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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々。

趣味は映画鑑賞。専門的な知識があるわけではありませんので、素人が楽しめる範囲内での「映画批評」を行っています。TB・相互リンクなど随時募集中です。

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2010/01/31

  • オッペンハイマー

    評価点:88点/2023年/アメリカ/180分監督:クリストファー・ノーランその発明は、圧倒的な破壊をもたらす爆弾。1940年代初頭、世界はファシズムとの闘いが始まっていた。オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)は、ユダヤ人を迫害するヒトラー率いるドイツに対抗するべく、新しい兵器の開発を任された。しかし、そのプロジェクトは国家機密であり、いかなる情報漏洩が許されない。そこで、アメリカの中央にあるロスアラモスに街を作り、そこに研究所を立ち上げるという壮大なものだった。紆余曲折あり、原子爆弾の唯一の被害国である日本では、2024年3月という時期に公開になった。もしかしたら日本では劇場公開できないかもしれない、と言われたほどの曰く付きの作品となってしまった。政治的な話は抜きにしよう。ここでその情勢を詳報しても...オッペンハイマー

  • エイリアン:コヴェナント(V)

    評価点:56点/2017年/アメリカ・イギリス/122分監督:リドリー・スコット重要なテーマが、手段になってしまった。2104年、巨大輸送船コヴェナントには2000体の人間の胎芽を乗せていた。乗り組員は15名だったが、突如事故が起こり、冷凍催眠から目覚める。その際、船長が亡くなり、乗員は窮地に立たされる。宇宙船の修繕のため、船外作業中に謎の電波を受信する。その電波はあきらかに人類の手によるものだと考えられ、当初の目標だった惑星ではなく、発信源となっている惑星を目指すことにする。しかし、その惑星は未知の生命体が巣くう、それ以外の生命体が絶滅した星だった。前作「プロメテウス」の続編にあたる。なんと、そんな基本的なことを理解せずに、いきなり再生してしまったため、「プロメテウス」を見ていないのに、この作品から見る...エイリアン:コヴェナント(V)

  • DUNE砂の惑星 PART2

    評価点:65点/2024年/アメリカ/166分監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ一本の映画として鑑賞できるかどうか。自国を滅ぼされたポール(ティモシー・シャラメ)は、チャニ(ゼンデイヤ)らフレメンの一員になるべく、行動を共にする。帝国はスパイスの採掘をより強固なものにしようと侵攻を続けていた。フリメンらは、帝国に反抗するため、採掘機を破壊するテロ活動を開始する。有名SF小説の映画化第二弾。アカデミー賞の賞レースには前年に公開された作品が列挙されているので、この作品は選外になっている。先のアカデミー賞では「ゴジラ-1.0」や「オッペンハイマー」が話題になったので、どうしてもこの作品は話題性に欠ける。そして、前作もそれほど日本で売れたわけではないので、余計に知らない人が多いのかもしれない。IMAXでの鑑賞を目指したの...DUNE砂の惑星PART2

  • ダイハード2(V)

    評価点:84点/1990年/アメリカ/125分監督:レニー・ハーリンシリーズ屈指の完成度。あるクリスマスの日、ニューヨーク市警のジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)は、ワシントンのダレス国際空港で妻を待っていた。猛吹雪の空港では、共産主義国の麻薬王のエスペランザ将軍がアメリカに移送されるということもあり、報道陣でごった返していた。マクレーンは、空港で妙な二人組を見つけ、後をつけると銃で応戦された。一人を倒したマクレーンは、現場の確保を責任者に求めたが、クリスマスの空港を閉鎖することはできないと一蹴される。管制局まで詰めかけて抗議していたところ、空港管理システムを何ものかにハッキングされ、離着陸が不可能になってしまう。言わずと知れた、ブルース・ウィリスの人気アクション映画の第二弾。ずっと見直そうと思って...ダイハード2(V)

  • た行の映画批評

    た行の映画ダークナイト(V)94点ダークナイトライジング88点ターミナル67点ターミネーター(V)86点ターミネーター2(V)88点ターミネーター355点ターミネーター473点ターミネーター再起動ジェネシス62点ターミネーター:ニューフェイト58点第9地区83点タイタニック(V)54点大脱出68点ダイハード(V)83点ダイハード2(V)84点ダイハード4.083点ダイハードラスト・デイ54点TIME/タイム(V)62点タイムマシン52点タイム・ライン59点太陽がいっぱい(V)76点ダヴィンチ・コード49点タクシー・ドライバー(V)84点たそがれ清兵衛(V)85点ダニー・ザ・ドッグ69点ダンケルク76点ダンテズ・ピーク81点チーム・バチスタの栄光(P)37点チェ39歳別れの手紙73点チェ28歳の革命75点チ...た行の映画批評

  • 映画 ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)

    評価点:55点/2024年/日本/115分監督:今井一暁決定的な問いかけの不足。音楽の授業でリコーダーの合奏発表を控えていたのび太だったが、一向に上手くならなかった。投げ出しそうになったのび太は、日記が実現するというドラえもんの道具で、「今日は音楽がなくなった」と記載する。異変に気づいたドラえもんは、のび太を問いただし、そのページを破り捨てる。再びリコーダーの練習を始めたのび太の前に、不思議な少女が現れる。言葉が通じなかったが、彼女の歌声に魅了されるが、急に消えてしまう。たまたま時間が合ったので、子どもたちを連れて地元の映画館に行った。公開二日目で、子どもの同級生も見に来ていたくらい、盛況だった。前回に続いて、オリジナル脚本で、担当は内海照子。私は存じ上げない。ここでおすすめしようがしまいが、きっと見に行...映画ドラえもんのび太の地球交響楽(シンフォニー)

  • 落下の解剖学

    評価点:78点/2023年/フランス/152分監督:ジュスティーヌ・トリエわかりあえないということ。フランスの山間の村で暮らす作家の夫婦が、視覚障害のある息子と住んでいた。ある日、大音量で家の階層作業をしていた夫が死体となって発見される。発見したのは散歩に出かけていた息子で、当時家には妻のサンドラだけがいた。サンドラは息子の声で午睡から目を覚まし、異変に気づく。しかし、不自然な位置に血痕が残されており、検察らは妻のサンドラを殺人容疑で起訴することを決める。アメリカのアカデミー賞でも作品賞にノミネートされ日本で話題になっている。フランス映画であるが、かなりの部分が英語で話されているので、その分ウケがよかったのかもしれない。作品としては法廷ものであり、ジャンルはサスペンスやドラマになるのだろう。私は映画をジャ...落下の解剖学

  • ゴールデンカムイ

    評価点:75点/2024年/日本/128分監督:久保茂昭「再現度」は高い。しかし、それで満足していては……。1904年の日露戦争で両国ともに多くの死傷者を出した。その二年後、激戦を生き延びた杉元佐一(山崎賢人)は、北海道で砂金をさらっていた。しかし、見つからず途方に暮れていたところ、出会った酔っ払いがアイヌが隠した金塊の話をしはじめた。話によれば、その金塊は北海道のどこかに埋められて、そのありかが脱獄した死刑囚の体に暗号として入れ墨で刻まれているということだった。信じられない杉元だったが、ヒグマに襲われたその男には、不自然な入れ墨が入っていた。男の遺体を担いでいた杉元だったが、獲物を奪われたヒグマが杉元を狙っていた。「ヤングジャンプ」で連載されて大きな話題になったマンガの、実写映画化作品。速報が入った時点...ゴールデンカムイ

  • 東浩紀「動物化するポストモダン」

    言わずと知れた、東浩紀を論壇の舞台にあげた新書である。当時としては、オタクやギャルたちを論じている者は少なかった。オウム真理教やバルブ崩壊など大きな事件や出来事が続く中で、ゲームやアニメ、マンガといったサブカルチャーに没頭する者たちを、俎上に載せるということ自体が「価値がない」とみる考えが支配的だった。しかし、いち早く彼らに注目したのが、大塚英志であり、東浩紀だった。書かれた当時は懐疑的だったのかもしれないが、現在ではオタクと呼ばれる人たちのエートスはむしろ日本においても支配的になってきた。特に、新型コロナを巡る騒動(狂騒)によって、アニメやゲームがより多くの日本国民に親しみのあるものになったようだ。彼らの精神性に早くから注目した評論として、東浩紀はその地位を確固たるものにしている。それもすべてはこの「動...東浩紀「動物化するポストモダン」

