「わたし」という実体は、どこにあるのか。 右腕を失ってから、私はよくそれを考えていた。 病院の三階にあるリハビリ室では、めいめいが、看護師や理学療法士の指示を受けながらリハビリに取り組んでいた。 平行棒のような支えの間で、歩行訓練をする、義足の中年女性がいた。その脇では、...
右肩から先がない。 そのことに気がついたのは、病院のベッドの上だった。 白い机、白いフレーム、白いシーツ。 天井の茶色いシミのような点々とした模様が鮮やかにさえ見える、真夏の真昼の午後だったように記憶している。 私が気がついたとき、私の周りには誰もいなかった。 数本のチュー...
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