劇団☆新感線の話題の舞台を映画館で上映する「ゲキ×シネ」の最新作。昨年秋に話題を呼んだ、鎌倉幕府滅亡をモチーフにした架空の日本のアクション時代劇です。 作品情報 2025年日本映画 演出:いのうえひでのり 出演:生田斗真、中村倫也、西野七瀬 上映時間185分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ品川 2025年劇場鑑賞245本
北朝鮮拉致被害者の横田めぐみさんと、その家族を米国の夫婦監督がドキュメンタリー化した「めぐみ 引き裂かれた家族の30年」。拉致関係のニュースはたくさん流れるが、時系列に沿ってまとまってみる機会はなかなかない。本作をみて改めて事実の重みと拉致への怒りが湧き上がった。 【ストーリー】 1977年、新潟県に住んでいた13歳の女子中学生、横田めぐみさんが下校途中に姿を消した。必死で探す両親の滋さんと…
失業中のエリートの遺伝子を、子供がほしいレズの女性が買うという奇想天外な「セレブの種」。「マルコムX」「インサイド・マン」のスパイク・リー監督らしく、単なるエロコメディーにせず、今のアメリカ批判を分かりやすいほど盛り込んだ。いずれにせよ、男の価値は最後は遺伝子になるのか。 【ストーリー】 大手薬品企業の若手部長ジャック(アンソニー・マッキー)はハーバード大出身でイケメンのエリート。会社の不…
夏から秋にかけ、出演作が目白押しの上野樹里主演「幸福のスイッチ」。出演作ごとに演技を変えるすごさはここでも見られ、仕事にも家族にもいらだつ不機嫌な今風の女の子を好演していた。父親役の沢田研二とダブルジュリーの共演作。 【ストーリー】 和歌山県の田舎町で小さな電気屋「イナデン」を営む父誠一郎(沢田研二)に反発して、東京でイラストレーターになった怜(上野樹里)。小さなデザイン会社に就職したが、…
美人は3日であきるが、ブスは3日で慣れるという。映画もそういうところがあって、美しい映像、美男美女が登場しても内容が薄ければ退屈するし、荒削りでもぐいぐい引き込むパワーがあれば、瞬く間に世界に引きづりこまれる。「アジアンタムブルー」は残念ながら前者の典型だった。阿部寛、松下奈緒とも好きな俳優なのにもったいない。 【ストーリー】 エロ雑誌の編集者山崎(阿部寛)は離婚後、親友(佐々木蔵之介)の…
新ラブコメの女王として売り出されているドリュー・バリモア。「2番目のキス」も笑って、ほろっとくるラブコメの典型。仕事、趣味、恋どれを選ぶか考えさせられる上質な作品だ。 【ストーリー】 コンサルタント会社の有能なキャリアウーマン、リンジー(ドリュー・バリモア)は、仕事はバリバリやるが、恋の方は失敗つづき。そろそろ30歳なので少し不安な年頃だ。 社会科見学で生徒を引率してきた教師ベン(ジミ…
4組の男女の大切なひととの別れをテーマにした韓国映画「Sad Movie」。悲しいストーリーを連ねて韓流らしく泣かせようとしたのだろうが、全然泣けなかった。映画の内容よりも出来が悲しい。 【ストーリー】 どこにでもいるような8人の男女。消防士のジヌ(チャン・ウソン)からのプロポーズを待つ手話キャスターのスジョン(イム・スジョン)。長年の恋人(ソン・テヨン)に、仕事も金もないと愛想を付かされそうなフ…
アイデア一発勝負の映画は、最初は良くても終わりが尻すぼみになってしまう例や、オチの一発勝負まで延々と退屈な画面を見せられたりするものが多い。しかし、主要登場人物全員が記憶喪失という勝負に出た「UNKNOWN アンノウン」は最後の最後まで逆転劇が続く心理劇の傑作となった。 【ストーリー】 荒野の中の廃工場で目覚めたデニムの男(ジム・カヴィーゼル)。あたりには作業着の男(バリー・ペッパー)と鼻…
ロバート・アルトマン監督が亡くなってびっくりしたら、次の日はフィリップ・ノワレの訃報も入り、がっかりした。 アルトマン監督はあんまり熱心なファンではなく、「M★A★S★H」「ザ・プレイヤー」「ショートカッツ」「プレタポルテ」とそのくらい。ただ、ザ・プレイヤーのような豪勢なオールスター群像映画を撮る監督は彼が最後なのではないか。華やかな話が好きなので、「ザ・プレイヤー」はお気に入りだった。ハ…
名作ホラー「悪魔のいけにえ」をリメイクした「テキサスチェ−ンソー」はリメイク版とは思えない上出来な作品に仕上がった。その続編であるが、時代はさかのぼり、殺人一家の謎を解き明かした「テキサスチェーンソービギニング」。しかし、2匹目のドジョウはちょっと苦しかったようで。 【ストーリー】 1933年、テキサスの食肉工場で奇形の赤ん坊が生まれゴミ箱に捨てられた。赤ん坊はゴミ箱をあさっていた女に拾…
徳島で崖に取り残された犬の救出騒ぎは、日本が平和であるとの感を強くさせた。この犬1匹が助かっている一方で、多くの犬が捨てられ殺されているのは矛盾だ。ともあれ、全国が注目するなか、犬が助かったのは良かった。何といっても僕は犬好きなのだ。さて、犬など動物を主人公にした映画の中でも、ドイツ映画「サージェント・ペッパー ぼくの友だち」は犬と少年を舞台にした動物映画の王道。お気楽に見れる作品だった。 …
セクハラは同じことをしても、受けた相手が不快に思うかどうかによって違う。「ルイーズに訪れた恋は…」のローラ・リニーのような美人だったらセクハラに思わないけど、脂ぎったオヤジが女子大生に同じことをすれば絶対セクハラだよな、と頭から同作は受け入れられなかった。 【ストーリー】 コロンビア大の入試部長ルイーズ(ローラ・リニー)は39歳バツ一。前夫でコロンビア大教授のピーター(ガブリエル・バーン)と…
ツァイ・ミンリャン特集の最終回は、彼が制作に回り、「楽日」、「西瓜」で主要な役を務めたリー・カンションがメガホンをとった「迷子」。3作品の中で一番ストーリーがはっきりしており、大切なものをなくしたときの狼狽ぶりがよくあらわれていたが、ミンリャンの影響がくっきりとでており、僕にはあわなかった。 【ストーリー】 台湾の公園で老婆(ルー・イーチン)が孫の3歳の少年を見失って必死に探す。トイレに…
「楽日」に続いて台湾の鬼才、ツァイ・ミンリャン特集の第二弾として「西瓜」を見た。アダルトビデオ並みの過激な性描写の連続。風邪気味でぼーとしていた頭は、表面以上のものを理解するのをこばみ、理解不能だったが、愛を伝える物語の一つの形なのであろう。 【ストーリー】 台湾全土が日照りで記録的な水不足に悩むなか、西瓜が代用品として売れていた。旅行から戻ってきた女(チェン・シャンチー)はスーツケース…
ヒロイン中谷美紀、監督村上正典、脚本金子ありさと、昨年ヒットした映画版「電車男」の主要メンバーがこぞって参加した「7月24日通りのクリスマス」はまさに電車女ともいうべき仕上がりのコメディ。ただ、少々賞味期限切れの気が。 【ストーリー】 長崎で市役所に勤めるサユリ(中谷美紀)は内気で恋人もいない冴えない女性。趣味は少女マンガで、お気に入り漫画の舞台であるポルトガル・リスボンでの生活を妄想しな…
アメリカの格差社会の現実を突きつけるとともに、孤高という言葉をかみしめさせられるビターな名作。今年のアカデミーの大本命です。 作品情報 2020年アメリカ映画 監督:クロエ・ジャオ 出演:フランシス・マクドーマンド、デヴィッド・ストラザーン、ボブ・ウェルズ 上映時間:108分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:ブルク13 2021年劇場鑑賞41本
数年前、硫黄島を訪問するという貴重な体験をした。案内の自衛隊の人によると、ジャングルのように生い茂った森からはいまだに遺骨が見つかるといい、道からも古い大砲の跡が見え荘厳な思いになったことがある。イーストウッドが日米双方から硫黄島の激戦を映画化すると聞き、見にいくのが楽しみだった。 【ストーリー】 第二次大戦中、最大の激戦地となった硫黄島。擂鉢山に米兵達が星条旗を立てようとする写真は、第…
エイズに冒された女性への純愛ストーリーと聞いて、またもや韓流ワンパターンかと期待していなかった「ユア・マイ・サンシャイン」。実際にみると意外と骨太で病気ともまっすぐに向き合っていたが、国情の違いでかなり違和感を感じた。 【ストーリー】 ソクチュン(ファン・ジョンミン)は農村で母と暮らす36歳の独身男性。女性には奥手で女性と縁がない。近所のコーヒーショップ(売春も行っている)に勤めるウナ(チ…
