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いつか迎えに来てくれる日まで http://blog.livedoor.jp/youchan1201/

たった一人の家族、最愛の妻を癌で喪った。独り遺された男やもめが、暗闇の中でもがき続ける日々の日記。

プーちゃん
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2010/07/09

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  • ゆっくりと崩れていく。

    男ヤモメの休日は、掃除や洗濯など最低限の家事から始まる。それが終わると、かみさんに線香をあげ、お供えをする。そして俺は途方に暮れる。夜までには、まだ時間がある。どうにかして時間をやり過ごさなければならない。だが、何をしたらいいのか分からない。かみさんが元

  • 重力崩壊

    最愛の人を喪った哀しみは、大きな質量を持っている。大きな質量は時空間を歪め、巨大な重力場を形成している。潰れてしまいそうだ。崩れてしまいそうだ。しかし…重力に反発する力もあるらしい。心の中では、死にたい…と願っている。かみさんの後を追いたい…とも思ってい

  • 休日の朝

    休日の朝。たいていは4時半前後に目が覚める。この時間。平日ならば、すぐに起床する。だが、休日の朝は布団から出る気力が湧いてこない。気が重いのだ。心と身体が重たいのだ。どうやって1日を過ごしたらいいのか分からない。夜が来るまでの間、どうやって時間を潰したら

  • 生まれてこなければ…

    日本人男性の平均寿命は概ね80歳と言われている。20年をひとつの単位とすると、それを4回ほど繰り返せば人生は終わりだ。俺の80年の人生のうち、最初の約20年間には反吐が出る。良い思い出なんて一つもないからだ。ツラいこと、苦しいこと、イヤなことばっかりで、この世界

  • 早く年を取りたい。

    俺は子どもの頃から「早く年を取りたい…」と思っていた。年を取れば周囲は俺に無関心になり、少しは生きやすくなるだろうと思っていた。これは、俺が両親から虐待されて育ってきたことと無縁ではないだろう。人間に対する不信感でいっぱいで、この世界はなんて生きづらいん

  • 俺は朝が大っ嫌いだ。

    俺は朝が大っ嫌いだ。平日であろうと、休日であろうと関係ない。1日のうちで、最も不快な時間帯が朝なのだ。あの不快な気分をどう表現したらいいのだろうか。あまりにドンヨリしている。あまりに落ちている。あまりにも虚しい。そして、あまりにも哀しいのだ。1日を過ごし

  • 絶望する暇(いとま)も無いだろう。

    昨晩、かみさんの夢を見た。すでに記憶は薄れているが、ぼんやり覚えている部分もある。夢の中。誰かが俺に聞いた。奥さんに連絡してあげなくてもいいの?俺は戸惑った。どうやって“あの世”に連絡したらいいんだ?連絡する方法が分からない。だが、かみさんが“あの世”に

  • 枯渇

    朝はスッキリ目が覚めた。かみさんと目が合って、お互いにニッコリと笑った。そして「おはよう」と声を掛け合った。目が覚めると、すぐにエンジンが掛かった。頭はフル回転し、身体は活力に充ちていた。テキパキと洗顔し、かみさんが作ってくれた朝食を摂り、スーツに着替え

  • そういう未来が確実に訪れる。

    かみさんが元気だったころ。あの20年間を振り返ってみれば、賑やかだったけど、わりと平凡に生きてきたのだと思う。劇的な「変化」があるわけではなかったが、俺たち夫婦は満足で、いつでも穏やかに生きてきたな…と思う。どこにでもいる普通の夫婦。だが、それで良かったの

  • かみさんは「あの世」を信じていた。

    かみさんが元気だった頃。俺たち夫婦は「死後の世界」や「あの世」について語り合ったことがない。俺がかみさんに「『あの世』ってあると思う?」なんて聞いたことはないし、かみさんが俺に「人が死んでも『魂』は生きてるんじゃないかな…」なんて言ったこともない。当時の

  • 笑顔で越える一線

    一週間に一回程度だろうか。頭から血の気が引いたような、急に血圧が下がったような感覚に襲われる。その感覚は、決まって朝目覚めた瞬間にやって来る。そんな時は立ち上がるのもしんどいし、歩くペースもゆっくりで、呼吸が荒くなってしまう。昨日のブログに書いたとおり、

  • 俺だけが別の空間にいる。

    かみさんが亡くなって一ヶ月が経った頃。俺は生まれて初めて「心療内科」を訪れた。悲しくて気が狂いそうだったからだ。涙が止まらなかったからだ。鬱で身動きできなかったからだ。誰とも話をしたくなかったからだ。主治医の診断は「死別反応」だった。そのときは抗鬱剤、精

  • ブレーキを掛けられた”時間”

    誰でも同じだろうが、俺は「楽しい時間は速く過ぎる」と感じている。それは一時間だとか、一日だとか、短いスパンだけの話ではない。一ヶ月だとか、一年だとか、さらには数年だとか、そういう長いスパンで見ても、楽しい時間は速く過ぎていく。おそらく幸せな毎日を送ってい

  • かりそめの癒し

    久しぶりに深く眠ることができた。スッキリした気分で時計を見ると、まだ午前3時を過ぎたばかりだった。もう少し眠ろうと思った。だが、眠れそうにはなかった。俺は目を閉じて、目覚まし時計が鳴るのを待つことにした。布団の中が温かかった。目を閉じて、フワフワした感覚

