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2022/10/03

  • 「数学に魅せられて科学を見失う」を読む

    著者:ザビーネ・ホッセンフェルダー訳者:吉田三知世発行:みすず書房2021スイス・ジュネーブ郊外にあるCERN(欧州原子核研究機構)に建設されたLHC(大型ハドロン衝突型加速器)により、2012年にヒッグス粒子の発見された。これにより、標準模型の最後のピースが埋まった。しかし、重力を含まないという点で万物の理論としては不十分であるし、数学的な美しさをから求められたいくつものモデルは、実験で確かめられたものはないし、そもそも実験で確かめることをあきらめたようなモデルもある。物理学の華々しい成功は20世紀の物語であり、万物の理論を求める物理学は行き詰っているのではないか。それは、数学的な美しさにあまりに拘泥するせいではないか。本当に物理学の理論を数学的な美しさを前提として考えることでよいのか。そうした疑問、疑...「数学に魅せられて科学を見失う」を読む

  • 「紫式部 愛の自立 光源氏・道長を栄光に導く」を読む

    著者:石村きみ子発行:国書刊行会2023今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」を興味深く見ている。高校生のころから平安時代に関心があって、日本古典文学大系の「大鏡」や「栄花物語」を古書店で購入した。・・・がそのまま積読になって数十年経過した。大河ドラマを契機に「大鏡」を取り出してみたが、さすがに古文はなかなか敷居が高い。そこで講談社学術文庫の「大鏡全現代語訳」を購入して読み始めた。「大鏡」には紫式部は出てこないので何か良い本はないかと本書を手に取った次第である。本書では、源氏物語のあらすじと道長、紫式部の現実での姿が交互に書き進められていて、源氏物語の全体像を時代背景の中ですこし理解できたかなと感じた。平安時代は、和歌が貴族の生活の重要な一部をなしており、物語の中でも現実世界でも和歌が重要な役割を演じている。...「紫式部愛の自立光源氏・道長を栄光に導く」を読む

  • 「シルクロード全史(下)」 を読む

    著者:ピーター・フランコパン訳者:須川綾子発行:河出書房新社2020原書名:TheSilkRoads:Anewhistoryoftheworld(下)は、17世紀位からのオランダ、イギリスの台頭あたりから始まる。大英帝国の誕生、ロシアの中央アジアへの進出やさらにはペルシャ(イラン)、アフガニスタンを経てインドにまで覗う南下政策、それを警戒するイギリスとの確執。オスマントルコの弱体化に伴う、イギリスとフランスによる恣意的な中東分割、さらには、中東で発見された石油をめぐるイギリス、ロシア、第一次世界大戦を経てイギリスに代わり覇権国家となったアメリカなど各国のせめぎあい。そこでは、ペルシャのシャーなど中東各国の政治的指導者者が中東の一般市民のことなどお構いなく、先進各国の確執を利用して私腹を肥やしていく姿。先進...「シルクロード全史(下)」を読む

  • 「アインシュタインの戦争」 を読む

    著者:マシュー・スタンレー訳者:水谷淳発行:新潮社2020原書名:Einstein'sWarアインシュタインは、1905年に特殊相対性理論を発表し、1915年までに一般相対性理論を完成させていた。イギリス人のアーサー・エディントンは、1919年にアフリカのプリンシペ島に遠征して皆既日食を観測し、太陽の近くに見える星からの光が太陽重力によって曲げられ、本来の位置から外側にずれることを確かめた。これにより、一般相対性理論が正しいことが実証され、一夜にしてアインシュタインはニュートンを越えた天才として有名になった。この話を当時の欧州における政治的状況と絡めて詳細に記した書物である1914年から1918年までは第1次世界大戦により欧州は混乱の極みにあった。科学者もその混乱に巻き込まれ、あるいは率先して参画し、対戦...「アインシュタインの戦争」を読む

  • 「シルクロード全史(上)」 を読む

    著者:ピーター・フランコパン訳者:須川綾子発行:河出書房新社2020原書名:TheSilkRoads:Anewhistoryoftheworldまだ(下)は読んでいないが、忘れないうちに(上)の感想を書いておく。歴史はヨーロッパ史、中国史など、地域ごとに高校では習ったように思う。イスラム世界や中央アジアについては、ペルシャ、サラセン帝国(今はこう言わないようだ)、セルジュクトルコ、モンゴル帝国、チムール帝国、オスマントルコなどが強大な時期について少し触れたくらいだったように思う。本書の書名はシルクロードであるが、東西世界の交流を細かく描いた書である。飛行機で世界のほとんどどんなところへも行ける現代に比べ、昔は限られた地理的範囲での活動が主であると考え勝ちであったが、本書を読むとはるか昔から、世界規模での交...「シルクロード全史(上)」を読む

  • 「物質は何からできているか」 を読む

    著者:ハリー・クリフ訳者:熊谷玲美発行:柏書房2023原書名:HowtoMakeanApplePiefromScratch物質が何からできているかを、原子から始めてどんどん細かくその構成物質をたどっていく話。電子の発見、陽子の発見、中性子の発見、それらが核融合反応で元素を形成していくことが、発見者のストーリーを交え詳しく語られている。恒星内の核融合反応では鉄までしか生成できないということは他の書でも書かれているが、酸素、炭素、窒素などの生成過程が詳細に書かれているのをはじめてみた。話は、さらにクォーク、ニュートリノ、ヒッグス粒子など素粒子の標準モデルの話が分かりやすく展開され興味が尽きない。クォークの色というのは、強い力の作用にかかわるもので、電磁気力では+と‐しかないが、強い力では3種類(赤、緑、青)あ...「物質は何からできているか」を読む

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