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  • 私の葬式

    私の七人兄弟のうち、長兄は昭和二十年六月二十日夜、沖縄で二十五歳で戦死した。残りの六人は戦後ずっと生き長らえたが、最近になって平成十五年九月、次女・きみ喜美が口腔ガンのため七十三歳で、平成十八年九月、四男・明が肝臓ガンのため七十一歳で、平成十九年六月、次男・謙二が胃ガンのため八...

  • 法名「釋游文」

    昨年九月に弟の明が七十一歳で亡くなり、今年六月に兄の謙二が八十六歳で他界したので、今年は初盆の法事が二つあった。この二軒は隣り合っており、先ず明の家で八月十一日午前十一時から、つづいて午前十一半から兄の家で、それぞれうらぼんえ盂蘭盆会が行われた。 弟の家での法事の際、未亡人...

  • 私の死生観

    私は大正十三年十二月二十五日に生まれたが、戸籍上は翌十四年の一月一日生まれである。親が七日遅らせて村役場に出生届を出したからだ。従って、今年の正月元旦で満八十三歳を迎えた。 誕生日が元旦なので、かって「明けましておめでとう」と言われることはあっても、「誕生日おめでとう」と言...

  • 万葉の歌碑 2

    妻が認知症で浜松の施設に入ったため、月に一、二回面会に行き、昼食時に妻を連れ出して、食後、近くをドライブすることにしている。 去る五月、館山寺温泉のレストランで食事をすませてから、ふと、「みおつくしの碑」をもう一度見よう と思い立ち、現地へ行ってうろ覚えで探してみたが見当た...

  • 万葉の歌碑

    昭和四十五(一九七〇)年ごろ、内藤き亀ぶん文先生のきもい肝煎りで「大井川民俗の会」がつくられた。大井川流域をはじめ県内外の民俗行事、習慣などや歴史、文学等について、内藤先生から教えを受けながら現地を探訪する会である。私は郷土の歴史や民俗に強い関心をもっているので積極的に参加した...

  • 庭木の土 8

    九月二十一日の九時過ぎ、Kさんと一緒に再びくだん件の植栽状況を見に行った。前回から二か月近く経っている。 先ず中電のほうを見ると、四本のハナミズキには葉が殆どなく、残りの四本も葉がまばらであった。Kさんは「これはアメリカシロヒトリの害よりも水不足が大きな原因です。植栽土でない...

  • 庭木の土 7

    中電にはこのような不当行為を未然に防ぐ手立てがある筈だ。工事部門の技術者ひとりを造園期間中、現場に配置しておけば、こうした問題は防げたに違いない。 それができなくても、工事完了引渡し時にしっかり現場をチェックして回れば、西隣の総合庁舎の庭は黒々とした植栽土なのに、中電側は小石...

  • 庭木の土 6

    造園工事で下層部に非植栽土を入れるのは何も公共的な場合だけではなさそうだ。中電営業所とハローワーク・労基署の総合庁舎ができた一年後、街なかに住む知人のNさんが住宅を建て替えた。 デザインがよく機能的にもすぐれた木造二階建ての素敵な家である。道路に面して車二台が駐車可能のスペー...

  • 庭木の土 5

    八月六日、私は中電の庭木管理者で営業課副長のMさんに会った。来意を告げると、彼は同僚の副長Bさんから話を聞いているとのことであった。私が「それであなたは何をしましたか」と尋ねると、「枯れた木を除いてサツキを植え、除草をしました」と言う。 それは私の予想したとおりの返答であった...

  • 庭木の土 4

    れから二ヶ月が過ぎた七月三十一日、総合庁舎のハローワークY課長に会い、「あの話はどうなりましたか」と訊くと、彼女の顔に笑みが浮かんだので、これはうまくいったのかなと思った。 Y課長は私の助言どおりに書面で上級官庁の静岡労働局へ上申した。局ではさっそく複数の業者から緑地の土を全...

  • 庭木の土 3

    私と懇意な間柄のO建設社長Kさんは造園に関する資格を持ち、植栽についての造詣が深い。彼にこの問題についての意見を訊いてみた。 「庭木を植える際、下の半分くらい瓦礫を入れるのは、土壌の栄養分を少なくして木が大きくなりすぎないようにするためですか、それとも造園コストを下げるためで...

  • 庭木の土 2

    中電営業所の方は総合庁舎よりも状況が更に悪い。総合庁舎と同様に緑地の周りに高さ三十センチほどのコンクリート壁をつくり、その中に半分ほど工事の残土のような砂礫を入れ、その上にとても植栽用の土とは思えない小石混じりの土砂を重ねて入れた。 そのため小石が沢山露出している。これでは樹...

