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  • 後期リピート/椿椿山展(板橋区美)+江戸絵画お絵かき教室(府中市美)

    「春の江戸絵画まつり」の二大イベント、どちらも後期をリピートしてきた。■板橋区立美術館『椿椿山展:軽妙淡麗な色彩と筆あと』(2023年3月18日~4月16日)図書館勤めの友人から貰った招待券で入場。花鳥画は『玉堂富貴・遊蝶・藻魚図』が退場して、金地墨画の『蘭竹図屏風』がメインになっていた。これは大倉集古館所蔵だそうだが、あまり見た記憶がない。『花卉図屏風』(田原市博物館)は墨画と淡彩画を交互に貼り交ぜているので、眺める角度によっては、墨画だけに見えたり、淡彩画だけに見えたりする。椿山の墨画は、墨の濃淡が個性的で、たとえば風に揺れる竹の葉の一部だけが濃く、あとは薄墨で背景に沈んでいるような感じがおもしろかった。『蕃殖図』は、草の生い茂る庭をフラットにスケッチしたような作品で、東洋絵画のお約束みたいな余白がな...後期リピート/椿椿山展(板橋区美)+江戸絵画お絵かき教室(府中市美)

  • 2023黄金週始まる

    ゴールデンウィークの大型連休が始まった。もう現役世代ではないので、休めるときはしっかり休もうと思い、5/1(月)2(火)は有休を取った。なので、表向きは9連休である。けれども、どうやら飛び込みの作業が入りそうで、メールチェックは欠かせない…。まあ出勤の必要はなさそうだが、テレワーク環境の進化は良し悪しである。桜が終わった家のまわりは、足元の植え込みやプランターが春の花盛り。2023黄金週始まる

  • 「妖かし」大活躍/新・陰陽師(歌舞伎座)

    〇歌舞伎座新開場十周年記念・鳳凰祭四月大歌舞伎:昼の部『新・陰陽師』(4月23日、11:00~)夢枕獏の小説『陰陽師滝夜叉姫』をもとに、市川猿之助が脚本・演出を手掛けた舞台。4月に入ってから、これは見たいなあと思ってチケットを探したら、意外なことにまだ日曜のチケットがあった。残っていたのは1等席だけだったので、けっこうな出費になったが、思い切って購入した。本作は、歌舞伎座の新開場杮葺落公演(2013年)から約10年ぶりの上演だが、初演とは全く趣きを変えた「古典歌舞伎仕立て」のスタイルだという。私は初演を見ていないので、比較はできないが、全体としては「古典歌舞伎」の雰囲気が濃いように思った(あまり見ていないけど)。発端「賀茂社鳥居前の場」は朱雀帝の御代。東国では不作が続き、苦しい生活を強いられている民人は、...「妖かし」大活躍/新・陰陽師(歌舞伎座)

  • 掛けものあれこれ/茶の湯の床飾り(出光美術館)

    〇出光美術館『茶の湯の床飾り:茶席をかざる書画』(2023年4月22日~5月28日)出光美術館は、この展覧会から事前予約が不要になった。やっぱり、好きな時間にふらりと入れるのはありがたい。今回は五島美術館とここをハシゴしたので、特にそう思った。本展は、茶の湯や煎茶においてどのような書画が掛物として茶席を飾ってきたかを、同館コレクションを中心に紐解く試みである。冒頭には、東山御物でもある牧谿の『平沙落雁図』。私のブログでは、2016年の「水墨の壮美」以来になる。何が描いてあるのか、ほとんど分からないような画面だが、目を凝らすと、無数の雁が列を連ねて飛ぶ様子や、それを見送る数羽の地上の雁たちが見えてくるのだ。牧谿はもう1点、黒い羽根がもこもこでふさふさの『叭々鳥図』も。その隣り、伝・夏珪筆『瀑布図』(南宋~元...掛けものあれこれ/茶の湯の床飾り(出光美術館)

  • 古典籍に注目/古今和歌集を愛でる(五島美術館)

