佐々木先生に呼ばれた私達は玄関の脇にある個室に入った。ここは、患者さんの家族に入院手続きなどを説明したりする、いわば、応接室なんだけど、今は本来の目的でつかえるわけもなく、医師というか、男性陣の私室になっている。と、いっても、ほとんど治療室に立てこもりの状態で先生二人がココで並んで睡眠をとるなんてことはない。まあ、そんなことは今かんけいのないことだけど、話し場所として、ここを選んだのは単に患者に話がつつぬけにならないという部屋の位置によることでしかない。「しってのとおり・・・」いいながら、佐々木先生はかすかに、明美をみたようなきがした。「搬入トラックが随分おくれている・・」そうなんだ。佐々木先生の言うように搬入トラックは予定の日にちより5日もおくれているのに、まだきてない。でも、薬品も食料の備蓄も問題がな...空に架かる橋5
夜からの雨が木立に辺りそとはしとしとという音をたてている。レトルト食品を温めただけの食事を皆にくばりおわると、仮眠ベッドに横たわったあたしの耳にかすかな銃声の音がきこえた。「ちかくなってきたね」隣のベッドに身体を横たえた明美はベッドの中で息をころしている。「大丈夫よ・・・ここは」病院への攻撃は禁止されている。だけど、実際のところ、不可抗力にせよ、病院は砲撃をうけて、片屋根をふっとばされている。「わかってるよ」明美は小さく息をはいた。「第一・・・銃弾の音・・・だもの」仮に間違っての攻撃があっても自動小銃くらいじゃ、病院はこわれやしない。「そうだね・・」明美がふっと、ため息をついた。そうだよね。自動小銃がねらうのは、建物じゃなくて、人間だ。明美の不安は哲司にむすびついてゆく。明美はユックリとベッドからおきあが...空に架かる橋6
朝には雨がやんでいた。遠くから銃弾の音が散漫にひびいてくる。あたしは東さんの包帯を替えながら、その音の意味をかんがえていた。銃の音は病院の後方の山向こうからきこえるきがする。そして、緩慢な発砲。これは、部隊が後退をしいられているということではないだろうか?発砲を繰り返しながら部隊が山の中に逃げ込んでいる。つまり・・・。それは、この病院がもう、敵の陣地の中にのみこまれたということになるんじゃないのだろうか?そのとき、東さんがぽそりとつぶやいた。「片足だけじゃあ・・もう、どうにもなりゃしねえなあ」東さんも部隊の後勢をさっしている。部隊に戻って参戦して味方を支援したいのだろう。だけど、既に参戦できる身体でもなく、本部に帰還するしかない東さんに武器も必要ないと武器さえもたされちゃいない。とおくで、また、鈍い爆発音...空に架かる橋7
参戦なぞできるはずもない東さんでさえああだったから、あたしは、当然、哲司のことが気になっていた。目の端でさっきから哲司を盗み見しているんだけど、明美が哲司になにか、話しかけていた。しばらくすると、哲司は自分の服にきがえだして、たった一つの武器である自動小銃をベッドの上においた。ああ。哲司は部隊にもどるんだ。明美は?明美は哲司の傍をはなれると、あたしの傍をすり抜けざまに伝言をよこしてくれた。「哲司の出発の準備をしてくる」あたしは明美に返す言葉を見つけられなかった。多分哲司も朝の地雷の音で部隊の状態を判断できたんだ。そして、部隊と連絡を取ったに違いない。いつのまにか、あたしは哲司の傍にちかづいていた。「いくのね?」「ああ」哲司がひどくぶっきらぼうにこたえたのは、少しでもココにいたくなる自分をおさえつけるためだ...空に架かる橋8
昼食を終えると哲司は「いってきます」と、ちょっと、そこら辺に旅行にでも行くように簡単に出発をつげた。立ち上がった哲司を見送るために明美も哲司のあとをついていった。それが、哲司の生きてる姿を見る最後になったんだ。玄関先での長い抱擁のあと、明美は哲司の瞳の中に笑顔を残そうとつとめたことだろう。だけど、そのあと・・・。玄関を出た哲司は鍛え抜かれたスナイパーのたった一発の銃弾に頭を打ち抜かれ明美の眼の前で地面にくずれおちた。即死だった。哲司に取りすがる明美の看護服は哲司の血に染まり、明美の傍に近づいた、影は明美にむけて、威嚇の銃筒をむけた。明美の傍らを何人かの兵士がすりぬけてゆくと、そいつらは、あたし達のところへやってきた。武器など持たない患者も先生もあたし達もただ、大人しく、てをあげるしかなかったけど、兵士達は...空に架かる橋9
みんな。自動小銃を担ぎ玄関にむかってゆく。なんで、あっけなく、状況はかわってしまうんだろう?さよならの言葉を皆はのみこんで、外にでてゆく。朝もやがゆっくり光の中でゆれうごく。もやの中に並んだ兵士は玄関先にたちつくすあたしに敬礼をする。並んだ兵士はあたしの指揮をまつかのように、じっと身じろぎひとつせず、敬礼の姿勢を崩さずあたしをみつめつづけていた。「さ・・さよなら・・」いってらっしゃいという言葉で見送れない別れ。あたしはくずれてゆきそうな身体を門柱でささえ、兵士が敬礼をとき、前進して行くのをみまもっていた、涙でかすむあたしの目の中でストップモーションのように隊列を抜け出て、走りよってくるリックがみえた。リックはあたしの傍にかけよってくると、あたしを抱きしめた。あたしの目はリックが戻るべき仲間の表情を追おうと...空に架かる橋終
