chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
酔生夢死浪人日記 https://blog.goo.ne.jp/ck1956/

 映画、音楽、書物、スポーツ、政治に至るまで、日々思いついたことを記していきます。

ck1956
フォロー
住所
東京都
出身
京都府
ブログ村参加

2005/08/24

arrow_drop_down
  • 「ある一生」~心を打つ普通の男の生き様

    王座戦第3局は藤井聡太七冠が永瀬拓矢王座を破り、2勝1敗と八冠制覇に王手をかけた。永瀬は後手ながら主導権を奪い、差を広げていく。終盤でAIの評価値が95と永瀬に傾いた時、事件が起きた。藤井の▲2一飛に△3一歩と底歩を打てば勝ちは揺るがなかったが、4一飛と打ったことで評価値は藤井に振れた。囲碁将棋チャンネルで郷田真隆九段は「人間である以上、秒読みでエアポケットに落ちることはある」と解説していた。タイトル戦史上まれに見る大逆転が起きたが、精神的にタフな永瀬は落胆を押し隠し、藤井は研究パートナーを気遣って普段以上に謙虚な口ぶりだった。注目の第4局は来月11日に京都で行われる。来月15日に67歳になる。布団の中で来し方を振り返ると、目が冴えて眠れなくなることがしばしばで、消しゴムで消し去りたい愚行だらけの煩悩多き...「ある一生」~心を打つ普通の男の生き様

  • 「君は行く先を知らない」~イランの荒野を往くロードムービー

    <悪の枢軸>というと、まずはアメリカで、その力を背景にイエメン空爆を主導するサウジアラビア、パレスチナへのアパルトヘイトを実行するイスラエルを継続するイスラエルを思い浮かべる。世間的には兵器で結び着くロシアと北朝鮮、そしてイランを<悪の枢軸>と見做す声は強い。イランの核開発を世界は注視しているが、最大の核保有国アメリカ、事実上の保有国イスラエルが進めるサウジでのウラン濃縮はスルーされている。民主主義、多様性について様々な問題を抱えるイランだが、映画の〝聖地〟といっていい国だ。イラン人監督は弾圧をかいくぐり、寓意によって物語を神話の領域に飛翔させる手法を身につけた。エンディングは時にミステリアスで、奇跡の煌めきを提示する。モフマン・マフバルバフは「イランが芸術性の高い映画を作り続けられたのは、ハリウッドの影...「君は行く先を知らない」~イランの荒野を往くロードムービー

  • 「あしたの少女」~二つの視界が韓国社会の矛盾を撃つ

    酷暑の夏、読書は進まず、録画したドラマをゴロゴロ見ている時間が長かった。出色だったのは「アストリッドとラファエル文書係の事件録」(NHK総合)で、「レジデント・エイリアン~宇宙からの訪問者」(WOWOW)もユーモアと風刺が利いたコメディーだった。ともに次シーズンの放映を楽しみにしている。韓国映画「あしたの少女」(2022年、チョン・ジョリ監督)をシネマート新宿で見た。2部構成になっており、舞台は寒々とした全州で、実際に起きた事件をベースにしている。1部は女子高生のソヒ(キム・シウン)の主観で進行する。追い詰められたソヒは自殺し、2部ではユジン刑事(ペ・ドゥナ)が死の真相に迫っていく。冒頭でソヒはダンスしている。アイドルを目指しているわけでもないが、真剣さがあった。実はスタジオでソヒとユジンはすれ違っている...「あしたの少女」~二つの視界が韓国社会の矛盾を撃つ

