洞爺丸事故の教訓(2024.9.26卓上四季~北海道新聞)
青函連絡船の洞爺丸が遭難したのは70年前のきょうだ。僚船を含め計5隻が沈み、1400人を超える犠牲者を出す。20世紀ではタイタニック号の遭難に次ぐ世界第2の海難事故とされる。<目を覆う七重浜の惨状虚空をつかむ死者の手>。事故を速報した本紙号外が凄惨な現場の様子を記録する。台風15号(洞爺丸台風)は最大瞬間風速60メートルに迫る烈風を起こし、想像を絶する大しけをもたらす。生還者は1割強にとどまる。船はなぜ出航し、大事故に至ったのか。出版から40年近くたつ坂本幸四郎著「青函連絡船ものがたり」が多くの教訓を伝える。坂本さんは通信士として別の連絡船に乗務し、危うく難を逃れた。台風は時速110キロで進み、津軽海峡西方で速度を落として発達した。気象衛星や雨雲レーダーはなく予報が難しい時代である。空に一時広がった晴れ間...洞爺丸事故の教訓(2024.9.26卓上四季~北海道新聞)
2024/09/26 09:06