空に架かる橋に寄せて真摯なレスありがとう、何回も読み返しました!そうよね、性に関する考え方とか感じ方もきっと私と全く違うはず・・。他の人も・・・きっと、私のコメントごときで遠慮するほど、憂生の作品を軽く読めないと思う、と思い至った・・・。黙ってられなくなるに違いない。もしくは黙っていても心の中じゃあれこれ自分なりの色んなコメントが渦巻いちゃうに違いないんだから・・・。「私もそんな目にあってみたい」って言った人の背景はわからないから、軽々しく言えないけど、そういう人は空に架かる橋の、あの作品の真底の本質の・・・そういった部分まで目が届かないのじゃないかな・・・表面の性描写だけに目を奪われるとせっかくのもっと深いとこのあれだけのテーマを見損なっちゃう気がする・・・。(もったいない読み方)何となくさ、性の描写の...「空に架かる橋」の後ろで・・カフェ日記とBBS・・・終
ちょっと、陰気な話になったか・・ごめんな。mahirururuちゃん。ここに返信を書くのにちょっと、はまっちゃってるかな?まあ、こういう形で日記を活用?しだしてみたら、なんだか、また、日記にまいもどってきてしまってるんだけどさ。mahirururuちゃんへの返信で大江健三郎がでてきたので、もうひとつ思い出したことを書くよ。と、いうのが、それは、「空に架かる橋」の設定の中にも大江の影響?があるって事なんだよ。「空に・・」で、敵兵が患者たちを抹殺してゆく。当初、この抹殺された患者の死体をどうするか?これにずいぶん悩んだ。敵兵が地面に穴を掘って死体を埋める?いやあ、それなら、まず、患者に穴をほらせるだろう?だけど、けが人とか、そんなものが穴を掘ってるのもおかしくないか?軍法会議にかけられるという設定もある。する...「空に架かる橋」の後ろで・・カフェ日記とBBS・・・5
ごめんじゃねえよ~~~!!レナあっ、でもごめん・・あれっ?変じゃん(爆)ちゃう・ちゃう・・邪魔するで~のごめんやわ・・・救いようのない話になるん?・・マジで?んじゃ・・酸素準備しておかにゃマズイかなぁ・・・マジで読んでる最中・・息忘れそうになるでぇ・・・どんな終わりでも・・気に入った◎たぶん皆様そーでしょう・・・ってか・・お邪魔いたしました・・はぃ(逃げっ・・)1:憂生ありがと。昨夜に14をしあげたかったんだけど、あきらと連絡をとっていたりしたら、タイムアップになってしまった。朝にでもと、思ったんだけど、30分でかきあげられるかどうかは、ちょっと自信が無かった。だいぶ始めのほうにでていて、忘れられてるだろうけど、奴らにとって、敵兵とはいえないハズである、源次郎さんのことを書かねばと思ってる。たとえ、...「空に架かる橋」の後ろで・・カフェ日記とBBS・・・4
う~~ん相変わらず、トラックバックが良くわからずにほうっておきっぱなしでいる。このブログを私リストに追加する。って言うところもひらいてみるんだけど、やっぱし、いまひとつ、よく判らない。本格的にブログ主体でうごいてないせいもあるんだけど、カフェのように訪問者様がわからないという部分が今ひとつ、ブログを主流にできない要因かもしれない。そうおもうと、憂生もコメントなり、トラックバックをのこさなきゃ、あいての人もきたことさえわからないわけだよな。う~~む。しかし今は「空に・・・」を書くことに集中したいとおもってしまうんだよな。このブログにむかうと・・。あかん、チョち、カフェに戻ってこよう。1:レガ>やっぱし時代物のほうがいいなあああぶつくさ言ってないでどんどん書いてくださいね♪ビシビシ!(僕も誰かに相当せっつかれ...「空に架かる橋」の後ろで・・カフェ日記とBBS・・・3
ふむむリンクナンバー一の(憂生’sチュートリアル)に「空に架かる橋」をいくつかずつ、くくって、、編集?してます。当初、30くらいでおわるとおもってたのですが、人物の心理説明?/に、なってねえが/に章が必要になってしまった。おそらく、その60くらいで、おわるのではないかとおもってるんだけど・・。いつも、いつも、ひっぱるだけ、ひっぱって、すみません。もう、しばらく、おつきあいくださいませ。1:憂生ありがとう。ブログのカウンター数値。それが、また、憂生をひっぱってゆく。2:憂生内分け・・・。「空に・・・」を、書き始めて一月がたったろうか。ある時から、アップニュースを流すのをやめた。この物語はかなり、「重い」ものです。実際問題、自分の人生や、身近な人間の命。読むのに辛い。読んだら辛かろう。こういうものをいっぱい、...「空に架かる橋」の後ろで・・カフェ日記とBBS・・・2