題名を見たときに「TANKA」でなくて「TANNKA」とNが一つ多いのが気になった「TANNKA」。美しいけど中身はない作品だった。でも美しければ、それ以外何もいらない鴨かも。 【ストーリー】 33歳のフリーライター薫里(黒谷友香)は年上のカメラマンM(村上弘之)と不倫をしている。その一方で、なじみのバーで知り合った年下のバイオリニストの卵、圭(黄川田将也)とも恋に落ちる。年下の彼にいろ…
「スクール・オブ・ロック」のジャック・ブラック主演で、予告編見てワクワクした「ナチョ・リブレ 覆面の神様」。笑いのツボがことごとく僕と違い、ガックリ。プロレス好きなら見てもいいのではという程度だった。 【ストーリー】 メキシコの貧しい修道院で食事係として働くイグナシオ(ジャック・ブラック)は子供のころからプロレスラーになるのが夢。想像の中でナチョ・リブレというリングネームを付け、コスチュ…
アジアのスターが集結した香港のミュージカル映画「ウィンター・ソング」。アジアのミュージカル映画を見るのは初めてだが、歌や踊りも華やかで、ストーリーも良くなかなかのものだった。 【ストーリー】 香港の人気俳優、ジェントン(金城武)はミュージカル映画の撮影のため上海を訪れる。共演する女優のスン・ナー(ジョウ・シュン)はウェン監督(ジャッキー・チュン)の愛人だった。ミュージカルは、記憶を失った…
ベネチア映画祭で賛否両論真っ二つに分かれた台湾のツァイ・ミンリャン監督の「楽日」。芸術的な良質の映画であり、映画への思いにあふれていることは間違いないが、個人の好みでいうと否だった。 【ストーリー】 台北の古い映画館が閉館することになった。その最終日、40年前の大ヒット映画「血闘竜門の宿」が流されている。ガラガラの客席の中には、「血闘竜門の宿」に出演した老俳優2人(ミャオ・ティエン、シー・…
子供のころ、「チロ」という雑種の和犬を飼っていた。頭は良いがすぐ脱走して飼い主泣かせ。死んで10年以上たつのに今だに家族の話題になっている。血統書付きの高価な犬より、雑種の方が愛着がわくな。そういえば今年は戌年だ。さて、「ラブいぬ ベンジー はじめての冒険」の主役も雑種犬。頭が良くてかわいい犬だったのだが…。 【ストーリー】 ミシシッピ州の田舎町。一匹の子犬が捨てられた。黒くて美しい母デイ…
学生時代、一時期タバコを吸った時期があるが、合わなくてすぐにやめてしまった。吸うのは個人の自由と思っているが、駒大苫小牧の生徒のように未成年の喫煙は問題だね。さて、熱烈な禁煙ブームが起きている米国の風潮に反旗をひるがえすような「サンキュー・スモーキング」。タバコ肯定の映画かと思ったが、実はもっとほかに大切なテーマを扱っていた。 【ストーリー】 米国で1日に1200人もの人を殺すタバコ業界…
小田和正の名曲にのせて、CMがガンガン流れているが、手紙というものはネット時代になっても特別なもの。山田孝之主演の「手紙」を見てそう思った。これから年賀状の季節だし、久しぶりに手紙でも書くか。 【ストーリー】 工場で働く武島直貴(山田孝之)は極力人と関わらないように生きている。両親を早くに失い、彼を育ててくれた兄、剛志(玉山鉄二)は強盗殺人犯で服役中。直貴の学費を稼ぐために資産家の老女宅…
人気テレビドラマの完結編となる「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」。僕はドラマの再放送ではまった。映画の最後、ドラマと同じエンディングテーマが流れると、旧友に別れを告げるような寂しい気持ちとなった。 【ストーリー】 ぶっさん(岡田准一)が死んで3年。バンビ(桜井翔)は地元の木更津市役所に勤めたが、アニ(塚本高史)は秋葉原のIT企業、マスター(佐藤隆太)は大阪でたこ焼き屋台の営業、うっ…
等身大の女性4人の生き方を描いた「ストロベリーショートケイクス」。偽悪的ともいうべき彼女達の姿をみて、生きることは気持ち悪い、でも生きることの実感はこういうものかと思った。 【ストーリー】 デリヘルの受け付け、里子(池脇千鶴)は2年前に手ひどく振られて以来、たくましく生きられるようになった。激しいプレイで知られるデリヘル嬢里子(中村秋代)は親友で同級生の菊池(安藤政信)に片想いの純愛を突き…
アガサ・クリスティの原作をフランスを舞台に置き換えた「奥さまは名探偵」。上流階級の優雅な生活や美しい風景は見事だったが、一応、ミステリーのはずなのに、謎解きはだめだめ。謎解きだけなら火曜サスペンス劇場にまけてるぞ。 【ストーリー】 フランス情報機関の老幹部ベリゼール(アンドレ・デュソリエ)と、好奇心旺盛な夫人のプリュダンス(カトリーヌ・フロ)は叔母が入院している高級老人ホームを訪ねた。その…
原作の膨大な世界をどう映像化するか注目していた「デス・ノート the Last name」は、不必要なところを削り、足りないところはオリジナルを加え、原作の世界観を損ねないまま見事に着地した。前編と分けたところも効果的で原作付き映画のお手本といえそうだ。 【ストーリー】 名前を書いたら人が死ぬ「デス・ノート」を使って犯罪者のいない新世界を作ろうとする夜神月(藤原竜也)。キラと名乗り犯罪者の処刑を次々と行…
前日の「虹の女神」に引き続き、純愛ものの「ただ、君を愛している」を見た。宮崎あおいの演技と美しい森の風景に頼りっきり。宮崎あおいの眼鏡っ子姿がたっぷり見られただけでOKか。 【ストーリー】 大学の入学式で新入生の誠人(玉木宏)は、交通量の多い横断歩道を渡れず困っている静流(宮崎あおい)に声を掛ける。ボサボサの髪の毛に赤い眼鏡。幼児体型の彼女はちょっと変わった新入生だった。 人付き合い…
この秋、邦画の恋愛青春映画が多く公開される。いずれも死別や家族の不幸などが盛り込まれ、韓流映画の亜流みたいに無理に感動させようというのが鼻に付く。「虹の女神」もその一つと期待していなかったら、ものすごく良くて、僕の心にジャストミートした。 【ストーリー】 毎日雑用に追われる映像制作会社の新人AD、智也(市原隼人)のもとに連絡が入る。大学の同級生で会社の元同僚だった、あおい(上野樹里)が米国…
日本のバラエティでもお馴染みだった台湾のアイドル、ビビアン・スー。帰国して4年になるが、彼女主演の映画「靴に恋する人魚」で日本に戻ってきた。「人魚姫」「マッチ売りの少女」などメルヘン童話を現代に再現した幻想的なお話しでした。 【ストーリー】 足の不自由な幼い少女、ドド(成長後はビビアン・スー)は手術を受けることになった。直前に「人魚姫」を読み、足をもらえる代わりに声がでなくなるのではと不…
繊細で壊れそうな女子高生の友情を描いた青春映画。百合系に位置するのかもしれませんが、あまりどぎついシーンもなく、胸がきゅんとしました。 【ストーリー】 女子高生の安達桜(声・鬼頭明里)と、島村抱月(伊藤美来)は1年生。授業をサボって体育館の2階に来た時に出会い、友達になった。ぶっきらぼうで人付き合いの苦手な安達は、髪を染め社交的な島村に対して、次第にあこがれの感情をもつようになる。
ブルース・ウィリスがニューヨーク市警で最もついてない警官を演じる「16ブロック」。オーソドックスな話をひねりの聞いたオチと101分のテンポの良さで見事に仕立てた。さすがはベテラン、リチャード・ドナー監督。 【ストーリー】 ジャック・モーズリー刑事(ブルース・ウィリス)は、昔は敏腕刑事だったが捜査中に足を負傷して以来やる気がなくなり今は酒びたりの日々。ある日、夜勤明けで帰ろうとしたところ、留…
終戦後、上官の命令により中国内戦を戦った日本人残留兵の裁判を描いた「蟻の兵隊」。終戦から60年以上たったが、まだまだ戦後は終わっていないことを痛感させられる映画だった。 ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください …
20年数年前、行く先不明のミステリートレインをJR(当時は国鉄?)がブームになった。今でもたまにやっているだろうが、「旅の贈りもの」はミステリートレインに乗って素敵な場所にたどりついた人たちの癒しの映画。 【ストーリー】 偶数月の金曜日午前0時に大阪駅を発車する行き先不明のミステリー列車。8月18日、ツアー客や鉄道マニアに混じって、わけアリの客5人も乗っていた。年下の恋人とハワイ旅行に行…
