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  • 65歳から稼ぐ人、稼げない人

    生き甲斐のため、生活のため……一生涯、仕事を続けるにはどうしたらいいか。定年後、納得のいく働き方を手にした5人の生き様から、現役時代に準備すべきことが見えてきた。 ※年齢は2015年10月10日時点 ■「とにかく笑顔」で価値観が覆った 外資系・太陽光発電所建設企業でディレクターを務める有賀守昭氏は、今65歳。大手ゼネコンを早期退職したのが2005年6月、55歳のときだ。常にヘッドハンティングされる形でいくつか職場を変わり、現在在籍する会社で6社目になる。 「私の職業人生のなかで、定年とか再就職を考えたことは一度もありません。ずっと面白いことにチャレンジし続けたい。その想いは40代の頃から変わっていません」 慶應義塾大学工学部出身の有賀氏は技術者としてキャリアをスタート。医薬品、食品、半導体工場の設備設計から施工までを一貫して手がけてきた。とりわけ際立つキャリアが、社長賞を受賞した有名アミューズメントパークでのアトラクションの開発だ。 「プロジェクト開発リーダーとして日本とアメリカ両国数十人の技術者をまとめての仕事でした。アメリカ側との折衝のため東京とロサンゼルスを何度も往復。5年間かけてブラッシュアップを重ね、何とか現在の形になりました。総工費は約400億円近くでした」 そんな有賀氏に転機が訪れる。法人営業への異動だった。 「上司から笑顔の大切さを徹底して叩きこまれました。それまでのエンジニア時代には、技術的に無理な要求は無理と、毅然と断るタイプだったのです」 営業の現場では「とにかくにこやかにイエスで始めろ。最初からノーとは言うな」が鉄則だった。有賀氏は言う。 「およそ5年間の営業部時代を経て、自分の世界が広がった気がしました。取引先も薬屋さんだったり電子楽器屋さんだったりバラバラ。そのなかで僕が得た最大の教訓は、どんな仕事、相手でも『誠意を持ってやる』ということ。たとえトラブルが起こっても、相手が『仕方ないか』と思ってくれるまで、誠心誠意向き合うことでした」 現在、有賀氏はピーク時には早朝から出かけて帰りが夜遅くなることも珍しくないという。生涯現役で働くためには何が求められていると思うか? 「業種によって期待される働き方は異なります。資格も、若い頃に宅地建物取引主任者、高圧電気工事士、2級建築士、英検2級などを取得しましたが、実際に使えたのは運転免許くらい。でもそれだって今の時代、カーナビを使いこなしたり、目

  • キャリアを捨てる働き方──定年シニアが生き残るには

    キャリアを捨てる働き方──定年シニアが生き残るには を掲載しました。 こちら

  • 退職金の受け取りは「一時金」と「年金」どちらがトクか

    ● 運用率2%なら「年金」が 断然おトクに見えるはずが… 年度末が近づいて、3月いっぱいで定年退職する人の相談が相次いだ。多くは、60歳以降の収入ダウンに備えた収支の見直しや生活設計であるが、今年は「退職金の受け取り方法」についての相談もあった。 サラリーマンの退職金の受け取り方法は、「一時金のみ」「一時金+一部を年金」「すべて年金」などいくつかのパターンがあるが、これらのパターンを選択できるかどうかは勤務先により異なる。 「年金」を選択すると、退職金原資が受け取り期間中も引き続き運用されるため、受け取り総額は「一時金」よりも多くなるのが一般的だ。運用率は企業によって異なるが、最近は1~2%程度のようだ。マイナス金利政策の状況下では、銀行の定期預金に比べてはるかに魅力的に映るため、選択の自由があるなら「年金」で受け取りたいと考える人が多い。 たとえば、勤続38年の人が退職金2000万円をすべて一時金で受け取ると、手取り額は2000万円となる。退職金一時金の課税方法は、勤続年数に応じた「退職所得控除」というみなし経費を差し引くことができるうえ、他の所得と分けて税金計算をするので、他の所得に比べて納税者に有利な計算方法といえる。勤続38年だと退職所得控除が2060万円になるため、所得税・住民税はかからず、額面=手取りとなる。 一方、運用率2%の「10年確定年金」を選択すると、60歳から69歳までの年金額は約221万円。10年間の受け取り総額は約2210万円なので、単純計算すると、「一時金」よりも「年金」のほうがおトクに見える。大多数の退職者は「60歳で2000万円を一時金で受け取っても、自分で2%の運用はできない。年金受け取りがトク」と判断する。 今のご時世、「自分で2%の運用はできない」と考えるのは正しい。しかし、退職金の「年金受け取り」は雑所得として給与や公的年金と合算して課税されるため、所得税・住民税はもちろんのこと、国民健康保険料や介護保険料もアップする。つまり、必ずしも「年金」がトクとも言い切れないのである。 ● 「全額一時金受け取り」の 手取りが最も多くなる! 相談事例は個別ケースであり守秘義務があるため、この場で公表できないので、わかりやすい金額でいくつか試算してみた。一緒にケースを見ていこう。前提条件は、退職金2000万円、年金受け取りを選択した場合の運用率は2%、60~64歳は再雇用で働き年収は35