「なかなか」さてさてさて・・・と、いいながら、ちっとも、続きをかかず、あいもも変わらず、「ぶつぶつぶつ」を更新させています。非情なる一本打ち打法により、変換が間に合わず、平仮名の多い憂生ですが・・・。この怪我の時もいろいろ、思いましたね。後年、空に架かる橋を書いたときにその時の思いがベースになっています。「千切れた手首にも、意志がある」この部分です。実際、憂生も怪我の時に、似たことを思いました。たいした怪我にみえなかったのですが、もう一度、怪我を見つめた時、「ああ。もう、元にはもどらない」と、想った時に意識が遠のきました。憂生本人、そんな怪我でどうのこうのという人間ではないと想っていましたので、自分でも不思議でしたが、意識が戻ってきた時、覗き込む人々の姿で「ああ、夢じゃないんだ。現実なんだ」と思いました。...「空に架かる橋」の後ろで・・カフェ日記とBBS・・・1
☆おわりました。説明不足な思い。考え。いろいろあるのですが、兵士達もいつか、空に帰ります。空に帰ることをおそれないのは、あたしという存在が空に架かる橋になったのだという事だけを付記しておきます。憂生☆始めは恐ろしく憎い対象であったはずの兵士たちが、発ってゆくとき流した「あたし」の涙。そしてリックの最後の抱擁。それだけですべて語られてる気がする・・・今まではただ殺してきた戦士だったであろう敵軍兵士たち、彼らがマドンナの「あたし」を撃ったのは、ただの殺戮じゃなくたしかにあったかい血の涙が存在するんだね・・・悲しいけど・・・「あたし」を一人でそこに取り残すラストじゃなくて・・・何故か少しホッとしてる私もいる・・変かもしれないけど(T-T)☆おつかれさまでした。ありがとうございました。そしてまた。自分たちがいつか...アトラス語録・・終
あたしは事実を確かめるために仮眠室をでた。兵士達はやっぱり、出撃に備えてあわただしく身支度をしている。でていくんだ・・・。みんな、ココをでていくんだ。あ?あたしはどうなるわけ?ここにいて、味方が負傷してくるのを待つわけ?医者もいないこの場所で?仮眠室を出て来たあたしを兵士達はひどく明るい笑顔で出迎えてくれる。「やあ、とうとう、部隊長も陥落したね」まるで、陣地とりのように、あたしの満足をほめるけど、あたしは、そんな言葉がほしいわけじゃない。「いっちゃうの?」行った先になにがあるか。30人近く居た連隊がたった14人になり、後方軍を突破する敵と闘う。ここにいたって、あたしの国からの援軍にはさまれるだけ。せめて、自分の死に場所を味方への援軍というかたちにするだけで、やはり、たどり着く所は空・・・の彼方。死んじゃう...空に架かる橋66
「空に架かる橋」も、あと2回。突然の幕切れ?と、思わせてしまうかな?この2回で、「なにもかも」を、語るのは、難しいだろうけど、もしかしたら、「なにもかも」を、語れているかもしれない。と、思わせてくれたコメントアトラス語録も後、1回。探してみると、まだまだ、メールやら憂生の御託wwwやらあったので、空に架かる橋を、揚げ終えてから、順番替えの隙間にいれようと思っている。「空に・・」も、もう2回で、完了
移送トラックが来るのは、今日の予定。出発がコレに関係するのだろうか?でも、撤退していったあたしの国の兵士達の情報で、ここが、占拠されたと推測されるだろう。そうでなくとも、本部と病院の直線上に、敵兵が待ち伏せるとかんがえるだろう。どのみち、病院は両陣営の搾取の的。吾国はプライドをかけて、病院の奪回にかける。いずれにしろ、病院はどちらかの陣営に利用される。移送トラックが来るとしたら、そのトラックの荷台には、兵士が潜むだろう。その後ろから追撃の軍隊が前進してゆく。そこで、肉弾戦が始まる。敵の後続部隊がながれこみ、さらに吾国の攻撃陣が投入されリックのいう大型兵器が照準を合わせ始める。パールハーバーの時のように、吾国を追い詰めてゆく。大義名分さえ、できればそれでいい。敵の国はリックたちを囮につかい、病院内にいた兵士...空に架かる橋65
男達のさざめきが静まり返り、あたしは、夜明け近くになってもやってこない「彼」をかんがえていた。このまま、彼はあたしを許さないまま。なのだろうか?欲望に飲み込まれる自分を許さないままだろうか?そんなにも、彼の精神は強靭であるのなら、あたしは、もとより、他の兵士の横行を何故、許すのだろう?彼の底にだって餓えはある。あるはず。あたしは、彼を待った。必ず・・・来る。来なきゃ、おかしい。夜明けの風が、白い光をつれてくる。薄墨色にもやがかかり、小鳥達も枝を離れることもできず、身体を夜露にふるわせている。彼は来る。こんな寂しい朝はきっと、誰かのぬくもりがほしくなるに決まってる。かたりと、音がすると、扉が開いて戸口に腰をかけた男が軍靴をぬぎはじめる。あたしは、かけよりたくなる心をその手に映す。手をさしのべ、彼を招く。彼は...空に架かる橋64