  • 哀れなるものたち

    評価点:88点/2023年/アメリカ/141分監督:ヨルゴス・ランティモス彼女に欠落しているもの。私たちに欠落しているもの。外科医で全身傷だらけの男、ゴッドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)は、不思議な女性を自宅で育てていた。医学会でゴッドウィン医師に尊敬の眼差しを向けるマックス・マッカンドルス(ラミー・ユセフ)を見つけたため、自宅に呼び、ベラ(エマ・ストーン)を紹介する。ベラは、自殺した女性に子どもの脳を移植することで誕生した「実験体」だった。マックスが観察する中、赤ん坊のような振る舞いだった彼女は、次第に外の世界に憧れるようになる。そこに弁護士のダンカン・ウェダバーン(マーク・ラファロ)が現れて、ベラの生活が急変していく。オスカーノミネートも納得の映画だ。SFなのか、コメディなのか、ファンタジー...哀れなるものたち

  • M3GAN ミーガン(V)

    評価点:75点/2022年/アメリカ/102分監督:ジェラルド・ジョンストンそらそうやな、という映画。幼いケイディ(ヴァイオレット・マッグロウ)の両親は三人でスキーに出かけたとき、事故に遭い亡くなってしまった。疎遠だった祖母に代わり、ジェマ(アリソン・ウィリアムズ)が彼女を引き取る。彼女はおもちゃ開発に携わっていたが、うまくいっていなかった。追い込まれていたジェマは、ケイディを引き取ったものの、彼女を持て余していたが、大学の頃に開発した自立型ロボットに光明を見いだした。ミーガンと名付けられた子ども方のロボットは、自律的に相手の感情を理解して、寄り添うことができる、身体をもったまったく新しい「おもちゃ」だった。公開前後から話題になった、ホラー映画。トレーラーから想像できるそのまんまの展開で、残酷描写に注意す...M3GANミーガン(V)

  • PERFECT DAYS

    評価点:84点/2023年/日本/124分監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース美しき日常の日々。平山(役所広司)は東京の公共トイレの清掃員だった。今日も朝目覚めて規則正しくあてがわれたトイレの清掃に向かった。ほとんど人と話すこともない平山は夕方には仕事を終えて、近所の銭湯に向かい、浅草の小さな居酒屋でチューハイをあおる。毎日同じような生活だが、少しずつ変化が起こる。ドイツ人映画監督ヴィム・ヴェンダースが、東京の公共トイレのPR短編映画のために企画され、制作された映画。カンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞したことでも話題になった。平日の映画館にもかかわらず、劇場内はほぼ満員で、暇な中年以上の観客で賑わっていた。小さい劇場だったこともあるだろうが、日本にはこんなに暇な(?)人々がいることに驚いた。話題になったのもあ...PERFECTDAYS

  • 窓ぎわのトットちゃん

    評価点:79点/2023年/日本/114分原作・ナレーション:黒柳徹子監督・脚本:八鍬新之介脚本と演出がすばらしい。終戦間際までの東京の自由が丘にあった私立の「トモエ学園」に転校することになったトットちゃん(声:大野りりあな)は、学校に列車の教室があることに仰天する。小林校長先生(声:役所広司)は、問題児として扱われていた彼女の話を、トットちゃんが納得するまで丁寧に聞き出し、「あなたは本当は良い子なんですよ」と力強く抱きしめた。戦争の足音が大きくなる中、トットちゃんはトモエ学園で成長していく。言わずと知れた児童文学の名作、「窓ぎわのトットちゃん」をアニメーション映画化した作品。私はこの原作を読んだことがなく、子どもたちが読むだろうと考えたので、先に購入しておいた。しかし、私は他の本を読んでいたので、原作を...窓ぎわのトットちゃん

  • 紅白に思いをはせる

    昨年のNHK紅白歌合戦の視聴率が非常に厳しいものだったという。NHKに対する風当たりは近年ますます厳しいものになってきた。このニュースは、視聴料を巡る議論にますます拍車をかけそうだ。(だが問題の本質は、NHKの番組の質ではなく、単にお金を払いたくないという人が多いだけの気がするが)時代に逆行するようだが、私は結婚してから紅白歌合戦を見るようになった。ふだんほとんどテレビを見ない私の一家は、――それでも子どもが大きくなるに連れて増えてきたが――年末だけは紅白を見ながら夜更かしするという恒例になってきた。歌番組や最新の楽曲も知らないため、紅白を見ることで初めて知ったミュージシャンも多い。そんな私にとって、「大晦日の歌番組で視聴率が30%もあることが奇跡だ」と思える。テレビ離れや、テレビの絶対的な優位性が揺るい...紅白に思いをはせる

  • エクスペンダブルス ニューブラッド

    評価点:62点/2023年/アメリカ/104分監督:スコット・ウォーコンセプトを見失った?リー・クリスマス(ジェイソン・ステイサム)の元を訪れたバーニー(シルヴェスター・スタローン)は、賭けで失った指輪を取り戻して欲しいと依頼する。しぶしぶ付き合わされたリーは、再びバーニーに来た仕事を手伝うことになった。それはバーニーにとって因縁の謎の男、オセロットとの取引相手が、核兵器を強奪したというものだった。再び集結したチームは、その場所リビアをポンコツの輸送機で向かうのだが。とにかく往年のアクションスターが一堂に会して、ばんばん人を殺していくというアクション虐殺映画の続編。トレーラー映像からもわかるように、今回は目玉になるようなアクションスターの紹介がない。それがこの映画のすべてを表しており、上映館数も控えめなも...エクスペンダブルスニューブラッド

  • 勉強するということはこういうことなのか。

    この間までひらがながやっと書けるようになったと思ったら、もう二桁の掛け算や画数の多い漢字をすらすらとやってこなす。小学生とはまことに成長が速い。自分の子どものころ、こんなに真面目に机に向かっていたのかと思うくらい勤勉に宿題をこなしている。もちろん、隣には母親がついていて、私は下の子の工作を手伝わされているのだが。どうしても大人は理屈から説明しようとしてしまうが、子どもの学習する姿を見ていると、もっと重要なことは、体でできるようになるということである、ということに(ようやく)私自身が気づくようになった。ビジネス書でAIにできること、人間にしかできないことなんていう高尚な本を読んでいるからなのかもしれない。AIは身体を伴わないために、「人間」にはなれない、と色々なところで指摘されている。なるほど、私たちは公教...勉強するということはこういうことなのか。

  • メディアリテラシーとは

    正月早々、大きなニュースが日本を揺るがした。私は直接の当事者ではないので、憶測からは何も言えない。その詳細は、別の人に譲ろう。こういう災害が起こると、必ず著名人が寄付したことが話題になる。そしてそこで必ず「売名行為である」という種類の批判が寄せられる。売名行為であっても、寄付することは良いことだ、という種類の反論がまた起こり、ちょっとした議論になる。私はそれについて別の角度から考えてみたい。表現とは、表象を生み出すきっかけとなるものであり、表現にはかならず形式が必要である。自分の思いなるものが客観的に存在するかどうかは別にして、少なくとも自分の内面にあるものは何らかの形にしなければ誰も理解できない。だから、言葉にする。あるいは音にしたり、絵にしたり、その他の作品で表現される。しかし、ここで確認しておくべき...メディアリテラシーとは