映画というのはテーマを問わず、非日常的なドラマチックなことを描くからひきつけると思うのだが、フランス映画「ありふれた愛のおはなし」は、いかにも実際に起こりそうな愛をテーマにしているタイトル通りの作品だった。 【ストーリー】 リストラされた元企業幹部のピエール(パトリック・デリゾラ)は、スーパーに忘れた買い物袋を届けてくれたマリー(ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ)と知り合う。マリーも失業中…
アメコミの大ヒット原作の人気シリーズ3作目「X−menファイナルデシジョン」。前2作と監督が交代し、どうなるかと思ったが、問題を暴力で解決するだけの凡庸な作品になりがっかり。今のアメリカを現しているのかもしれない。 【ストーリー】 超能力を持つミュータントが多数出現している近未来の社会。米国でミュータント遺伝子を無力化する薬「キュア」を開発され、希望するミュータントは人間に戻れるが、ミュ…
事実は小説より奇なりという言葉はそうそうあてはまらないが、ドキュメンタリー映画「ニューヨークドール」は、まさにこの言葉がぴったり。なまじな脚本家では書けないほどの人生を紹介した貴重な映画だった。 【ストーリー】 ロスの教会の図書館に勤めるアーサー・ケイン55歳。髪の毛は薄くなり、車も買えずに2時間かけてバス通勤するさえない独身男。温厚なモルモン教徒で雑用も嫌な顔せずにやるケインは同僚から親…
ファティ・アキン監督がベルリン映画祭でグランプリ(金熊賞)を取った「愛より強く」。前作の「太陽に恋して」のラブコメとは一転、「命がけの愛を失えば魂も失う」という重いテーマを扱っている。 【ストーリー】 最愛の妻を亡くした中年男ジャイト(ビロル・ユーネル)は絶望のあまり酒に溺れ、自動車で壁に体当たりして大怪我を追う。収容先の病院でやはり自殺未遂をした美しい女性シベル(シベル・ケキリ)と知り合…
ドイツ青年がトルコ女性に会いにハンブルグからイスタンブールへ旅するロードムービー「太陽に恋して」。ファティ・アキン監督が「愛より強く」でベルリン映画祭で金熊賞を受賞しなければ、日本で上映されなかったろうが(製作は2000年だ)、思わぬ拾い物。「太陽に恋して」よりも面白かった。 【ストーリー】 ブルガリアの草原で一台の車がとまっている。トランクには男の死体。運転手のイサ(マフメット・クルト…
スポーツのサッカーとはまったく関係なく、親指しゃぶりの少年の成長を描いた「サムサッカー」。キアヌ・リーブス、ティルダ・スウィントンら結構豪華キャストなのに低予算のせいか、まったくゴージャス感がない作品だった。 【ストーリー】 オレゴンの郊外にすむ高校生のジャスティン(ルー・プッチ)は、漠然とした不安を抱き17歳になっても指しゃぶりの癖が抜けない。父マイク(ヴィンセント・ドノフォリオ)から怒…
愛をテーマにしたフランス映画の小特集ジュテームシネマの1本「ブラウン夫人のひめごと」。タイトルだけ聞くとエロいのだが、いたって真面目で純粋な愛の話。入れ子構造も新鮮だった。 【ストーリー】 現代の南仏のリゾト地リビエラ。暴力的な彼と喧嘩してカジノを飛び出した少女オリビア(ベレニス・ベジョ)は、老紳士ルイ(ミシェル・セロー)に拾われる。無理やりついてくるオリビアに興味を持ったルイは浜辺で、…
Jホラーを陰で支えたのが、角川文庫から出ている現代の怪談集「新耳袋」。大ヒットホラー「呪怨」は「新耳袋」からアレンジしたシーンもあるし、「新耳袋」自体も何作か映画化やドラマ化されている正統派のJホラーだ。ただし、冷静になってみれば笑いと紙一重かも。 【ストーリー】 シングルマザーでデザイン会社に勤める悦子(内山理名)は、幻想的な作風でしられる画家のノブヒロ(平田満)の作品を受け取りにいった…
悪魔崇拝や非道徳的な歌詞を若者に植え付けているとして、PTAや世の有識者から蛇蝎のように嫌われるヘビーメタル。なぜこんなに嫌われるかを探っていこうと、猛烈なヘビメタファンで人類学者のサム・ダン監督のドキュメンタリー「メタル ヘッドバンカーズ ジャーニー」。大音量のヘビメタが大量に流れるが、僕は疲れていたせいもあり、途中ぐっすり眠ってしまった。 ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押し…
沖縄を舞台に妻夫木聡と長澤まさみが血をつながらない兄妹を演じる「涙そうそう」。さあ泣けといわんばかりの脚本、演出は好みではないが、長澤まさみがすごい女優だとつくづく実感させられた。 【ストーリー】 那覇の市場で働く洋太郎(妻夫木聡)は、いつか自分の店を持つことが夢。明るく、いつも笑顔をかかさない洋太郎は市場の人気者だ。琉球大医学部生の恵子(麻生久美子)という恋人もいて、毎日充実した日々を…
映画「THE WINDS OF GOD〜KAMIKAZE」の札幌上映初日に今井雅之が舞台あいさつをするので見にいった。僕は何十回と舞台あいさつをみているが、これほど魂の入ったあいさつは初めてだった。 今井によると、舞台版は右翼から「神風」の題名を使うなというクレームが付き、また、教育委員会からは子供にみせるな、外務省からは海外で上映するなという批判がよせられたという。しかし、いざ9.11テロのとき、民間人を標的に…
本来、見た順に日記を書いているが、北朝鮮の核実験があり、平和のありかたが今こそ問われると思うので、入れ替えた。本作は現代の漫才師が第二次大戦中にタイムスリップする「THE WINDS OF GOD〜KAMIKAZE」。僕は同じ日に映画と舞台を見比べた。映画の魅力と限界が感じ取られる作品だった。 【映画版のストーリー】 ニューヨークでコメディアンを目指すがまったく売れないマイク(ニコラス・ペタス)とキンタ(ウェイン…
「スピード」で息がぴったりだった、キアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックが時空を越えた恋愛をする「イルマーレ」。これだけ甘い恋愛映画は久々で、ご馳走様という感じだった。2人とも40を越えているはずだけど、大人も甘い恋をするのだね。見習いたい。 【ストーリー】 市内の大病院に就職が決まり、郊外の湖のほとりの家から引っ越す新人医師のケイト(サンドラ・ブロック)は郵便受けに「間違って自分あての郵…
すべてをすてて自閉症の息子のために費やした父親のロードムービー。不器用な愛情にいらいらしつつも、親子の絆の難しさと愛おしさを実感しました。 作品情報 2020年イスラエル、イタリア映画 監督:ニル・ベルグマン 出演:シャイ・アヴィヴィ、ノアム・インベル、スマダル・ヴォルフマン 上映時間:94分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2021年劇場鑑賞40本
よく、メロドラマで生まれ変わっても君を愛するというセリフが出てくるが、実際そういう人が出てきたらどうなるのか。ニコール・キッドマン主演の「記憶の棘」は愛のミステリーに迫った作品だった。 【ストーリー】 10年前、最愛の夫ショーンをジョギング中の心臓発作で失ったアナ(ニコール・キッドマン)は、ようやく傷も癒え、長い間支えていたジョゼフ(ダニー・ヒューストン)と婚約した。母エレノア(ローレン・…
Jホラーの旗手、黒沢清監督がミイラを狂言回しにした「LOFT」。ミイラというと包帯ぐるぐる巻きのモンスターという印象があったけど、実際のミイラはあんなものかという感じ。 【ストーリー】 新作の執筆に苦しむ小説家の礼子(中谷美紀)は泥を吐く奇妙な症状に悩まされていた。気分転換を図ろうと編集者の木島(西島秀俊)の紹介で、森の奥にある沼のほとりにたたずむ一軒家に引っ越す。 ある晩、無人のは…
キンキーブーツの翌日見たのが、フラガール。昭和40年代、福島県の閉山寸前の炭鉱町をハワイアンセンターが救った実話ベースの物語。こちらも負け組応援歌で、じんわりした感動が広がる。 【ストーリー】 昭和40年代、かつては黒いダイヤと呼ばれた石炭も石油にとってかわられ、炭鉱の経営はどこも苦しかった。福島県の常磐炭鉱も首切りの嵐が吹きまくっていた。会社側は炭鉱の地熱を利用した観光施設「常磐ハワイアンセ…
田舎の靴工場がキンキー(変態)ブーツ製造で息を吹き返すコメディ「キンキーブーツ」。「フルモンティ」など英国製コメディに多い題材をとっているが、少し前に読んで感心したビジネス書「フラット化する世界」を想起して、素直に笑えなかった。 【ストーリー】 田舎で靴工場を経営していた父が急死し、急きょ社長に就任したチャーリー(ジョエル・エドガートン)。昔ながらの紳士靴を作っているはずの自慢の工場が、…
