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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々。

趣味は映画鑑賞。専門的な知識があるわけではありませんので、素人が楽しめる範囲内での「映画批評」を行っています。TB・相互リンクなど随時募集中です。

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2010/01/31

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  • お節介な日本人

    日本人はとてもお節介なのか。日本人はなぜこうも人に干渉したがるのか。SNSでは誰かを罰するために私警察が暗躍していて、どんなに些細なことでもすぐに論う(あげつらう)機会を窺っている、ように見える。それが日本人の特有の発想なのか、海外でも同様なのかは分からない。少なくとも必死にスマホをもって日夜干渉できる相手を探している、ように見える。あるいは、世話を焼きたがっているという言い方もできるかもしれない。先日、電車の中で体調を崩した人に居合わせた。私の車両だった。結構な人が乗り合わせていた。すぐに周りにいた人が、声をかけて、緊急停車ボタンを押して、近くの席が空けられて、ものの数分で対応が済んだ。搬送のめどが立っても、近くいた人たちが声をかけていた。どう考えても感服に値するのだけれど、違和感があった。SNSで私刑...お節介な日本人

  • 「こんなことをしているの、日本だけですよ」

    私の知人に、何かあるとすぐに「こんなことをしているのは日本だけ」「海外では常識」と話す人がいる。私はほとんど海外にいく機会もないので、「そうなんや」と驚かされるばかりである。真偽のほどは確かではない。そういう言説は、その人に限らず、日本では大好きなようだ。テレビのコメンテーターも、すぐに海外との比較をしたがる。エビデンス、コンプライアンス、コンセンサス……やたらとカタカナで説明したがるのも、その海外に精通しているという点と共通しているのだろう。特に2020年末から話題になった新型コロナウィルスにまつわる対応などではよく聞かれた話だ。が、おもしろいのは、そういう話の後ろに省略されていることばが、極めて「日本人的」であり、「日本的」である、という点だ。「そんなことをしているのは日本だけ」(だから、日本もやめて...「こんなことをしているの、日本だけですよ」

  • 料理という営み

    料理が私の習慣の一部になって、久しくなった。「男子たる者厨房に入るべからず」と訴えたのもむなしく、早く帰れた日は台所で簡単な夕飯を作る。私の方が早く家を出るので、時間があれば弁当も作る。だが、料理の本質は、「食事」にあるのではないということを、何度もフライパンを振ることで見えてきた。それは、経験が先であり、意味づけは後から行われるという典型的な〈気づき〉である。それは、だから行為の前に開示されているものではなく、行為の事後に気づかされるものである。料理は、調理は、自分が食べるための栄養を摂取するための営みではない。料理をするということは、誰かのために作るということであり、生存のためではない。料理を一切作らなくて良くなった現代において、人間関係が希薄になっていることはそのことと無関係ではあるまい。手軽に、簡...料理という営み

  • SNSという〈ふるい〉

    SNSというメディアは、人々の生き方や生活を大きく変えてきた。人間関係をネット上に持ち込んだ、という言い方はすでに生ぬるい。むしろ、SNSは新たなる人間関係を作る場所になり、自分の考えや思いを一方的に吐露し合う、現実とはかけ離れた場所になっている。私は「いいね!」というボタンは、SNSというコミュニケーションの場を根本的に決定づける流れを作ってしまったと考えている。人間関係や自分の発言や写真(動画・音声)を数値化して可視化することで、承認されているという実感を得る装置である。自分を支持するフォロワー数も、可視化されることで、自分が「がんばった証拠」として捉えることができるようになった。だが、もちろん、この数と自分という存在の価値はまったく関係がない。どれだけ読者が少なくとも貴重な書籍が存在するのと同じで、...SNSという〈ふるい〉

