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194 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog梅林や轟然として夕列車 高浜虚子 梅林と夕列車との取り合せ、それに轟然という形容動詞でその様を表しています。美しい梅林にいて大音響を立てて列車がとおりすぎて行きます。その不穏な空気が伝わります。しかも、夕暮れ時に、作者はどうしてそこに
2025/02/28 13:57
234 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog白魚をすすりそこねて死ぬことなし 齋藤 玄 白魚をすすりそこねて、当然死ぬことなどあり得ないのである。それを俳句にするという特別をこの句にはまづ感じなければならなかった。果たして、作者は1980年に直腸癌により死去、66歳であったとある(ネ
2025/02/27 11:27
167 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blogやまざとはまんざい遅し梅花 松尾芭蕉 この句には「伊陽山中初春」と前書がある。「伊陽」は伊賀国上野(三重県上野市)あたりであるらしい。その山中では正月に来るまんざいが、梅の花が咲く頃に来る、なんとも遅いことである。と詠んでいる。「やまざ
2025/02/26 10:33
233 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog恋猫や鮑の貝の片思ひ 内藤鳴雪 恋猫、鮑とくるとなにやら連想してしまうのだが、「鮑の貝の片思ひ」は鮑が二枚目の片方の貝のみのように見えるところからそう言われてきたようだ。それと「万葉集」巻十一の「伊勢の海女の朝な夕なに潜くといふ鮑の貝
2025/02/25 11:42
166 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
/24 Ryo Daimonji Blog梅若菜まりこの宿のとろゝ汁 松尾芭蕉 この句には前書に「餞乙州東武行(おとくにがとうぶのこうにはなむけす)」とある。つまりは、乙州が江戸へ出立する餞別句である。その句意は、あなたの道中には梅が美しく咲き、畑には若菜が目に入ることで
2025/02/24 10:48
193 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog雨戸たてて遠くなりたる蛙かな 高浜虚子 まづ、上五「雨戸たて」ではなく「雨戸たてて」と上六にして三段切れを避けた気配りに感心する。さらに現代風に雨戸を「閉める、閉づ」ではなく「たてて」とあるあたりに時代考証の細やかさを感じる。遠くなっ
2025/02/23 11:56
232 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog恋猫の颯とたてがみのやうなもの いのうえかつこ この恋猫という季語には雌雄はなくどちらも恋をして発情するようですが、この句は雄猫を詠んでいるようです。格好いい場合「颯爽」と書きますが、この句の場合瞬間の猫の毛を捉えて「颯」と表現された
2025/02/22 14:49
165 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog木曾の情雪や生ぬく春の草 芭蕉 芭蕉翁が木曾義仲贔屓であることは知っていた。しかし、芭蕉は生前は義仲の墓所木曾塚に並んで庵を結び、死後はなきがらを木曾塚の横に葬らせた、ほどであるとは知らなかった。この句、上五の「木曾の情」がどれほどわ
2025/02/21 10:20
192 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog蠶飼ふ麓の村や托鉢す 虚子 托鉢(たくはつ)とは、僧侶が修行の一環として、経を唱えながら家々を回り、食物や金銭を鉢に受けて回ることで乞食(こつじき)や行乞(ぎょうこつ)とも呼ばれる、とある(ネット情報)。俳諧師は乞食ほどに欲から遠く身
2025/02/20 10:24
231 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog春寒のケシゴム一行の字をそげり 鷲巣繁男 まだ春に到達していない寒い日である。書き始めては見たものの今ひとつしっくりこないのである。一行を消し、書き改めることにした。一行を消し削ぐ役割をケシゴムは果たす。次を書くのは自分の仕事だ、束の
2025/02/19 13:14
164 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog大津絵の筆のはじめは何仏 芭蕉 そもそも大津絵があって、そしてそれは、始めから順番に仏事を書くものなのであろうか、そういった大津絵にまつわる何某かの前提を蕉翁は仰りたく、その思いをこの俳句にされたものと思う。ところが、私にはそこのとこ
2025/02/18 13:47
191 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog宿借さぬ蠶の村や行きすぎし 虚子 昭和三十五年ごろ私の村でも養蚕業をされているお宅があった。くず蚕が家の隅に桑の葉と共に捨てられていてそれをもらって帰り、成虫に孵して遊んだことがある。養蚕も忙しそうで、人様に宿をかすなどの余裕はあるま
2025/02/17 09:17
230 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blogたくさんの吾が生るるしやぼん玉 津川絵里子 しやぼん玉遊びで、可愛く夢がひろがるのは三歳から小学の低学年ぐらいか。いやいや、いくつになっても童心に戻るというか子供が一緒であればなおさら楽しくなる。作者はそのシャボン玉に多くの自分が映る
2025/02/16 09:18
190 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog天子賢良を招き蛇穴を出る 虚子 天子を国の君主であるとか天皇と解して読む。日本人の常識ほどには天子さまを敬う気持ちはあります。その天子さまが賢良なる者を招き宴などを催される。世は蛇が冬眠から覚め這出づる春である。天子と賢良がなす国政の
