences, LLC v. Autol
第142話(後編): FTC v. クアルコム反トラスト法訴訟、クアルコムに対する差止め命令の執行停止が認められる -- 二つの独禁当局間の見解相違がより鮮明に
第142話・後編です。クアルコムの主張を受け入れ、地裁(NDCA) ルーシー・コー判事の差止め命令に対する執行停止を認めた控訴裁(CA9)の判断理由をみてゆきます。差止め命令の執行停止に関する判断要素執行停止を認めるか否かの判断において、以下の要素を検討する。(参照 Nken
第142話(前編): FTC v. クアルコム反トラスト法訴訟、クアルコムに対する差止め命令の執行停止が認められる -- 二つの独禁当局間の見解相違がより鮮明に
注目のFTC v. Qualcomm反トラスト法訴訟・第2ステージ(控訴審)、第1ラウンドにおいてクアルコム側が勝利を収めました。 2019年8月23日、連邦第9巡回区控訴裁判所(U.S.Court of Appeals for the Ninth Circuit: CA9)は、第一審(カリフォルニア北部地区連邦地裁: NDCA)の差止
第141話:IoT時代のSEPライセンス最新事例 -- 米独「SEPホルダー v. 自動車メーカー/Tier1 サプライヤー」訴訟、米国内法廷地をめぐる駆け引き
第139話から紹介しているIoT時代のSEPライセンス最新事例、締めくくりは、米国内での法廷地選択の駆け引きです。2019年5月10、「インプリメンター」側であるコンチネンタル(ダイムラー等自動車メーカのTier 1サプライヤー)が、FRAND誓約違反を主張して、アバンシ(ライセンシ
第140話:IoT時代のSEPライセンス最新事例 -- 米独「SEPホルダー v. 自動車メーカー/Tier1 サプライヤー」訴訟で"Anti-Suit Injunction"の応酬
前回(第139話)は自動車メーカーのTier1 サプライヤーであるコンチネンタルが、米国でSEPホルダーおよび彼らの特許を「プール・ライセンス」するアバンシによるFRAND誓約違反を主張して提起した訴訟をとり上げました(Continental Automotive v. Avanci et al., NDCA, filed 5
第139話:IoT時代のSEPライセンス最新事例 -- 米独「SEPホルダー v. 自動車メーカー/Tier1 サプライヤー」訴訟が示すもの
今回とり上げるのは、今後頻発するであろう「コネクテッド」技術に関する標準必須特許保有者(SEPホルダー)と実施者(インプリメンター)側の、ライセンシングをめぐる駆け引きを象徴するような事件です。2019年5月10日にカリフォルニア北部地区連邦地裁に提起されたContinenta
速報!FTC v. クアルコム反トラスト法訴訟、カリフォルニア北部地区連邦地裁の判決下される
ついにルーシー・コー判事の判決が出ました。日経新聞を始めすでに日本でも速報されています。当ブログでも、判決を前にしたDOJ、FTCの不和(?)などを紹介しつつ(第136話, 137話)この日を待っていましたので、速報しておきます。判決日は2019年5月21日。FTC側の勝訴です。ク
第138話:欧州ジェネリック/バイオシミラー・メーカーの競争力強化へ。域外輸出目的の製造などに対するSPC適用除外規則採択される
2019年5月14日、EU理事会は、EU域外への輸出などを目的としたジェネリック薬やバイオシミラーの製造を、補充的保護証明書(Supplementary Protection Certificate: SPC)による先発ブランド薬保護の適用除外とする規則を承認した。この新たな規則は、EUを拠点とするジェネリッ
第137話:FTC v. クアルコム反トラスト法訴訟 --- DOJの意見書に対しFTCが回答。SEPをめぐる米独禁当局間の食い違いが顕在化?
