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金色銀色茜色 https://blog.goo.ne.jp/knjaskmstkzk

ごめんなさい。 新しい物語になっています。 和洋折中の時代を舞台にしました。

渡良瀬ワタル
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日南市
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2008/05/30

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  • 昨日今日明日あさって。(テニス元年)30

    執事長が書き上げた文書に高山伯爵が署名した。それをダンカンが受け取り、中身を改め、俺に差し出した。「問題はございません」俺も一読した。良し良し。では賠償金を頂こう。俺は兵士達に壁の絵画を外す様に指示した。途端、伯爵が声を荒げた。「何をする」「ご心配なく、絵ではありませんから」執事長も声を上げたそうな様子。でも、途中で止めた。伯爵の執務デスクの背後に風景画が飾られていた。どこかは知らぬが、夕暮れ時に丘から湖を眺めていた。湖面を進むボート、飛び立つ鳥の群れ、対岸に一頭のオーク。意味も価値も分からない。既に室内は鑑定済み。そこでお宝を見つけた。ふっふっふ。お宝お宝なんです。伯爵が、絵画を外そうとする兵士達の前に立ち塞がった。邪魔臭い。俺は兵士達に明確に命じた。「殺すな、部屋の隅に転がして置け」「「はい」」兵士達...昨日今日明日あさって。(テニス元年)30

  • 昨日今日明日あさって。(テニス元年)29

    俺は死臭や嘔吐の臭いを消す為に窓を全開にした。冷たい風が頬に当たった。何てこったい。全く罪悪感が湧かない。俺は人の心を失ったのだろうか。下から来る複数の乱れた足音から現状を再認識した。対応を一つでも間違えれば炎上してしまう案件なんだな。ん、炎上なんだな。切れ掛かりそうだった演技スキルを継続し、窓際に立ったままでお偉い方々を出迎えた。兵士の先導で公的機関の幹部連が入って来た。カトリーヌ明石少佐と副官、護衛が二名。名は知らぬが、国軍の大尉と副官、護衛が二名。こちらも名は知らぬが、奉行所の与力と同心、護衛二名。カトリーヌが室内を見回した。全体を見て取っても表情に変化はない。死者二名にも納得している風。彼女が引率した者達を代表して質問した。「佐藤伯爵殿、これは如何なる事か、説明を求めます」俺は冷静に応じた。「僕は...昨日今日明日あさって。(テニス元年)29

  • 昨日今日明日あさって。(テニス元年)28

    俺の警告が受け入れられた。室内で本棚を動かす作業が開始された。ドアが開けられるのに時は要しない。ドアが少し開けられ、その隙間からこの家の執事長が顔を覗かせた。「これは何の真似ですか」怒っている色だが、仕事柄なのか、言葉は荒げない。ダンカンが俺の前に出て対応した。「こちらの伯爵に当家の伯爵様が召喚されたので、この様な仕儀と相成りました。出された召喚状の事はご存知ですよね」執事長が不思議そうな表情を浮かべ、ダンカンを見返した。「召喚・・・、何の事ですかな」「貴方に似た執事が、その召喚状を当家に届けに参りましたのですが」途端、執事長が後ろを振り向いた。「ベレット、お前か」室内から答える声。「父上、その召喚状は私が届けました」「私は聞いていないぞ」「伯爵様のご指示でした。取り急ぎと申されましたので、その日のうちに...昨日今日明日あさって。(テニス元年)28

  • 昨日今日明日あさって。(テニス元年)27

    ホアキン高山伯爵の屋敷は西区画にあった。寄親伯爵だけあり、仰々しい門構えをしていた。太い鉄柵で、観音開き、高さは3メートルほどか。開けられているのは表門脇の通用門のみ。内側の詰め所で、門衛二名が番をしていた。俺達の車列に門衛二名が困惑の表情。互いに顔を見合わせた後、二名揃って動いた。通用門から出て来て、片方が質問した。「何かご用でしょうか」もう片方は、こちらの車列を眺めていた。それを横目に、先頭の馭者が大きな声で答えた。「ダンタルニャン佐藤伯爵様が参られた。急ぎ、ご主人に取次を頼む」「聞いておりません、アポはお取りでしょうか」門前での遣り取りとは別に、一両目の後部ドアからから武装兵六名が飛び出した。その先頭は隊長のウィリアム。無言で走り、戸惑う門衛二名を無力化し、拘束した。手足をロープで縛られても口で抗う...昨日今日明日あさって。(テニス元年)27

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