「時代」煮え切らないアイデアと冷え切ったホットティー窓外の鴉と視線が合った不意に遮断された緊張感絵筆を止めた私の心の隙にかの中世詩人が耳元で囁く「言葉なんて無粋だ」と登場人物はみな凡人描くのはそんな物語数えきれない働き蜂が無限にも思える有限の中で巣から半径10キロ圏内を行っては帰り行っては帰り行ってはまた帰りまた行ってはまた帰りその生態系が損なわれた今蜂は過去を懐かしみ現実を受け止め未来を憂い尊びでも、本当は常識という概念が変えようのない秩序が、法則がすこし崩れたことを喜んでいる年老いた哲学者は涙する自らの唱え続けた学説がこのカタストロフィの中ついに証明されたことをこの時代、ある者は咲き誇り、またある者は果てる桜の季節はとっくのとうに終わりを告げ自然の緑が深まり、狂おしい夏に向かうそして、花という花が咲き、幾万...時代
「未来切符」移りゆく季節の狭間妙ちくりんな表情の空薄紫に転じた夕映えと西へ向かう飛行船屋根裏から取り出した古いカンヴァスに少し鮮やかに色をつければ飛び切りの夏空が現れたそして今、もう若くない灰色がかった雲海は何かを追うように何かに追われるように西へ、西へと疾走する今日の終わりを待たずして明日へ繰り出す若人たちよようやく手に入れた今宵の寝床さあ、もう眠るがよい今日と明日の違いなどお前たちにわかるはずがない黒一色で塗りたくった夜に白金スプレーを吹き付けたまばゆいまでに果てしない夜空よ、彼らの寝息を優しく包んで臆病な無謀者のちっぽけな心にほんの少し勇気を吹き込んでくれそして、いつか暁色が黒を塗り替えてヒヨドリが舞う空、その奥行き目覚めよ、そして気づくだろう枕元にある未来行きのチケット白帆をあげて船はもう銀河で待ってい...未来切符
水の匂いゆらゆらゆら形のないカタチ澱みのない流れは遥か遠く天を塗りつぶすのは色のない色、水色無色透明な液体に色をつけたのは誰ならば私は匂いをつけましょう彼の地ですすった一口の水匂いのない匂いを胸いっぱい吸い込んで癒やされた心の生傷水色の心、水色の私ゆらゆらゆら形のないワタシ汚れのない心は遥か遠く戻れやしないゆらゆらゆら水が匂う水の匂い
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