────八王子で印鑑を作り続けて126年────こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤東(とう)です。早いもので5月になりました。今日は冬のような寒さに雨が降っています。東京都立川市で長年営業をなさって来られた老舗のはんこ屋さんが廃業されました。はんこ組合の集まりで、多摩地区の同業はんこ屋さんに店主さんから多くの印材が譲り渡されました。その中の逸品をご紹介させていただきます。象牙印材、直径は18ミリ、鞘(さや)付き(キャップ付きのこと)です。一番の特徴は象嵌(ぞうがん)と言って、三日月に吠える虎の絵柄が金細工で埋め込んであることです。象嵌(ぞうがん)とは、聞き慣れない言葉ですが、象(かたち)を嵌(は)め込む程の意味です。作者は象嵌細工職人の栄之(えいし)、図柄の左下に銘が...掘り出し物象嵌(ぞうがん)入り象牙実印背ワニ革ケース付き