  • ら行の映画批評

    ら行の映画批評ライアーゲームザ・ファイナルステージライオンキング(V)LOVERSLOVESONG(V)LoveLetter(V)LIFE!ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(V)ライフ・オブ・パイトラと漂流した227日ラウンダーズ(V)楽園追放-ExpelledfromParadise-(V)RUSH友情とプライド下弦の月~ラストクォーター~ラスト・サムライラ・ラ・ランドRUN/ラン(V)ランド・オブ・ザ・デッドランボー最後の戦場ラン・ローラ・ラン(V)リーグ・オブ・レジェンド(V)リーサル・ウェポン(V)リーサル・ウェポン4(V)リクルート(V)リチャード・ジュエルリディックリプリー(V)リリーのすべて竜とそばかすの姫猟奇的な彼女(V)リング0バースデイ(V)隣人は静かに笑う(V)LUCYルーシー(V)L...ら行の映画批評

  • レッド・スパロー(V)

    評価点:37点/2018年/アメリカ/140分監督:フランシス・ローレンスもう何もかもむちゃくちゃ。ロシアのバレエ団で主役を務めていたドミニカ(ジェニファー・ローレンス)は、ある日アクシデントで右足に重傷を負ってしまう。失意にくれるドミニカは、体の悪い母親の面倒をバレエ団に依存していた。その弱みを知った叔父のワーニャは情報局の高官だった。彼はドミニカを陥れたバレエの同僚のやりとりを伝え、彼女にスパイとしての才覚を見いだす。何もかもを失ったドミニカは、ロシアでも最も厳しいスパイ養成機関に入れられる。そして、ロシアのエージェントとしての一歩を踏み出すことになる。ジェニファー・ローレンス主演のスパイアクション。ジャンルとしては、いわゆる女エージェントが鍛えられてミッションをクリアしていく、という例のアレである。...レッド・スパロー(V)

  • お節介な日本人

    日本人はとてもお節介なのか。日本人はなぜこうも人に干渉したがるのか。SNSでは誰かを罰するために私警察が暗躍していて、どんなに些細なことでもすぐに論う(あげつらう)機会を窺っている、ように見える。それが日本人の特有の発想なのか、海外でも同様なのかは分からない。少なくとも必死にスマホをもって日夜干渉できる相手を探している、ように見える。あるいは、世話を焼きたがっているという言い方もできるかもしれない。先日、電車の中で体調を崩した人に居合わせた。私の車両だった。結構な人が乗り合わせていた。すぐに周りにいた人が、声をかけて、緊急停車ボタンを押して、近くの席が空けられて、ものの数分で対応が済んだ。搬送のめどが立っても、近くいた人たちが声をかけていた。どう考えても感服に値するのだけれど、違和感があった。SNSで私刑...お節介な日本人

  • 「こんなことをしているの、日本だけですよ」

    私の知人に、何かあるとすぐに「こんなことをしているのは日本だけ」「海外では常識」と話す人がいる。私はほとんど海外にいく機会もないので、「そうなんや」と驚かされるばかりである。真偽のほどは確かではない。そういう言説は、その人に限らず、日本では大好きなようだ。テレビのコメンテーターも、すぐに海外との比較をしたがる。エビデンス、コンプライアンス、コンセンサス……やたらとカタカナで説明したがるのも、その海外に精通しているという点と共通しているのだろう。特に2020年末から話題になった新型コロナウィルスにまつわる対応などではよく聞かれた話だ。が、おもしろいのは、そういう話の後ろに省略されていることばが、極めて「日本人的」であり、「日本的」である、という点だ。「そんなことをしているのは日本だけ」(だから、日本もやめて...「こんなことをしているの、日本だけですよ」

  • 料理という営み

    料理が私の習慣の一部になって、久しくなった。「男子たる者厨房に入るべからず」と訴えたのもむなしく、早く帰れた日は台所で簡単な夕飯を作る。私の方が早く家を出るので、時間があれば弁当も作る。だが、料理の本質は、「食事」にあるのではないということを、何度もフライパンを振ることで見えてきた。それは、経験が先であり、意味づけは後から行われるという典型的な〈気づき〉である。それは、だから行為の前に開示されているものではなく、行為の事後に気づかされるものである。料理は、調理は、自分が食べるための栄養を摂取するための営みではない。料理をするということは、誰かのために作るということであり、生存のためではない。料理を一切作らなくて良くなった現代において、人間関係が希薄になっていることはそのことと無関係ではあるまい。手軽に、簡...料理という営み

  • SNSという〈ふるい〉

    SNSというメディアは、人々の生き方や生活を大きく変えてきた。人間関係をネット上に持ち込んだ、という言い方はすでに生ぬるい。むしろ、SNSは新たなる人間関係を作る場所になり、自分の考えや思いを一方的に吐露し合う、現実とはかけ離れた場所になっている。私は「いいね!」というボタンは、SNSというコミュニケーションの場を根本的に決定づける流れを作ってしまったと考えている。人間関係や自分の発言や写真(動画・音声)を数値化して可視化することで、承認されているという実感を得る装置である。自分を支持するフォロワー数も、可視化されることで、自分が「がんばった証拠」として捉えることができるようになった。だが、もちろん、この数と自分という存在の価値はまったく関係がない。どれだけ読者が少なくとも貴重な書籍が存在するのと同じで、...SNSという〈ふるい〉

  • 忘却されない不幸

    東浩紀の「訂正する力」を読んで以来、変化することの難しさを意識するようになった。私の子どもの頃は、カメラがフィルムによって機能する時代だった。だから、子どもの頃の写真は、それほど多くない。フィルムは私の両親にはコストが高かったし、機器にうとかったこともある。父や母の写真なら、もっと残っていない。それはとても残念なことだが、今は逆に残りすぎていて、「忘れる」ことができなくなっていることも、また問題なのではないかと思うようになった。過去を忘れられないということは、過去に縛られるということであり、変わっていく自分を肯定できないということだ。私は至極保守的な(思想ではなく、頑固という程度の意味で)人間だが、あるときから「変わる自分」を肯定できるようになった。今では幼なじみと言える人と連絡を取ることもないのだが、そ...忘却されない不幸

  • ただより高いモノはない。

    最近、急に「授業料無償化」という話がニュースになっている。始まりは、大阪府内の高校完全無償化だろう。あるいは、北欧の国々がたびたび引き合いに出されて、日本も子育てに優しい国にするために、医療や教育にかかる経費を無料にするべきだという声が上がっていたことが素地にあったのだろう。そして、多子世帯には、大学の授業料無償の話まで出てきた。だが、その一方で、これが少子化対策としての本丸というよりは、選挙対策のポピュリズムを煽る政策であるということも理解しておかないといけない。子育て世代の親としては、もちろんありがたい。ただ、無料であることに直ちに飛びつくのはちょっと危険な香りがする。大阪の授業料無償化は、「63万円までは大阪府が出す」「それ以上は学校側が負担しろ」というものだ。有り体に言えば、「授業料は一律63万円...ただより高いモノはない。

  • 欲望する教育

    子どもが生まれて、教育がここまで「欲望」と隣り合わせであるということを知らなかった。子育てとは、欲望といかに抗うかということである、ということを思い知った。生後まもなく、親が戦わなければならないのは、子どもに着せたい服を際限なく買うという欲望と抗うことである。おもちゃにしても、服にしても、子どもに「これを買ってやりたい」という気持ちが抑えられない。それは日本が少子化となり、そして高度に成長した大国であり、情報社会であり、だからこそあらゆるグッズが毎時のように目に入ってくるからだ。もちろんSNSがそれを助長している。そして、買ったら今度はそれを捨てられない。忘れられない思い出やグッズを買いたい欲望は、子どもにあるのではなく、親の中にある。この思い出を所有しておきたい、この子にこんなものを買ってあげたい。その...欲望する教育

  • 重層的な子どものことば

    兄弟のやりとりがたまらなく面白い。言葉の発達が早かった私の子どもは、周りの同級生の言葉の発達をも促進させるほど、しゃべくりに育った。うえの子は特に、知的好奇心が強く読書が大好きなので、大人もびっくりするような言葉遣いをしてくる。下の子はそれに釣られてどんどん言葉を覚えて、大人の矛盾点を鋭く突いてくる。そんな2人のやり取りを見ていると、言葉が実に多様であり、そして多層であることに気付かされる。いわゆるおままごとをしている時、下の子から頻繁に、遊びを訂正していく言葉が入る。「これは、ドーナツ屋さんってことな」「今帰ってきたところ、っていうことにして」時には、相手のセリフを指定しながら、自分のイメージした場面設定を要求する。上の子は、気を遣って、その通り演じてくれる。演じられている閉じられた役のセリフと、その場...重層的な子どものことば

