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老春・盛衰記 https://blog.goo.ne.jp/sagishinana

Sは脳の血流を高め、心肺機能をたかめ、記憶力をたかめ、認知機能をたかめます。さらに親密な社会関係をつくることになります。 老齢・熟年カップルの夜の世界のつぶやき

夢世
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2023/11/02

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  • 再会

    道すがら、ふいに声をかけられた。振り向くと昔、仕事を一緒にしていた弥生だった。何年ぶりのことだろうか。少し太ったように思えたが、弥生はすっかり中年の女になっていた。ひさしぶりの再会だったので、近くの喫茶店でお茶でも、ということになった。素子は、すでに会社をやめているので、その後のことはわからなかった。が、一つだけ、昔付き合っていた同僚の井川のことが気になったので、彼の消息について聞いてみたかった。「ああ、井川さんね。素子、あの人とつきあっていたんだっけ。そんな噂聞いていてよ」そう言うと、弥生はさも秘密めいた口調で井川のことを話し出した。実は、素子は井川とは会社にいる頃、一度、あやまちを犯したことがあった。が、それきり事情があって関係が切れて、そのあと素子は会社をやめた。弥生によれば、井川はその後、博多へ転...再会

  • 愛の百態ーその15

    大人の女は相手に多くを望まない。というのも、相手に自分の全存在を賭けることがないからだ。相手が年上であろうと、年下であろうと、どんな職業であろうと、お金があってもなくてもそうしたことはさして重要視しない。相手の体型が太っていようと痩せていようと、背が高かろうが低かろうが構わない。要は自分の感性にあうかどうか、である。他人はどうか知らないが、私がこだわるのは相手の手だ、手がもたらす印象が感性があうかどうかを決めるポイントになる。愛の百態ーその15

  • 愛の百態ーその14

    躰とともに脳までとろけるような、おなかの底からこみあげるような、そんな深い快楽はついぞ訪れたことがない。こんな気持ちよすぎる快感はどこから湧き出るのだろうか。たぶん、これは愛の施術によってもたらされるものではなく、心の持ちよう、お互いの心がかよいあうことによってもたらされるもでではないか、という気がする。S行為は肉体行動であってもきわめて知的な作業なのであり、それは脳細胞を刺激することになる。愛の百態ーその14

  • 愛の百態ーその13

    躰の刺激を受けた男に心が傾くの自然の成り行きです。が、不思議なことに、心に焼き付いている顔に比べると、異常な事態で起きた体験が、妙に強く焼き付いているものなのです。躰だけ盗まれた相手が、めまいのするような刺激として残っているのです。それは相手の人柄や姿形、情愛などとは関係のないものであるにかかわらず、心の中に残るのです。心の中に残るといっても、残酷の傷跡として残るのです。愛の百態ーその13

  • 愛の百態ーその12

    正装した服のスカートがふいに捲られ、男の手が臀に触れる。突然の行為に、はじめは驚き、拒絶の態度をとった。が、逃げ出すことができなかった。むしろ、瞬間、妙な快感が走った。羞恥心で躰がが震えたが、知らずに今の状態を受け入れている自分がいた。こんな嗜虐な対位は受け入れられないと思いつつ、躰は下半身から燃え出してうち顫えていた。愛の百態ーその12

  • 愛の百態ーその11

    女は力のある限り抵抗した。抵抗しながら抱きついていった。それは女が身を護る時に出てくるあの奇蹟のやうな力での抵抗ではなかった。抵抗しているということを自分につたえるだけの余裕をもった抵抗だった。やがて、抵抗する力は萎えて、相手に身をまかせる姿勢になった。女は力いっぱいしがみついてきた。泣きじゃくりながら、やがて抑えられないほど激しく震え始めた愛の百態ーその11

  • 愛の百態ーその10

    お互いに少しだけ寂しくなって、ときおり、夜を共にすることがあった。映画を観て、カフェでお茶し、そのあと慎ましい愛の営みをする。経験豊富なお互いの躰で慈しみ合いながら。女は言った。「誰もあなたにはかなわないわ」と。そんなことを言われて男はまんざらでもない顔をしていた。愛の百態ーその10

  • 愛の百態ーその9

    不意に自分の意思とはかかわらない高揚感があふれてできた。秘所からじわりと熱いものがあふれでてくる。それはまるでダムが決壊したかのような勢いで。これまで平凡な人生のあとに、まさかこんなに深く感じる快楽が押し寄せることがあろうとは。S行為によってこれほどまで感じたことはなかった。生まれてはじめてだった。何度果てても足りないほどの快感だった。愛の百態ーその9

  • 愛の百態ーその8

    いつものように一旦燃え出すと身も心燃えたってくる。そして、その愉悦のなかにみずから埋没してゆく。それは奔放さとか好色といったようなものでない。これは情事をかさねることによって育まれた感受性なのだろうか。明らかに悦楽の深みにはまってゆく自分を感じる。性に対する貪欲なまでの真摯さ、切実さが溢れ出ているように思う。相手もこの変貌を楽しんでいるかのようである。愛の百態ーその8

  • 愛の百態ーその7

    老齢の好色といわれるものは、残った命への抑圧を排除の願いであり、また命への讃歌である。それは神聖な生命の輝きである。歳をへたとはいえ、まだ体内には生きる力に満ちた情欲が埋火のように蓄えられているのだ。そんな時、押し殺された気持ちがいっきに開放される。男と女とが同じ方向に傾いた心を持つ時、二人は性をきっかけに結びつく。それは昂まったいのちのふれあいなのである。愛の百態ーその7

  • 愛の百態ーその6

    豊満なこんもりと盛り上がった胸元に唇を触れ、静かに優しく乳首の周辺を吸いたてる。さらに硬く尖った状態にある乳首を吸う。やがて、愛撫は乳房から腹へと移る。下腹部にひろがる、オアシスのようにこんもりとした茂み。その硬く縮れた茂みをかきわけて、その先へと指を進める。秘所はすでに暖かく湿っている。いくぶん膨らみをましたようでさえある。その周縁をやさしく愛撫する。女の口からかすかな嬌声がもれる。愛の百態ーその6

  • 愛の百態ーその5

    女は力のある限り抵抗した。抵抗しながら抱きついていった。それは女が身を護る時に出てくるあの奇蹟のやうな力での抵抗ではなかった。抵抗しているということを自分につたえるだけの余裕をもった抵抗だった。女は男に肉体を繋ぐことで、男の抱いている思想や感情を共有しているという満足感があった。愛の百態ーその5

  • 愛の百態ーその4

    純粋に結ばれる男女が一つになり、その肉体と精神が生命の終わりまで続く幸福を、砂漠の旅人が泉の夢をみるように憧れる。それこそ人生で味わえる醍醐味のひとつと捉える愛の百態ーその4

  • 愛の百態ーその3

    女は仰向けになって、膝をやや開き気味にして目をとじた。そして、男を伺うように薄眼を開けて微笑んだ。男はおもむろに、乳房からやがて股間へ手を滑らせた。さらに唇に軽く触れると、かすかな息が漏れる。そして、女は目をつぶり、眉間に翳をためて、腰を片側に倒しながら迎え入れた。気がつけば、水を浴びたような湿りが大腿の付け根に滲み出ていた。肌がみるみるうちに熱くなり、体内にこもった熱が一度に外に溢れでる様子で、さらに、汗さえ噴き出してくる。豊かな息がふくらんできたかと思うと、やがてそれは嗚咽となって漏れ出した愛の百態ーその3

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