  • 忘却されない不幸

    東浩紀の「訂正する力」を読んで以来、変化することの難しさを意識するようになった。私の子どもの頃は、カメラがフィルムによって機能する時代だった。だから、子どもの頃の写真は、それほど多くない。フィルムは私の両親にはコストが高かったし、機器にうとかったこともある。父や母の写真なら、もっと残っていない。それはとても残念なことだが、今は逆に残りすぎていて、「忘れる」ことができなくなっていることも、また問題なのではないかと思うようになった。過去を忘れられないということは、過去に縛られるということであり、変わっていく自分を肯定できないということだ。私は至極保守的な(思想ではなく、頑固という程度の意味で)人間だが、あるときから「変わる自分」を肯定できるようになった。今では幼なじみと言える人と連絡を取ることもないのだが、そ...忘却されない不幸

  • ただより高いモノはない。

    最近、急に「授業料無償化」という話がニュースになっている。始まりは、大阪府内の高校完全無償化だろう。あるいは、北欧の国々がたびたび引き合いに出されて、日本も子育てに優しい国にするために、医療や教育にかかる経費を無料にするべきだという声が上がっていたことが素地にあったのだろう。そして、多子世帯には、大学の授業料無償の話まで出てきた。だが、その一方で、これが少子化対策としての本丸というよりは、選挙対策のポピュリズムを煽る政策であるということも理解しておかないといけない。子育て世代の親としては、もちろんありがたい。ただ、無料であることに直ちに飛びつくのはちょっと危険な香りがする。大阪の授業料無償化は、「63万円までは大阪府が出す」「それ以上は学校側が負担しろ」というものだ。有り体に言えば、「授業料は一律63万円...ただより高いモノはない。

  • 欲望する教育

    子どもが生まれて、教育がここまで「欲望」と隣り合わせであるということを知らなかった。子育てとは、欲望といかに抗うかということである、ということを思い知った。生後まもなく、親が戦わなければならないのは、子どもに着せたい服を際限なく買うという欲望と抗うことである。おもちゃにしても、服にしても、子どもに「これを買ってやりたい」という気持ちが抑えられない。それは日本が少子化となり、そして高度に成長した大国であり、情報社会であり、だからこそあらゆるグッズが毎時のように目に入ってくるからだ。もちろんSNSがそれを助長している。そして、買ったら今度はそれを捨てられない。忘れられない思い出やグッズを買いたい欲望は、子どもにあるのではなく、親の中にある。この思い出を所有しておきたい、この子にこんなものを買ってあげたい。その...欲望する教育

  • 重層的な子どものことば

    兄弟のやりとりがたまらなく面白い。言葉の発達が早かった私の子どもは、周りの同級生の言葉の発達をも促進させるほど、しゃべくりに育った。うえの子は特に、知的好奇心が強く読書が大好きなので、大人もびっくりするような言葉遣いをしてくる。下の子はそれに釣られてどんどん言葉を覚えて、大人の矛盾点を鋭く突いてくる。そんな2人のやり取りを見ていると、言葉が実に多様であり、そして多層であることに気付かされる。いわゆるおままごとをしている時、下の子から頻繁に、遊びを訂正していく言葉が入る。「これは、ドーナツ屋さんってことな」「今帰ってきたところ、っていうことにして」時には、相手のセリフを指定しながら、自分のイメージした場面設定を要求する。上の子は、気を遣って、その通り演じてくれる。演じられている閉じられた役のセリフと、その場...重層的な子どものことば

  • 言葉は毎回新たに生成される

    言語学の祖、ソシュールは言語の本質をラングとパロールに分けて、説明しようとした。パロールは毎回毎回使い直される言語であり、言葉はその都度生成されているという。それでもある一定の理解が得られるのは、言語のもう一つの側面、ラングという体系をある程度、同じ言語を操る者たちで共有しているからである、と。私はこの場でたくさんの言葉を記してきた。私はこの場以外でも、たくさんの文章を書いている(書かされている?)。それは、自己という存在を規定するものでもありながら――(この場で書いていることだけがmenfithという〈私〉を形成している)――、他者との関係性をも規定するものである。言葉はだから、書いている私という存在と、読んでいるあなたという存在を結びつける橋渡し、通路、回路、媒体である。その一方で、完全に理解すること...言葉は毎回新たに生成される

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