  • 日本人のお金の平均値「70歳以上の平均貯蓄額1312万円」「児童のいる世帯は勝ち組」

    「ぶっちゃけ、みんないったいいくら稼いでるの?」「ウチの貯金額って少ない?」……他人の家のお財布事情って気になるけど、直接はなかなか聞けないもの。そんなお金のデータをここに大紹介、経済アナリストの森永卓郎さんに解説してもらます。 日本人のお金の平均値「70歳以上の平均貯蓄額1312万円」「児童のいる世帯は勝ち組」 【貯蓄額】 「高齢者世帯が無駄に貯めているとは思いません。みんな、有料老人ホームの入居金相当は貯めてるってことですね。ざっくり言えば1年間で300万円くらい。 もちろん、コース料理が出るホテルみたいなところだと入居金だけで1億円以上だし、特別養護老人ホームなら月10万円くらいだけど、入居に何年も待つ。結局、“老後の沙汰も金次第”になっているわけです。 逆に、高齢者世帯の1割~2割は400万円も貯金がないことのほうが怖い。やっぱりある程度、老後にはお金を作っておかないと。これから年金もどんどん下がっていきますから」(森永さん、以下同) 【平均所得】 「児童のいる世帯は、すごく所得が伸びているように見えますけど、“児童のいる世帯=勝ち組”なんです。お金を持っている人しか結婚もできないし、子どもも産めない世の中になっているので。これは、勝ち組の実態なんです。一方、高齢者世帯は全然伸びていません。年金水準はまだ高いといえますが、将来的にもっと落ちていくと思いますよ」 【おこづかい】 「景気が悪くなると、真っ先に削られるのは、おこづかい。アベノミクスで少し景気がよくなり、ようやく底打ちはしましたが、これ、バブルのころって夫は7万円とか8万円だったんですよ。それと比べると、底は打ったものの、低位安定。今年、景気が失速したら、また悪くなると思います」 【へそくり】 「ほとんどの家庭で配偶者には言わない口座を持っているケースが多いんですよ。昔はタンスに隠していましたが(笑)。普段からちょっとずつ貯めていけば、作れる額面だと思いますね。最近は、フリマアプリの『メルカリ』で服を売ったり、『ミンネ』で手作りアクセサリーを売ったり。センスのある人は、そこそこ儲けているみたいです」 【都道府県別ランキング】北陸3県が豊かな理由 「年収でも持ち家率でも、北陸3県(富山、石川、福井)が上位にきていますよね。なぜかと言うと、北陸は1人当たりの賃金は高くないものの、3世帯同居の家庭が多い。家も大都市と違って、バカデカい。かつ、家族のみん

  • 主婦が起業、副業で翻訳出版…「朝活」で人生が変わる!?