  • 言葉は毎回新たに生成される

    言語学の祖、ソシュールは言語の本質をラングとパロールに分けて、説明しようとした。パロールは毎回毎回使い直される言語であり、言葉はその都度生成されているという。それでもある一定の理解が得られるのは、言語のもう一つの側面、ラングという体系をある程度、同じ言語を操る者たちで共有しているからである、と。私はこの場でたくさんの言葉を記してきた。私はこの場以外でも、たくさんの文章を書いている(書かされている?)。それは、自己という存在を規定するものでもありながら――(この場で書いていることだけがmenfithという〈私〉を形成している)――、他者との関係性をも規定するものである。言葉はだから、書いている私という存在と、読んでいるあなたという存在を結びつける橋渡し、通路、回路、媒体である。その一方で、完全に理解すること...言葉は毎回新たに生成される

  • 私たちの渇き

    私たちはかつてないほどに、近年、渇きを覚えている。これほどの世界有数の経済大国であるのに、貧困だ、生活が苦しいという渇きの声が絶えない。人手が足りないと言われながら、それでも賃金は上がらない。もうまもなく、人口ではるかに少ないドイツに逆転される見通しである。いつから私たちはこれほど渇きを感じるようになったのだろうか。だから、私たちは増税に敏感になり、減税に疑いの目を向ける。当たり前のことだが、暮らしの保証を求めれば、税金が上がっていくのは免れない。税金が下がるということは、国のサービスは劣化していくことになる。税金を下げてさらに、国に生活に関する十分なサービスを求めるのは矛盾そのものである。だが、それでも私たちは生活にゆとりや潤い、余裕を感じることができない。この渇きの正体はいったい何なのか。断っておくが...私たちの渇き

  • 引き算の教育

    断っておくが、私は休日出勤が当たり前の職場にいるので、正直子どもへの教育についてとやかく言うべき立場にいない。ほとんどは奥さんの方針に従って、唯々諾々と動いているだけである。もしうちの子どもたちの教育が「成功」したとすれば、それはひとえに奥さんのおかげである。うちの(母親の)教育方針は「マイナスにならないならどんどんさせる」である。そして、どちらかというと、「引き算の教育」である。要するに、悪影響を与えそうなことは、与えない、ということ。数年前からずっと購入を提案しているが、ニンテンドースイッチが自宅にない。スマホを子どもに触らせることもほとんどない。動画は決められた時間だけ、iPadは家にあるが、こちらもマインクラフトを小学生が決められた時間いじるくらいだ。さらに、テレビは基本的に設置されているだけで、...引き算の教育

  • 「ふるさと」の喪失

    車の中に、童謡が流れている。「ふるさと」の一節が車内に広がる。子どもたちは聞くともなく聞いている。私は運転しながら、その歌詞に注目する。大正3年(1914年)に発表されたというこの曲は、長らく私たちの心に深く刻まれた楽曲である。しかし、驚くべきことに、この大正3年の時点で、都会と故郷とが対比されているという点だ。「忘れがたきふるさと」とあるのは、すでに都会にでて働いている労働者の心を詠んだものだ。ここには明確な対比がある。都会と故郷(田舎)という対比である。おそらく高い志をもって故郷を出発した若き男性(とうぜんここで前提にされているのは男性だろう)は、立身出世するために東京を目指す。しかし、その東京ではすでに水は清らかではないし、故郷にあったような自然も見られない。「忘れがたき」とあるけれども、それは逆説...「ふるさと」の喪失

  • search/#サーチ2(V)

    評価点:70点/2023年/アメリカ/111分監督:ウィル・メリック/ニック・ジョンソン語りの重層性とメタ映像。なんでもないホームムービー。父親は楽しそうに娘を抱っこし、娘がカメラを回している。父親は不意に鼻血を出す。父親はその後、脳出血で倒れ、他界してしまう。それから10年、母子家庭で育ったジューン(ストリーム・リード)は、18歳になり、母親から自立したい気持ちが真っ盛りだった。母親グレイス(ニア・ロング)は1人で子供を育てていたが、ボーイフレンドを作り始めた。反発していた娘は、2人が旅行に出かけるタイミングで、友人たちとパーティーする計画を立てる。なんでもない秘密の会だったが、2人が帰ってくるはずの月曜日、待っても待っても母親は空港に現れない。娘はたった1人で母親の失踪を追うが。前作のコンセプトはその...search/#サーチ2(V)

  • 他者はコントロールできない。

    幸運なことに、職場にはかなり多くの「親」がいる。大学生の親であったり、中学生の親であったり。子どもが熱を出しても、理解ある職場であると言える。そういう同僚と話をすると、畢竟、育児や家事、教育の話になる。「ああ、お子さん、小学生?いいなあ、うちの子なんてもう全く親の言うことなんて聞いてくれないで」と言うような話になる。私も、夜泣きに悩む母親と話をしていると、「今が一番おもろいですよ」と先輩ヅラしてみる。しかし、私は自分の子どもが親の言うことを聞いてくれた日々を全くと言っていいほど思い出せない。生まれてすぐから夜泣きが一年以上続いて、発達の明らかな遅れの要素があり、今でもいつまでもお風呂に入ってくれず、靴下だけで裸で見えない敵と戦っている。悪魔の⚪︎歳、天使の⚪︎歳と言われるけれど、いつまで経っても天使の日々...他者はコントロールできない。

  • 理解への無理解

    報連相ができない、ということは、うちの職場だけではなく現代の病理だと思う。いや、私の会社だけかもしれないが。その奢りともいうべき誤解は、発信した連絡は須く相手に理解されるものだという無理解が原因であるように思う。自分の言葉は相手にしっかりと、少しの目減りもなく、理解されるものだ、理解されるべきものだと。しかし、やはり、相手の思いや考えなど容易に理解できない。理解できるなら、長い小説は必要はなかったし、戦争もおこならない。今20年ほどぶりに、昔投げ出した本を読んでいる。(読み終わったら記事にするかもしれない。)ところが、これがてんでわからない。20年前より読解力も知識もあるはずなのに、何もわからない。アドラーを読んでいた時、「説明されてわかったつもりでもそれを実行していくのは容易ではない」というような一節が...理解への無理解

  • うちのプログラミング教育

    うちは子どもが産まれて以来、ずっとプログラミング教育を行っている。保育園から帰ったら、黙々と作業している。何も教えたわけではない。止まらない探究心が、幼児を駆り立てる。我が家でのプログラミング教育は、情報機器端末を必要としない。ただひたすらに、ハサミとノリと、テープと、そして廃材である。まあ、要するに工作をしているのだ。しかし、これがぷグラミング教育そのものであることを、先日プログラミング教育の体験説明会に参加して知った。やろうとする目標を決めて、試行錯誤して、目標に向かっていく。トラブルやミスがあればそれを修正していく。第三者から見て、おかしいかどうかを判断できるという意味でも、工作もわかりやすい。特別な支援や指導が必要な面もある。けれども、我が子たちは十分、クリエイティブで探究心あふれる協働的な学びを...うちのプログラミング教育

  • 東浩紀「訂正する力」

    ゲンロンを立ち上げた東浩紀の新作の新書。本屋に平積みされていたこともあり、気になっていたので、買った。彼の本を実はあまり読んでいなくて、奥さんに薦められた記憶はあるが、結局読んでいないような気がする。語った内容を記録するという形式だったこともあり、かなりライトな語り口だが、話は非常に興味深い。特にネットにばかり侵食されがちな若い世代に読んでもらいたい。まあ、薦める相手もいないけれど。▼以下はネタバレあり▼日本に最も欠けているのは何か、訂正する力である、というのが論旨だ。少し前に聞いた話では、2022年において日本のロケットの発射本数はゼロ。これは失敗しないことを確認してからでないと日本ではロケットさえ打つことができない。対して、アメリカは成功率がたとえ低くてもどんどん打ってみる。打ってみて改善するというス...東浩紀「訂正する力」