    〇五島美術館館蔵・春の優品展『古今和歌集を愛でる』(2023年4月1日~5月7日)古今和歌集を書写した平安・鎌倉時代の古筆切を中心に、古今和歌集に関わる歌仙絵・古典籍・近代書など約50点を展観する。館蔵品展だからおなじみがほとんどだったが、名品は何度見てもよい。冒頭は歌仙絵で、ちょっとこわい顔の『猿丸太夫像』(業兼本、針のように細い筆跡も好き)、恰幅のよい紳士の『紀貫之像』(上畳本)、縹色(青)の袍に老懸という武官姿の『壬生忠岑像』など。白描の『時代不同歌合絵』は向かって左に細面の男性、右にやや下ぶくれの太りじしの男性を描く。歌合は、左・藤原兼輔、右・藤原俊忠が番っているが、伊勢・後京極良経の例を見たら、挿絵は左右が逆になるみたいだった。続いて古筆。高野切古今集の第一種、第二種を見ることができた。本展は、...古典籍に注目/古今和歌集を愛でる(五島美術館)

  • ペルシャ陶器と絵画の楽しみ/美しい人びと(松岡美術館)

    〇松岡美術館『美しい人びと松園からローランサンまで』『憧憬のペルシア』他(2023年2月21日〜6月4日)ふらっと寄っただけの展覧会だが、なかなかよかったので書いておく。展示室4の『憧憬のペルシア』では、ペルシア陶器56件を展示する。ペルシア陶器とは、イスラーム時代に中近東で作られた陶器をいう。中近東史に詳しくないので「イスラーム時代」を調べたら、Wipipediaには、イスラーム黄金時代=アッバース王朝(750-1258)のこと、という説明が載っていた。おお、まさに読み終わったばかりの東ユーラシアの唐(618-907)と重なる時代である。松岡美術館の初代館長・松岡清次郎は、1972年、初めて海外オークションに参加し、帰途に立ち寄ったテヘラン(イラン)で9世紀から13世紀のペルシア陶器をまとめて取得したと...ペルシャ陶器と絵画の楽しみ/美しい人びと(松岡美術館)

  • 「中国史」を超えて/唐:東ユーラシアの大帝国(森部豊)

    〇森部豊『唐:東ユーラシアの大帝国』(中公新書)中央公論新社2023.3めちゃめちゃ面白かった。何度も読んできた唐の歴史なのに、なぜ、こんなに新鮮で面白かったのか。従来の標準的な歴史は、後世の中国人が編集した典籍史料をもとに書かれてきた。しかし20世紀以降、敦煌やトルファンで見つかった同時代の文書史料、中国全土で見つかっている石刻資料(墓誌など)によって、唐の歴史像は大きくアップデートされているのだという。本書は、唐の歴史を「中国史」ではなく、東ユーラシアに展開した歴史としてとらえなおすことを目指す。このとき、重要な画期となるのが「安史の乱」である。安史の乱以前の唐の歴史は、「中国本土」(漢人の住む空間)の北部とモンゴリア、マンチュリア、そして東トルキスタンまでを舞台に展開する。安史の乱以後は、長江流域の...「中国史」を超えて/唐:東ユーラシアの大帝国(森部豊)

  • 螺鈿・漆絵・卵殻貼/美しき漆(日本民藝館)

    〇日本民藝館特別展『美しき漆日本と朝鮮の漆工芸』(2023年4月13日~6月18日)日本と朝鮮の漆工芸を展覧する特別展。玄関を入ると、大階段の踊り場の木工箪笥の上には大きな朱の盆が飾られていた。よく見ると太い縞が幾筋も彫り込まれていて『朱塗縞手大盆』という札が添えられていた。左右の壁には熨斗文の藍色の染布。なんていうんだっけ?としばらく考えて、ああ筒描だ、と思い出した。階段下の展示ケースは、左に朝鮮、右に日本の漆工の小物が並んでいた。とにかく2階の大展示室にまっすぐ向かう。大展示室は、いつもより少し暗めの印象だった。展示品の保存に配慮しているのかと思ったが、単に雨の日だったせいかもしれない。壁面ケースの右端に「畳具足」と注記のついた鎧があった。あとで調べたら、持ち運びがしやすいように畳める具足をいうのだそ...螺鈿・漆絵・卵殻貼/美しき漆(日本民藝館)