    一日のスタート、朝の時間をムダにしていませんか。早起きして体と脳を動かし始めると、日中の活動もスムーズに進みます。朝は気分爽快で、邪魔が入らない自分の時間。朝を生かす人の声に耳を傾けると……。 「朝活で、人生が変わりました」と話すのは、東京都内在住の50代主婦、青木美智子さん。 約6年前、通っていた速読教室の講師に紹介されて朝の読書会に参加して以来、魅力に目覚めた。 さまざまな朝活イベントに顔を出すようになり、3年前には好きな本を紹介し合う朝の読書会を自ら始めた。青木さんは言う。 「専業主婦は、人脈が狭くなりがちです。人の紹介やSNSを通じ、10~70代のさまざまなバックグラウンドの人が参加してくれます。普段接する機会のない人と話せ、自分では選ばない本の話を聞けるのも、刺激的です」 本の紹介という「ネタ」があるので、話題を探す必要がない。気後れせずに話せるのもメリットだ。 青木さんは朝活を通じ、「イベントスペースのある古本屋を開きたい」との夢を抱くようになった。10月、理想の物件に出合って契約。今は夢の実現に向け、開業準備を進めている。 夫の高夫さん(60)も一足早く、朝活で自分を変えていた。自動車メーカー勤務の会社員だが、朝の時間を生かし、翻訳家・ビジネス書作家として活躍する「違う顔」を持つ。 30代のころ、仕事に役立てようと得意の英語を生かして読んだ海外のビジネス書に感銘を受けた。「多くの人に紹介したい」。そう思って、出版社に翻訳出版を提案。以来、翻訳や執筆を始め、朝7~9時に作業している。遅めに出社できるフレックス勤務をフル活用し、机に向かう。 「会社に行けば、山積みの仕事の片づけで終わり、将来の自分に投資する余裕がない。朝はだれにも邪魔されず、じっくりアイデアを練るなど、集中できる。執筆だけでなく、本業の企画書づくりもしています」 10月には15冊目の訳・著書『仕事に追われない仕事術』(マーク・フォースター著)を上梓した。朝時間を生かし、訳書を地で行く時間管理をしている。 図解コンサルタント、池田千恵さんも「朝活で劇的に人生が変わった」。 2度の大学受験失敗を機に早起きに目覚め、半年の早朝勉強で慶応大に入学。外資系企業などを経て、2015年に朝型勤務のコンサルティング会社を設立した。その名も「朝6時」。 「いつもより早起きできたら、ちょっとうれしいですよね。これも立派な成功体験。小さな達成感を毎日積み重ね

  • 定年後の「起業」、背中を押すのは妻の役目だ

    ■定年とは「夫婦が親しんだ生活習慣が崩れる」こと 「定年」というのは、サラリーマンにとって本当に一大事だと思う。大学を卒業後、同じ会社にずっと勤めていたとすれば約40年もその会社にいたことになる。私の夫(大江英樹氏、野村證券で個人資産運用業務などに携わり、60歳で会社を設立。現在は経済コラムニストとして幅広く活躍中)もそうだった。 転勤があったり、異動があったり、昇格して立場が変わったりと変化はあったと思うが、それでも同じ会社にいたとすれば、その組織の中でのモノの考え方がしみ付いている。一方で、会社という「戦場」での戦い方も、ある意味慣れたもので、勝手がわかっている。 高年齢者雇用安定法の施行によって、会社はシニア社員として嘱託雇用するなど65歳まで働き続けられる選択肢を提示してくれる。正社員のままという会社もあるが多くの場合、立場が変わり、収入は大幅に減ることになり、先日までの部下を上司と仰ぐことになるかもしれない。さて、どうするか? 妻の側からは「元気なんだし、収入面も考えると働いてほしい」という声があがる。加えて専業主婦であれば、ご主人が働いている日中の時間にのみ、習い事や趣味、お友達と食事も集中させ、ご主人がいる時間はずっと家にいるという暮らしをしている方が大半だ。 そんな方々から深刻に聞かされるのは「毎日ずっと家にいられても困る」いう声だ。そこには、自分が構築してきた「楽しい世界」が、これから制約されて維持しにくくなるのではないか、という不安や不満が含まれている。 夫婦いずれの側も慣れ親しんだ世界から引っ剥がされるのが「定年」である。 迷いに迷い、いったんは起業をあきらめた 子供がまだ独立していなければ、もちろん父や母として、優先すべきことがあると思う。だが、巣立った後はふたりである。パートナーとして、自分と相手の将来に向き合うしかない。 ■定年前の59歳でいったん「シニア社員」で残る決断 わが家の場合、夫は前出のように、大手の証券会社という非常に中途退職率の高い業界で大学卒業以来、約38年間働いていた。いわゆる「営業一筋のサラリーマン人生」で、特別な能力もスキルも持っていないと本人も私も思っていた。ただ、定年になったとしても健康で動ける以上、「働く」ということは決めていた。 そして「定年」までの生活を支える大黒柱としての「働く」という働き方ではなく、「自分が納得できること」「やりたいこと」を仕事とし、