  • 千葉雅也「デッドライン」

    研究者で、小説家という千葉雅也のデビュー作「デッドライン」を読んだ。多分に彼の過去を反映していると思われる私小説風の作品。大学院時代に、フランス思想を研究する中、修士論文の締め切り(=デッドライン)に追われる学生を描いている。と同時に、同性愛を自認した語り手が、周りにカムアウトしながら、自分の性欲を満たしていくという日々も描かれている。読んだ後しばらく考えていたが、ネタバレするほどの深い読解・考察ができなかった。しかし、この後の記述は若干ネタバレが含まれているかもしれない。未読の場合は、注意してほしい。(抽象的な記述に留めているが)▼以下はネタバレあり(かもしれない)▼自己をマイノリティであることを自認しながら、自分に課された修士論文の締切と戦う。どうしても書けない。書くことと、自分を掘り起こしていく=そ...千葉雅也「デッドライン」

  • 好きなことに還元できるのか

    夢を描け。好きなことを仕事にしろ。やる気のないことはできない。本当に自分のやりたいことなのか、問いかけろ。こういうポジティヴな言説は時に自己を傷つける。改めて問い直してみる。今いる会社は好きなのか。自分の仕事が好きだから続けているのか。そんなことを毎日鏡の向こうの自分に問いかけて、イエスと答えられることが、社会人としての条件なのだろうか。好きであることを、頑張れることに還元できるだろうか。嫌いじゃない、でも積極的に肯定することもできない。誇れる自分もいる、けれども、極度に臆病になる自分もいる。どっちちかずで逡巡する自己。それが実態であり、その中で常に線を引き直す、ということが生きるということではないか。特に、常に辞めるという選択肢がちらつく現代社会で、明確な目標を持って突き進むという現代人の人間像は、どこ...好きなことに還元できるのか

  • センスの源泉

    あの人はなぜあんなに仕事ができるのか。いや、あの人はセンスがいい。自分はセンスが悪いからわからない。思えば自分が学生だったころから、この種の議論はされていて、センスがいいからレギュラーになる、数学のセンスがない、と安易に評価されてきた。では、そのセンスなるものは、生まれ持って備わっているものなのか。そうだと言い切ってしまえば、話はそこで終了、ということになる。だが、センスはおそらく細部にやどる。細部をみて私たちはセンスの良し悪しを語っている。細部だからこそ、そこは感覚としか言いようのないもののように感じてしまう。細部にセンスが宿るのは、その所作があまりにもその人の本質に関わることのように見えるからだろう。そんな細かいことは普通は意識しないよ、それができているなんて、「センスがいい」その細かいことは、おそら...センスの源泉

  • 普通で良い、と言えない社会で

    子どもが小学生になって、宿題の多さに親の方が圧倒されている。私は本業の都合もあって、ほとんど奥さんに子どもの宿題をみてもらっているが、驚いている。スピードも速く、毎日新しいことをやっては、復習、というのを繰り返している。私が子供の頃、こんなにも宿題をしていたのか、と感じている。そう考えながら、いつもテストがあれば聞いてしまう。何点?と。小学生のテストなんて、と思う。けれども、これに順位がつき始めると、と思うと怖くなる。それまで絶対評価だった我が子への評価が、数値にされることで他人の子との比較になってしまうからだ。「普通でいい」と思って抱き上げた初めての日、社会に出る前には「普通以上」を求めてしまう。それは大人の世界が、普通以上を常に求める世界だからだろう。1億総中流といわれた時代は遠い昔で、常に普通以上、...普通で良い、と言えない社会で

  • 花束を君に。

    年度の後半は、花束を贈り贈られる季節と言える。イベントのプレゼントに、あるいは出会いと別れの季節に、花束が贈られる。人間の本質的な営為の中で、贈与というものがあるというのは、思想の世界でも話題にされてきた。人間だけが贈与する。贈り物をする動物はほかには見られない。もちろん、見立てによっては贈り物のようなものをする動物はあるかもしれない。けれども、その行動と、人間が行う贈与には本質的な違いがあるだろう。そのように考えると、花束は非常に人間的なものなのかもしれないと気づいた。花束は自分で買うことがほとんどないからだ。そして、花束は、生活においてほとんど実用性がないからだ。生活にまったく無駄なものとしての花束、そして贈与の代表的な物質としての花束。他にも贈与するものはいくらでもあるが、贈与するためだけで、そこで...花束を君に。

  • 経済と法は、現代の呪術である。

    何か問題が起こったり、新しいことを考えたりするとき、私たちの観点は大きく二つある。それはコストやリターンの上で最適かどうか。あるいは、法律に抵触しないかどうか。どんなことでも、お金に換算して、時間に換算して是非を問おうとする。ルール違反は、ルールやマナーというよりも、法律がよりどころとなる。私たちは、とくに情報化社会に本格的にどっぷりつかっている現代は、この二点が物事を議論するときの重要な観点になっている。いや、この観点しかない、といったほうが適切だろう。私たちは金に換算できる方法でしか利を考えることができず、法律に抵触しないかぎり何をやっても【一応は】良いと思っている。しかし、この二つは社会という基盤がしっかりしているからこそ成り立つ観点であり、決してそれ以前にあったものではない。その意味で、平安時代、...経済と法は、現代の呪術である。

  • ポジティヴ・シンキングの土台

    長い長いトンネルを少しだけ抜け出たような感覚がある。この二ヶ月ほどずっと体調が悪くて、仕事も忙しくて、何の余裕もなかった。ただ右から左へと物や情報を動かしていくような、生命維持モードで生きていた。「ゴジラ-1.0」の公開に合わせて、神木隆之介がポジティヴモンスターであるとコメントしていた。どんなに厳しい状況でも、前向きに捉えるのが得意であると。私は基本的にネガティヴなので、他人や運命にまったく期待しないというスタンスで生活している。いきなり雨が降ってきても、自分の言ったことが相手に誤解されても、思うとおりに他人が動いてくれなくても、予想よりも悪い結果が出ても、仕方がないとすぐに諦めてしまう。そもそも自分の都合の良いようには世の中はなっていない。そういうメンタルだ。しかし、この二ヶ月はそういうことも考えられ...ポジティヴ・シンキングの土台

  • 日本のリーダーシップとは

    私はリーダーシップなるものを発揮したことがない。人々を主導するどころか自分を主導することも難しい。熱い思いがあるわけでも、仕事に熱意を持っているわけでもない。キムタクが、一番嫌いだという「適当でいい」「どうでもいい」という言葉を多用する傾向にある。人に従って、リーダーに無責任に意見をいう方が向いている。しかし、その一方でどう言うふうにしたら周りを自分の意見に従わすことができるか、ということにも興味がある。おそらく私はこれまでリーダーというものが、強力な熱意や知識や話術で人を思うがままに操っていく人というように勘違いしていたのだろう。少なくとも日本では、そういう人はそもそもリーダーになれない。日本の理想的なリーダー像は、どこまでも周りから「確かにその通りだな」と思わせるまでもなく、自然に思える流れを知らぬ間...日本のリーダーシップとは

  • 同調圧力の正体

    日本には強力な同調圧力があるとしばしば言われる。マスクを例にしてもわかりやすい。こないだまでマスクをしない人間は吊し上げられたのに、5類になったとたん、今度はマスクは顔を覆い隠すからコミュニケーションには不適だと言われる。こういう例はいくらでもある。最近のスポーツ紙は、岡田監督を持ち上げるのに忙しい。優勝した途端、彼を批判することはほとんどタブーになりつつある。甲子園で優勝したチームも似たようなものだろう。しかし、私はここに、自然主義だからだ、という説明を試みたいのだ。マスクをすることが、大勢の流れ、世の流れ、自然なことであると思われた場合、人々はその科学的な見地や社会的な記号性を一切無視して、追従する。それは自分の言うことを聞かせたい、という願望である、というよりはむしろ、自然に従うべし、という強いテー...同調圧力の正体