SEP(標準必須特許)のライセンス契約などをめぐり世界各国で法廷闘争を展開したアップル・クアルコム間の和解成立後、益々注目度が高まるFTC v. クアルコムの反トラスト法訴訟の行方。前回は、この反トラスト法訴訟が行われているカリフォルニア北部地区連邦地裁に対し、司法
第136話:アップルとの和解成立後、注目度が高まるFTC v. クアルコム反トラスト法訴訟の行方 ... 司法省も異例の意見書提出
2019年4月16日、カリフォルニア南部地区連邦地裁における注目の陪審審理2日目の冒頭陳述後、突然「全面和解」の成立が発表されたクアルコムとアップルの特許/反トラスト法訴訟(Apple v. Qualcomm, SDCA)。(米国での主な訴訟の概略・経緯はここで少し整理しました → 『第1
第135話:米FTCとテバ社が「リバースペイメント」反トラスト法訴訟でグローバル和解
≪2019年2月19日、米連邦取引委員会(Federal Trade Commission: FTC)は、Teva Pharmaceuticals Industries Ltd.の子会社に提起していた3件の反トラスト法訴訟において、グローバル和解に達した。 当事者間の合意に基づき提出された裁判所命令案(stipulated order)がそれぞれ
第134話:消えた(?)「公益」論争 (その2)-- 5G開発競争をめぐる「国家安全保障」上の「公益」懸念とは
クアルコムとアップル(およびFTC)の米国反トラスト法・特許訴訟のうち、ITC(国際貿易委員会)の関税法337条調査についてとりあげた第133話の続編です。最初に主な米国訴訟一覧をもう一度掲載しておきます(いずれの事件も進行中なので、今後も内容をアップデート/修正しつつ
第133話:消えた(?)「公益」論争 -- 急展開するクアルコム対アップルの反トラスト法・特許侵害訴訟
クアルコムとアップルの米国反トラスト法・特許侵害訴訟が急展開を見せています。しばらく離れていた当ブログ再開のトピックとして、3月14日に下されたカリフォルニア南部地区連邦地裁の(略式)判決や翌15日の同地裁陪審評決を中心に書き始めたところ、やはり両者間の特許紛争
第132話:速報!バイオシミラーの和解契約もFTCの審査対象とする改正法成立
中間選挙も迫り、現第115議会(2017-2018)の会期も残りわずかとなった2018年10月10日、トランプ大統領は、バイオ医薬メーカーとバイオシミラー・メーカー間の特許訴訟和解契約をFTC(および司法省)の審査対象とする法案に署名しました。 "Patients Right to Know Drug Prices
第131話:速報! 米IPRにおけるクレーム解釈基準を変更する最終規則が告示される -- BRIからPhillips基準へ
速報です。米IPR(Inter Partes Review)手続き等*における特許庁審判部(PTAB)のクレーム解釈基準を、BRI基準からPhillips判決基準に変更する米特許庁の最終規則が2018年10月11日付連邦官報で告示されました(83 FR 51340, 10/11/2018)。*IPR, PGR, CBM手続きに適用。BRIをPhill
第130話:「ノー・ディール」に備えよ --- 合意なき離脱(no deal Brexit)となった場合、特許の扱いはどうなる。商標・意匠は、権利消尽は...
2019年3月29日まであと半年と迫るEU離脱(Brexit)に向けた、英国とEUの交渉が難航しています。打開策が見いだせないまま「合意なき離脱(ノー・ディール)」となる可能性を指摘する報道も多くなりました。合意できない場合、2020年末までの移行期間もなく、いきなり離脱すること
第129話:バイオシミラー・メーカーのIPR利用戦略アップデート --- FDA申請前に控訴できるか、それが問題
次々と新たな重要判例などが出てきて、すべてをカバーすることがなかなか困難な米国IPR(Inter Partes Review)の動向ですが、最近バイオシミラーとIPRに関する注目のトピックを目にしました。バイオシミラー・メーカーの戦略を左右しかねない新たな法律問題が高裁で争われ、そ
第128話:最新米国SEP判例(2) SEPホルダーは要注意 -- 標準化団体への情報開示義務違反が「黙示の権利放棄」とされる場合も
最新米国SEP判例の2件目は、標準化団体(Standard Setting Organization: SSO)への知財情報開示義務に違反する行為が「黙示の権利放棄(implied waiver)」とみなされうることを示した事例です。「黙示の権利放棄」とはどのようなものなのか、いかなる場合に発生し、どのような
第127話:最新米国SEP判例(1) SEPホルダーは要注意 -- 安易に「SEP」というべからず
標準必須特許(Standard Essential Patents: SEP)をめぐる米国最新判例を3件(程度)、順に紹介してゆきます。地裁レベルのもの、高裁(CAFC)判決、また並行する中国独禁法訴訟について触れているものもあります。(Cellular Communications Equipment v. HTC, et al(EDTX), Core
第126話:海外営業秘密動向アップデート (1)米DTSA、2年経過で見えてきたもの (2)営業秘密保護と独禁法 (3)EU営業秘密保護指令に基づく国内法整備状況...他
久々に営業秘密/トレードシークレットの話題をとり上げます。最後に書いたのがウェイモ v. ウーバーのDTSA訴訟和解関連ですから(『第118話(3): ウェイモ v. ウーバー営業秘密訴訟が示すもの --「弱い特許、強い営業秘密」という現行制度がもたらす不幸(?)』(3/25/2018))、約5
第125話・続き(2): IPRにおけるクレーム解釈基準改正案に350超のコメント/ 下院法案 - PTABとAIAは廃止せよ
IPR等におけるPTABのクレーム解釈基準改正案に対するコメントの紹介を続けます。前回は、現行のBRI基準をPhillips判決基準に変更する特許庁案への賛成派、反対派の意見、とりわけ、それぞれが主張する「基準の統一」(「PTABと連邦裁判所/ITCの基準統一」 vs. 「特許庁内の基
第125話・続き:(2) IPRにおけるクレーム解釈基準改正案に350超のコメント (3) 下院法案 - PTABとAIAは廃止せよ *【追記】あり
相次ぐ米IPR関連のデキゴトをアップデートする第125話 -- (1)インディアン部族の主権免除はIPRには適用されないと判断したCAFC判決(7/20/2018)に続き、今回は(2)IPR等におけるクレーム解釈基準改正案への提出コメント他をとりあげます。米特許庁によるルール改正案は、2018
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