  • 40代から考える老後のお金      共働き世帯に潜むリスクを回避する

    妻の収入が家計に大きな影響を与えている共働き世帯にとって、老後に向けて最大のリスクとなるのが、夫婦どちらかが働けなくなった場合、収入が大幅に減ってしまうことです。60歳定年まで共働きが前提のマネープランではなく、収入がある今こそ、前倒しでやっておきたいことがあります。ファイナンシャル・プランナーの畠中雅子さんに、40代共働き世帯のリスク回避法を伺いました。 【連載】40代から考える老後のお金 子どもの教育費や住宅購入など、今の40代は大きな出費が複合的に待ち構えている時期でもあります。さらに老後資金もとなると、ただただ不安に思ってしまう人も少なくありませんが、やみくもに不安になっても仕方がありません。安心して老後を迎えるために、今、やっておくべきことを全5回の連載で考えてみます。 ■万一の収入減に備えたマネープランを立てておく 数多くの家計相談を受けている畠中さんは、家計相談のなかでも、共働き世帯のうち、妻の収入減によってマネープランの見直しを相談されるケースがあると言います。 「女性は50代になると、ホルモンバランスの乱れなどで体調を崩す人が少なくありません。これまでと同じような働き方ができなくなり、最悪、仕事を辞めるというケースもあります。そうなると、これまで夫婦の収入でまかなってきた家計、貯蓄、住宅ローンの返済など、すべての面で見直しをしなくてはならないのです。夫婦そろって60歳まで元気で働けるとは限らないのです」 最近は、女性だけではなく、男性の更年期障害も注目されていますが、こうした原因がはっきりしない体調不良のみならず、歳を重ねれば、だれしも病気の不安は高まります。さらには、親の介護問題にも直面するかもしれません。介護離職ともなれば、世帯収入の減少だけではなく、介護費用の負担など、新たな問題が出てくる可能性もあります。 「今の40代は、まじめで堅実な人が多いように思います。子どもの教育費や住宅購入、自分たちの老後資金についても真摯に向き合っている印象です。だからこそ、一度つまずくと、マネープランのリカバリーが難しい世帯も少なくないのです。今、元気で働けているうちに、前倒しで手を打てることを考えてみてください」 畠中さんが言う、前倒しでやれることとは、(1)教育費の準備を早めに進めること、(2)住宅ローンを夫婦それぞれが借りるなら、妻の分は10年程度で早期に完済すること、この二つが大きな打ち手となります

  • 老後の理想の生活費は「夫婦で月30ー34万円」…現役世代は「私的年金」の活用を

    ゆとりある老後を送るため、夫婦で必要な生活費は「30~34万円」。日本生命保険によるアンケート調査(2016年9月公表「敬老の日と老後・相続」)の結果によれば、調査対象1万271人の3分の1にあたる37.3%がそのように考えているそうだ。 元気で働き続けたり、不動産収入があったりする人は例外として、大半の人は、老後は年金と預貯金にたよって生活する。しかし、預貯金は生活費に使いたくないのも本音だろう。ゆとりある老後を送るために、年金はどの程度もらえるのだろうか。また不足分に備え、現役世代は何ができるのだろうか。蝦名和広税理士に聞いた。 ●結局、どんな人が有利なの? 結論から言えば、「月額30~34万円」の年金をもらえるような夫婦とは、長年にわたって夫婦そろって正社員として働いてきた会社員や公務員の夫婦くらいです。 日本の公的年金は、「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の「2階建て」だと言われます。「国民年金」が、20歳以上60歳未満の日本人すべてが加入するのに対し、「厚生年金」は、企業の正社員や公務員などのみが加入するものです。 つまり「2階建て」になるのは、会社員や公務員のみ。フリーランスや自営業の人は、1階にあたる国民年金のみとなるのです。国民年金(基礎年金)の支払い額も受け取り額も定額ですが、厚生年金は、月給に対して保険料率が異なり、支払う金額も受け取る額も異なります。 厚生労働省の発表によれば、平成28年度の平均支給額は次のようになっています。ちなみに「国民年金」とは支払う時の名称で、受給する時には「基礎年金」となります。 ・基礎年金のみ:月額約6万5000円 ・基礎年金+厚生年金:月額平均15万6000円 これをもとに試算すると、夫婦ともに基礎年金、厚生年金の両方がもらえる家庭では、「ゆとりある老後」が実現することが多いようです。 ・夫婦ともに正社員:月額平均31万2000円 では、専業主婦世帯はどうなるのでしょうか。 【夫は会社員、妻は専業主婦・田中夫妻の場合】 妻が専業主婦であっても、年金はもらえます。たとえば、夫が40年間会社員だった田中さん(仮称)の例を検討します。田中さんの現役時代の平均標準報酬〈賞与含む〉は月額換算で42.8万円でした。妻は結婚以来、専業主婦です。 それを基に試算すると、 ・平均月額22万円(基礎年金・厚生年金) の年金がもらえることになります。 夫婦で「月額30~34万円」