現代のフリーターと第二次大戦中の特攻兵器回天の乗組員が、不思議な力で入れ替わるというTBSスペシャルドラマ「僕たちの戦争」。主演の森山未来と上野樹里が素晴らしく、ここ何年かのスペシャルドラマのなかでもピカ一の出来となった。 【ストーリー】 フリーターの健太(森山未来)は台風で海が大荒れにもかかわらずサーフィンを始めた。そこで大波にまきこまれる。その上空で昭和19年、海軍の練習機を操縦して…
第二次大戦末期の人間特攻魚雷「回天」搭乗員を通じて戦争の悲惨さを訴えた「出口のない海」。たまたま、同時期にテレビで回天を扱った「僕たちの戦争」を見た。双方ともヒロインは上野樹里なのだが、テレビ版の方が僕の好みにあった。 【ストーリー】 明治大学野球部のエース、並木(市川海老蔵)は学徒出陣で海軍に志願した。1945年、特攻兵器回天の乗員として潜水艦イ号に乗り組んだ並木たちは米軍の駆逐艦に発…
潜入捜査官ものだった1、2作目と設定も人物もがらりと変え、"地球の反対側"、日本のアンダーグラウンドレースを描いた「ワイルドスピードX3」。日本はトンデモ描写だったが、迫力あるレースシーンに見ているこちらの血も沸いた。 【ストーリー】 カリフォルニアの高校生ショーン(ルーカス・ブラック)は、同級生のアメフト選手から挑発を受け、公道でマッチレースをする。激しいカーチェイスの末、レースには辛勝…
アリー・my・ラブで日本でも人気のキャリスタ・フロックハート主演のホラー「機械じかけの小児病棟」。ゴシック調の重厚な絵柄だが、はっきりいって怖くなく、ホラーとしてはいかがなものか。 【ストーリー】 イギリス・ワイト島の奥地にある病院の小児病棟で奇怪な症状が発生する。ベッドで寝ていた男の子の足の骨が突然折れ、レントゲンをとっている間にさらに折れたのだ。怪奇現象に立ち会った看護師は翌日病院を辞…
第二次大戦を名もなき庶民の目線から描き続けた黒木和雄監督の遺作「紙屋悦子の青春」は、前作の「父と暮らせば」同様、舞台のように限られた空間と最小限の出演者で、庶民の生活にある戦争を描いた。もっと黒木監督の作品は見たかったのに残念でならない。 【ストーリー】 現代、病院の屋上にたたずむ老夫婦(原田知世、永瀬正敏)。夫が病身ながらも穏やかな生活を暮らす2人はいつしか出会ったころの昭和20年を思い…
米軍基地のある東京・福生を舞台に若い男女の恋愛を描いた「シュガー&スパイス〜風味絶佳」。初恋を思い出し、甘酸っぱいキャラメルのような味がした。 【ストーリー】 高校を卒業後、大学に行く気もないのでガソリンスタンドで働いている志郎(柳楽優弥)。両親の反対を押し切り、応援してくれるのは自分のことをグランマと呼び、「ギャスステーション」と発音するアメリカかぶれのハイカラな祖母(夏木マリ)だけだ。…
フランスが誇るサッカー選手ジダン。2005年4月23日に行われたスペインリーグのレアル・マドリード対ビジャレアルの試合で、ひたすらジダンの姿だけを追いかけたドキュメンタリーが「ジダン 神が愛した男」。高解像度カメラ17台を駆使した意欲作だが、よほどのサッカーファンかジダンファンでないと見るのは苦しいだろう。 ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
下北沢版「男はつらいよ」をお馬鹿でお洒落なコメディで狙った「男はソレを我慢できない」。長編デビューとなる信藤三雄監督、主演の竹中直人ともありあまる才能を見せようとしながら空回りしていた。 【ストーリー】 地方をドサ回りしていたDJタイガーこと服部大河(竹中直人)が生まれ故郷の下北沢に戻ってきた。実家の「うさや」でおいちゃん(ベンガル)、おばちゃん(清水ミチコ)、妹のちえり(小池栄子)や、…
フランス出身の偉大な写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソン(1908−2004)が晩年の93歳の時、これまでの自作を紹介しながら写真への思いを語るドキュメンタリー。後輩の写真家たちのほか、劇作家のアーサー・ミラー、女優のイザベル・ユベールらブレッソンの写真モデルになった人たちも登場する。 ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
カナダのロッキー山脈で狩人をするノーマン・ウィンターの姿をドキュメンタリータッチで描いた「狩人と犬、最後の旅」。大自然の中で生きる厳しさと素晴らしさを見事にとらえた。「ディープ・ブルー」「ホワイトプラネット」など、大自然を扱ったドキュメンタリーは多いが、自然の中で生きる人を主役に演出を入れるというのは新たな金脈かもしれない。 【ストーリー】 ロッキー山脈に実在する最後の狩人、ノーマン・ウ…
ニューヨークの大人のラブコメを描いてきたウディ・アレン。今回、初めてニューヨークを離れてロンドンを舞台にしたのが「マッチポイント」は、いかにもイギリス、ロンドンぽさを満喫できたうえ、ストーリーも彼らしくシニカルなもの。ウディ・アレンの才気に拍手を送りたい。 【ストーリー】 ロンドンに住む元テニスプレイヤーのクリス(ジョナサン・リース・メイヤーズ)は、テニスをコーチしたことから、大企業の社長…
日本沈没のパロディ映画「日本以外全部沈没」は安い特撮、下手なギャグの連発だが、C級映画と見れば割と楽しめる。 【ストーリー】 2011年、突然の天変地異でアメリカが海に沈んだ。さらにその他の地域も災害を受け、ついに日本以外の地域は沈没してしまった。世界各国の首脳、芸能人らが日本に避難。日本の人口は急増し、食糧危機や外国人犯罪による治安の悪化に陥った。保泉首相(村野武範)は狂信的右翼の石山防…
日本初の本格ダンスムービーの触れ込みの「バックダンサーズ」。主役4人はダンスを頑張り、ストーリーも王道で結構良かったのだが、監督の腕が悪すぎた。演出と脚本の一部を変えれば十分名作になったのに。 【ストーリー】 渋谷のクラブで踊っていたよしか(hiro)とミウ(平山あや)は補導され高校を退学になる。行き場のない彼女たちは、渋谷で出会った樹里(長谷部優)に誘われ、ストリートで踊りまくる。やがて、…
笑いのラフ(LAUGH)ではなく、未完成で荒削りという意味での「ラフ」(ROUGH)だが、ストーリーなどどうでもよく、長澤まさみオン・ステージに仕上がり、いろんな意味で思わず笑ってしまった映画。個人的には長澤まさみがこんなにスタイルが良い美人だったのかと見直したよ。 【ストーリー】 中学のとき、水泳の全国大会に出場した圭介(速水もこみち)はスポーツの名門、私立栄泉高校に進学し、寮に入る。…
タイトルからすると、国道225号をドライブする物語と思っていた「ルート225」。だが、ルートの意味が違った。パラレルワールドに迷い込んだ中学生の姉弟を通して、思春期の揺れる心や家族のきずなを描き、小品ながら佳作だった。 【ストーリー】 中学2年のエリ子(多部未華子)は、ちょっととろい一つ年下の弟ダイゴ(岩田力)、やさしいパパ(嶋田久作)、世話好きなママ(石田えり)と暮らす平凡な女の子。素直…
多様化する現代の性でもまだ、少数派のトランスセクシャル(性同一性障害で性転換を希望するひと)を主人公に描いた「トランスアメリカ」。手術直前、生き別れになった息子の存在を知ったことで始まる悲喜劇。難しい題材なのにハートウォーミングな出来に仕上がった。 【ストーリー】 ロサンゼルスに住むブリー(フェリシティ・ハフマン)は男性であることに違和感を感じ、女性への性転換手術を控えていた。ところが、…
全米で特大ヒットしている「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」。最後まで飽きずに見られるが、事前にこの映画の情報を知らないと終わりに驚愕する。まさに海賊に騙された。感想はネタバレです。それと1作目を見ていないと分かりにくいので、見てない人はDVD屋にレッツゴー。 【ストーリー】 前作で不死身の海賊バルボッサを倒し、ブラックパール号を奪ったジャック・スパロウ(ジョニー・デッ…
ブロードウェーのミュージカル公演を日本の映画館で上映する「松竹ブロードウェイシネマ」の1作。なんという話ではないのだけど、ラストのキャスト総出で歌う場面とカーテンコールにはジーンと来てしまいました。三浦春馬が演じた日本版もいつかみてみたい。 作品情報 2018年イギリス映画 監督:ブレット・サリヴァン 出演:マット・ヘンリー、キリアン・ドネリー、ナタリー・マックイーン 上映時間:122分 評価★…