  • 自然主義としての日本人像

    ずいぶん前に、内田樹の「日本辺境論」を読んだとき、「なるほど!」と思ったのを覚えている。そこにも書かれていたはずだが、日本人はとにかく「日本人とは何か」を考えたがる民族であるようだ。それは確固たる国民像がない、あるいはそれを共有できないことの裏返しだろう。日本の歴史は脈々と……と語られることが多いが、では日本人とはどういう民族なのかと言われても即答できない。あるいは、安倍謹也がいうように、世間を重視して建前と本音を使い分けるという説明もある。恥を重んじる行動原理を説いた人もいるし、空気を読むという言い方も使い古されている。だが、これほどまでに経済大国になりながら、格差が拡大して、ずる賢い一部の人間に富を独占されているにもかかわらず、我慢強く糊口をしのいでいる国民性はいったい何なのだろう。デモに参加するわけ...自然主義としての日本人像

  • 人間関係までも可視化される世界

    SNSによって、私たちは友達リストを作成することを強いられる。SNSから逃れて生きていくという道も残されているが、民主主義の原則が「多数決」である以上、自分が多数派にいることは社会的に生き抜くための重要なスキルだ。そうであれば、SNSを無視して生きていくという道は、ちょっと険しくなる。ということで、私たちはせっせと友達リストを作って、人間関係を可視化することになった。これは極めて残酷な行為だ。どういう情報をどういう相手にいつ公開するか、という今まで感覚的に行っていたことが、すべて記録されるようになった。広告と分かちがたく提供されるSNSなので、人間関係だけではなく、自分の嗜好や好悪さえも可視化される。人間関係という、アナログで、グラデーションで、曖昧だったものが、数値となって示される。友達に入れるかどうか...人間関係までも可視化される世界

  • ゴジラー1.0

    評価点:78点/2023年/日本/125分監督:山崎貴私たちが背負う、【戦後】。1945年戦争末期、特攻兵だった敷島(神木隆之介)は、機体不良のため離島に逃れた。しかし、その機体には不具合が見つからなかった。うつむく敷島だったが、その夜巨大な生物が彼らの駐屯所を襲った。戦えるのは敷島だけだったが、足のすくんだ彼は逃げ出してしまい、部隊は壊滅した。終戦後、故郷の東京に帰ったが、すべてが焼け野原になっていた。街で出会った女典子(浜辺美波)は預けられた子どもを抱えて、敷島の元に転がり込んできた。巨大生物から逃げた自分を許せない彼は、典子と打ち解けることもできないまま、東京湾の機雷を除去する仕事に就いた。「シン・ゴジラ」が空前のヒットになり、自前のゴジラ作品を作ることができずにいた東宝が、新たに打ち立てたゴジラ作...ゴジラー1.0

  • コロナがもたらしたもの

    新型コロナウィルスが落ち着きを見せている。いや、厳密にいえば社会的だったこの病気を、社会的に無視することを決め込んだ。そうすると、嘘みたいに罹患する人が減った。そのあたりの詳細な分析や陰謀論は他の人に譲ろう。結局この新型コロナウィルスなるものは、何を私たちにもたらせたのだろう。私はこの一連の騒動は、時代を加速させたのだ、と考えている。失われた3年というよりは、時代を5年ほど加速させてしまった。コロナによって失われた職業、産業、文化、人材は、おそらくそれ以前から危機的状況にあったのだ。しかし、コロナによってそれが加速されただけだ。少子化にしても、飲食店にしても、不登校が増えたということにしても、観光にしても。そういう厳しい視座が必要だろう。日本の経済や社会は瀕死だった。それがインバウンドや文化的遺産あるいは...コロナがもたらしたもの

  • キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

    評価点:83点/2023年/アメリカ/206分監督:マーティン・スコセッシ誰が「フラワームーン」を殺したのか。第一次世界大戦が終わって、アメリカの南部では空前のオイルブームが起こっていた。巻き込まれたのはインディアンと呼ばれた原住民族だった。彼らは住んでいた土地を奪われて、オクラホマ州にたどり着いた。その土地で原油が取れることが分かったことで、彼らの生活は一変する。白人たちはその権利を巡って争う。戦争帰りのアーネスト(レオナルド・ディカプリオ)は、この土地を仕切る叔父のウィリアム・ヘイル(通称キング、ロバート・デ・ニーロ)に呼ばれてこの地に来た。彼は叔父に言われるがまま、運転手で原住民族のオセージ族の原油の権利をもつ人々に仕えることになった。その中のモリー(リリー・グラッドストーン)と、次第に深い仲になっ...キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

  • 社会人として欠くべからざる資質は二つである。

    残念ながら、誠に残念ながら年齢はあくびをしているだけでもくってしまう。私はまったく仕事に対して熱意はないのだが、いやでも【中堅】と言われてしまう年齢になってしまった。他人に対して極端に期待値が低い私は、部下たち(正確には後輩たち)に対してまったく何の期待もしていない。だから、「なんでこんなこともできないんだ!」「言われなくてもやれよ!」というような感情はほとんど抱かない。【ほとんど】。しかし、仕事ができるかどうかは、自分のことを棚に上げて考えることがある。なんであいつはあんなに仕事が回らないのか、と。ビジネス書に書いてあることは、正直【甘い】。原則しか書かれておらず、それはもちろん正しいのだが、実態をあまり踏まえていないように感じることが多い。あるいは、そのビジネス書に書かれてあることは、本当にその通りな...社会人として欠くべからざる資質は二つである。

  • ラグビーワールドカップについて

    南アフリカの優勝で、ラグビーワールドカップ2023年が閉幕した。朝の4時キックオフが多かったので、日本に住んでいる私にとって、絶妙に見られる時間帯が多かった。結果、朝早起きして主要な試合は見ることができた。日本代表は思うような成績が出なかったが、準決勝あたりの試合を見ればわかるように、やはりこれ以上の成績を残すのは難しい。あれだけのスピードで当たってくる巨漢を、しっかり止めてターンオーバーを狙う、しかもそれを40分間続ける、ということは並大抵のことではない。農耕民族である日本には、勝ち進むのは難しいだろうというのは、この大会で改めて突きつけられただろう。と、こういう話は、すべて結果を前提にしている。私はこの二ヶ月の試合を見ていて、感じていたのは別のところにある。それは、ひとつひとつの試合の結果よりも、一試...ラグビーワールドカップについて

  • テクノロジーの発展とグローバリズムとは

    テクノロジーが発展していくということは、【他者への依存性を高める】ことである。テクノロジーとは、人間が本来身体の内部に持っていたものを、外部化することにある。大きな荷物をもつのが大変だから、重機で運び、物を壊すために手でやるべきことを、鈍器という身体の外部に委託していく。だから、それを作る者が生まれて、一人でやっていたことを誰かに、何かに、依存していくことになる。私たちはそうして発展してきた。経済や法律、社会、教育といった目に見えないものに関しても同じである。だから、いざ何かイレギュラーが起こると、その脆弱さが露呈する。電車は毎日同じ時間に走っているが、それはシステムという大きな他者に依存しているので、当然事故が起こると多くの人に影響が出る。勉強は学校でするもの、と高をくくっていると、いきなり新しいウィル...テクノロジーの発展とグローバリズムとは

  • 今井むつみ・秋田喜美「言葉の本質」

    最近の新書コーナーで平積みされている話題作。出た当初から気になっていたが、ちょっと他の作品を読んでいたので乗り遅れた感がある。今井むつみの著作はいくつか読んでいて、学生時代からの付き合いである。今回は、タイトルが非常に重く、言語の起源について探ろうという意欲作である。ただ、手法としてはこれまで通り、未就学児を中心とする子どもたちの発達段階をみつめることを出発点としている。中でも注目しているのはオノマトペである。様子や音を模したオノマトペが言語においてどのような意味を持つのか、という点を手がかりにしている。私は言語学を学生時代にかなりかじったので、大変な驚きというような示唆はあまりなかった。(丁寧すぎて少し冗長と感じた部分もある)だが、これから言語学を学びたい人にはよい入門書だろう。やはりタイトルが重く、そ...今井むつみ・秋田喜美「言葉の本質」

