米国を動かした一人の女性1.宋美齢(蒋介石夫人)太平洋戦争が始まる10年前の1931年には、柳条湖事件に端を発する満洲事変が起きており、日本は1932年に国際的には承認されていない「満洲国」の樹立を一方的に宣言しています。そして、1937年になると北京郊外で勃発した盧溝橋事件を契機に日中戦争(日華事変)に陥りました。国際連盟では日本の空爆を非難し、1937年9月に 日中紛争諮問委員会と国際連盟総会で日本軍による中国の...
朝鮮王朝・大韓帝国末期に使われた日本の紙幣(日本の第一銀行が発券した紙幣:1902年)勇気ある人たち(5)独立宣言第26代王・高宗が亡くなったのが1919年1月、その3月1日のことです。「我々はここに我が朝鮮の独立国たることと、朝鮮人民の自由民たることを宣言する」この言葉で始まる独立宣言書が起草されました。1.三.一独立運動(以下は、豊田隆雄『誰も書かなかった日韓併合の真実』より)1918年(第1...
ミスターサンシャイン第12話(2)約束の満月の日のケーキキム・ヨンジュ「アヘンの酔いから目が覚めたようだな。 こうして死ななかっただけでも良かったと思え」「…」「なぜ私の部屋の中を調べていたのか?」「水をくれ」「誰が命令しろと言ったのか?」「では、アヘンをくれ」「イ・ワンイクとはどのような知り合いなのか? いつから来ているのか?」「どれくらいにここにいないといけないのか?」「では、 すぐにでも出ら...
<第26代王・初代皇帝の高宗>髙宗は伊藤博文と日本軍の幻想を見ます。「伊藤博文が宮中にいた…。 日本軍も取り囲んでいた…」「…」「お前は見なかったのか?」「…」「ロシアに背を向けるのべきではなかった。 美国も同情してはくれないではないか…」(『ミスターサンシャイン』)勇気ある人たち(4)高宗の苦悩1.日米の密約1905年11月、高宗は在韓の米国人宣教師ハルバート(Hulbert)に、米国の支援を得るべく密書(...
ミスターサンシャイン第12話(1)見つけたのはユージーンの署名エシンには(暗殺)指令が出ていました。…3日後に英国公使の誕生日会がある。イ・ワンイクも招待されたからその時だ。3日後の<英国公使の誕生パーティ>花月楼での主催は林公使ロシアのパブロフ公使がロシア語でしゃべるので、林公使は「英語で話せ」と。パブロフ公使は英語で「林公使の発音では意味が分からない」と…。(日本語で)「生意気な西洋人め!」と言...
ミスターサンシャイン 第11話(5)イ・ワンイクの屋敷に侵入韓国警察に逮捕された満州から来た男「この写真は何なのか?」「ヤクをくれ!アヘンだ! 死にそうだ!」「…。 いつから町をうろついているのか聞き出してくれ」ユジンとヒナ「イ・ドンムン?」「あなたが逮捕した男が、台帳に書いた名前だわ。 (本物の)イ・ドンムンはイ・ワンイクの屋敷の執事だわ」「!?」「それにイ・ドンムンはイ・ジョンムンの従弟に当たる...
ミスターサンシャイン第11話(4)満州から来た男の正体は?済物浦(チェムルボ)港「アレン公使が上海から戻りました。 公使は皇帝からの借款(ローン)の依頼を避けようとして、 上海の米国領事との話があると、 言い訳して出国していたとのことです」「皇帝が米国に頼ろうとするなら、 清にいる米国領事との面談を願うことになるだろう」イ・ワンイクのデスクの引き出しの中には検死報告書(医師:松山真一)宿泊者名簿…...
