近代道徳哲学としての経済学という観点から、身近に起こるさまざまを論じます。
どういうわけか、アル・カポネという名は禁酒法そのものよりもさらに有名。彼に関する話は映画にもなっている。「アンタッチャブル」という映画は、カポネを取り締まる捜査官の話。そのアル・カポネという人物が収入基盤としたのが、禁酒法のもとでの酒の販売だった。1920年代にアメリカでいわゆる禁酒法がもたらした結果は、私が前回売春禁止法の影響について述べたものとそっくり同じものとなった。(実際は前回の記事は禁酒法施行の結果を参考にした。)1919年に制定されたアメリカ合衆国憲法修正第18条では、アルコール類飲料の製造、販売、運送、輸入、輸出が禁止された。禁酒法はアメリカ社会からアルコール中毒者をなくし、それらの堕落した人々を救い、よりすばらしい社会を作ろう、という高尚な目的をもって作られた。人々の堕落の元凶であるアルコール飲...売春と禁酒と経済学2
経済学が法律を考える場合、法律が規定している内容が正しく善悪を規定しているかどうか、ということを問題にはしない。その代わり、ある法律が制定されることによって、社会がどんな影響を受け、その結果として起こることが望ましいのか否か、ということを問題にする。経済学者は、法律を作ったなら善良なる社会構成員たちは最大限の努力をもって法律を守ろうとする、などということは全く考えはしない。ただ、法律が作られると警察がうるさくなるし、ことによっては罰則を受けることになるかもしれないので、違法と規定されている行為をおおっぴらにすることが難しくなる、その程度のことである。さらには、警察ですら、法律を遵守させるために最大限の努力を払う、などということを考えもしない。法律を無視する人、抜け道を考える人はいつでもいる。そこにインセンティブ...売春と禁酒と経済学1
「ブログリーダー」を活用して、heterodox_economistさんをフォローしませんか?
指定した記事をブログ村の中で非表示にしたり、削除したりできます。非表示の場合は、再度表示に戻せます。
画像が取得されていないときは、ブログ側にOGP(メタタグ)の設置が必要になる場合があります。