烏柄杓
わたくしに烏柄杓はまかせておいて飯島晴子これは遺句集(第七句集)の『平日』にある句であり、角川俳句大歳時記の例句として収載されている。2024年5月、私はミヤマキリシマの咲く鶴見岳に登った。山頂のところどころに出合ったカラスビシャクの花を先ずカメラに収めた。カラスビシャクは生家の畑の畔でよく見かけた植物であったが、こんな山頂に生育しているとは驚いた。これが飯島晴子の烏柄杓だと誰かに教えてやりたかった。カラスビシャクの漢名は半夏で、半夏生はこの草の生える時季をいうのである。角川俳句大歳時記を開くと「【烏柄杓】烏柄杓の花・半夏」と夏の季語にある。カラスビシャクはサトイモ科ハンゲ属の植物で別名を半夏(はんげ)、乾燥させた根茎も半夏と呼ぶ。花は小型の仏炎包で、ひものような付属体が上部に伸びる。別名は他に、ヘソクリ...烏柄杓
2024/07/04 11:53