  • アメリカ人が老後資金をためるためにしていること

    「老後の資金が不安。でも、資産運用ってどう始めたらいいか、分からない」そんな悩み、ありませんか? 7月下旬、東京都内で開催された楽天証券のセミナーでは、資産運用の最新事例やマイナス金利時代の資産運用について、金融界の専門家達が議論を交わしました。そのなかから、「資産運用の最新事例について~金融先進国の米国では何が起きているか~」の内容をお届けします。世帯の約4割が投資信託を保有している金融先進国、アメリカでは、どのように資産運用を行っているのでしょうか。そこから私達が学べることとは? 「資産運用の最新事例について~金融先進国の米国では何が起きているか~」 パネラー:中桐啓貴(ガイア株式会社 代表取締役社長) 沼田優子(明治大学国際日本学部特任准教授) モデレーター:叶内文子(フリーアナウンサー) ■アメリカでは4割が投資信託で運用している 叶内文子さん 私は20年ほど株の番組をやっていますが、自分の老後を見据えた資産運用のこととなると、実は何もできていません。やはり、資産運用ってすべきですか?運用先進国といわれるアメリカでは、どうでしょうか。 沼田優子さん(以下、敬称略) アメリカは投資大国といわれ、家計の4割が投資信託を持っています。しかし別に、好きだから、得意だから、皆がやっているというわけではありません。アメリカの人達も、老後の不安から、運用を“しなければならない”、投資を“やらざるを得ない”、と感じています。 中桐啓貴さん(以下、敬称略) アメリカでは投資して資産を増やして、フロリダやハワイで優雅な老後生活を送る人が大勢います。そういう成功体験をしている人が身近にいるのは、日本とは異なりますね。 ―― 日本では「投資」と聞くと、個別株の意識が強いです。アメリカではどうですか。 中桐 日本のシニアの人達は、「どこの株を持っている?」と、日本の個別株の話をすることが多いですよね。アメリカの場合、みんな自分に合ったポートフォリオを持っていて、それを友達同士で見せ合う文化があります。「私は株が3割、債券が7割だけど、君はどう?」という感じです。ポートフォリオを持ち長期的に分散投資をしていく、という意識が浸透しています。 ―― やはり、ポートフォリオという考え方をすべきですか? 沼田 そうですね。そもそも、年金の運用は1つの株に集中投資するわけではありません。だから、年金の代わりに自分で運用するのであれば、ポートフ

  • 収入の何%を貯蓄すれば安心? これが「人生設計の基本公式」だ! お金の運用で最も大事なこと

    「現役」と「老後」のバランス 以下は、筆者が「人生設計の基本公式」と呼んでいるもので、今後の現役時代の稼ぎ(手取り年収)を一定として想定したときに、現役時代の収入の何パーセントを貯蓄することが必要かを計算するものだ。 例えば、大学を卒業して企業に就職したこれから23歳になるサラリーマンが65歳の誕生日に定年を迎えるまで42年「現役」で働いて、65歳から95歳になるまでの30年間、年金と蓄えの取り崩しで生きていくとしよう。 「年金」を現役時代の手取り所得の3割として(厚労省が目指す「所得代替率5割」をアテにするのは現実的でない)、「老後生活比率」を現役時代の0.7倍、0.6倍、0.5倍、とすると、それぞれ19.0%、15.0%、10.5%を貯蓄しなければならない計算だ。 知り合いのFPに聞くと、老後の生活費は現役時代の7割くらいが目処だという。新入社員諸君は、「手取り所得の2割貯められれば、老後の生活に心配はない」、「1割貯められないようだと、老後の生活は現役時代の半分未満になる」と認識されたい。将来大いに稼ぐ人も、それほど稼がない人も、現役生活に対してそれなりのバランスの老後が待っている計算だ。 大まかではあっても、計算ができていて、必要貯蓄率が確保できていれば、「老後貧乏」だの「老後難民」だのといった世間の「脅し」を恐れる必要はない。 読者は、今後の想定される平均年収(手取り)と、老後にあって現役時代の何倍の生活をしたいか「老後生活費率」を想定し、先の公式で必要貯蓄率を計算してみて欲しい。 老後生活費率、現役年数(これを延ばすと、老後年数が縮む)を変えて、達成可能な「必要貯蓄率」に辿り着いたら、大まかな経済的人生設計が完了する。 可能貯蓄率から逆算する さて、35歳で、手取り年収が600万円、資産が2,000万円あるサラリーマンがいて、彼は老後にあって「現役時代の7掛けの生活」を望んでいるとする。定年を65歳、老後を30年として必要貯蓄率を計算してみよう。 将来受け取る年金額は年間180万円と仮定する。収入は今後少し増えるだろうが、将来は役職定年等で55歳くらいから減り始めるし、60歳以降は大きくレベルダウンするので、35歳の現状の収入を将来レベルとして考えることにした。 現在、彼は、手取り収入の17%を貯蓄できれば、希望するレベルで老後の生活を送ることができる。年間102万円、ひと月当たりに均すと、50万円の