背の高い女の子と低い男の子のノンストップラブコメ「ラブ★コン」。全編関西弁のうえ、コテコテのナニワの笑いを満載し、お気楽に見られる娯楽作となった。夏のストレス発散にはぴったりである。 【ストーリー】 身長が170センチあり、自分より背の低い男から振られた経験ある小泉リサ(藤澤志麻)と、身長が159センチしかないせいで振られたことのある大谷敦士(小池徹平)。高校で同じクラスになった二人は激…
米国でスマッシュヒットしたラブコメ「幸せのポートレート」。クリスマスイブに婚約者の実家にあいさつにいくキャリアウーマンの悲喜劇を描いたものが、日本では真夏の公開となった。配給先の事情だろうが、もったいない。 【ストーリー】 ニューヨークで働くキャリアウーマンのメレディス(サラ・ジェシカ・パーカー)はクリスマス休暇に婚約者エヴェレット(ダーモット・マロニー)の家にあいさつにいく。しかし、神経…
映画「SAYURI」やシャンプーのCMなど、日本でもお馴染みの中国女優チャン・ツィー。祖母、母、娘の一人3役をこなす新作「ジャスミンの花開く」はアジアンビューティーの美しさをみせたものの、話にまとまりがく失速した。 【ストーリー】 戦前の上海。母(ジョアン・チェン)とともに写真館を営む茉(チャン・ツィー)は映画会社の社長孟(チァン・ウェン)にスカウトされ新進女優の道を歩む。茉は孟の子を妊…
イタリアの映画の黄金時代を描いた名作「ニューシネマパラダイス」は僕の生涯ベスト3に入る映画である。その中国版ともいうべき作品が「玲玲の電影日記」。本家に比べて小品だが、洋の東西を問わず、映画への思いいれとノスタルジーは素晴らしい。 【ストーリー】 現代の北京。水配達員の毛大兵(シア・ユイ)は乗っていた自転車が道端に積まれたレンガに突っ込み転倒してしまう。そこへ突然現れた若い女性(チー・チョ…
「誰も知らない」でカンヌ映画祭を席捲した是枝裕和監督の最新作「花よりもなほ」。主演にジャニーズの中でも演技がしっかりしていてお気に入りの岡田准一を起用して楽しみな作品だったのだが…。 【ストーリー】 元禄時代の江戸の裏長屋。父の仇を探す青木宗左衛門(岡田准一)は、人は良いが、腕はまるでダメ。同じ長屋に住む未亡人のさえ(宮沢りえ)にほれている。長屋の住人は智恵袋の貞四郎(古田新太)、嫌味な…
怖いことで有名な人気ゲームをハリウッドで映画化した「サイレントヒル」。日本製ゲームが原作だけあり、大半のJホラーと同様、化け物が出てくるまでの方が怖かったのはお笑いだが、入場料分の元はとれる作品だ。 【ストーリー】 ローズ(ラダ・ミッチェル)、クリストファー(ショーン・ビーン)夫妻の養女で9歳のシャロン(ジョデル・フェルランド)はおかしな癖があった。知らない間に画用紙に真っ黒な不気味な絵…
オダギリジョーが全編英語のセリフに挑んだ「ビッグリバー」。ジャームッシュやヴェンダースを彷彿とさせる省略の多いスタイルでアメリカの今を切り取っている。 【ストーリー】 世界を放浪している日本人青年テッペイ(オダギリジョー)は、米アリゾナの砂漠を歩いているとき、車が故障して困っているパキスタンの中年男アリ(カヴィ・ラズ)を助けたことから一緒に旅をする。さらに、車がガス欠になったときに、地…
トム・クルーズのアクション大作シリーズ「ミッションインポッシブル」の最新作「M:I:3」。悪役に今年のアカデミー賞役者フィリップ・シーモア・ホフマンを起用するなど努力を見せたが、さすがに3作目は出がらしだった。 【ストーリー】 米国の秘密情報機関IMFの超一流エージェント、イーサン・ハント(トム・クルーズ)は現場を引退してスパイ学校の教官になった。看護師のジュリア(ミシェル・モナハン)と…
アメリカだと「最終絶叫計画」のように、お笑いホラーというジャンルがあります。ただし、こういうのは、いかにも笑わせますよというのを強要しているため、日本では今一つ人気が出ません。「着信アリ FINAL」は作り手は真面目に撮ったつもりでしょうが、トンデモな中身のため、最狂のお笑いホラーに仕上がっちゃいました。 【ストーリー】 自分と同じ電話番号から掛かってきて、出ると自分の死ぬ瞬間の音が聞こえ…
名前を書くだけで人を殺せる不思議なノート「デスノート」。少年ジャンプ連載の人気コミックを映画化した「デスノート 前編」は、いかにも漫画的であったが、原作にないラストシーンはびっくりした。後編が楽しみだ。 【ストーリー】 一流大学に在学中、夜神月(ヤガミライトと読む、藤原竜也)は警視庁刑事部長の父総一郎(鹿賀丈史)に捜査協力をしたこともあり、末は警視総監を狙う天才少年。可愛らしい彼女(香椎由…
1978年にイタリアで起きた極左テロ組織「赤い旅団」によるモロ元首相誘拐殺人事件。メンバーの女性の目から事件を見た「夜よ、こんにちは」は、テロリストも人間であるということを考えさせられるヨーロッパ映画らしい作品だ。 【ストーリー】 ローマのアパートに若い女性、キアラ(マヤ・サンサ)がフィアンセとともに引っ越してくる。一見、新婚に見えた2人だが、実はテロ集団「赤い旅団」のメンバーだった。 …
デンゼル・ワシントン、クライブ・オーウェン、ジュディ・フォスターと豪華スターが共演した銀行強盗劇「インサイド マン」。「マルコムX」のスパイク・リー監督が手がけただけあって、一筋縄ではいかない。映画を見終わったあとどころか、あちこちの解説サイトを見て、初めて理解できたものも多いくらい、複雑な作りになっている。DVDで繰り返し見るにはいいかもしれない。 【ストーリー】 それは完全犯罪の銀行強…
英国産のおしゃれなコメディー「プルートで朝食を」。ニール・ジョーダン監督(「インタビュー・ウィズ・バンパイア」「ダブリン上等」)の最新作なのだが、この原稿を書くまで、米国のユーモア作家、ニール・サイモン(「名探偵登場」「あなたに恋のリフレイン」)が監督とばかり誤解していて、やっぱりおしゃれなコメディーは面白いと一人で納得していた。うーむ。 【ストーリー】 アイルランドの教会の前に捨てられて…
マツケンサンバで知られる俳優の松平健が初めて主演した映画「バルトの楽園」。第一次大戦当時の実話をもとに日本にベートーヴェンの第九が初めて演奏された秘話を明らかにした。 【ストーリー】 第一次大戦で中国・青島にいたドイツ軍は激しい戦闘のすえ、日本軍に降伏した。捕虜は国内12箇所の捕虜収容所に入れられる。 捕虜を厳しく扱う収容所が多かったなか、徳島県の坂東収容所の松江所長(松平健)は、捕…
70年代のパニック映画の名作「ポセイドン・アドベンチャー」をリメイクした「ポセイドン」。こういう作品を見る場合はできるだけオリジナルを見るようにしているのだが、今作は未見。オリジナルの方が評判がよいのでぜひ見てみたい。 【ストーリー】 大西洋を航行中の豪華客船「ポセイドン」は巨大津波の直撃を受けて転覆。乗員乗客4000人の大部分が死亡する。生き残りのうちギャンブラーのディラン(ジョシュ・…
「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟が脚本の斬新な感覚なムービー「Vフォー・ヴェンデッタ」。予想よりもアクションシーンが少なかったが、チャイコフスキーの序曲「1812」や花火が効果的に使われ、面白かった。 【ストーリー】 近未来の英国は、サトラー議長(ウィリアム・ハート)が支配する独裁国家になっていた。イスラム教徒、同性愛者、反政府運動をしたものはすべて収容所に送られ、処刑されていた。…
リュック・ベンソン監督の6年ぶりの新作「アンジェラ」。「レオン」「ニキータ」などでファンが多いベッソン監督だけに期待も高まったが、日本文化にも知悉しているベッソン監督らしくギャルゲ(美少女ゲーム)かオタク漫画みたいな内容だった。 【ストーリー】 ギャングに借金をしたが返済できなくて脅されている米国系モロッコ人のアンドレ(ジャメル・ドゥブーズ)。友達も恋人もおらず、口先だけの詐欺まがいの行…
佐藤浩市、大沢たかお、鈴木京香ら邦画を支える豪華キャストがおしゃれな強盗団になる「陽気なギャングが地球を回す」。監督の意欲は分からないでもないが、僕的には見事な空振りとなった。 【ストーリー】 銀行に爆弾を仕掛けたという連絡があり、客や行員が避難するなか、4人の男女が行内に残り、銀行員の狂言を見破り犯人を捕まえた。他人の嘘を見破れる成瀬(大沢たかを)、ロマンを求める演説の達人響野(佐藤…
