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16 『澤』(著:小澤實)を読む
Ryo Daimonji Blog菜の花に坐せば対岸さらに濃し 小澤實 菜の花の黄につつまれてあるいは背にして坐り、対岸を見ていると一層その色が濃く見える。私はその色を緑と解した。黄色と緑の対比、そしてその間には春の川が流れている。この豊かな自然を私は作者とともに見て
2025/04/30 11:31
184 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog四方より花吹入てにほの波 松尾芭蕉 琵琶湖は別称で「鳰の海」というらしい。その琵琶湖に花吹雪が吹き入っている。膳所・洒落堂からの大観とある。しほうよりはなふきいれてにほのなみと、ルビがあった。こういう大きく静かな句はいちごんも読み間
2025/04/29 11:09
211 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog灯明るき大路に出たる夜寒かな 高浜虚子 句会の後、小路を入る居酒屋で飲んだ。ひととおりの別れの挨拶の後、一人で飲み直す店を探した。そうこうしているうちに西大路通りに出た。さほどに明るくはないが京都の西大路は大きな通りで北向きにどんどん
2025/04/28 09:44
15 『澤』(著:小澤實)を読む
Ryo Daimonji Blog身の澄めり野沢菜漬に酒酌めば 小澤實 野沢菜は長野県下の特産とされる。この句の作者小澤實さんの故郷である。その野沢菜の漬物をあてに酒を飲むと身の澄むような心地がするという。いや、身が澄む、というのだ。故郷の酒はただ単に美味いだけではな
2025/04/27 10:59
183 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog君やてふ我や荘子が夢心 松尾芭蕉 当時の俳人は多かれ少なかれ荘子に心を引かれていて、芭蕉も同様であったらしい。荘子が夢に蝶になる話は有名で、当時の俳人の常識でもあったらしい。そこで、君が蝶であるのか、このわたしが蝶を夢見ている荘子なの
2025/04/26 10:39
210 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog五月雨に郵便遅し山の宿 高浜虚子 山中の宿に逗留している作者に五月雨がふる。見ていると昼前に郵便夫が来ている。五月雨のせいとも言えないだろうが、ちと遅いのではないか。なあに私は急くこともない身である。昼飯までをのんびりしようではないか
2025/04/25 10:28
14 『澤』(著:小澤實)を読む
Ryo Daimonji Blog種馬の尻照る秋となりにけり 小澤實 稔りの秋、馬に限らず生殖行為にはめでたい気がある。よく世話された種馬の堂々たる尻のてかりには、親を継ぐ仔馬への期待と、おりからの秋という季節の豊かな締めくくりが感じられる。その全ての感慨を「秋とな
2025/04/24 11:00
182 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blogてふの羽の幾度越る塀の屋根 松尾芭蕉 この句「てふの羽」で蝶々が飛んでいる様を言いつくす。さらに「幾度越る」で何度も行き来する蝶々特有の飛び方が目に写る。全体としては古い言い回しと思うが、元禄三年(1690)作といえば、蝶々の原風景句と言っ
2025/04/23 10:27
209 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog温泉に入るや昼寝さめたる顔許り 高浜虚子 明治三十二年七月、伊豆修善寺滞在記「浴泉雑記」を書くとある。その時に仲間内で昼寝ついでに温泉に入った時の、もの憂い自堕落な気分を詠んだものと思われる。そのような瞬間をも句にする俳人の性を感じる
2025/04/22 11:09
13 『澤』(著:小澤實)を読む
Ryo Daimonji Blog般若心経二百六十二字涼し 小澤實 般若心経は朝夕できるだけあげるようにしています。二百六十二字でしたか。母は行として毎朝早く起きて写経をしていました。僕たち家族の世話をしながら、仕事もある中で100日の行をやりとげ、立派でした。意味も解
2025/04/21 11:16
181 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blogひばりなく中の拍子や雉子の声 松尾芭蕉 ひばりの鳴き声の中、雉子が拍子をとるように鳴いていることだなあ。ふと耳にした雲雀と雉子の声を句にしたものである。雲雀、雉子ともに春の季語である。こういう場合、いわゆる季重なりにはならないと理解
2025/04/20 14:14
208 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog物売りの翁の髷や壬生念仏 高浜虚子 壬生念仏は、晩春 四月二十一日から二十九日まで、京都壬生寺で行われる花鎮法会の行事。 俗に、壬生狂言ともいう。円覚上人が鎌倉時代に布教のため唱えた珍しい仏教無言劇とされる。その時には当然多くの見物客が
2025/04/18 13:52