食事を持っていった兵士が仮眠室から、なかなか出てこない。それが彼らにひと時が始まったと教える。銃を手入れしながら、あるいは、食器をかたづけたり、シャワーをあびたり、運悪く、見張り番がまわってくると、なげいてみたり、各自がその時までの期待さえ楽しんでいる。拒まない女はまずいない。ましてや、敵兵。金をやるわけでもない。渡されてもうけとりゃしない。自己嫌悪をうずめる術もなく、女に無理やり挑みかかって後に残る居心地の悪さに辟易するのがお定まり。なのに、マドンナは優しい。切なくあえいでくれる。兵士の中で何かが吹っ切れる。それが、なにか?わからないけれど、こうならば、俺も捨てたもんじゃないさ。と、なにかが、兵士をなで上げてくれる。胸のつかえが取れたときのように妙な爽快がわいてくる。ひょっとして、コレが生きてるって実感...空に架かる橋63
夕方に目覚めるとあたしは、おきあがって、まず、トイレにいった。治療室の脇に検尿専用のトイレがある。あたしが、治療室にでてゆくと、兵士達がいっせいに声をかけてくる。「ゆっくり、ねむれたかい?」「いま、ウェーバーが食事をつくってるよ」横をすり抜けるときには、切ないめくばせとともに、「あとで、また・・いくよ」と、恋人のようにささやいてみせる兵士。マドンナ。究極の娼婦をそう言い換える、彼らのあたしを見つめるまなざしが痛い。トイレにすわりこんでみれば、尿より先におちてくるのは、兵士達が打ち離した精液・・・。あたしの瞳からふいになみだがあふれた。落ちて行く粘りのある液体は奈落の底に落ちて行く命そのもの。命を生み出す事もかなわず、あたしの身体は精液を身体の外におしだしてゆく。でも、ひょっとして、妊娠するかもしれない・・...空に架かる橋62
まだ、どうなるか、判らない。判らないけど、どのみち、あたしは、たすからないんだろうなと、おぼろげに判る。リックはつかの間の命をむさぼる。あたしは、精一杯彼を受止める。大型兵器を誘い出す軍略。それにはめ込まれた図式のなかで、あたしは、たった一つの至福なんだ。あたしは今になって兵士達が明美や千秋にまで群がらずに置けなかった心の底の空虚を思い知らされた。其れは、又、あたしという人間の命の軽さと同時にココに生きているという偶然の重さを教える。せめて・・・。今を精一杯いきてゆくしかないなら、それが、あたしも、兵士達も同じ事なら、せめて、あたしは、自分をなめらかにさせてゆこう。リックの背に回した手があえぎの中でゆるんでゆく。あたしは、自分の身体が不思議だと思う。生きている証拠のような快感という感覚をこんなにも湧き上が...空に架かる橋61
「僕らはココを占拠し、後続部隊の前衛基地にするためにきたんだ」リックが何をつげようとしているのか、あたしは直ぐにピンと来なかった。だから、「でも、病院を占拠するのは、条約違反だよ?」わかってるはずだよね?と、たずね返したんだ。リックはあたしの言葉に自分たちの悲壮な覚悟を話さずに置けなくなったんだ。「僕達がココでは安全な基地を手に入れることはむつかしいことなんだ」当たり前のことだろう。敵の国にのりこんで、戦陣を拡大してゆくに、簡単なわけがない。「そうじゃなくて・・・」リックは言葉を選んでいる。「なに?」言いたくない何かを言おうとするリックへの誘い水。「きかせて・・・よ」「僕らは捨て駒でもあるんだ・・」思い切って吐き出した言葉の意味は悲しい。「どういうこと?」「どこに前線基地をつくっても、敵を・・・壊滅させる...空に架かる橋60
鳥居に三の紋を発見?(美保神社はかなり、重要・3)この鳥居、美保崎にある。事代主が釣りをしていたと、いう浜?岩礁?がこの鳥居の下にある。いろいろ、疑問が出て来る。なぜ、この場所に鳥居をたてたのか?鳥居を立てたのが、いつのころか、調べていない。と、いうのも、鳥居に愛媛の河野氏の家紋と思われる「三の紋」があったこと。(当時)その方が重要だった。なぜ、重要だったか。日本には、馬が居ない。と、言われていた。ところが、素戔嗚は、高天原で、斑馬(ふちこま)を持ち上げて・・・・と、書かれている。野間馬(のまうま)はウマの一品種である、また日本在来馬の一つとしても知られている。2018年現在日本の野間(愛媛県今治市)で飼育されている。体高はおよそ110-120センチメートルと小型で、ポニーに分類される。毛色は栗毛、鹿家が...日本に馬は居ただろうけど、騎馬できたか、どうか・・