  • 中国陶磁多め/安宅コレクション名品選101(泉屋博古館東京)

    〇泉屋博古館東京特別展『大阪市立東洋陶磁美術館安宅コレクション名品選101』(2023年3月18日~5月21日)大阪市立東洋陶磁美術館(2022年2月~2024年春頃まで改修工事のため休館中)の中核を占める「安宅コレクション」から国宝2件、重文11件を含む珠玉の101件を紹介する特別展。東洋陶磁美術館には何度も行っているし、「安宅コレクション」展も何度も見ている(2007年の三井記念美術館とか、2012年のサントリー美術館とか)のだが、やっぱり見に行ってしまった。第1展示室「珠玉の名品」の冒頭には、単立ケースの『加彩婦女俑』(唐時代・8世紀)。目にした瞬間、あれ回っていない…と思ってしまった。東洋陶磁美術館では、ゆっくり自動回転する展示台に乗せられているのである。静止した状態をしっかり眺めたことが滅多にな...中国陶磁多め/安宅コレクション名品選101(泉屋博古館東京)

  • アイスショー"Stars on Ice 2023"横浜公演千秋楽

    〇SOI(スターズ・オン・アイス)JapanTour2023横浜公演(2023年4月9日13:00~、横浜アリーナ)久しぶりにフィギュア・スケートを生観戦してきた。昨年7月のTHEICE愛知公演以来である。11月に札幌のNHK杯を見に行くつもりでチケットを取り、宿とフライトも確保していたのだが、身内に不幸があって行かれなかった。まあそんなこともある。その後、プロに転向した羽生くんの怒涛のショーラッシュが続いたが、都合がつかなかったり、狙ったチケット抽選に落選したりしていた。そんな中で、なぜかこのショーは、発売開始からしばらく経ってもチケットが残っていて、楽に取れたのである。男子は、羽生結弦、宇野昌磨、三浦佳生、友野一希、ジェイソン・ブラウン、山本草太、イリア・マリニン、島田高志郎。女子は、坂本花織、宮原知...アイスショー"StarsonIce2023"横浜公演千秋楽

  • 鑑賞歴を振り返る/文楽・曽根崎心中

    〇国立文楽劇場令和5年4月文楽公演(2023年4月8日、18:30~)・第3部:近松門左衛門三〇〇回忌『曽根崎心中(そねざきしんじゅう)・生玉社前の段/天満屋の段/天神森の段』久しぶりに『曽根崎心中』が掛かると知って、大阪まで見に行ってしまった。いい機会なので、これまでの鑑賞記録をまとめてみようと思う。たぶん初見は1984年2月の公演(大学院生時代)。それから、このブログに記録を残している2012年の公演より前に、もう1~2回見ているのだが、3年に1回くらい国立劇場に掛かっているので、もはやよく分からない。・1984年:初代吉田玉男(お初)×吉田蓑助(徳兵衛)→絶命なし・1985~2012年:不明→絶命あり・2012年:吉田蓑助(お初)×桐竹勘十郎(徳兵衛)→絶命あり・2013年:『人間・人形映写展』吉田...鑑賞歴を振り返る/文楽・曽根崎心中

  • 2023年5月@大阪旅行:ラテンアメリカの民衆芸術(民博)ほか

    ■国立民族学博物館特別展『ラテンアメリカの民衆芸術』(2023年3月9日~5月30日)北はメキシコから南はアルゼンチンまで、ラテンアメリカと呼ばれる地域で、民衆がつくり出し、民衆に享受されている手工芸品、民衆芸術(スペイン語でArtePopular=アルテ・ポプラル)約400点を展示する。あふれる色と自由な造形。理性とは別のところに刺さる、魅力的な作品が並ぶ。本展のポスターに使われている、メキシコのオアハカ州の「ヤギのナワル」。山海経とかにいそうだし、諸星大二郎の作品に出てきそう。アステカの石像の複製(巨大!)。あえての側面から。これ、ふだんは常設展の中庭に置いてあるものらしい。カーニバルの扮装。中国の白無常・黒無常みたいだ。舌出してるし。ペルーの首長人形。あやしいけど美人。後半では、こうした民衆芸術が、...2023年5月@大阪旅行:ラテンアメリカの民衆芸術(民博)ほか