何かと物議をかもす井筒和幸監督だが、室井滋主演の「のど自慢」はよくできた群像劇だった。ところが、その続編の「ビッグ・ショー!ハワイに唄えば」はとんでもなくグタグタの失敗作。その後しばらくなかった「のど自慢」映画だが、第3作の「青いうた〜のど自慢青春編」は監督を新人の金田敬にスイッチ。地方から上京した少年を中心にした青春物語にした。 【ストーリー】 青森県むつ市の中学校の卒業式。けんかば…
「私の頭の中の消しゴム」「四月の雪」と日本でも立て続けにヒットした悲恋のヒロイン、ソン・イェジン。彼女の相手役が「猟奇的な彼女」のチャ・テヒョンで「君に捧げる初恋」というタイトルだったら、どんな悲恋映画とハンカチを用意していったら、とんでもないコメディーだった。 【ストーリー】 プサンの高校生テイル(チャ・テヒョン)はIQが高いが、勉強しないで成績は最下位でヤクザに弟子入り志願する問題…
田舎の小学校に赴任したイケメン新人教師を巡って、オールドミスの女教師とませた女の子の対決というふれこみだった韓国映画「ラブリー・ライバル」。実は恋愛よりも女教師熱血物語で良くできた師弟ものだった。 【ストーリー】 田舎町の小学校。生徒に厳しいため、人気のない女教師ミオク(ヨム・ジョンア)。新学期早々、遅刻してきた転校生のミナム(イ・コナム)を叱り飛ばす。ミオクは三十路になったのに彼氏も…
ガメラ映画の最新作「小さき勇者たち〜GAMERA」。日曜日の映画館は親子連れでいっぱいで、特オタの変なおっさんがまざっていると思われたのではなかろうか。でも、「子供の味方」というコンセプトをうまくいかした作品でした。 【ストーリー】 1973年、三重県沖でガメラはギャオスと戦い、自爆してギャオスをやっつける。それから20数年後。母親をなくした少年透(富岡涼)は、かつてガメラが自爆した島で赤…
故クシシュトフ・キェシロフスキ監督が15年前にとり、代表作といわれる「ふたりのベロニカ」。東欧の監督らしく、映像は美しく明瞭にとれており、旧作とは思えないほどだが、幻想的と脈絡の無さで意味は不明瞭。 【ストーリー】 ポーランドとフランスで同じ日、同じ時間に生まれたベロニカ(イレーヌ・ジャコブ二役)。フランスの音楽教師のベロニカは、ポーランドを旅行中、デモに巻き込まれたポーランドのベロニカ…
ポーランドの名匠、クシシュトフ・キェシロフスキー監督の遺稿を、「ノーマンズランド」で世界中から注目を浴びたユーゴ出身のダニス・タノヴィッチが欧州の豪華キャストで作った「美しき運命の傷跡」。スタッフ、キャスト、内容とともにこれぞ欧州映画という出来に仕上がった。 【ストーリー】 幼いころある事件で父親を失ったトラウマで男性とうまく向き合えない美しき3姉妹。長女のソフィ(エマニュアル・ベアール…
主人公が難病で余命あとわずか、と宣言された映画は多数ある。でも、園中で最も静謐に死を描いたのが、仏映画「僕を葬る」だろう。映画でも現実でも死が限りなくありふれている中、この映画では静謐すぎることで命の重みを逆に実感させた。 【ストーリー】 31歳のカメラマンのロマン(メルヴィル・ブポー)は仕事も増え続け、恋人の美男子サシャ(クリスチャン・センゲワルト)との間も順調だ。ある日、撮影中にめまい…
チョン・ジヒョン(僕の彼女を紹介します)、チョン・ウソン(私の頭の中の消しゴム)と、日本の韓流映画でも大ヒットした美男美女を取り揃えた韓国映画「デイジー」。監督がインファナルアフェアシリーズでお馴染みの香港のアンドリュー・ラウで、舞台はすべてオランダということもあり、香港風韓流映画ともいうべき一品に仕上がった。 【ストーリー】 オランダ在住の韓国人画家の卵ヘヨン(チョン・ジヒョン)はお気…
昨年、ブルーハーツを歌う女子高生を描き批評家の評判も良かった「リンダリンダリンダ」で韓国人留学生役をやったペ・ドゥナが主役の「頑張れグムスン」。リンダよりも前の作品だが、よほど大人びてかわいく見えた。 ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
型破りの悪徳刑事が猟奇的殺人犯を追い詰める「公共の敵」。「力道山」など韓国映画の名優ソル・ギョングの迫力に参った。 【ストーリー】 カン刑事(ソル・ギョング)は麻薬の横流しはするわ、検挙率が低いと上司から怒られると空き巣犯をでっちあげるはとんでもない刑事。町の悪党どもにたかったり、暴力をふるう毎日だ。 ある大雨の日、ポンチョをかぶった男(イ・ソンジェ)とぶつかったカンは男を怒鳴りつ…
続編が面白い映画は少ないといわれる。だが、「達磨よ、遊ぼう」の続編、「達磨よ、ソウルに行こう!」は前作よりも洗練されたコメディーに仕上がった。 【ストーリー】 老住職の死後、山奥の小さな寺の住職となったチョンミョン(チョン・ジニョン)ら3人は、老師の遺品をソウルの真ん中にある寺に届けることになった。ところが、その寺は先代住職が借金を抱え、仏像なども皆差し押さえの札が貼られている。そこへ金…
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劇団☆新感線の話題の舞台を映画館で上映する「ゲキ×シネ」の最新作。昨年秋に話題を呼んだ、鎌倉幕府滅亡をモチーフにした架空の日本のアクション時代劇です。 作品情報 2025年日本映画 演出:いのうえひでのり 出演:生田斗真、中村倫也、西野七瀬 上映時間185分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ品川 2025年劇場鑑賞245本
アメリカの黒人差別の歴史と音楽の歴史をモチーフにした大傑作のホラー映画。鑑賞後、考察サイトを読めば読むほど奥の深さに感動します。ネタバレあり(といってもあらかた知られていますが)のレビューですので、観たい方は事前情報なしでまず鑑賞を…。 作品情報 2025年アメリカ映画 監督:ライアン・クーグラー 出演:マイケル・B・ジョーダン、マイルズ・ケイトン、ヘイリー・スタインフェルド 上映時間137分 …
ニューヨークの救急隊の過酷な現状をリアルで陰鬱なタッチで描いた社会派映画。アメリカで救急隊員の自殺が社会問題になっているというのもわかります。 作品情報 2023年アメリカ、イギリス映画 監督:ジャン=ステファーヌ・ソヴェール 出演:ショーン・ペン、タイ・シェリダン、キャサリン・ウォーターストン 上映時間125分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2025年劇場鑑賞24…
モノクロの移民映画というと、「ラ・コシーナ 厨房」で観たばかり。本作のほうが登場人物の行動が理解でき、非常に静かなタイプのヒューマンストーリーでした。 作品情報 2023年アメリカ映画 監督:ババク・ジャラリ 出演:アナイタ・ワリ・ザダ、グレッグ・ターキントン、ジェレミー・アレン・ホワイト 上映時間91分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2025年劇場鑑賞242本 …
毒親、貧困の女子大生2人を描いたシスターフッド映画。宗教シーンなど唐突に感じられるところもありますが、抑制されて淡々とした雰囲気がたまらない感じの傑作です。 作品情報 2025年日本映画 監督:井樫彩 出演:南沙良、馬場ふみか、本田望結 上映時間115分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ港北 2025年劇場鑑賞241本
傷ついた一家が、偶然、市民劇団に参加したことで癒されて行く物語。ノースターでちょっとごつごつしている展開ですけど、じんわりくる小品でした。 作品情報 2024年アメリカ映画 監督:ケリー・オサリヴァン、アレックス・トンプソン 出演:キース・カプファラー、ドリー・デ・レオン、キャサリン・マレン・カプフェラー 上映時間115分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ローソンユナイテッドシネマみなとみら…
日本ではすっかりブームの落ち着いたF1ですが、本作はまさにテンションバク上がりで、レースシーンに血沸き肉踊ります。王道的なストーリーに、ギンギンのBGMそして迫力ある映像と大満足の作品でした。 作品情報 2025年アメリカ映画 監督:ジョセフ・コシンスキー 出演:ブラッド・ピット、ダムソン・イドリス、ケリー・コンドン 上映時間155分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:ローソンユナイテッドシネマみ…