  • 「老後資金の準備」で後悔する人、しない人

    なぜ資産運用の必要があるのでしょうか。おそらく、多くの方は漠然としたイメージしか持っていないのではないでしょうか。 子供の教育費、住宅購入費、自動車購入費、その他にもさまざまな理由はあると思いますが、それらをひっくるめて、最終的な資産運用の目的は、自分自身の老後に必要なおカネを作ることにあるのではないかと思う次第です。「老後の生活に必要なおカネ」といっても、30代や40代前半の人たちにとっては、まだ今ひとつ現実味がないと思います。おそらく、今の50代、60代の人たちも、若い頃はそうだったのでしょう。 でも、自分自身が50代になってみて、初めて気づくことがあります。それは、「もっと早くから老後資金の準備をしておけば良かった……」ということ。老後の資金準備といっても、ただおカネを貯めるだけではダメです。なぜかというと、インフレになった時に資産が目減りする恐れがあるからです。 ■ インフレ下の低金利という歪んだ状況も 今、30代の人が60歳になった時を想定して老後の資金を作ろうとした場合、20年から30年という長期にわたっておカネを貯める必要があります。この間、もしもインフレが進んだら、資産の実質的な価値が目減りする恐れもあります。 基本的に物価が上がれば金利も上がるので、預金にしておけば十分にインフレヘッジができると考えている方もいるでしょう。確かに、それが事実だった時代もありましたが、これからはその事実が通用しなくなるかもしれません。金利が上昇すると、1000兆円にも達する政府債務の利払いが巨額になり、ますます債務返済が進まなくなる恐れがありますし、インフレが進めば相対的に債務の負担が軽減されるので、日銀は簡単に利上げには踏み切らないでしょう。 かくして、インフレ下の低金利という、歪んだ状況が作り出されるおそれがあるのです。当然、そうなったら、預貯金ではインフレリスクをヘッジできなくなります。だからこそ資産運用が必要になるわけですが、問題は何で運用すれば良いのかということでしょう。 最も確実な方法は、10年物変動金利型の個人向け国債を買うことです。現在の金利は0.05%ですが、それでも定期預金の0.01%に比べれば有利です。ただ、それではなかなか資産が殖えないので、少しでも高いリターンを狙うなら、株式やFX、投資信託などを活用します。 不動産は?株式は? 最適なポートフォリオはどうなのか、という点を気にする人もいる