  • 渋谷で農家料理ディナー

    コロナ前はよく一緒に美味しいものを食べていた友人と、久しぶりに渋谷で会食。こだわり農家&酪農家のフードメニューを掲げる「八百屋カフェSHIBUYA」さん。友人がリストアップしたお店の候補の中から、私が適当に選んだのだが、びっくりするほど美味しかった。スープのあと、サラダ盛り合わせ、チーズグラタン、パスタ、デザート。ドリンクの飲み放題メニューも、自家製ジンジャーエールや夏みかんビール、シークワサーのカクテルなど、こだわりの品が揃っていた。大満足。またすぐ行きたいと思っている…何か機会はないかしら。渋谷で農家料理ディナー

  • 近代を映す鏡/重要文化財の秘密(東京国立近代美術館)

    〇東京国立近代美術館70周年記念展『重要文化財の秘密』(2023年3月17日~5月14日)明治以降の絵画・彫刻・工芸の重要文化財のみによる展覧会。今でこそ「傑作」と称される作品も、発表当初は、新しい表現を打ち立てたゆえに「問題作」と見做されたケースもある。うん、ここ重要。本展は「問題作」がどのような評価の変遷を経て重要文化財に指定されるに至ったのかという美術史の秘密に迫る企画である。この開催趣旨を短くまとめた「『問題作』が『傑作』になるまで」は、かなりいいコピーだと思う。展示件数は51件(展示替えあり)。図録冒頭に収録された「重要文化財の『指定』の『秘密』」によれば、明治以降の絵画・彫刻・工芸の重要文化財は68件あるらしい。そして本展の図録には、出品が叶わなかった17件の図版も掲載されている。会場の冒頭に...近代を映す鏡/重要文化財の秘密(東京国立近代美術館)

  • 「ふつう」以上の花鳥画/椿椿山展(板橋区立美術館)

    〇板橋区立美術館『椿椿山展:軽妙淡麗な色彩と筆あと』(2023年3月18日~4月16日)江戸時代後期を代表する文人画家の一人、椿椿山(つばきちんざん、1801-1854)の回顧展。あまり知られた名前ではないと思うが、私はとても好きな画家である。軽妙端麗は言い得て妙だが、そのほかにも平明、清新、優雅、繊細などの形容が似合う。「奇想」ではないけれど「ふつう」でもない、確かな個性を感じる画家である。たぶん泉屋博古館所蔵の『玉堂富貴』で名前を覚えたんじゃないかな、と思ったが、ブログで検索したら、2005年に板美の『関東南画大集合』で『花籠図』を見て、出会っていた(残念ながら本展には出陳されていないが、栃木県立美術館の所蔵らしい)。はじめの展示室は、椿山の本領ともいうべき花鳥画を特集。泉屋博古館の『玉堂富貴・遊蝶・...「ふつう」以上の花鳥画/椿椿山展(板橋区立美術館)

  • 雪舟も応挙も上様も/江戸絵画お絵かき教室(府中市美術館)

    〇府中市美術館企画展・春の江戸絵画まつり『江戸絵画お絵かき教室』(2023年3月11日~5月7日)今年もやってきた「春の江戸絵画まつり」。まだ入館時は検温実施、マスク着用者が大多数だが、突然の会期中断に怯えなくても済むようになった。少しずつ日常が戻って来た感じである。本展は「描く」という視点から江戸絵画を楽しむ試みだという。はじめに四大テーマ「動物」「人」「景色」「花」を描くことに挑戦。「動物」は「蘆雪の雀」と「応挙の子犬」を取り上げる。まあ応挙の子犬は、金子信久さんが大好きを公言されているので分かるのだが、蘆雪のスズメに注目していただけて、嬉しい!!私は蘆雪の描く鳥(雀、鶴など)の、ちょっと意地悪そうな人間くさい表情が、むかしから大好きなのである。このブログでは、2008年に京博で蘆雪の『百鳥図屏風』を...雪舟も応挙も上様も/江戸絵画お絵かき教室(府中市美術館)

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