オーストラリアの鬼才、アダム・エリオット監督が8年がかりで制作したクレイアニメ。一人の女性の数奇な運命をブラックユーモアたっぷりに描いています。 作品情報 2024年オーストラリア映画 監督:アダム・エリオット 声の出演:セーラ・スヌーク、コディ・スミット=マクフィー、マグダ・ズバンスキー 上映時間94分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2025年劇場鑑賞238本
アン・ジュングン(安重根)による伊藤博文暗殺を描いた歴史サスペンス。韓国では大ヒットしたそうですが、僕からすると作品自体は普通という感じでしょうか。 作品情報 2024年韓国映画 監督:ウ・ミンホ 出演:ヒョンビン、パク・ジョンミン、リリー・フランキー 上映時間114分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2025年劇場鑑賞237本
人間の欲望や心の暗部を描いた韓国映画。ラストはハッピーエンドかバッドエンドかは観る人によってことなりそうだけど、ある種のフェチズムの理想かもしれません。 作品情報 2024年韓国映画 監督:キム・デウ 出演:ソン・スンホン、チョ・ヨジョン、パク・ジヒョン 上映時間115分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2025年劇場鑑賞236本
単純な犯罪のはずが思わぬハプニングで二転三転していく様子を、伏線はりまくりの脚本で描いたサスペンス。ちょっとチートな武器もでてくるとはいえ、俳優たちの巧みな演技で最後まで楽しませてくれました。 作品情報 2025年日本映画 監督:堀江慶 出演:三浦りょう太、浅川梨奈、石田明 上映時間114分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2025年劇場鑑賞235本
コロナ禍で学校生活が制限された天文部員たちが、夢や希望をかなえようともがく青春ストーリー。さわやかさに心をうたれますが、ちょっと話を詰め込みすぎた感じも。 作品情報 2025年日本映画 監督:山元環 出演:桜田ひより、水沢林太郎、岡部たかし 上映時間126分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2025年劇場鑑賞234本
ダニー・ボイルが携わる28時間後、28日後に続くシリーズ3部作の3作目。ゾンビ映画というよりは、少年の成長を描いたアドベンチャー映画という印象です。でも、前半の感染者が襲ってくるかの怖さはなかなかのもの。 作品情報 2025年イギリス映画 監督:ダニー・ボイル 出演:アルフィー・ウィリアムズ、ジョディ・カマー、アーロン・テイラー=ジョンソン 上映時間115分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネ…
テレビアニメと違い、原作よりのダークな雰囲気を漂わせる映画「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE」シリーズの第5作。僕は過去作を観ていなかったので、あまりにもダークでホラーな感じにびっくりしました。 作品情報 2025年日本映画アニメ 監督:小池健 声の出演:栗田貫一、大塚明夫、片岡愛之助 上映時間93分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2025年劇場鑑賞232本
序盤はご都合主義のありがちなキラキラ青春映画で、途中退席しようかと思うくらいイライラしましたが、さすがは「ヒロイン失格」などの幸田もも子原作とあり、途中から確変。そつなく作品をまとめました。ただ、僕の鑑賞後、同キャストでドラマ化も発表され、なんのために入場料を払ったのかというがっかり感も。 作品情報 2025年日本映画 監督:松田礼人 出演:畑芽育、大橋和也、木村慧人 上映時間102分 評価:…
人がいっぱい死ぬアニメは苦手ですしテレビシリーズが長いと途中で挫折しまうので、本作や鬼滅の刃の劇場版は自分から観に行く気はないのですが、娘がファンなので一緒に行ってきました。 作品情報 2025年日本映画アニメ 監督:御所園翔太 声の出演:中村悠一、櫻井孝宏、永瀬アンナ 上映時間111分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ湘南 2025年劇場鑑賞230本
2017年にたった一人で7年がかりで制作され、狂気のストップモーションアニメといわれた「JUNK HEAD」の続編。 キモ可愛い独創的なクリーチャーたちに度肝を抜かれつつ、壮大なスケールに唖然とします。一度では理解しきれなかったのでもう一度観に行こうかな。 作品情報 2025年日本映画アニメ 監督:堀貴秀 出演:松岡草子、杉山雄治、三宅敦子 上映時間105分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ …
雰囲気は良いんだけど脚本ががばがばで、最後夢オチかと思ったほど。でも、がばがば過ぎて内心突っ込みながら観られたので、そこそこ楽しめました。 作品情報 2024年韓国映画 監督:イ・ヨソプ 出演:カン・ドンウォン、イ・ムセン、イ・ミスク 上映時間99分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2025年劇場鑑賞228本
元韓国政府の暗殺者が、自らの体験をもとにヒット漫画家になったというシリーズ第2弾。ギャグもあわないし、アクションも緩いし、今年観た韓国映画の中では一番合わなかった。 作品情報 2025年韓国映画 監督:チェ・ウォンソプ 出演:クォン・サンウ、チョン・ジュノ、ファン・ウスレ 上映時間119分 評価:★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマズ港北 2025年劇場鑑賞227本
新しいタイプのタイ映画で次々とヒット作を出している映画会社「GDH 559」の新作。高校生が亡くなった同級生のために映画を作るというなんともエモい作品に、心をうたれます。 作品情報 2023年タイ映画 監督:アッタ・ヘムワディー 出演:アンソニー・ブイサレート、ピシットポン・エークポンピシット、ティティヤー・ジラポーンシン 上映時間130分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ港北 2025年…
ブログにアップするのを忘れてました。上半期のベスト10です。今年も秀作ぞろいでした。例年に比べてハリウッドを含め割と有名どころが上位に入りました。格差、貧困をテーマにした作品や国際情勢のドキュメンタリーが上位に入っているのも今年の特徴です。 ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
1940年、撃沈した敵船の乗組員を救助した潜水艦の実話。イタリアの戦争映画はこれまで観たことがなかったので興味深かった。 作品情報 2023年イタリア、ベルギー映画 監督:エドアルド・デ・アンジェリス 出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、マッシミリアーノ・ロッシ、シルヴィア・ダミーコ 上映時間121分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ座間 2024年劇場鑑賞249本
韓国の月面着陸を描いたSFスペクタクル大作。韓国人の自国上げはすごいけれど、月でのCGは割とよくできているのに、地上でのイノシシのCGがとてもチャチというアンバランスは笑えました。 作品情報 2023年韓国映画 監督:キム・ヨンファ 出演:ソル・ギョング、ド・ギョンス、キム・ヒエ 上映時間129分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズグランベリーパーク 2024年劇場鑑賞248本