伊予の河野氏の紋と、記憶している。距離的にかかわりがあるとは思えないが、海路を手繰りたくも成る。村上水軍という存在がでてくるだけの航海術や造船術があったともかんがえると、瀬戸内海から日本海まで抜けたかも?画像では、判別しにくいが、注連縄の下、六角形の銅版がみえる。その中に三の紋があった。これが、後で行く神社の舟神事の船にも発見される。このことからしても、三の紋は「舟」をこぐ者に関連があると思える。また、鳥居の解説にもあるが、この美穂崎は北陸からひいてきた?国引き神話がある国だから、あちこちから、ひいてきたに違いないだろうと、苦笑するものの、北陸・・・。突然現れた継体天王。その出地は北陸。かなり発達した文明?文化?持っていたという北陸の民族の中から彗星の如く現れた?一方、もうひとつの日御崎は朝鮮半島・・・。...鳥居に三の紋を発見?(美保神社はかなり、重要・3)
憂生は自分の作品をよく、解説?する。人によっては、作者が自分の作品を解説するのは、おかしい。という人もいる。表現しきれてない、と、いう「いいわけ」「つけたし」に、見えるのだろうか?あるいは、作者が語ることによって、「そういう読み取り方」に限定させるような、そういう固定したものを、もたせてしまうことになるからだろうか?いずれにせよ、解説するタイプの憂生にはわからない。憂生が解説するというのにも、二手ある。書き手の立ち居地で解説するときと、読み手の立ち居地で解説するときと。書き手がいくら、こういうつもりで、書いたといっても、いつかあげた「蛙」へのぶつぶつ・・のように、読者さまは、すきなように読むだろう。読者の「なにか」に反応するんだから。そして、書き手としては、実にはなもちならない思い方をしている。こんな、解...物書きの習性
あたしのもとにきてないのは、リックと部隊長だけになった。リックはきてないけど、すでにあたしと・・そういう事をしているから、べつの言い方をすると、あたしをだいてないのは、部隊長だけになったといえる。リックは自分でも下っ端だからといったから、こういう事の順番もやっぱり後になるんだろう。そのリックが昼食を運びにきた。リックはこころなしか、寂しそうな笑みをうかべていた。「正々堂々と君のところにやっとこれたのにね・・・」と、わらうと、「とても、遠い人になってしまったみたいにも、簡単に僕が触れてもいいんだろうかとも思う」と、つけたした。つまり、あたしが食事をおえたら、次はリックの時間になるということだ。「すこし、はなしをしたいな」自分の分のトレーを膝に置くとリックは食事の時間にすこし、さいても、会話をたのしみたいと、...空に架かる橋59
昼に近い朝。そうだね。時間で言えば、十時?その頃にはあたしは・・・、神話になってしまっていた。「彼女はすばらしい」「彼女は聖女だ」救いの手を差しのべたという意味らしくて、あたしはおかしくなってくる。コレが平和なときだったら、あたしはただの淫売?遊び人。好き者。内容はちっともかわらないのに、それを求めてくる男の心が違うだけ。平和だったら、軽蔑され、後ろ指を差される性欲解消が死をとなりあわせにしてみたら、はじめて、高貴で神聖なものにかわる。性自体・・。本来、どうであろう?性は本来厳粛であるべきセイント。なのに、平和なじだいには、ガラクタのように簡単に扱われていた。同じものが、色をかえるのは、人の心が変えているだけにしか過ぎない。原子力を武器にするか、兵器にするか、それは、人の心がきめてゆくだけのこと。だけど、...空に架かる橋58
部隊長は、どういう命令をくだしたんだろう?あたしは、夜が明けるまでにさらに忍び寄ってくる兵士を数える事になる。朝になれば、当然のような顔をして、別の兵士がやってくる。暗黙の了承?順番がきめられ、兵士は「男」になりにくる。あたしは、ただ、この部屋に居るだけ。兵士はベッドに眠るときでも靴を履いたまま、ねむっているというのに、「男」はこの畳の部屋に上がるときには靴を脱ぐ。もしも、ここに敵がなだれこんできたら?靴一つも履く暇もなく戦闘体制にはいる。自分の命を危険にさらす。それは、武器をもたずに、戦闘に参加してゆくあほうのようでもある。いいかえれば、命をなくす危険と、同じ重さであたしを抱こうとしているのだ。だからこそ・・・。あたしは、戸口の段差に腰をおろし、靴を脱ぐ兵士がいじらしく、見えて仕方が無かった。なんのてら...空に架かる橋57
時折、「人の書いた小説はあまり読まない」そういう。これは、好みじゃないとか、そういう事じゃない。なぜなら、プロと呼ばれる人の出版物も、好きな作家のものもほとんど、読まない。一時期は、よく読んだ。自分が書き出してから、特に、読まなくなった。一番、怖いのは、やはり、プロの文章力、表現力だ。これを読むと、自分のものが、ちゃちすぎて、かけなくなる。次に怖いのは発想・・ストーリー・着眼点。掘り下げ方。独自なものが、薄れる。あそこまでの、ストーリー思いつけないとか、自分に無いものを求めてしまう。陰陽師ものを書いたときも、夢枕獏の陰陽師がブレークしてた頃だったと思う。それでも、一切、陰陽師の本は読まなかった。史実的な部分。調伏の法、5ぼうせいをつかうか、6ぼうせいをつかうか、こういうきちんとした、下調べも必要とも思えた...「生」をかいていくために