ミスターサンシャイン第11話(3) ユジンとエシンの配慮「アイゴ~、美国の軍人がまたここに…?」「ああ、ちょっと置いておく物があったからだ」「アイゴ、そんなことのために?」「いや、そのためだ。 これまで何かと世話になったお礼だ」「酒代はすでに清算したはずだから、礼は不要だ。 時間を費やしてまで来たからには、 その他の動機があるんだろう?」「…」「今日は、アガシは来ないと思うぞ」「良かった。 なるべく...
ミスターサンシャイン第11話(2) “さようなら”?病院では(元外務大臣)イ・セフンの流れ弾を受けた少女が元気に回復を見せています。ここは最先端の病院で、彼女をここに預けたのはユジンの指示でした。「とあるナウリが君をここに連れてくるようにと言って、 手術代も薬代も食事代も全部支払ってくれたんだぞ。 早く元気になれ」「どうして私にそんなご親切を…?」「言ったように、早く元気になるんだぞ」「だから意味が解...
エシンは2週間に一度来る行商人から新聞を購読していました。新聞が見つかり、祖父から叱られるエシン「国情からは距離を置くようにと言っていたはずだ!」「…」「閔妃(ミンビ:高宗の王妃)があの若さでなぜ亡くなったのか分かるか?」「この国があまりにも弱いからです」「違う。 西洋文化に染まり、国王でもないのに、 国事に介入したからだ」「朝鮮は変わりつつあります」「それも間違いだ。朝鮮は変わらない」「…」「分裂...
ドラマでの伊藤博文とイ・ワンイク(第1話より)<1875年>日本に来ている訳官(イ・ワンイク)「小生は貧しい小作農の息子として、 何も持たないことを恨んでいましたが、 高価なものを持っていることが分かりました。 売れば相当の金額になります」「何のことだ?」「朝鮮です。 5万ウォンだけ頂ければ、朝鮮を差し上げます」「わずか5万ウォンなのか?」「今は物資の補給もない軍隊です。 開港を求めようが、制圧し...
ミスターサンシャイン第11話(1)みんな同じ朝鮮で生きているSで始まる単語「スノーもサンシャインも、スターも空で輝いているわね」「そうだわ。 空もSで始まるスカイだわ。 アガシはどの単語が好きですか?」「どうでしょう…?」英語学校からのいつもの帰り道でした。駕籠から降りて歩くエシン「サンシャイン…、ミスター…、 ミスターサンシャイン」「!」「街は混乱している。雪も止みそうにない。 散歩するには良くな...
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米国を動かした一人の女性1.宋美齢(蒋介石夫人)太平洋戦争が始まる10年前の1931年には、柳条湖事件に端を発する満洲事変が起きており、日本は1932年に国際的には承認されていない「満洲国」の樹立を一方的に宣言しています。そして、1937年になると北京郊外で勃発した盧溝橋事件を契機に日中戦争(日華事変)に陥りました。国際連盟では日本の空爆を非難し、1937年9月に 日中紛争諮問委員会と国際連盟総会で日本軍による中国の...
イデオロギーの対立1.国民党と共産党清国が衰退・滅亡して、1912年に孫文が臨時大統領に就任して中華民国が成立しました。孫文が唱えた①民族の独立、②民権の拡大、③民生の安定(「三民主義」)は、大陸で咲いた小さな民主主義の花。その後を継いだ袁世凱により政党は中華民国「国民党」という名前になります。しかしながら1921年になると、大陸で中国共産党が結成され、それぞれのイデオロギー(ideology:理念、観念)の違いか...
続々民主主義への道~孫文と辛亥革命(孫文)ドラマ『ミスターサンシャイン』の時代の大陸は「清国」1894年の日清戦争で敗戦したとはいえ大国であったことには変わりありませんでした。辛亥革命は1911年~1912年にかけて起こった革命で、清王朝が滅びて中華民国と変わりました。革命前大陸にも日本の明治維新=立憲君主制が導入されようとしていましたが、当時の西太后などの保守派によりその動きが潰されました。「清」はそもそも...
