☆=☆☆☆☆☆<br>◎=☆☆☆☆<br>◇=☆☆☆<br>△=☆☆<br>▽=☆
◇レミニセンス(Reminiscence)ヒュー・ジャックマンの助手ながらずっと恋い焦がれてきたタンディー・ニュートンの役柄が好い。彼女を主人公にした方が良かったんじゃないかって気もする。レベッカ・ファーガソンはたしかに薄幸そうで、色気もあって、いかにもわけありな役柄なんだけど、とてもじゃないけど、自分から飛び込んだんだか飛び込まされる羽目になったのか、どちらにせよ、人生に絶望しちゃったような、それでも台詞にあるように途中までの幸せを噛み締めて死んでいくことになる物語ってのは、なんだかね。彼女は言うんだよね。「かならず、はやめて。約束は失望につながる」たしかにそうだけど、ここからすでにあきらめてるわけで、化粧台の下に転がってるピンクのバイブがまた哀れだ。ただ、なるほど、とおもったところもある。ヒュー・ジャ...レミニセンス
☆ドリーム・ホース(DreamHorse)イギリスはときどきこういう珠玉のような映画を撮ることがある。ただ、イギリスといってもこの作品はウェールズ作品といってもいいような感じで、とにかくウェールズ愛に満ちている。ぼくは競馬の知識はないし、障害競馬についてももちろんわからない。だから、競馬については素人の集団に近いような市民農園で生まれて育てられたサラブレッドがレースで優勝するまでにどれだけの苦労があるのかもわからないんだけど、とにかくおもしろかった。素人の、それも未来に対する希望を失っちゃったような炭鉱町の労働者たちに希望の火を灯すことになるサラブレッドの物語なんて、さらにいうと、途中で安楽死させられるかもしれない重傷を負いながらも復活して重賞レースで優勝するまでになるなんて、まったくもって素敵じゃないか...ドリーム・ホース
◇嘘を愛する女(2018)この女(長澤まさみ)の設定がちょっとエリートすぎてげんなりする。いやまじ、ウーマン・オブ・ザ・イヤーとか、かえって嘘くさくなるから。同僚との会話もなんだかわざとらしすぎて痒くなる。もうすこし庶民的な方がしっくりくるかなあ。けどまあ、夕陽が沈むとき蝋燭のようになる灯台の記述を頼りに、高橋一生の事実かもしれない記憶のようにあいまいな過去をおいかけてゆくという設定はおもしろい。しかし、長澤まさみ、それと誘ってくる若い男、ふたりとも酔っぱらった演技は下手だな。ちょい待ち。気分が悪くなったところを介助されて靴まで貸してもらった高橋一生を都内のエレベーターで見かけて声をかけるのは、まあぎりぎりゆるそう。そんなに狭くないぞ東京は、というつぶやきを堪えて。けど、つぎの場面は、早くもマンションの中...嘘を愛する女
◇新幹線大爆破(1975)パリで大当たりしていた。その看板を、ぼくはこの目で見た。そのとき、ぼくはこの映画をまるで知らず、ああ、なんかフランス人が新幹線の商業映画を作ったんだなあっていう感想だけは抱えてた。まあ、そんなことはどうでもいいか。そもそも犯人が新幹線を爆破してしまわないように気遣うことが徹底されているなら、崖っぷちで柔道部が通りかかったからといって捕まえてくれ~とかいう馬鹿な叫びはしないはずだし、織田あきらの追撃なんかしないはずだし、工場を包囲して山本圭を追い込んで自爆させるような真似はしないはずで、物語の起伏を強めようとする脚本の都合でしかない。となれば、織田あきらの部分はすべて削除してもなんの問題もないし、鈴木瑞穂の役柄は丹波哲郎に含めれば物語はひきしまる。さらに、高倉健の経営していた沖田精...新幹線大爆破
◇新幹線大爆破(2025)え?東映の『新幹線大爆破』の続編じゃん。この頃では、こういう前作の世界をそのままひきずって、完全な続編ではないにせよ、スピンオフよりも物語世界が継続しているものをリブートとか言うんだそうだけど、ようするに続編だよね。でもさ、かつての『新幹線大爆破』を知ってる人間だったらいいけど、これ、リメイクだとおもわないかな、ふつう。そのあたり、あらかじめちゃんと説明しといた方が良いっておもうけどなあ。なんだか、全体的に若い。のんを運転手に抜擢したのはわからないでもないんだけど、緊迫感が足りない。演技のせいか、若さのせいか、それとも別な理由があるのか、わからない。でも、リアルさにかけるのは否めない。運転手は、やっぱり冷静で沈着な運転のできるような壮年がいいようにおもうんだけどなあ。派手さはない...新幹線大爆破2025
◇チャーリーとチョコレート工場(CharlieandtheChocolateFactory)いかにも、ティム・バートンテレビの好きそうな世界だなあ。おもいだすのは『アリス・イン・ワンダーランド』なんだけど、こちらの方が教訓めいてるかな。だからかな、部屋のモニターに映ってるのは『2001年宇宙の旅』の冒頭。ただし、こちらは完全な復元ではなく、声がよく似た着ぐるみの猿どもだ。BGMが『ツァラトゥストラかく語り』の主題曲。そうか、チョコレートはモノリスなのか。テレビカメラは、その前の空間で撃たれてたバルカン砲とおんなじ。皮肉の骨頂だな。テレビカメラを撃ち込むと、物質電送装置が作動するんだけど、生意気坊主が飛んでいった先の1箇所がサイコのシャワー室、殺される暗示だね。ビートルズ、クイーン。ギターぶっ壊し。チャーリーとチョコレート工場
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