ちょち、メールから、抜粋。ごめんにゃ。***憂生の書く女性は、めめしくよわくないところが好き。あたしはあたしと真逆のずるくなく、潔く、魂が綺麗な、強い女が好きなんだなぁってのもさ、いっぱい物語とか読むうちに気付いたことだったりしたので・・。--------------------------------------------------------------------------------てかああああ。↑をよんでさあ。逆に気がついたのが憂生だったるするわけですよ。ある種、似たパターンの女性を書くことが多いのだけど、憂生に、判っていたのはしたたかな女性っていうのかな。生きて行くぞ。生きて行くぞ。って。転んでもただ起きない女性。ん?よくばりなだけかあ?なにか、一本筋を通してゆけるってのかなあ。なんにせ...竹よ・・・竹よ・・・なよ竹の汝の名こそ女なり・・・。
治療室に入るとあたしは、奥にすすんでゆく。仮眠室にはいり、あたしは千秋の生きていたときの痕跡をみつめる。畳に落ちる血の痕。望みもしない性をうけいれたくない相手に奪われ、必死にあらがったんだろう。千秋の悲しい叫び声が畳に染み付いている。露木先生を追いここまできて、先生の傍に居れるようになった代わりに無くした命。無くした純潔。一人の人のために命をなげだしてしまえた、明美や千秋。あたしは、いま、自分が一番不幸に思える。誰か一人を愛してないから、あたしは生きてこれた。だけど、この命に何のおもみがあろう?死を引き換えにしていいほどに追い求める心を持たないあたしは、余程不幸に見えてくる。千秋が仮眠を取った布団をかたづけて、あたしは畳を拭く。千秋の悲しい思いをぬぐいさるように、今は露木先生の傍らに眠る千秋だけがあたしの...空に架かる橋56
あたしがシャワーを浴びてる間に兵士達は食器をかたづけ、部隊長は改めて部隊の秩序を皆に敷いた。深夜の見張り役。食事を作る兵士の順番。そして、これからのこと。ネットワークから何をさぐったのか?あたし達を迎えにくるはずだったトラックはどうなったんだろう?ココへ連絡を送っても反応がなかったことで、方針を変えたかも知れない。連絡があったのか、それさえ、あたしにはわからない。だけど、いまさらトラックがきて、どうなるというんだろう。ここが、占拠されているとわかれば、部隊をくりこんでくる。そして、ただ、死者がふえ、仮に病院を取返しても、死者やけが人の犠牲をはらったことが、むなしくなる。生き残っているのはあたしだけ。他の皆が死んでる事を確認するためだけに払った犠牲がいっそう、悲しくなる。無駄死。犬死。こないほうがいいんだ。...空に架かる橋55
出来上がった食事は保温トレーにおかれ、さらにワゴンに乗せられる。ワゴンをおし、あたし達は診察室に戻っていった。レトルトを温めただけの、クリームスープ。チキンステーキとゆでた野菜。これも、冷凍食品を解凍しただけのものだけど、湯気をたてている。いつもはご飯を用意していたけど、冷凍パンをさがし、40度に設定した解凍トレーのうえにおいて、パンがとけるまでの間に副菜を用意した。そのワゴンが治療室に入ると、壁にもたれ、浅い眠りをむさぼっていた兵士達は目を覚まし始めた。食材の匂いはかぐわしく、兵士達にひもじさをやっと、おもいださせていた。床に座ったままの兵士にトレーを渡してゆく。ベッドの簡易テーブルの上にもトレーをおく。あたし一人がつくって、持って行ったら、彼らはあたしの報復を恐れ、食事には手をつけなかったかもしれない...空に架かる橋54
あたしの後ろをリックが歩く。部隊長はあたしをみて、よびとめた。あたしは、リックと二人ですることを話した。「そうだな・・・」部隊長はまだ、やるべき任務を終えてないことを思い出していた。患者を一掃しおちついたら、最初にやるべきだった任務はネットワークに侵入することだった。その任務をかく乱させ部隊の統一を乱れさせたのは、女が、ここに居たせいだ。皆規律を忘れ本能のままに行動する自由をえた錯覚に陥らせるほど女の身体と性への欲求は魅惑すぎた。その魅惑にもっとも深くおぼれた人間が本当に溺れ死んだ。冷静さを欠き、統一を失った部隊にあたしが申し出た事は規則正しい秩序と、規律に戻って行くきっかけにもなる。「よろしく、頼む」部隊長は不思議な顔をしながら、もうひとつ、あたしに言った。「なぜ・・・。君は我々に協力してくれるのかね?...空に架かる橋53