(中正とは蔣介石のこと)先月の台湾旅行から3点紹介します。1.蒋介石記念堂(一番下のコラムに蔣介石の功績を記しています)公園が広く、大きく高い正門です。(蒋介石記念堂の4Fから正門入口を望む)記念堂(メモリアルホール)の全容です。ホールの入口広場では、毎時間ごとにパトロールの交代式があります。4Fには大きな蒋介石の銅像。大きさを観光客の身長と比べて下さい。2.台湾エクスプレスエキスプレス(高速鉄道...
『ミスターサンシャイン』から見た、映画『暗殺』映画『暗殺』初公開: 2015年7月22日 (韓国)監督: チェ・ドンフン受賞歴: Grand Bell Award for Best Actressノミネート: 百想芸術大賞 映画部門 男性人気賞音楽: Dalparan、 Jang Young-gyu映画『暗殺』はドラマ『ミスターサンシャイン』制作のヒントだけでなく、登場人物や時代背景などで大きな参考だったと思います。まずは次(↓)の紹介動画です。(映画の予告編より)http...
(Goodbye Mr. Sunshine)『ミスターサンシャイン』への海外(英語圏)の視聴者からのコメントを紹介しておきます。(おおよその意訳を挿入しています)①Thank you all for your good efforts in making this drama such a good one. This is the first Kdrama that I thoroughly enjoyed without any complaints whatsoever apart from the sad ending. (悲しい結末でありながらも、何の不満もなく楽しめた韓国ドラマはこれが最...
ミスターサンシャイン 最終話(6:おわり)~エピローグ伊藤博文「処理しろ。奴らはただの暴徒だ。 消えるべき名前だし、初めから存在してはいけないのだ」「…」「外信には一人の名前も漏れないようにしろ。 歴史に残してはいけない」他方、髙宗に報告するイム・グァンス「義兵、ファン・ウンサン、イ・サンボク、キム・ナムジン…。 キム・ギュテ、ソ・ホジョング、イ・チャンホ…」「ご報告いたします…。 陛下…」「…」ユージ...
ミスターサンシャイン第24話(再終話:5)切り離した連結器先頭車両では機関士に銃を突き付けて、「死にたくなければ、早く汽車を出発させろ」「さっきは、遅らせろという話でしたが…」「!」「は、はい。分かりました。 出発します」「何があってもこの汽車を停車してはなりません」「分かりました。隊長」「この運転席には鍵を掛けて下さい」ユージーンは黒田男爵の手を掴んで、動き出した汽車に飛び乗ります。# ここはユー...
ミスターサンシャイン第24話(4)第4小隊~ユージーン隊長エシンは子供たちに食べ物を分け与えた後、オルゴールで♪グリーンスリーブスを流していました。そこにユージーン「朝鮮のものですから、返します」(髙宗から頂いた太極旗でした)「第4小隊はこの外国人が率いる」(ファン・ウンサン)「…」「分かりました。第4小隊は一人ですね。 私がそのナンバーワンです」翌朝「この太極旗は皇帝からの送り物だろう? 凄い!」...
ミスターサンシャイン第24話(3)北の大地・満州へドンメがもう帰ろうかという時に、エシンが来ました50銭…、「返済の期日だわ」「今日は会えないと思っていた」「…」「これで完済だ。 もうここに来る必要はない」「ここを去るの? どこに? 助けるわ」「アガシには助けることはできない」「体調が悪いと聞いているわ。 何かの手助けをしたい」「またアガシの駕籠に乗れというのか? 今度は断る」「俺が無心会に入った時...
日韓併合~謝罪と許し1.ドラマと史実(1)1907年8月1日これまでのドラマの中で折々に紹介した『韓国併合』(海野福寿『韓国併合』岩波書店、1995年5月)では、・軍隊解散は詔勅が発布された翌日の8月1日の午前10時、6000人余の将兵が対象となり、宮中侍衛の歩兵大隊640人だけが残された。・「(詔勅の)知らせを受けた歩兵第一連隊第一大隊長・朴星煥(パク・ソンファン)の抗議の自殺をきっかけに、同大隊兵...