207 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog 富士浅間二日灸の煙かな 高浜虚子 富士山が休火山であることは、幼い頃に学び知った。その富士山に見立てて二日灸を詠んだのだ。通常ならばこの描写はつきすぎの嫌味を感じるところであるが、この句そうは感じない。おそらく富士の祭神、木花咲耶姫
2025/04/17 12:01
12 『澤』(著:小澤實)を読む
Ryo Daimonji Blog春の田は枯色畦はうすみどり 小澤實 確かに春の田は枯れている。しかしあちこちに春の息吹が見えている。それが、うすみどりである。ほらほら軽トラックが来るよ、トラックターも農道で順番待ちしてる。春耕はいつの日も活気に溢れる。山桜はまだまだ
2025/04/16 11:46
180 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog此たねとおもひこなさじとうがらし 松尾芭蕉 吹けば飛ぶような種子、とあなどってはならない。こんな見栄えのしない唐辛子の種子でも、蒔けば秋にはぴりりと辛い実になるのである(小学館『芭蕉全句』)。あったあった広辞苑「こな・す」⑦見くだす。軽
2025/04/15 11:47
206 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog晝寄席の下足すくなき寒さかな 高浜虚子 そもそも寄席というところは、晝行くところなのか、夜なのか、そこいら辺からよくわからない。ともかく、客足の少なさに季節の寒さを象徴させた句である。暑い時より寒い時の方が着る物で備えれば落ち着きそう
2025/04/14 14:30
11 『澤』(著:小澤實)を読む
Ryo Daimonji Blog雪嶺まで信号五つすべて青 小澤實 雪を被った山までに信号が五つあってそれがすべて青だと言う。おそらく作者はその遠景を詠んだのではなくたった今、通り過ぎた時の幸運、きょとんとした不思議を詠んだものと思う。ありそうでなかなかないことである
2025/04/12 11:04
179 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog似あはしや豆の粉めしにさくら狩り 松尾芭蕉 この句、まづ上五の「にあわしや」これは・・・に「似合う」をひらがなじたてに上五に持ってきたもので「・・・に、にあわしや」と決めたもの、では、何に似合うというのか、豪華な花見膳よりも「きな
2025/04/10 11:20
205 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blogとり出す納戸のものや蟋蟀が 高浜虚子 何かを取り出そうと納戸を開けたところ蟋蟀が飛び出たよ。と納戸の物ではなく蟋蟀に焦点を当て、季節感を詠んだ。この句この他に、〈とり出す納戸のものや蟋蟀〉〈とり出す納戸のものやきりぎりす〉と改作類句
2025/04/07 11:06
10 『澤』(著:小澤實)を読む
Ryo Daimonji Blogひとすぢの光は最上鳥渡る 小澤實 最上川は、山形県を流れる一級河川で、流路延長229 kmは、一つの都府県のみを流域とする河川としては日本一であると、ネットにあった。それは素晴らしく大きな川で山国育ちの私には海に次いで憧れる大自然である。
2025/04/06 10:05
178 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blogかげろふや柴胡の糸の薄曇 松尾芭蕉 柴胡(サイコ)、ミシマサイコは、セリ科の多年草でさまざまな薬効があるらしい。その芽を柴胡の糸と表現して上五から下五まで繊細な仕立てになっている。ところで、この西胡のことをAIに聞いてみたのだが、それは
2025/04/05 10:58
204 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog蓮臭き佛の飯を茶漬かな 高浜虚子 虚子さんのこういう句を、上手いと思う。上五「線香臭き」を「蓮臭き」と仏気をすらりと例えるあたり。その飯を茶漬で食べる、と日本人の平均的な仏教徒の日常に即して、おそらく沢庵でも添えて食べるのであろう。
2025/04/04 09:52
9 『澤』(著:小澤實)を読む
Ryo Daimonji Blog秋風や犬の鳴らしたる金の皿 小澤實 犬を飼ったことのある人なら誰でもこの句の音を思い出すのではないだろうか、金であったかは別として、彼の食器の音である。うちはプラスチック製の皿でお決まりのドッグフードであった。時折紐に触れてその皿が
2025/04/03 10:31
177 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog畑打音やあらしのさくら麻 松尾芭蕉 小石まじりの山畑なので、忙しい鍬使いの音が嵐のように聞こえる。春耕の厳しい一面を捉えつつ、さくら麻で「万葉集」「古今集」の情緒で包んだ。伊賀上野の近郊、阿拝郡荒木村白髭神社で詠まれたものらしい。
2025/04/02 11:51
2025年4月 (1件〜100件)
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