  • 狂気に誘うもの

    土曜日の朝。目が覚めて時計を見ると、まだ午前4時すぎだった。3時間しか眠ってないが、頭はスッキリしていたし、身体は軽かった。ただ、やはり気分は重たい。家族のいない“ひとりぼっち”の身で、どうやって時間を潰したらいいのか分からない。夜までの長い時間を想像す

  • 最愛の人との死別というのは、こういうものなのだ。

    明るくて、幸せで、楽しかった人生が、突然、一変してしまった。それは、かみさんが癌だと診断された日だった。かみさんの余命が年単位ではないと知らされたとき。俺の心は深くて真っ暗な穴に落ちてしまった。それまでは明るかったはずなのに、世界は突然、真っ黒になったの

  • 忌まわしい未来

    断片的にではある。しかし、産まれてから物心がついて以来の記憶は、確かに俺の中に残っている。楽しい思い出なんて、ひとつもない。嬉しい思い出なんて、ひとつもない。幼少期以来、自分は安全なところにいなかったからだ。そこには忌まわしい体験の記憶だけが残っている。

  • 睡眠障害

    かみさんが亡くなって以来。睡眠障害になった俺は、二種類の睡眠導入剤(ハルシオン、レンドルミン)のお世話になっている。かみさんを喪ってから、相当な時間が経った。それにも関わらず、いまだに睡眠導入剤を手放すことができない。そろそろ薬を飲まなくても眠れるように

  • 自分を赦すこと

    俺には「何か」が欠けている。その「何か」は普通の人々にはあるが、俺には無い。おそらく産まれたときには持っていたんだろう。だが、俺は「親ガチャ」に外れ、両親から「何か」を奪われた。奪われた俺が、マトモな人間関係を築けるはずがない。俺が「隙だらけ」だったから

  • 仲の良い夫婦は死別してはならない。

    かみさんはいつも言っていた。死ぬときは二人一緒がいいよね。俺も「そうだね」と応えていた。だが、それは叶わない夢だろう…とも思っていた。男性のほうが、女性より短命だからだ。できれば俺も、かみさんと一緒に死にたい。二人で手をつないで横になり、一緒に逝けたら最

  • 毎朝、俺は世界を恐怖する。

    かみさんが亡くなって1年ちょっとが経ってから。俺は主治医の勧めで会社を休職することになった。主治医から告げられた病名(?)は「死別反応、抑うつ状態、適応障害、睡眠障害」だった。これらについては以前の記事に書いたとおりだ。休職が明けて職場に復帰してからのこ

  • 遺族は早く寝床に就く。

    かみさんと俺は、夜が好きだった。夜遅くまで他愛のない会話をするのが好きだった。かみさんが元気だった頃。俺が会社から帰って入浴を済ませると、俺たち夫婦はその日にあったことを語り合った。俺が仕事をしている間、二人は一緒にいられない。その「すき間」を埋めるかの

  • 安心して眠れる場所

    悩み事があったり、ストレスが溜まっていたり、心に重たい荷物を抱えていると、人間は自分の話を誰かに聴いて欲しくなる。自分の心の内側を、どこかに吐き出したくなる。だが、話を聴いてくれる相手が誰なのかによって、どこまでの範囲の話ができるのかは変わってくるものだ

  • 【改稿】グリーフワークの「絶対」と「相対」

    私は正しいグリーフワークの道を歩んでいます!時折そんなことを、臆面も無く言う人間を見かける。心理学などで示されたグリーフワークのモデルケースに照らし、自分がそのケースのとおりに立ち直っていることを誇っているのだろう。自分は絶対に正しい。自分と同じ人間も正

  • 他人を疲弊させる奴

    以前の記事に書いたとおり、俺の部下の中に、50歳代のKさんという「問題社員」がいる。仕事ができない。判断が遅く、いつまで経っても決断できず、結局は仕事を先延ばししてしまう。周囲が手取り足取り教えてあげても、いまだに仕事が身に付かない。そのうえコミュ障で、自

  • 絶対零度の世界

    真っ暗闇だ。何にも見えない。とても静かだ。何にも聞こえない。それどころか何にも匂わないし、何の味もしないし、何にも触れない。すべての感覚が遮断されている。完全に静止した絶対零度の世界だ。だからといって怖くはない。むしろ穏やかな世界だ。理由は分かる。何も考

  • もしも「あの世」があるのなら (2)

    ここ数日間。眠っている間にかみさんの夢を見ている。続けて3回も見るのは珍しい。夢の中。かみさんと俺は、寄り添って会話をしていた。二人で今後の予定を話し合っていた。かみさんが生きているかのように、俺たち夫婦は日常を楽しんでいた。過酷な「現実」に比べ、夢の中

  • それは決して不自然なことではない。

    人生って辛いなぁ…と思う。生きていくのが、こんなに苦しいのなら、生まれてこなければ良かったなぁ…とも思う。かみさんが元気だった頃だって、生きていくのは辛いなぁ…と思うこともあった。だが、生まれてこなければ良かったと思うことはなかったはずだ。辛いことはたく

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