ミスターサンシャイン第24話(2)英国『デイリーメール』紙~記者マッケンジーヒソンの記事…日本軍は6人の罪もない庶民を暴徒として射殺した。日本はついに朝鮮を領有化し、その蛮行は留まることを知らない。2000万人の朝鮮の同胞よ、恐怖の中でも雷のように嵐のように立ち上がろう。「社長、本当にこれを配信するのですか? 日本の検閲が厳しくなって来ましたよ」「…」「大韓日報は既に廃刊になりました」「たとえそうで...
ミスターサンシャイン第24話(最終回:1)レジスタンス(抵抗運動)閣僚の記念撮影…(字幕)イ・ジヨン 1905年の5人の逆臣の一人(右)「キム・ヒョンソプ大監の孫だと? 子孫がこんなつまらん職に就いているのか?」「写真を撮影させていただくことは大変名誉なことです。 この写真は朝鮮の歴史を刻むこととなり、 後世にも伝わることでしょう」「記録に残るようにしっかりと撮影してくれ」…そうだ。 お前たちは歴史...
「心配無用だ。 君は君の国、朝鮮を守ることだ。 俺は君を守るからだ」# ユージーンのこの言葉チェ・ユジンは両班屋敷の奴婢の子供として生まれ、両親を奪われて亡命。米国海兵隊の士官として成人して、時を経て在ソウル米国公使館の武官として祖国にリターン。彼の名は今はユージーン・チョイです。「朝鮮王国」への忠誠心ではなく、「エシンを守る騎士」としての義兵運動への参加です。ミスターサンシャイン第23話(5) 君...
ミスターサンシャイン第23話(4)チェ・ユジン(ユージーン)の決心~エシンとその仲間を守ること花月楼「グローリーホテルが事故に遭ったので、 ここで宿泊したいとのことです。 飲食もご希望です」「こいつは…?」「ここのオーナーは?」「私がオーナーだ」「いや、ここはク・ドンメの持ち物の筈で、 会いたいと思っていたが…」「馬鹿な話だ。 奴はずいぶん前に死んだ。 この客が理解できるように、案内しなさい」そこに...
「新しく買ったこの靴可愛いでしょう?」ミスターサンシャイン第23話(3) 赤い靴~眠ってしまったヒナキム・ヒソンの実家「アボジとオモニ。 この子は彼女の弟で、彼女は俺の妻になる」ヒソンの父親は妻に向かって、「アイゴ!アイゴ、アイゴ! お前も何か言え!」ヒソンの母は黙っていましたが、口を開いて、「ヒソンの言う通りだわ。 子供連れで大変でしょうけど、心配は要らないわ」あっけにとられる父親に、「アボ二ム...
ミスターサンシャイン第23話(2)俺たちがいる~3人の女性を守る三銃士ユージーンとエシンが乗った人力車が日本軍兵士2人に止められます。車引きに、「そこをどけ! 中の者を調べる!」「…」ユージーンは拳銃を構えて、「動かないでくれ」と車引きの肩越しに兵士を狙います。そこに、銃声が2発!(以前オルゴールを修理した)鍛冶屋でした。スングから貰った米国製のライフルで日本兵を倒しました。「彼女の出血がひどい」...
ミスターサンシャイン第23話(1)イ・ヤンファ(ヒナ)の願い~幸運のブレスレット(第23話の最初はグローリーホテルの爆破に至るいきさつが描かれます)ヒナはイルシクとチュンシクの店を訪れてお願いごと(彼らは髙宗の退位に際して喪に服していました)「花鳥風水の簡素な絵が好きだわ」「どうぞ…」「シン・ユンボクとかキム・ホンドとかの作品はありますか?」「もちろんです。 全部俺たちが贋作しています」「ふふふ…」...