性暴力を扱って話題の作品で、関連シーンは男の僕が観ても吐き気がするほど不愉快でした。さらに、原作からかもしれませんが、男は暴力的、女は被害者と単純な二元論に落とし込んでいるのも不快。一連の騒動も踏まえて、今年ぶっちぎりのワーストです。 作品情報 2024年日本映画 監督:三木康一郎 出演:奈緒、猪狩蒼弥、風間俊介 上映時間116分 評価:★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2024年劇場鑑賞…
若きクリエイターの情熱と挫折を描いているのですが、「ルックバック」と同時期の公開は痛かった。3Gキャラにもはまれず、眠気との戦いでした。 作品情報 2024年日本映画アニメ 監督:ぽぷりか 声の出演:花江夏樹、伊瀬茉莉也、内田雄馬 上映時間68分 評価:★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2024年劇場鑑賞246本
マイアミの黒人刑事コンビを主人公にした人気シリーズ第4弾。1作目は1995年なんですが、僕はシリーズ初見。ストーリーは突っ込みどころ満載でしたけど、アクションは工夫していて面白かった。 作品情報 2024年アメリカ映画 監督:アディル・エル・アルビ、ビラル・ファラー 出演:ウィル・スミス、マーティン・ローレンス、ジェイコブ・スキピオ 上映時間115分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ品川プ…
アレクサンダー・ペイン監督作品らしい、1970年の全寮制学校を舞台にした心温まるヒューマンドラマ。まんべんなくよくできた秀才型の作品といえましょう。 作品情報 2023年アメリカ映画 監督:アレクサンダー・ペイン 出演:ポール・ジアマッティ、ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ、ドミニク・セッサ 上映時間133分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズシャンテ 2024年劇場鑑賞244本
韓国の名優2人によるホラー。最後まで科学で分析できるのか、それとも超常現象なのかどちらともとれますが、僕は超常現象派でしょうか。今年みたホラーの中ではお気に入りの部類です。 作品情報 2023年韓国映画 監督:ユ・ジェソン 出演:チョン・ユミ、イ・ソンギュン、キム・グムスン 上映時間94分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2024年劇場鑑賞243本
台湾映画の名作の日本リメイクですが、ラストが記憶と全然違っていて、あらためて台湾版のあらすじをネットで確かめました。オリジナルファンとしては日本版の解釈にはがっかり。主人公たちを高校生でなくて大学生にしたのも大人の事情というやつでしょうか。 作品情報 2024年日本映画 監督:河合勇人 出演:京本大我、古川琴音、横田真悠 上映時間114分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2024年…
音を立てると襲ってくる宇宙人の恐怖を描いた人気ホラーの第3弾。過去2作の主役だったエミリー・ブラントは登場せず、宇宙人が地球を襲撃した当日のニューヨークのパニックをキャストを一新して描いています。 作品情報 2024年米国映画 監督:マイケル・サルノスキ 出演:ルピタ・ニョンゴ、ジョセフ・クイン、アレックス・ウルフ 上映時間100分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:ブルク13 2024年劇場鑑賞241本…
1999年のタイを舞台に、それまでずっと一緒だった双子の女子中学生が、初恋に落ちたことで大人への階段を上っていく物語。タイの田園風景は異国なのにどこか懐かしく、切なく悶え死にそうなストーリーとともに、僕の心に突き刺さりました。 作品情報 2023年タイ映画 監督:ワンウェーウ・ホンウィワット、ウェーウワン・ホンウィワット 出演:ティティヤー・ジラポーンシン、アンソニー・ブイサレート、スパクソーン・…
韓国の名匠、ホン・サンス監督の新作で、彼の作品で初めて寝ないでみられた。体調を整えて臨んだかいがありました(笑)。 作品情報 2022年韓国映画 監督:ホン・サンス 出演:クォン・ヘヒョ、イ・ヘヨン、ソン・ソンミ 上映時間97分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:シネマジャック&ベティ 2024年劇場鑑賞239本
父親を事故で失った高校生の喪失感と行き場のない怒りを描いたフランス映画。高校生はゲイでベッドシーンも多く、さすがフランスの高校生は進んでいると本筋とは若干ずれたことを思ってみていました。 作品情報 2022年フランス映画 監督:クリストフ・オノレ 出演:ポール・キルシェ、ジュリエット・ビノシュ、ヴァンサン・ラコスト 上映時間122分 評価:★★(五段階) 観賞場所:シネマジャック&ベティ 2024…
チェンソーマンの藤本タツキの短編漫画を、押山清高が監督、脚本、キャラクターデザインを1人で手掛けてアニメ化。創作者にとって非常にエモい作品で世評が高いのがわかるのですけど、特典で配られた漫画と登場人物の苗字が違うのはなぜだろう。 作品情報 2024年日本映画アニメ 監督:押山清高 声の出演:河合優実、吉田美月喜 上映時間58分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2024年劇場鑑…
M・ナイト・シャマランの娘のイシャナ・ナイト・シャマランの監督デビュー作で、父親は制作に回ってます。作風はかなり影響されてると思いました。賛否両論のようですけど、個人的には雰囲気は悪くなかったと思います。ややネタばれの感想を。 作品情報 2024年アメリカ映画 監督:イシャナ・ナイト・シャマラン 出演:ダコタ・ファニング、オルウェン・フエレ、オリヴァー・フィネガン 上映時間102分 評価:★★★…
環境保護のためテキサスの石油パイプラインを爆破させようとする若者たちを描いたサスペンス。アメリカ映画にしては珍しく、テロリストを主人公にした作品です。配給のネオンは「パラサイト 半地下の家族」「逆転のトライアングル」「落下の解剖学」と小規模ながら尖ったラインナップの会社で、さすがの眼力。 作品情報 2022年アメリカ映画 監督:ダニエル・ゴールドハーバー 出演:アリエラ・ベアラー、サッシャ・…
英国のシンドラーと呼ばれ、669人のユダヤ人の子どもを救った実在のエピソードの映画化。「関心領域」「フィリップ」と違って王道的な描き方でした。 作品情報 2023年イギリス映画 監督:ジェームズ・ホーズ 出演:アンソニー・ホプキンス、ジョニー・フリン、ヘレナ・ボナム・カーター 上映時109分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2024年劇場鑑賞234本
柚月裕子原作の警察ミステリーですが、まさかこういう方向にならないよなというよくあるパターンになってしまったのは残念。配役もちょっとネタばれっぽくなってしまって。 作品情報 2023年日本映画 監督:原廣利 出演:杉咲花、萩原利久、安田顕 上映時119分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2024年劇場鑑賞233本
10世紀のインドを舞台にした豪華絢爛の史劇「PS1 黄金の河」の続編。全編に比べて派手なアクションが少なかったのが残念。史劇だけあって、史実通りに思わぬ人が途中退場するなどインド古代史を知らない分、驚きはありました。 作品情報 2023年インド映画 監督:マニラトナム 出演:ヴィクラム、ジェヤム・ラヴィ、アイシュ…
90歳でベストセラーエッセイを書いた佐藤愛子を、今年90歳の草笛光子が熱演。タイトルとはうらはらに、年をとっても素敵な生き方ができると実感できるユーモア交じりのヒューマンストーリーでした。 作品情報 2024年日本映画 監督:前田哲 出演:草笛光子、唐沢寿明、真矢ミキ 上映時99分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 2024年劇場鑑賞231本