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金色銀色茜色 https://blog.goo.ne.jp/knjaskmstkzk

ごめんなさい。 新しい物語になっています。 和洋折中の時代を舞台にしました。

渡良瀬ワタル
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日南市
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2008/05/30

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  • 昨日今日明日あさって。(テニス元年)26

    玄関には手空きの者達が出迎えていた。メイドの一人が馬車のドアを開けてエスコート。「おかえりなさいませ」このエスコート役は人気で、メイド達が争奪戦を繰り広げるのだそうだ。ジューンが悔しそうな顔で俺を見ていた。えっ、争奪戦に負けたのは俺の責任なの、違うだろう。そのジューンの隣で執事長・ダンカンが、苛立ちを隠し、俺を見ていた。彼は皆の手前、余計な事は口にしない。ルーティン通り、俺の後ろに従った。着替えより先に、ダンカンの抱えている問題に対処した方が良さそうだ。「執務室で聞こうか」「はい」エスコート役のメイドに頼んだ。「二人分のお茶を頼む」執務室で二人きりになった。俺はダンカンにソファーを勧めた。固辞するダンカン。でもそれは許さない。俺が先にソファーに腰を下ろして、ダンカンを見上げた。「ねえダンカン、上からご主人...昨日今日明日あさって。(テニス元年)26

  • 昨日今日明日あさって。(テニス元年)25

    侍女長・バーバラがメイド・ジューンを供にして戻って来た。「商家に申し付けましたので、夕刻辺りには届きます。勿論、伯爵様にもございます」遂に俺もお酒解禁か。「酒か・・・」「いいえ、お酒は早過ぎます。ジュースとスイーツで我慢なさって下さい」「だと思った」バーバラの後ろでジューンが声を押し殺し、笑っていた。やがて、執事長・ダンカンやウィリアム達も戻って来た。ダンカンが報告した。「奉行所との折衝は恙なく終わりました」ウィリアムが言葉を足した。「向こうの面子を立てたのが効いたようです」俺は敢えて尋ねた。「それでこの先、奉行所が絡んで来ることは」「ございません」ダンカンが力強く言い切った。「そうなると、後処理は」「奉行所の与力の話ですと、貴族間で起きた厄介事は、貴族院の窓口を通すそうです」「ではそうするか。ダンカン、...昨日今日明日あさって。(テニス元年)25

  • 昨日今日明日あさって。(テニス元年)24

    執事長・ダンカンとウィリアム佐々木は、陰供の頭から説明を受けると、表情を曇らせて俺の方に来た。ダンカンが開口一番、「伯爵様、お覚悟ください」と言う。ウィリアムも同意の頷き。二人共に根深い問題を認識していた。それは俺の甘さだ。仕方がないな。ここいらで言葉にするか。俺は覚悟を伝えた。「爵位持ち五名の身柄は当家が預かる。国都だと雑音が入るから、美濃に移送して取り調べてくれ。義勇兵旅団問題が本当に原因なのか、それとも何か裏があるのか。きちんと調べさせる。扱いは爵位持ちではなく、犯罪者としてだ」ウィリアムが笑顔で提案した。「今日のうちに移送しますか」「それがいいな」「取り調べで死んだ場合は」「仕方ない、魔物の餌にしてくれ」「魔物は死体は喰いませんよ」「そうか、だったら実家に塩漬けで送り帰してくれ」ダンカンに尋ねられ...昨日今日明日あさって。(テニス元年)24

  • 昨日今日明日あさって。(テニス元年)23

    俺の選択肢は限られていた。鑑定を起動し、危ないスキル持ちはいないか、調べた。低レベルばかり。それで俺に喧嘩を売ってくるとは。貴族は、子爵二名に男爵三名。俺は比較的元気そうな子爵の前に立った。演技を起動し、ジッと見下ろした。児童が大人を見下ろす図。嫌なものだが、心底は隠した。「談合とは何だ」「義勇兵旅団についての問い合わせだ」噂では一ㇳ月前に関東へ派遣したはず。「俺に聞いても仕様がないだろう。知りたいなら国軍に尋ねろ」「それが連絡が付かない」意味が分からない。どうして俺に、・・・。訳が分からないので俺は全員に尋ねた。「分かる様に話せ。でなければ、美濃へ送って取り調べる。・・・。爪なら二十枚、指なら二十本。焼き鏝がご希望ならそれも良し。意味が分かるよな」俺には美濃地方に限ってだが、寄親伯爵なので司法警察権を与...昨日今日明日あさって。(テニス元年)23

  • 昨日今日明日あさって。(テニス元年)22

    俺は何時ものメンバーと一緒に下校した。屋敷に戻り、着替えてから冒険者活動をする予定でいた。とっ、突然、横丁から出て来た馬車の車列に前を塞がれた。計五輌、貴族の紋章が入っていた。何れも違う紋章。俺は自慢ではないが、全ての紋章を知っている訳ではない。知るつもりも、暇もない。停車すると馬車から男達が降りて来た。各車輌より二名、計十名。騎士風の装いで、全員の剣帯には長剣。抜きはしないが、片手を柄頭に添えていた。そんな彼等の視線が俺を捉えた。目色から目的が俺だと分かった。理由は知らないが、俺だ。俺の周りにはパーティのメンバーのみ。一人は成人しているが、他の四人は女児。成人していたボニーは守役なので武装していたが、生憎、俺や女児達は学校帰りなので武器は所持していない。でも、怖いとは思わない。魔物討伐の経験が豊富なので...昨日今日明日あさって。(テニス元年)22

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