2025/02/15 09:41
229 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog心臓はひかりを知らず雪解川 山口優夢 作者は開成高校卒の俳句甲子園で活躍された俳人であるらしい。この句は作者何歳の時の作かはわからないのだが、心臓を意識する歳でもないようだ。心臓と雪解川を取り合わすとはさすが、素晴らしい感覚と思う。冷
2025/02/14 09:59
163 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog煤掃は杉の木の間の嵐かな 芭蕉 煤掃きは、新年を迎えるために、一年間の煤を払って家屋の内外を清めることという冬の季語である。この句、その煤払いは自分にとって杉の木の間を吹く嵐である、なんとなれば自分は年中旅の空で出歩いているのだから、
2025/02/13 10:15
189 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog春潮や巌の上の家二軒 虚子 春になると潮の色が澄んだ藍色に変わり、海面が豊かにふくれてくるような印象を受ける、と歳時記の解説にあった。そういう波がざぶーんと来る大きな岩盤の上に家が二軒あるという。家二軒といえば、私は蕪村のさみだれや
2025/02/12 15:22
228 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog書を校す朱筆春立つ思あり 柴田宵曲 氏は『分類俳句全集』アルス版など、編集出版の仕事に携わられたらしい。そう言った仕事上も、前に出ることを避け、頑なまでに清貧であろうとする偏屈を感じるお人柄であったようだ。 書を朱筆で校正するとき、
2025/02/11 11:36
162 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
160-2/9 Ryo Daimonji Blog住みつかぬ旅のこゝろや置炬燵 芭蕉 「旅心」と言う心境を俳句にしている。つまり、ひとつどころに落ち着いて定住しない自分の心はひとつどころに定め置かれる置炬燵に反していることだなあ。あるいは置炬燵を移動式炬燵と解して、その炬燵
2025/02/09 13:41
188 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog幌馬車は葵の上や春の雨 虚子 春の雨が幌馬車にふっている。六条の御息所(みやすどころ)の嫉妬(しっと)の生霊(いきりょう)が,ライバルの葵上(光源氏の正妻。)の幌馬車に生温かい春の雨となって降っている、とネット情報で読んでみましたが、全く自信
2025/02/08 11:41
227 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog恙なしや今日立春の鳥獣 北原志満子 恙なしとは、やまいがない、息災である。と辞書にあった。息災とは、仏・菩薩の力などによって厄災を消滅させることとある。この句、鳥獣までも恙無く立春を迎え得たことを喜んでいる。仏縁の深い作者なのかとネ
2025/02/07 10:10
161 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog節季候の来れば風雅も師走哉 芭蕉 節季候(せきぞろ)とは、江戸時代、歳末に「せきぞろ、めでたいめでたい」と人家を巡っては庭で踊り囃した門付けとよばれる芸人集団のこと、とされ、冬の季語にあった。世間では年の暮であわただしくなり俳諧どころで
2025/02/06 09:47
187 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog琴棋書晝松の内なる遊びかな 虚子 正月も松の内である、琴囲碁将棋と日本の遊びは奥が深いのであります。昼の日なかから遊び惚けるのも今のうち、そんな気分を「かな」で詠嘆しています。今時に言い直すと、任天堂のゲーム攻略松の内てなところです
2025/02/05 10:44
226 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog蟲鳥のくるしき春を無為(なにもせず) 高橋睦郎 春は蟲、鳥にとって苦しい季節なのだろうか。行きとし生けるものみな、春夏秋冬苦しいといえば苦しく、楽といえば楽に生きているものではなかろうか。有為。何かを為すと考えてから生きるか、とりあ
2025/02/04 10:17
160 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog雪ちるや穂屋の薄の刈残し 芭蕉 この句のキーワードは「穂屋」、萱や薄で葺いた小屋のことで、諏訪上下両社で行われる御射山祭の宿のことも穂屋と言う。冬の信濃路を行くと薄の刈り残しが見られ、そのお祭りのことが偲ばれます。陰暦で七月の二十六
2025/02/03 14:54
186 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog牡蠣をむく火に鴨川の嵐かな 虚子 一読、鴨川で牡蠣って取れたっけ、と思いました。産地直送ってのはあるでしょうが、それでは句意がそれてしまうしねえ。そのまま読みます。嵐の日に鴨川で牡蠣をむいています。寒いので焚き火をしてその作業をして
2025/02/02 10:58
225 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog老人のかたちになつて水洟かむ 八田木枯 私は幼い頃から鼻をよくかむほうだったと思う。蓄膿症ではないかと思うほどだった。タバコを吸うようになって、そのことをあまり意識しなくなったように思う。それにしても鼻をかむ姿に老若を意識したこともな
2025/02/01 15:10
2025年2月 (1件〜100件)
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