多摩弁を基調に、江戸弁、死語、恥語を織り交ぜてケンカ腰で話す一家の言葉集。(神奈川県川崎市北部)
川崎市麻生区の地元農家家族の会話から多摩方言と江戸弁のほか、時代錯誤な言葉、トンチキな言葉を収集しました。物騒なほど勢いのある会話で生活に活気が出ます。
【ひっつぁばく】 引っ破く <ヒッツァバク> <動カ五段>破く。引き裂く。 シ「風呂、燃(も)しつけんだけどなかなか燃しつきゃしねえ」コ「その新聞がみ、ひっつぁばいておっくべんだよ!」シ「薪の下にひいてんだけど紙だけ燃えて消えちまあのよ」コ「下から息ができね
【びっちょり】 ビッチョリ 〔ビッチョリ〕 <副> びっしょり濡れることを表現する擬態語。 小学生のとき、作文で「びっちょり濡れた」と書いたら先生に「びっしょり」に直された。 タ「午前中まあいい天気だと思って出掛けりゃ帰りしなに大雨に降られちまった! これっ、
【ひっちらかす】 引っ散らかす 〔ヒッチラカス〕 <動サ五段>激しく散らかす。→(同)【しっちらかす】 タ「ま~たそけーらにひっちらかすもんもらってきてしょんねえな!」フ「しょんねえかよ!? こんでいろいろ見て検討つけんだからこんだって役に立つんだで!?」
【ひっちばる】 引っ縛る 〔ヒッチバル〕 <動ラ五段> 縛る。引き縛る。 →(同)【しっちばる】 タ「あんたの頭はま~ったくめぐらったいねえ! ひっちばっちまったらよ?」ヌ「ゴムもねえし、うまくできねえんだよ!」タ「った~く、縛るサァもしらねーの!?」 ─
【ひつけ】 火付け 〔ヒツケ〕 <名>放火。または放火犯。放火魔。 時代劇などでたまに耳にするのみとなったのでリスト入り。 タ「上(かみ)のセエの神に火付けが出たってよ!」ヌ「あんだかよ!」タ「ったく、このごらつまんねえやつがいんだよな!」ヌ「目立ちたかった
うち語800語を記念してNY在住のナーラさんからありがたいお言葉をいただきました。亭主関白のようなその言葉にしびれます。一生ついてゆきたい所存です。(ぬ)(写真下提供:みこちゃん@NY)
【ひっくりけえる】 引っ繰り返る 〔ヒックリケエル〕 <動ラ五段> ひっくりかえる。他動詞は「ひっくりかえす」。 →(参)【ひっくりけえす】【でんぐりげえし】【ぶっける】【つっぺる】 (ニュースを見ながら) タ「この婆さん、風呂場でぶっけっちまったのかな?」ヌ「
【ひっくりけえす】 引っ繰り返す 〔ヒックリケエス〕 <動サ五段> ひっくりかえす。自動詞は「ひっくりけえる」。 べらんめえ調なので「AE」の音は「EE」もしくは「:(長音)」になる。 →(参)【ひっくりけえる】 タ「こないだの台風で見な、植木鉢が全部ひっくりけー
【ひっからまる】 引っ絡まる 〔ヒッカラマル〕 <動ラ五段> 絡まる。こんがらがる。もつれる。 「ひっからげる」の自動詞。 →(参)【ひっからげる】 タ「どうやって行ったんだか、豆の助が柵のもこうに行っててよ、夜中中キュウキュウ鳴いてて眠れなかったよ」ヌ「かえ
【ひっからげる】 引っ絡げる 〔ヒッカラゲル〕 <動ガ下一> 絡げる。ひも状のものを何かに絡ませる。→(参)【ひっからまる】 ヌ「よお、トマトの苗はこんなあんばいでヒボにひっからげりゃいいの?」フ「ダメだダメだ、そうじゃねえよ! そんなんじゃ茎が折れちま!
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