無言。無言。無言のまま、兵士は肉塊を運ぶ。最後に死んだばかりの青年がはこばれてきた。彼を取り巻いていたものが最後に彼を運んだのだろう。生きていた兵士だったのだろう。無残な胴体。佐々木先生だって、治しようが無い。佐々木先生はきっと、治療をことわったんだろう。どうしようもない。身体を救うことも出来なければ、思いを救う事も出来ない。あの、メモの通りだろう?佐々木先生が選んだことに、兵士が自分達を見たんだろう。むしけらのように死ぬしかない。佐々木先生が突きつけた死の宣告は彼にだけでなく、周りの人間を打ちのめしたんだろう。その言葉を言った佐々木先生は・・。助かるはずも無い少年兵を手術した先生は同胞である、露木先生へ死をつかませた事を一番、にくんだだろう。報復というのとは違う。人として当たり前の善意がそのまま受止めら...空に架かる橋52
どうして、こうも、兵士達は死者を我目に触れないようにすることをいそぐのだろう?あたしがリネン室にたどり着いたときには銃を撃たれただろう佐々木先生の姿も無く、傍に居たんじゃないかと思う千秋も居ない。無言のまま肉塊をストレッチャーに積み込み、兵士達はホルマリン室に向かう。露木先生がずっと姿を現さないことにも嫌な予感をおぼえながら、あたしはストレッチャーの後ろを着いて歩いた。リックがあたしの後ろを歩むのは、せめてものなぐさめのつもりだろうか?リックにはなにもかも、どうなっているか、想像できていたのだろう。あたしが着いていった先のホルマリン室のホルマリン浴槽。その中に佐々木先生が居た。それだけじゃない。露木先生も裸身のまま浮かびその傍らに千秋。三人を取り巻く菊の花のような赤い肉片。皆・・・死んじゃったんだ。露木先...空に架かる橋51
あたし達はさかる。敵でもない。男と女でもない。その部分の快楽をただ、追従してゆく。そのひとときはあたし達に生きているという。(気持いいよ・・)平和であれば当たり前のように手に入れられた快楽はいま、貴重な宝物のように光り輝く。心の底も無い。今はただ、二人が二人だからこそ生み出す事の出来る不思議な共鳴におぼれる。頭の中に沸いてくるのは快楽の一点。それを追う。あたし達は自分の身体を可愛がってあげる。それしかない。そのことしかない。戦争も無い。愛情もない。ただ、肉体への愛撫をあたえつづけることが、ひと時の頂点。小さな快楽はやがて大きな波を生む。「だめだよ・・いっちゃいそうだよ」リックに応えて行く身体は確かに生きてる感覚を味あわせてくれる。あたし達の永遠はいつまでもつづくかのように、その波をひき、又押し寄せてくる。...空に架かる橋50
若い頃・・・(今も、若いを通り過ぎた幼い頭であるが・・)道元禅師の話に、いたく、感銘を受けた。境内を掃除していた、二人の修行僧。ふとみると、風で木々がざわざわと動いていた。それを見た、ひとりの修行僧がーあれは、木が動いてるーと、いう。もう一人はー風がうごいてるから、木が動いて見えるので有って動いているのは、風だーーいや、木が動くから、風が動いてると判るのだー木が先か風が先か・・・(鶏が先か、卵が先か・・みたいな・・?)と、結論がでないので、ここは、道元禅師におしえてもらおう。(お互い、自分の方が正しいと、言われると思っていたかもしれない)そして、木が先か・・・風が先か・・・道元禅師に問うてみた。すると、ー木がうごいたのでもない風がうごいたのでもないー二人の修行僧はえ?あれれ?と、思っただろう。道元禅師は答...埋め込む
空に架かる橋の書評が届いた。文章力については、今までにも、読者様から、いろいろとほめられているので、まあ、また、おなじことをいわれているなあ。と、いう、ところはあったのだが、今回、違うパターンだとおもったのは、「こなれている」という言い方だった。独自のスタイルでやっている(つもりだ)けれど、これを「こなれている」と、捉えられるものか、どうかの疑問はもっていた。いや、それで、通じるか?と、いうところだったのだが、まあ、良しであり、「強烈なインパクト」と、「考えさせられた」と、いう言葉により、入り込んだ読み方をさせたらしい部分では、とりあえず安心?なんとか、出版しましょうよ。と、いう担当者の思いいれの言葉に市場でどういう反響をよぶか、みてみたい。と、いうのがあり、ここも、書き手の気持ちをうまく捉えてる。自分が...文章力・表現力・筆力・・・
☆今まで「兵士たち」という存在だったものたちが佐々木先生や千秋によって、心の動揺や苦しさを見せ始めて・・・いよいよ「リック」って固有名詞が出たあたりから、同等の人間なんだものなぁって思い知らされた感じ・・。彼らはもう「あたし」を殺せないだろう・・・って思えた・・・。☆関係ない話?だけど・・自分自身・・思いを残さずに死ねるのか・・不安になってきた(爆)きっと残るだろうけどねっ・・・ってか・・いつの間にココまで進んでた?って、びっくりで・・相変わらずのコメントずれ・・失礼っ・・・・・☆汚れてる?おかしい?・・・そうはどうしても思えないな。「あたし」はこの時、リックにとって間違いなく「聖母」になっていたはずだから・・・。☆♪この都会(まち)は戦場だから男はみんな傷を負った戦士どうぞ心の痛みをぬぐって小さな子供の...アトラス語録・・5