  • マネー詐欺にダマされないための5つの心得

    どう考えてもあやしい投資話に乗っかる人は少なくない。しかも、それなりに知識や経験のある人が被害に遭っていたりする。その“騙しの手口”とは……? 自らも投資マニアであり、数々のあやしい商品に手を出してきたと語るFP・藤原久敏氏のツッコミを交えて検証する ◆いかにして詐欺業者に”面倒くさいヤツ”と思わせるか FPの藤原久敏氏は、自らも投資マニア。未公開株はもちろん、和牛オーナーや海外ファンドなど、さまざまな“あやしい”投資話を自腹で試してきた猛者だ。そんな藤原氏は、HBOに寄せられたマネー詐欺エピソードを見て「被害者の方々は“調べる”手間を惜しみすぎですね」と言う。 「もちろん“調べるのが面倒くさい”という状態をわざと作り出すのが、詐欺業者の手口ではあるんです。例えば、FXファンドに引っかかったケースでは、運用会社の名前が『アセットマネジメント』になっていました。アセットマネジメントというのは資産管理の代行業務を意味する単なる一般名詞であって、検索すれば『野村アセットマネジメント』みたいな社名がゴロゴロ引っかかってきて、それ以上突っ込んで調べるのが面倒になります。そこで『まぁ、この中のどれかだろう』と考えてくれる人は、格好のカモになるわけです」 カモにされないコツは「とにかく質問すること」と藤原氏。 「相手に“面倒くさいヤツ”と思わせることができれば、怪しい業者ほど早々に手を引いていきます。また“ネットの評判”はぜひチェックしておいたほうがいい。ネットの意見はアテにならないと思われがちですが、こと“金融商品に関するネガティブな情報”については信用できるケースが多いんです。専門家並みに詳しい個人ブログが“あそこの経営状態はおかしい”などと指摘している場合もありますし、実際に被害に遭った体験談が見つかることも」 一方で“一知人”のプッシュは、相手にしないほうが無難だと言う。 「未公開株詐欺のケースでは、『FBで知り合った知人の勧めなので信用してしまった。これが電話勧誘だったら騙されなかったと思う』とのコメントが印象的でした。詐欺業者もこうした投資家心理は心得ていて、SNSを利用した詐欺は増えています」 結論は「向こうからやってくる儲け話は99%怪しい」。 「これは、相手がちゃんとした銀行や証券会社でも似たようなもので、営業マンが向こうから持ってくる話は、向こうが手数料で儲かるようになっているということを忘れてはいけません

  • 「退職金」知っておいて損はない基本中の基本

    「とんだ計算違いでした」 東京に本社を置く中堅の映像制作会社に30年勤めるAさんは打ち明けます。Aさんは来年秋に60歳の定年退職を迎えます。会社が用意している嘱託再雇用の道は選ばず、妻と2人で富士山の見える山梨県に移り住んで、スローライフを満喫する計画を立てていました。 大学時代の1年先輩で東京の大手家電メーカーに勤めていたYさんが昨年の定年退職で得た約2500万円の退職金を元手に家を買ったことを聞いていたAさんは、「ウチの会社でも1000万円ぐらいは出るんだろう」とアテにしていました。 ところが、そのもくろみは大きく崩れてしまうことになりました。来年の退職を前にして、会社の人事担当者から「退職金はありません」と告げられたからです。 「えっ! そんなバカな。昨年、当社を定年退職したTさんは勤続20年だったのに、数百万円支給されたと聞いていますよ」(Aさん) 「Tさんに支払ったのは退職功労金で、いわゆる退職金制度は当社にはないんです」(人事担当者) ■ 退職金は企業の義務じゃない!? Aさんは会社に抗議したものの、受け入れられませんでした。その後、労働基準監督署に相談し、「就業規則を確認して下さい」というアドバイスに従って、目を皿のようにして就業規則を読み返したものの「退職金」の文字は見当たりません。「退職金は任意で決めるもの、退職金制度が無くても違法ではない」ということを初めて知りました。 Tさんに支払われた退職功労金は、就業規則には「社員が退職した場合で、在職中に特に功労があったものと認められる場合には退職功労金を支給する場合がある」というあやふやな記載がされているのみでした。部長職まで上り詰めたTさんに比べ、Aさんは課長どまり。勤続年数の長さは関係なく、Tさんほどの功労金が支払われる可能性は限りなく低そうです。 「退職金がもらえる」とAさんが思い込んでしまったことには理由があります。それは、日本ではまだまだ退職金(一時金、年金)制度を持っている企業が多いからです。「平成25年就労条件総合調査結果」(厚生労働省)によると約75%の企業で退職金制度があり、特に大企業になるほどその比率は高く、社員1000人以上では90%超える企業が退職金制度を有しています。30人以上99人以下の企業でも72%です。 退職金制度がある企業ではいったいどのくらいの金額が支払われるのでしょうか? 2015年4月に日本経済団体連合会が発表

