オヤジのあくび663
鈴木鶴子「江藤新平と明治維新」を読む4 西郷隆盛が政府から去ることに、大久保は、なぜ平然としていられたのだろう。お膝元の近衛兵を統括していた元帥は西郷隆盛その人で、実際西郷隆盛が鹿児島に帰ると同時にかなりの兵が帰郷してしまう。しかし、すでに政府は徴兵令を敷いており、戊辰戦争を戦った兵隊に頼らなくても大丈夫になりつつあったのだ。 いよいよ本書も最終盤となり佐賀戦争が語られる。戊辰戦争以前の動きで佐賀藩は薩長両藩に確かに遅れを取った。その挽回なのか、いざ征韓! と、はやり立ち憂国党や征韓党なる集団ができていた。新平が佐賀に赴いたのは、当初これらの集団を鎮撫するためであった。 しかし、これは罠で政府…
2024/06/29 07:37