  • SNSが証すコミュニケーションの不可能性。

    特に日本人は、言えば分かる、人と人とはわかり合えるものだ、という前提で対人関係を考えているところがある。それは日本語というきわめて言語外状況に依存する言語の特徴を考えてみてもわかることだ。SNSにおけるトラブルには、その「相手はわかってくれる」ことを前提にしていることによる齟齬が多く含まれているように思う。短文でのやりとりが多くなればなるほど、その発信者と受信者の食い違いは顕著になるだろう。だが、本来、コミュニケーションは、絶対に交わることのない平行線を、いかに交わったと錯覚できるかというところにエッセンスがある。まったく別の個体が、同じ思いや考えを共有したり、対等な関係で契約を結んだりできるはずがない。もしそういうことがあり得るとすれば、それは思いを共有できたという錯覚か思い込みであるだろう。少なくとも...SNSが証すコミュニケーションの不可能性。

  • 受け継がれる遺伝子

    やたらと多趣味な上の子を、今度はプロ野球に染めようと思ったわけではないのだが、我らが阪神タイガースが優勝するほどの勢いがあったこともあり、結果この半年で私がプロ野球を話題にすることが増えた。開幕前までほとんどルールも何もわからなかった小学生は、今では阪神の選手の背番号とフルネームが瞬時に言えるようになってきた。シーズン終盤には、オーダーを言えば、打順を覚えて次の打席が誰から始まるのか、というような戦略的なところも理解してしまった。私の家では、基本的にテレビを見ないという方針もあって、子どもが主に手に入れている情報手段は主にラジオである。また、試合をする日ではない休日に、甲子園駅まで出かけてショップで買ってもらったグッズ、阪神のキャップを被って応援するスタイルが浸透した。なぜか子どもが帽子を被ると逆転して、...受け継がれる遺伝子

  • 働き方とは。

    ワークライフバランスとは何だろう。仕事とプライベートとの割合を、【ちょうど良い具合】にするべきだという理想を謳ったものだ。子育て世帯にしてみれば、そんな絵に描いたような餅はただ言葉だけが上滑りして、空虚なものに感じる。子どもが保育園で、目の前にないアイスを巡って同級生と言い合いになったことがある。「○○のアイス食べたるねん」「ええ~、それ○○のアイスやのに!」目の前にないアイスなのに、食べられるわけがないのに、言葉上で【取り合う】ことで喧嘩してしまうという成長に親は驚いた。「ワークライフバランス」も似たようなところがある。働かなければ子どもが育てられない。働けば、子どもにかける時間がない。【ちょうど良い具合】なんていう議論はほど遠い。実際には、仕事も育児も、家事も、すべてを【我慢】している状態だ。仕事で自...働き方とは。

  • 体調と心調と。

    夏の終わりに、コロナになった。症状は、夏バテや熱中症のようなものだと思っていたら、そうではなかったようだ。数日間の監禁生活を経て、無事回復したわけだが、それからどうも調子が悪い。たまっていた仕事は誰かが処理してくれるはずもなく、山積みになって、私のせいで職場の周りの人まで次々に倒れていったという話も聞かされた。(まったく罪悪感はありませんけどね。)仕事をこなしてもこなしても、区切りが見えないという状況が続いていた。そうこうしているうちに、子どもがアデノ・ウィルスに罹患して、ゼロ距離射程で唾液やら咳やらをかけられて、私は再び体調不良になった。熱はない。だから仕事を簡単に休むこともできない。昨年もこの時期に体調を崩していたのだが、それは親知らずを抜いたという明確な理由があったので心配はしていなかった。今回はど...体調と心調と。

  • イコライザー THE FINAL

    評価点:52点/2023年/アメリカ/109分監督:アントワーン・フークア残酷描写に必然性を感じないため、品のない印象を受ける。イタリアのシチリア島を訪れたマッコールは、ブドウ園に潜んでいたマフィアを一掃した。その帰り、銃撃されて重傷を負うことになる。その近くの街で倒れていたところを、発見されて地域の医者に助けられた。次第に回復していくマッコールは、とっさに「ロベルト」と名乗り、周囲と打ち解けていった。しかし、街をリゾート開発させようと考えていたマフィアたちが、住民への弾圧を強めていた。デンゼル・ワシントンのアクション映画、「イコライザー」シリーズの最終章。最後まで気づかなかったが、「マイ・ボディーガード」のダコタ・ファニングとの競演である。いわゆる一般人だと思っていた人が、実は凄腕エージェントでばったば...イコライザーTHEFINAL

  • 岩井克人「経済学の宇宙」

    ソシュールなどの構造主義の旗手となった考え方や、ポスト構造主義の思想家たちの影響もあり、経済学、ことにマルクスについてはいくらか調べていた。そのこともあって、経済学についてはほとんどまともに勉強したことはないが、関心が強かった。岩井克人がその半生を語るこの著作についても、文庫本になる前から気になっていたが、かなりの長編であることを知っていたので手に取れなかった。もう一度調べると、文庫本になっていたので、今回読むことにした。幼少期から、現在までの研究者としての半生を、インタビュアーを通して語っている。当時の経済学の様子や専門的な内容も含まれるので、経済学の入門書としてもおもしろいだろう。私はそのあたりの詳しい背景を知らなかったので、興味深く読んだ一方、内容はほとんど理解できなかったと言って良い。これから経済...岩井克人「経済学の宇宙」

  • AVA エヴァ(V)

    評価点:46点/2020年/アメリカ/97分監督:テイト・テイラーちぐはぐな映画。エヴァ・フォークナー(ジェシカ・チャステイン)は父親との関係もあって若くして薬物とアルコールの依存症だった。どうしようもなくなった彼女は、軍隊に入隊し、父親が亡くなったことを機に除隊した。しかし、トラブルを起こして窮地に立たされ、軍隊の時よしみだったデューク(ジョン・マルコヴィッチ)に救われる。彼はエヴァを暗殺者に仕立て上げ、40人もの要人を殺害させた。そんなある日、彼女にサウジアラビアの軍人将校を病気に見せかけて殺すという指令が出される。何の問題もない簡単な仕事だったはずだが、トラブルが起きてしまう。いわゆる女アサシンのアクション映画。古くはリュック・ベッソンの「ニキータ」あたりから同じようなジャンルは撮られている。「ソル...AVAエヴァ(V)

  • THE GUILTY/ギルティ(V)

    評価点:76点/2018年/デンマーク/85分監督・脚本:グスタフ・モーラー見事なスリラー作品。緊急通報室のオペレーターのアスガー(ヤコブ・セーダーグレン)は、元刑事で最後のオペレーターとしての仕事に就いていた。この日が終われば、翌日晴れて刑事に復帰する予定だった。あと数時間で勤務が終了するという段階で、女性イーベン(イェシカ・ディナウエ)から電話がかかってくる。元夫に捕まってどこかに誘拐されている、という内容だった。異常な様子を察知したアスガーは、パトカーに出動を要請するが、詳しい状況がつかめない。機転を利かせたアスガーは、彼女の自宅に電話を入れるが。公開当初、見に行きたいと思っていたが、結局いけなかった作品。すでにネトフリで、ハリウッド・リメイクもされているらしい。いわゆるシチュエーション・スリラーで...THEGUILTY/ギルティ(V)

  • ブロークンシティ(V)