  • 早涼の候の雑感~パソコン詐欺、フェイクニュース、アメフト、将棋あれこれ

    相変わらず暑いが、朝夕は涼しく感じるようになった。秋の気配が忍び寄っている。今回は雑感をあれこれ記したい。パソコンでインターネットを閲覧している際、<「トロイの木馬」に感染している>との警告画面が張りついた。表示された番号に電話すると、マイクロソフト社員を名乗る男に繋がり、危機感を煽られる。詐欺かもしれない……、そんな疑念がもたげてきたのはアップルiTunesカードによる支払いを持ち掛けてきた時だ。セブンイレブンで顔見知りの店員に経緯を話すと、「詐欺です。うちの店でカードを買った人が話してました」と言う。早速110番し、警官に説明した。帰宅して警察に連絡したことを告げ、電話を切った。ただし、それで終わらない。パソコン修理業者に中身を点検してもらうと、幾つものウイルスに感染していた。「相棒」の青木のような友...早涼の候の雑感~パソコン詐欺、フェイクニュース、アメフト、将棋あれこれ

  • 「福田村事件」が抉るSNS社会の不毛

    今年も月3~4本のペースで映画館に足を運んだ。「怪物」(是枝裕和監督)を超える作品に出合えないと思っていたが、〝強敵〟が現れた。新宿で先日見た「福田村事件」(森達也監督)は史実をベースにしており、衝撃度は「怪物」に匹敵する内容だった。両作には共通点がある。第一は監督がドキュメンタリーでキャリアを積んだこと。第二は永山瑛太が重要な役柄を演じていることだ。背景にあるのは1923年9月1日に発生した関東大震災直後に起きた朝鮮人、社会主義者虐殺で、福田村(現野田市)でも凄惨な事件が起きる。冒頭で澤田智一(井浦新)が妻の静子(田中麗奈)を連れ、ソウルから生まれ故郷の福田村に帰郷する。智一は三・一独立運動の際、ソウルで日本軍による虐殺を目の当たりにしていた。列車に乗り合わせていたのはシベリア出兵で戦死した夫の遺骨を抱...「福田村事件」が抉るSNS社会の不毛

  • 「ソクチョの冬」~リアルとフィクションの境界を彷徨うアイデンティティー

    ジャニー喜多川氏の史上最悪レベルの性加害は事務所ぐるみで隠蔽されたが、忘れてならないのは共犯者の存在だ。立花隆氏が文藝春秋誌上で田中角栄元首相の金脈を追及した際、記者たちは「そんなこと知ってるよ」と吐き捨てた。BBCのドキュメンタリーと国連の動きがなければ、悪魔の所業は闇に葬られたままだった。強い者に媚びるメディアの体質は半世紀後も変わっていない。新社長に就任した東山紀之だが、自身の性加害を指摘する声が上がっている。暑さは続いているが、タイトルから涼感を期待して「ソクチョの冬」(早川書房)を購入した。著者のエリザ・スア・デュサパンはフランス人の父と韓国人の母の間に生まれたフランスとスイスの国籍を持つ女性作家だ。2016年、デュサパンが24歳の時に発表した本作はフランス語圏のみならず、全米図書賞翻訳部門など...「ソクチョの冬」~リアルとフィクションの境界を彷徨うアイデンティティー

  • 漫画で学ぶ「サピエンス全史 人類の誕生編」

    9月になっても猛暑は続くという。心身はふやけ、ブログの更新もままならないが、脳の刺激材として最高なのが将棋だ。藤井聡太七冠が全冠制覇を目指す王座戦第1局が行われ、後手の永瀬拓矢王座が先勝した。AI的には藤井が優勢だった中盤で、解説の渡辺明九段は「藤井は駒不足の感があり、私なら後手持ちかも」と語っていた。さすがの慧眼で、対局者とともに〝棋界3強〟の実力を実感する。藤井の攻勢をかわす永瀬の妙手の連続に圧倒された。今回の王座戦では必然的に永瀬がヒールになるのは当然だが、メンタルと体の強さが棋力を支えている。第1局では、昼と夜に対局場の名物である陣屋カレーをパクつく健啖ぶりでファンを驚かせた。ビーフと伊勢エビの豪華版で、昼はデザートも付けている。タイトル戦ではバナナを1日平均6本平らげたという逸話も残している。王...漫画で学ぶ「サピエンス全史人類の誕生編」

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、ck1956さんをフォローしませんか?

ハンドル名
ck1956さん
ブログタイトル
酔生夢死浪人日記
フォロー
酔生夢死浪人日記

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用