ミスターサンシャイン第22話(5) 1907年8月1日~国軍の解散(#)伊藤博文と李完用(イ・ワニョン)「家も財産もすべて燃えてしまい、先祖の位牌まで失いました」(# 義軍の標的になったからです)「さぞかし大変な思いだったのだろうな。 朝鮮人はだいたいが無知で、よく反抗する。 だからその芽は初めから摘んでおいた方が良い」「…」「新しい皇帝には軍隊の解散をさせる勅命を出させる」「はい」<1907年8月1日>軍...
ミスターサンシャイン第22話(4)一歩前に~ユージーンの決断<1907年の初夏:あれから3年後>王宮「陛下、なぜハーグに密使を派遣したのですか? 伊藤総監がお怒りです」(# ハーグ密使事件のこと)「大臣たちは、皆同じ考えなのか? 私の命まで差し出せと言うのか?」「日本軍には我々の軍は敵いません。 彼らとの戦争などはもっての他です」(李完用:イ・ワニョン)「陛下が日本に行って詫びを入れないと、 日本軍...
ドラマ『武神』が再放送されているので、高麗武士について以下記事にします。1.ドラマ『武神』の背景文班・武班の両班(ヤンバン)制度が始まるのは高麗時代からですが、958年から唐の制度を参考にして導入された科挙(国家公務員試験)では、文科・雑科や僧侶を格付けする僧科が創設されたのみで、武人を登用する武科はありませんでした。したがって、武班職を得るには世襲か武功による抜擢のみでした。しかしながら、弱体化す...
『イ・サン』再考(6)外戚による勢道(せど)政治へ1.イ・サンと貞純大妃との関係まずは、映画『王の涙~イ・サンの決断(韓国原題:「逆鱗」)』を振り返ります。1776年にサンが慶煕宮(キョンヒグン:ソウルのいちばん西にある宮殿)で即位して、翌年の25歳になる前のこと。ある蒸し暑い夏の日(映画では雨)、慶煕宮に暗殺団が侵入しました。この史実に基づいて映画は作られました。サンが寝殿で本を読んでいたところ...
『イ・サン』再考(5)~サンの死の謎歴代27人の王の平均寿命は約46歳。運動不足や偏った食事のために、高血圧症や糖尿病が多かったそうです。また、当時のことですから、熱いシャワーが期待できず、アルコールなどでの消毒方法もないので皮膚病が多かったようです。ドラマ『亀巖ホジュン』では、王子の腫物の膿を吸わせるために、蛭(ヒル)を使ったシーンがありました。現在の東南アジアでも蛭の池に足をつけて、悪い血を吸...
(御陵で父親を偲ぶサン: 『イサン』最終話より)李祘(イ・サン)の遷都計画1.遷都計画のころサンは、父親の墓を京畿道・水原(スウォン)に移し(1789年)、それから何度も行幸・墓参りに出向くことになります。また、その水原に“華城(ファソン)”を建設し始めたのが1794年2月です。その際には、丁若鏽(チョン・ヤギョン)という若手の実学者が活躍して2年半ほどで外壁が完成しています。墓参りだけでなく築城の...
『イ・サン』再考(3)即位の経緯1.第21代王・英祖の決断~サンの即位問題李祘(イ・サン:後の正祖・チョンジョ)の祖父・英祖が81歳の時(1775年11月30日)、高官たちを集めて言いました。気力が失せてきて政務が難しくなったからです。# 英祖(ヨンジョ)は<朝鮮王朝>第21代王。 ドラマ『トンイ』にあるように、淑嬪・崔氏(トンイのこと)の息子・ヨニングンです。「兵曹判書(ピョンジョバンソ:軍務の役...