    評価点:55点/2013年/アメリカ/109分監督:アレン・ヒューズいかにも中途半端か。刑事のビリー(マーク・ウォールバーグ)は、暴行容疑の市民を一方的に撃ち殺したとして、追及された。嫌疑不十分で不起訴になったが、当時の署長から辞職するように促される。7年後、私立探偵になったビリーは、そのときの署長で現市長のホステラー(ラッセル・クロウ)に呼び出される。妻が不倫している可能性があるので、調査してほしい、とのことだった。市長選が間近に迫っていたが、高額の報酬に目がくらんだビリーは、二つ返事で受け入れる。妻が訪れたのは、市長選の対抗馬とされていた男ヴァリアントの、参謀のアドリュース(カイル・チャンドラー)だった。手頃な作品を観ようと思って、何も考えずにアマゾンプライムの再生ボタンを押した。マーク・ウォールバー...ブロークンシティ(V)

  • ま行の映画批評

    ま行の映画批評マーキュリー・ライジング(V)マイアミ・バイスマイティ・ソーマイ・ブラザーマイ・ボディーガードマイノリティ・リポートマイレージ、マイライフ魔女の宅急便(V)マスター・アンド・コマンダーマッチスティック・メン摩天楼はバラ色に(V)マトリックスマトリックス・リローテッドマトリックス・レボリューションズマトリックスレザレクションズマッチポイント(V)マッドマックス怒りのデスロードマッハ!マシニスト(V)マネー・ショート華麗なる大逆転まほろ駅前多田便利軒マルホランド・ドライブ(V)マリー・アントワネットマン・オブ・スティールマンチェスター・バイ・ザ・シー(V)万引き家族Mr&Mrsスミスミスター・ノーバディMr.ノーバディ(V)ミスティック・リバーミスト(V)ミッション:8ミニッツミッション:インポ...ま行の映画批評

  • ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE

    評価点:70点/2023年/アメリカ/164分監督:クリストファー・マッカリーやはり見終わったら全力疾走したくなる。ロシアの最新潜水艦は、レーダーなしの推測航法(デッドレコニング)によって航行していた。この技術のために最新AIを搭載していたが、そのAIが暴走し、撃墜される。IMF(インポッシブル・ミッション・フォース)のイーサン・ハント(トム・クルーズ)のもとに、新たな指令が下される。それは、特殊な鍵を持っている元MI6のイルサ(レベッカ・ファーガソン)を確保すること。中東の砂漠に向かったイーサンだったが、イルサにかけられた賞金を狙った賊に襲われる。決死のノースタントや、直前に俳優協会によるストなど何かと話題の人気シリーズの最新作。主演のトム・クルーズはもはや日本でも知らない人はいないほどの人気振りだろう...ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPARTONE

  • ジュラシック・ワールド 新たなる支配者(V)

    評価点:51点/2022年/アメリカ/147分監督:コリン・トレヴォロウ旧態依然、同工異曲、大同小異の傑作。ジュラシックワールドの崩壊によって、全世界に太古の生物があふれかえっていた。オーウェン(クリス・プラット)と、クレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、ジュラシックパークの遺伝子科学者の一人、シャーロットのクローンであるメイジー(イザベラ・サーモン)をかくまうために、ひっそりと山奥で暮らしていた。しかし、思春期になったシャーロットは自分が何者かを知りたがり、頻繁に町へ出かけるようになっていた。そして、彼女の元に、追っ手が迫っていた。一方、エリー・サトラー(ローラ・ダーン)は、異常な繁殖力を持つ巨大な昆虫が各地で蝗害をもたらしている原因を調べていた。新興企業のバイオシンが開発者であることを知った彼女は、...ジュラシック・ワールド新たなる支配者(V)

  • 「エヴァンゲリオン」の衝撃

    もしかしたら、どこかのブロガーか誰かが似たようなことを言っているかもしれないが、そういう言説があるかどうかを探すのも億劫なので、最近思いついたことをつらつらと、誰のためにでもなく書いてみようと思う。いまさら、エヴァンゲリオンについてだ。とりあえず、テレビ版やコミック版は横に置いておいて、いわゆる新劇場版について、その対象とすることにする。どちらでも大して変わらないかもしれないが、考える上では対象を、とりあえずは絞った方が良いだろう。私がふと思ったのは、「○○インパクト」とは一体何だったのか、ということだ。新型コロナの「第○波」というニュースが出るたびに、「きたきた、ニアサードだ!」とか周りに言いふらしては、苦笑されていたので、第9波になったかもしれないと言われると、そういや、「ファースト」から「ファイナル...「エヴァンゲリオン」の衝撃

  • 君たちはどう生きるか

    評価点:47点/2023年/日本/124分監督・脚本:宮崎駿ちぐはぐな世界観。太平洋戦争中、火事で母親の久子を亡くした真人(声:)は、失意のまま東京を離れることになった。久子の妹、ナツコと父親が再婚し、彼女の実家に父親とともに疎開することになったのだ。大きな屋敷に連れてこられた真人は、敷地内にうち捨てられた塔を見つける。塔に住むアオサギが、真人をしきりに誘ってきて……。「風立ちぬ」でジブリをたたむと宣言してから、10年。やはり作りたい作品がある、と宮崎駿が引退宣言を撤回し、ジブリをもう一度立ち上げるというわがままに、観客たちが付き合わされたという作品だ。しかも、予告編もストーリーも、公開日まで一切明かさない。当日パンフレットもナシ、あるのは鳥が描かれた一枚のポスターのみ。何もかもが異例の作品公開となった。...君たちはどう生きるか

  • RUN/ラン(V)

    評価点:66点/2020年/アメリカ/90分監督:アニーシュ・チャガンティ最後まで観客を逃がしてはくれない。その子は超未熟児で生まれ、肢体不自由、糖尿病、ぜんそくなど先天的な疾患が数多くあった。名前はクロエ(キーラ・アレン)と名付けられ、大切に母親に育てられてきた。彼女が年齢的に大学を目指せるようになったころ、大学からの合格通知を心待ちにしていた。しかし、返事はない。糖尿病から、チョコレートを我慢できなかった彼女は、母親が見ていない隙に紙袋からチョコを探し出す。そのとき、母親名義の薬が見つかり、小さな疑念を持つようになる……。時間的に短い作品しか見られなかったので、とりあえず再生ボタンを押した。やはり事前の情報をほとんど持たずに、本当はアクション映画が見たかったが、めぼしいのが見つからなかったので、こちら...RUN/ラン(V)

  • インディー・ジョーンズと運命のダイヤル

    評価点:53点/2023年/アメリカ/152分監督:ジェームズ・マンゴールド冗長すぎる上映時間。失われた冒険心。第二次世界大戦中、ナチスが各地の財宝や遺跡を集めて、ベルリンに送っていた。そんな中、インディ(ハリソン・フォード)と、バス(バジル。トビー・ジョーンズ)は、キリストを殺したというロンギヌスの槍を取り返そうと、ナチスの列車に忍び込んだ。しかし、そこにあったのは偽物で、アルキメデスが作り出したというアンティキティラという道具を見つける。世界の法則を見いだしたとされる遺跡で、ナチスの教授も狙っていた。命からがらそのアンティキティラを手に入れたがそれは半分しかなかった。時は流れて、1969年宇宙飛行士がはじめて月面着陸に成功したと、アメリカでは話題になっていた。そのパレードの日、ハンター校を退職すること...インディー・ジョーンズと運命のダイヤル

  • セインツ ~約束の果て~

    評価点:77点/2013年/アメリカ/98分監督・脚本:デヴィッド・ロウリーまさに西部劇、という感じ。銀行強盗を試みたボブ(ケイシー・アフレック)と幼なじみのフレディ、ボブの子どもを宿していたルース(ルーニー・マーラー)は、失敗し逃走する。父親の農場に立てこもっていたところを、ルースの発砲で警官が負傷した。幼なじみフレディが殺されたことで、ボブは刑務所に入ることを覚悟し、ルースの身代わりに有罪となった。子どもが生まれ、4年が経ったとき、負傷したあの警官パトリック(ベン・フォスター)が、「ボブが脱獄した」と告げる。東京大学の元総長で、映画研究者でもある蓮實重彦が、著書の中で絶賛していた作品。彼は一人この映画の素晴らしさを見抜き、監督にすぐさま英語でファンレターを書いたと言う。映画は90分で終わらせられる、と...セインツ~約束の果て~

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