  • 今のシニアにズバリ聞いた、「50代までに老後のために備えをしてた?」

    日米独では預貯金がトップ 歳を経ると心身共に衰え、収入も得にくくなるため、生活維持のために高齢者向けの各種制度を利用したり、蓄財を切り崩したり、収益確保の仕組みを利用することになる。それでは現在シニアの立場にある人たちは、過去にいかなる「備え」をしていたのだろうか。今回は内閣府が2016年5月に発表した、高齢者の生活と意識に関する国際比較調査の最新版となる第8回調査(2015年9月から12月にかけて日本、アメリカ合衆国、ドイツ、スウェーデンにおいて、60歳以上の男女(老人ホームなどの施設入所者は除く)に対して調査員による個別面接聴取方式で実施。有効回答数は各国とも1000件強。それぞれ性別・年齢階層別・地域・都市規模などを元にウェイトバック済み)の結果から、日本だけでなく他国の状況も合わせ、その実情を確認していくことにする。 次に示すのは今調査対象母集団=60代以上の高齢者において、そこに至るまで、つまり50代までに、老後の備えとして何を準備していたか、複数回答で尋ねた結果。例えば預貯金で日本は46.6%とあるので、現在シニア層の日本人のうち半数近くは、現役世代において老後の備えとの意思の下で、預貯金をしていたことになる。 ↑ 50代までに老後の経済生活に備えてしていたこと(2015年、60歳以上、複数回答) 各国における高齢層に向けて整備された社会制度やお金に対する考え方の違いがよく現れた結果となっている。預貯金をしていた人はどの国でもそれなりに多いが、意外にも日本よりアメリカ合衆国やドイツの方が多い。スウェーデンでは預貯金以上に個人年金への加入者が多く、6割近くに達している。個人年金はスウェーデン以外にアメリカ合衆国でも高めで、これが4割強。さらに両国は有価証券の取得でも高い値を示している。 他方、「何もせず」、つまり公的年金や退職時の退職金、現役時代の就業をそのまま継続するなどでまかなえるとし、自己のさらなる積み増しの類は必要ないと判断していた人も、どの国にも一定数が確認できる。ただし日本はこの回答率が他国と比べて極めて高く、4割を超えている。昨今の年金問題に絡み、高齢層の一部の不安の遠因は、この「自前の積み増し的な準備をしていなかった」ことにあると考えれば道理は通る。 預貯金と職業能力に的を絞ると 次以降に示すのは、特定の項目に絞り、各国の年齢階層別による回答率をグラフ化したもの。個々の年齢階層、というよ

  • 高年収な人ほど「老後貧乏」に陥りやすい理由

    「老後破産」「老後貧乏」――。 近年、よくメディアで目にするこれらの言葉を見て、現役世代の人はどう思うでしょうか? もし、「自分は大丈夫」「なんとかなるだろう」と思っているとしたら、とても危険です。 ■ 老後の家計は基本的に「赤字」 日本の生活保護受給世帯は160万強。そのうち約半数を高齢者世帯が占めています。今後も高齢者人口の増加と比例して、生活が立ち行かなくなる世帯が増え続ける可能性が高そうです。なぜなら老後の家計は基本的に「赤字」になるからです。2014年度の総務省の家計調査によると、年金暮らしの高齢夫婦無職世帯の収支は平均で月6万1560円の不足で、年間約74万円の赤字。この分は貯蓄で補填していることになります。 現在、貧困に苦しむ高齢者の方だって好き好んで苦しんでいるわけではありません。きっと「なんとかなる」と思っていたはずです。しかし、現実はそうではなかった。これから人口が減っていき、ますます厳しい状況が予想される現役世代は、どうすればおカネに困らない老後を迎えることができるのでしょうか? 『「なんとかなる」ではどうにもならない定年後のお金の教科書』の著者であり、ファイナンシャルプランナー・公的保険アドバイザーとして多くの人におカネにまつわるアドバイスをしてきた山中伸枝氏が、老後貧乏に陥らないためにどうすべきかを紹介します。 実は「老後貧乏」に陥る危険性が高いのは、いま年収がそこそこある人です。マイホームもあって、特に節約なんてしなくても普段の生活でおカネに困ることなんてない。このような人は、老後の生活というものがどういうものか、そして退職後は誰でも収入がガクンと減ることをイメージできないのです。 退職後はみんな年金生活に入り、収入がガクンと減ります。国が発表している標準的な夫婦の年金額は月22万円(平成28年度新規裁定者)、年収にすると260万円程度です。いま年収500万円であれば約半分、800万円であればおよそ3分の1に収入が減ります。いま年収が多い人ほど、このギャップに苦しむことになります。 人は一度上げた生活水準を下げることはなかなかできないものです。ですから、年金収入で足りない部分は貯蓄で補うしかありません。 私はファイナンシャルプランナーとして多くの人の老後の資産形成の相談を受けますが、「老後が不安」という人はたくさんいます。しかし、「不安だ」と言いながらも漠然と「なんとかなる」と考えてい

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