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酔生夢死浪人日記 https://blog.goo.ne.jp/ck1956/

 映画、音楽、書物、スポーツ、政治に至るまで、日々思いついたことを記していきます。

ck1956
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2005/08/24

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  • 「列」~中村文則が<楽しくあれ>と問いかける

    竜王戦で藤井聡太八冠が伊藤匠七段に3連勝し、防衛に王手を掛けた。謙虚な〝絶対王者〟の存在が、将棋界の空気を変えつつある。藤井だけでなく、永瀬拓矢九段、豊島将之九段、菅井竜也八段らトップ棋士には将棋の理想を追う求道者の趣があるのだ。先駆者は羽生善治九段かもしれない。棋士はともかく、人は誰しも序列や順位に囚われる。昨日行われたNPBのドラフト会議で、俺が応援しているベイスターズは1位で度会、2位で松本を指名した。答えは数年後に明らかになる。投手陣は上位指名が多いが、打者を年度順に挙げると桑原4位、宮崎6位、関根5位、佐野9位、山本9位、牧2位だった。中村文則の新作「列」を読了した。最近の中村にしては珍しく150㌻と短めだが、完成するまで2年以上を費やしたという。3部構成になっており、第1部は人々が並ぶ列で、第...「列」~中村文則が<楽しくあれ>と問いかける

  • 「ムーンエイジ・デイドリーム」~デヴィッド・ボウイの魂の彷徨

    1970年代から80年代にかけ、京都で<デヴィッド・ボウイを嵯峨野で見かけた>という都市伝説が流布していた。これが真実であったことを数年前、「デヴィッド・ボウイの愛した京都」(WOWOW制作)で知る。京都だけでなく、ボウイの魂の彷徨に迫ったドキュメンタリー「ムーンエイジ・デイドリーム」(2022年、ブレット・モーゲン監督)をWOWOWで見た。劇場では見逃したが、ライブ&インタビュー映像を含め、ボウイが真情を語るモノローグも収録された貴重な作品だった。熱烈なファンというわけではないが、それでもアルバムは15枚以上持っている。ボウイは光を乱反射する透明なプリズムとしてロック史を煌めかせた。タイトルは5thアルバム「ジギースターダスト」収録曲から取っている。ボウイとは何か……。異星人としてロックシーンに登場した...「ムーンエイジ・デイドリーム」~デヴィッド・ボウイの魂の彷徨

  • 「わたしの名は赤」~細密画を巡る壮大なエンターテインメント

    イスラエル軍のガザ侵攻が迫った今、親米のサウジアラビアはイスラエルとの国交正常化交渉を凍結した。〝イスラムの大義〟に反する決断を下せば体制を維持出来ない周辺国も多い。イランはパレスチナを支援しているが、仲介役として期待されているのはトルコだ。エルドアン大統領は「1967年(第3次中東戦争以前)の国境に基づくパレスチナ国家が設立されない限り、この地域に平和は訪れない」と述べている。イラン(ペルシャ)、そしてトルコ(オスマン帝国)……。両国の歴史を背景に描かれた小説を読んだ。ノーベル文学賞を受賞したトルコ人作家オルハン・パムクの「わたしの名は赤」(宮下遼訳、上下/ハヤカワepi文庫)である。舞台は1591年、オスマントルコ帝国の首都イスタンブールだ。800㌻を超える長編で、独立した主観で語られる59章から成る...「わたしの名は赤」~細密画を巡る壮大なエンターテインメント

  • 「バーナデット ママは行方不明」~南極に咲く奇跡の華

    きょう67歳になった。俺のような無能な人間が東京砂漠で生き長らえてこられたのは、ひたすら運が良かったからである。周りに支えられてきたが、とりわけ家族の力が大きかった。特養施設で暮らす母、亡き父と妹にはいくら感謝しても感謝し過ぎることはない。絆の意味を考える今日この頃だ。俺が親近感を覚える街といえば、日本では函館で、欧州では歴史とサッカーでバルセロナ、ロックでマンチェスターだ。アメリカなら〝文化の拠点〟ニューヨークだが、「コールドケース」の再放送をスカパーで見ているうち、フィラデルフィアに馴染んでしまった。かつてはECWの拠点で、〝ブラザーフッド〟の街だ。NFLならイーグルス、MLBならフィリーズに肩入れしているが、両チームとも好調で気分がいい。さらに挙げるならシアトルだ。ニルヴァーナ、パール・ジャムらが世...「バーナデットママは行方不明」~南極に咲く奇跡の華

  • 「BAD LANDS」~抗い喘いで疾走するクライムサスペンス

    藤井聡太竜王・名人が永瀬拓矢王座を破り、八冠制覇を成し遂げた。凄まじい逆転劇で、自らの失着を責める永瀬の動作が印象的だった。将棋はイーブンの条件での闘いだが、世界は今、イスラエルとハマスの戦争に注目している。米メディアはイスラエルに肩入れしている。だが、ツツ主教が<現在のアパルトヘイト>と断罪したように、イスラエルが国際人道法に違反して封鎖してきたガザは「天井のない監獄」と呼ばれている。むろん、ハマスの先制攻撃を肯定するわけにはいかない。だが、イスラエルが占領開始以来、積み重ねてきた戦争犯罪は許されるものではない。そもそもイスラエルとパレスチナの軍事力は100対1以上だ。俺は数々の暴力に抗ってきたパレスチナの側に立ってブログに記してきた。両国が交渉による解決を選ぶことを願っている。<全てに抗い、全てを掠め...「BADLANDS」~抗い喘いで疾走するクライムサスペンス

  • 「幽霊たち」~オースターのポストモダンな出発点

    Youtubeをチェックしていたら、アメリカからの白人の留学生(チェイス、なぜか関西弁)と日本人の学生(けんけん)が作成している動画を見つけた。「大谷って有名なの」とけんけんに聞かれ、チェイスは「僕は知らない。周りもそう」と答えていた。MLBはNFLとNBAに比べて人気はないが、ポストシーズンに入ってスタンドは埋まっている。階層によって好むスポーツは異なるようで、小説の中でNFLに言及されるケースは少ない。今回紹介する「幽霊たち」(1986年、ポール・オースター/新潮社)の主人公も、MLB初の黒人選手ジャッキー・ロビンソンの試合を観戦していた。<ニューヨーク三部作>の第2作で、ロビンソンがドジャーズに加わった1947年のニューヨークが舞台だ。オースターを読むのは、稠密かつ濃厚な描写で<孤独>と<流浪>が織...「幽霊たち」~オースターのポストモダンな出発点

  • 「熊は、いない」~存在理由を懸けて闘うジャファル・バナビ

    グリーンズジャパンの友人に誘われ先日、「政治をかえる!8区の会」キックオフ準備会(ふらっと阿佐ヶ谷)に参加した。中野区民の俺は8区の有権者ではないが、日本の政治を変える拠点は杉並区であると考えている。キーワードは岸本聡子区長が掲げるミニシュパリズムとコモンだ。残念ながら、若い参加者はいなかった。イラン映画「熊は、いない」(2022年、ジャファル・バナビ監督)を新宿武蔵野館で見た。ジャファルは前々稿で紹介した「君は行く先を知らない」のパナー・パナヒ監督の父で、両作のテーマはともに<国外脱出>だ。ジャファルは体制を批判して弾圧されており、「熊は、いない」撮影後にも収監された。前作「人生タクシー」(15年)は〝フェイクドキュメント〟で、タクシー運転手に扮したバナビ本人と乗客がイラン社会について論じ合っていた。「...「熊は、いない」~存在理由を懸けて闘うジャファル・バナビ

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