巻二の八 長尾景虎のこと、付信長美濃へ侵攻すること
<初出:2007年の再掲です>巻二の八長尾景虎のこと、付信長美濃へ侵攻すること永禄四年(一五六一)三月ごろ、関東方面から知らせが入る。「昨年末上杉憲政を擁して越後から関東に攻め下った長尾景虎は、厩橋城を奪回しそこで越年していたが、今年三月小田原城の北条氏康を攻囲した。その帰りに鶴岡八幡宮に参詣し、その社前で山内憲政から上杉の名跡と関東管領職を与えられ、また憲政から一字をもらい『上杉政虎』と名乗ることになった」とのことであった。こういった他地域の“熱い”知らせは、為政者がどう防ごうとしても山から河から海から、漂泊の人々が各地へ伝えていく。「関東管領職を預かるとは長尾景虎もすごい身分になったものだが、『長尾兄』もちと歴史の勉強が足りぬのではないかな?どうだ五郎左衛門!」長尾景虎は織田信長より四つ年上なので、信...巻二の八長尾景虎のこと、付信長美濃へ侵攻すること
2025/04/27 00:00