  • 庭木の土 1

    わが家の前の市道を西へ一四〇メートルほど行くと、南側に中部電力があり、その西隣にハローワークと労働基準監督署の入っている総合庁舎がある。平成十四年四月に相次いで竣工した。それぞれに広い駐車場があって、緑地には樹木や草花が植えてある。 都市計画法の関係で、道路に接した敷地は二メー...

  • 玄米食への挑戦 3

    玄米食は一応順調に始まった。ところが一週間過ぎたころ、四年前と同じようにまたまた食欲がなくなり、安眠できず、気だるくなってきた。前回の最大原因は夏ばてだと思うが、今回は冬季である。首を捻ったところで原因が判るはずはない。 結局、変わった条件は玄米食しかないから、前回同様に玄...

  • 玄米食への挑戦 2

    妻と二人暮らしのときは五合炊きの電気釜を使っていたが、二年前から私ひとりになるとそれでは大き過ぎた。そのため昨年八月、二合炊きの小型の電気炊飯器を買った。二合炊ければ子供や孫たちと五人くらいの食事にも間に合う。 そして、ひとりで少量欲しい時は五勺でも美味しく炊ける。それにこ...

  • 玄米食への挑戦 1

    かねてから私は玄米食に関心があった。精白米はその殆どが糖質(デンプン)で、白米を常食しているとビタミンB1欠乏症に陥り脚気になる恐れがあるが、玄米は沢山のビタミンB1と、ビタミンE、ナイアシン、リン、カリウム、亜鉛、銅、食物繊維などを含んいて、健康に適しているからである。 ...

  • 消火器 3

    昭和三十八、九年の頃だったと思うが、夏の或る日の午後、風呂敷包みを背負った一人の男がわが家を訪れた。「私は奄美大島の者で大島つむぎ紬を売りに来ました。家から連絡があって急に帰らなければならないので、残った三反を安くして早く処分したい」と言う。 私はその頃、いい着物を一枚欲しいと...

  • 消火器 2

    営業マンが帰ってから、念のために中溝町にある島田防災設備㈱に電話で問い合わせてみると、薬剤質量三キロの新品は八〇〇〇円、詰め替え五〇〇〇円、処分費八〇〇円であった。営業マンの言う金額が不当に高いと思った私の直感は当たっていた。 栄広プロビジョン ...

  • 消火器 1

    十月初め、ある消火器販売会社から消火器の詰め替えを知らせる葉書が届いた。私の町内では毎年九月と十二月に防災訓練を行っているが、二十年ほど前の訓練のとき、粉末消火器を使用して火を消す実演があった。私はその消火能力を納得して、防災委員長の奨めるままに栄広の消火器を買った。 中身の...

  • 抽象画の美 4

    〔抽象画をどのように考えたらいいか〕 浜名湖の花博には印象派の巨匠モネが愛した魂のアトリエともいうべき「モネの庭」というコーナーが設けられた。印象派の作家たちは「自然は作者自身の感覚が現場でとらえたそのときの印象として描くべきだ」と考え、従来の絵画に比べると大胆でスピード感のある...

  • 抽象画の美 3

    〔人間は何故抽象画を描くようになったか。〕 眼(視覚)、耳(聴覚)、鼻(嗅覚)、舌(味覚)、皮膚(触覚)に感ずるものを五官といい、五感のほかにあるとされる感覚で鋭く物事の本質をつかむ心のはたらきを第六感という。人間は太古から五官の中の眼によって存在を確認したもの―風景、人物、動物...

  • 抽象画の美 2

    しかし私にとっては、なぜ白い壁を赤くしたのか、真っ直ぐな手すりを何故わざわざ曲げたのかが不可解なので、その点にひっかかって、残念ながらNさんの絵には美を感じたり感動をうけたりしなかった。そして、世の中にはこのような抽象画を観て美しいと思う人がかなりいることを不思議に思った。 ...

  • 抽象画の美 1

    知人のNさんからグループナウNOWのゆさい油彩画作品展の案内状を頂いたので、六月末 、島田市大津の会場「ギャラリー発見」へ行ってみた。 このグループは藤枝市のA先生が主宰しているもので、会場には九人の会員の三十点と、A先生の二点の作品が展示してあった。 Nさんは四点出品、そ...

  • 自転車泥棒 3

    ふと、ずっと昔に観たイタリア映画「自転車泥棒」を思い出した。一九八四年製作の米アカデミー外国映画賞を受けた巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督の作品である。 明日がやっとありついた父の初仕事の日ということで、小学校四年生くらいの息子は自転車をぴかぴかに磨いて父を送り出そうと張り...

  • 自転車泥棒 2

    私の事務所では今年の春ごろにも、同じように自転車を盗まれかかったことがあった。事務所の前に置いてあった自転車に、通りすがりの五十過ぎの男が乗って走り出そうとした。事務員が急いで外へ出て、「それはうちのものですよ」と声をかけたら、「すみません」と言って自転車を置いて逃げるように早...

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