夏に抱かれて 6
聞いた事がない鳥の鳴き声で目が覚めた。喉から絞り出すような細く長い鳴き声。目覚めた時、私の横にはしょうちゃんがあどけない顔で眠っていて、思わず微笑んでしまった。目を瞑っているのにくっきりとした二重まぶたと、長いまつ毛が小さく震えているのが分かる。筋が通った鼻と形の良い唇が、この世に生まれてまだ間もないと思えるほど整っていた。その横に老いた私の手があった。細く皺が寄った醜い手。よく見ると、シミがうっ...
2022/10/27 18:06
2022年10月 (1件〜100件)
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