(イ・サンが建設した“華城”の建設資料:国立故宮博物館で2015.04撮影)「王の涙~(原題:『逆鱗』)」(4)この世のためにお風呂からあがって久々にサンに会いに行こうと…。サンに向かって、「母親の恵慶宮が“毒”を盛ろうとした」「…」「しかも、10歳の女の子に指示した。 どう処分しましょうか?」「ご随意に…」貞純大妃(チョンスンテビ)は、恵慶宮(へギョングン)の処罰を考えているところなので、直接会って話をしてお...
(イ・サンが建設した京畿道水原の“華城”:2015.04撮影)映画『王の涙~逆鱗』(3)刺客たちhttps://www.youtube.com/watch?v=2mUfBSYsar0&list=RD45UAworljWk&index=4(Youtubeより)ウルスを待つ老論派ウォレの養父カプスは養父殺害の際に、足元に血痕を残していました。それを発見した内禁衛将に尋問を受けました拷問に耐えつつカプスは、「王に合わせてくれ」と。サンの前に引き出されたカプスサンはカプスとの過去のことを思...
ドラマ『逆賊』では、ホン・ギルドンの父親・アモゲが中国の皇室が好んだという“黒細麻布(フクセマポ)”に目を付けて生産・輸出のビジネスを展開しました。# 美しい黒い麻布でした。こちらは映画『逆鱗』でのイ・サンの衣装。(製作2013年、日本公開2014年)実際に映画でヒョンビンが来ていた王衣(夏服)です。素材は黒い麻。(2014年の日比谷の映画館にて)# さて、ドラマ『イ・サン』ではサンが奴婢制度の廃止とと...
(イ・サンが建設した京畿道水原の“華城の南の門”:八達門・2015年撮影)# ドラマ『イ・サン』で描かれていた第21代王・英祖は、晩年になっては老論派(守旧派)との対立を避けて政治の安定のみを図っていたことが脚本(セリフ)からも読み取れました。また、認知症の初期でもあったのでしょうか少々短気でもあり、感情の起伏もあり、老論派+貞純(チョンスン)大妃の策略にも気づかなかった点が強調されているようです。そんな...
『イ・サン』再考(2)~サンの仲間たち(テーマソング)https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?&q=youtube+%e3%82%a4+%e3%82%b5%e3%83%b3+ost&&mid=81EE4A1CB6CEBA91D48E81EE4A1CB6CEBA91D48E&&FORM=VRDGAR1.孝懿(ヒョンイ)王后・金氏(ドラマでの王妃役はパク・ウネ)王妃は9歳(1762年)でサンと結婚しました。その後はサンだけでなく義母にあたる恵慶宮(ヘギョングン)・洪氏(ホンシ)にも精一杯仕えて...
『イ・サン』再考(1)~悪女列伝の最悪女帝1.貞純(チョンスン)王后 彼女は極めつけの“歴史的なワル”と言えましょう。まずは時代背景。儒教の教義を巡る論戦は表面上のことで、病巣だと言われ続けていた王朝内の官僚や両班たち。彼らの私利私欲が根底にあり、勢力・派閥争いの渦を巻き起こしていました。そんな王宮では南人(ナイン)派や小論(ソロン)派を退けて老論(ノロン)派が各部署を牛耳っており、中でも外戚・金家...
これまで冊封国になる前の韓半島(ハンバンド)の歴史を、<古代韓半島>として振り返りました。今回アップして来た『王は愛する』の時代背景が、大陸と半島の歴史的関係のちょうど分岐点だったと思います。(冊封制度は、大陸が明の時代に完成したとされ、日本の室町時代にも明に朝貢したとの記録があります)元からの安全保障を得るべく、高麗第24代王が世子をいわば“人質”として元に預け、その世子(後の第25代・忠烈王)が...
大陸の元と高麗王朝1.王氏高麗ソン・ジナ作家は高麗末期を描いた『信義(シンイ)』で、当時の高麗最大の貴族・“奇(キ)”一族の家長キ・チョル(実在)を登場させました。妹は「元」の皇后となった『奇皇后』です。『王は愛する』では、ワン一族とウン一族を登場させています。いずれも貴族ではあるものの、史実としてはワン一族が王家の外戚です。リンの父親の妹が第25代・忠烈王の最初の妻(実在)です。ただし、父親(ワン...
王は愛する 第40・最終話 王は愛した…一度人生を体験して、もう一度人生をやり直してみたい。そうすれば二度目はもっと良い人生で、反省することは少ないかもしれない。(ウォン)# 以下は3人と師匠で作り上げたストーリーだと思います。イ・スンヒュ師匠のナレーション…元からの使節団は重要な情報を得ました。それはワン・ジョンからでした。…「私が反元勢力の主導者のことを知っています」と、ワン・ジョンはその勢力のこと...
王は愛する 第40話(上) 1297年の夏タンとサンサンがすっかり元気になって挨拶に来たので大喜びのタン「大丈夫なのですか?」「ええ、元気です。 ちょっとだけ、胃が痛みますけどね」「良かった!」「胃が悪くてもですか?」「良かった…」「ピヨンによく似て泣き上戸ですね」「そうなんです。 いつもオラボニに笑われていました」ハンカチを渡すチン・グァンでした。サンはこっそりと料理のコツを教えて欲しいとタンに…。家を...
王は愛する 第39話(下) 王は愛した~元からの調査団ウォンが宮殿に戻ると、元からの使節・調査団が到着していました。回復した王が玉座に座っています。「いったい秘書官は何をしているのか?」「使節団の面々にはたくさんの説明が必要でしたから…」「何を知りたいのでしょうかな?」調査を行った使節団が見せたものは小動物の死骸「元成殿の礎石から発見されました」「呪詛だと?!」「ワンビ媽媽は呪詛により亡くなったとい...
王は愛する 第39話(中) 陰謀の果てに(昨日のシーンのつづき)「私を裏切る気なのか? お前を救ったのは私だぞ。 衣食住を与えて、育てて来た」「一度も裏切ったことはありません。 命令に従い、たくさんの人を殺して来ました」 「これからもそうだ」「あなたは高麗のためだと言った。 しかし…」「あの女を殺せと言ったからなのか?」「ナウリこそ、元の国に高麗を歯向かわせようとしています。 国賊です」「ムソク!...
王は愛する 第39話(上) 解毒剤と玉璽~ムソクの良心今は人がいないウン判府事の元の屋敷駆けつけたウォンとリン。まず、リンは縛られたピヨンを見つけます。「助けて下さい!」「何があったのか?」「世子嬪媽媽とサンアガシが…」「どこなのか?」「もとのアガシの部屋の中です」「!」「これを!」「?!」「彼がくれた解毒剤です」「解毒剤?」「ええ、陽が沈む前までに飲む解毒剤です。 日没と共に死ぬと聞きました」# ム...
王は愛する 第1話(下) 娘・サンへの伝言ゴロツキたちのアジト「お前たちよりも役に立つ連中がいるそうだぞ!」「ところでどうしてこんなに武器が必要なのか?」「ウン・ヨンベク商団の荷物を奪う計画だからだ」「ウン・ヨンベクだと? 奴らの私兵は官軍よりも強いと聞いているぞ。 3日に一度は軍事訓練をしているぞ。 正気なのか?」「俺たちも刺客を集めている。 絹の一反もあれば一年分の稼ぎになるのにな~」「奴らは...
高麗(コリョ)の建国は918年。それから1392年(朝鮮王朝建国)までの474年は、後の朝鮮王朝(518年間)と同様に長い歴史です。ドラマ『王は愛する』は、高麗中期の歴史の転換点を舞台背景としています。脚本はソン・ジナ作家。(同名の小説をソン・ジナ作家が脚本にしたもの)また、ドラマ『信義(シンウィ)』も同じくソン・ジナ作家の脚本・小説で、舞台は14世紀末の衰退する頃の高麗でした。『信義』は第31代...