人が人を裁く権利などだれにも無いだろう。それとおなじように、あたしが、リックの犯した罪を赦す権利もないだろう。だけど、赦す。赦さない以前にあたしは、敵兵が行った断行を罪だとは、おもえなかったんだ。「まちがっちゃいない」その言葉にリックは事実をさぐろうとする。赦すといってくれるのか?その罪をとわないと、君がいってくれるのか?それは、本当なのか?あたしの言葉ひとつで、罪が消えるわけは無い。だけど、罪にきずつく心をいやせるだろう。「本心でいうのか?なぜ?」仲間を殺され、同僚を死にみちびかれ、瀕死の少年に救いの手を差し伸べた君を平気で犯し・・。君は「僕が怖い?」だから、優しいふりをとりつくろってくれる?そこまで、僕も君をおいつめている?「馬鹿ね・・・」あたしは、本当に無造作だったと思う。リックの身体をよせつけると...空に架かる橋49
近寄ってきた兵士はまず、最初に自分の名前を名乗った。それはブラックリストに名前を書きいれる査察官を前にあがいてもしかたないと素直に本名をつげるかのようだった。リック・デイバーと名乗った男はそのあとすぐ、あたしのまねをして、墓土の前にしゃがみ、手をあわせた。「リック?」ああ、彼は悔いているのだ。リックがうなだれたまま、手を合わせているのをみていたあたしの口から出た言葉は謝罪といってよかろうか?「ごめんね・・。明美を許して・・・」明美もきっと、そうおもっていただろう。明美だって、きっと・・・。あたしの言葉をきいたリックは顔をあげて、あたしをじっと見つめていた。あたしの言った言葉が意外すぎたのだろう。なにをいったのか、どういう意味なのか理解するまで、リックはじっと、あたしをみつめていたけど、とつぜん、首を降り始...空に架かる橋48
昼過ぎに響いた一発の銃声から、何時間たったのだろう。明美と哲司の墓土を夕日の柔らかな光がなであげ、空はやがて、茜の色。まるで、泣いているように見える。あたしは手を合わせ二人を祈った。深夜のベッドで愛をつむいでた二人を祈ったようにこの世の人でなくなってもやっぱり、二人で居れるように、祈った。祈るあたしの背後から、人がにじり寄ってくる気配を感じた。兵士の一人でしかないだろう。あたしはゆっくりふりむいて、彼をみた。銃を構えもせず、歩み寄ってくるその肩はひどく、力ない。あたしの所に近寄ってくるというより、惰性で歩み続けているようにみえる。無理も無い。彼は仲間をいっぺんになくしたんだ。戦闘態勢にあったって、こんなにいっぺんに仲間を失う事はありえないだろう。ましてや、生きていることを確認したいがための行動が死にむすび...空に架かる橋47
三井の晩鐘かなああ。この話は三井に伝わる話だったかもとおもうのですが、この話を元に、確か、余命いくばくもない母親が自分の子供のために絵本をつくったような。。そんな覚えがあります。話の内容は自分の物語でよく扱う異種婚です。有名な話である葛の葉とかもありますが、この三井の晩鐘は竜と人との異種婚に始まります。細かいところはうろ覚えなので省くか、適当にかきますが・・・。竜である母親は子供がうまれて、まもなしに元の住処である琵琶湖に帰らなくてはいけなくなります。まだ乳飲み子の子供をおいていく母親は自分の目玉をくりぬいて、これを子供にしゃぶらせてくれれば乳のかわりになるからとおいていきます。赤子はくりぬかれた片目をしゃぶりながらおおきくなっていくのですが、まだ、乳離れするまえに、その片目はしゃぶりつくして、しまいます...好きな昔話、童話
アトラス語録・・3のなか・・・前に憂生が日記に書いてた目先の悲惨さに~ってやつ。その真意を掴み取りたい。いつも真っ直ぐに心に突き刺さってくる憂生の言葉だけど、この言葉の真意はつかめなかった。ううん、過去形じゃなくて、今も、かな。だからね。この作品の根底に流れているはずの、憂生の思いを掴み取りたいんだ。そのなかの、目先の悲惨さに~これは、「目先の悲惨さに踊らない」と、いう言葉の事。いくつかの、例はある。例えば、映画「火垂るの墓」これを、たとえにあげると申し訳ないんだけど、主人公が、妹を守り切れなかった。親戚の家での待遇他に、その家を飛び出してしまうわけだけど・・・本当に「妹」を護るなら「我慢」「辛抱」するべき。実際に、似たような境遇になった人はー叔父・叔母に、気に入られるように一生懸命勤めたーと、話していた...「見た目の悲惨さに踊らない」
千秋がホルマリン室から帰ってこず、千秋まで、死んでしまった事を発見したのは、リネン室の肉片をホルマリン室に運び入れた兵士達だった。佐々木先生の最後のメッセージが千秋の死体から、こみ上げてくる。自分達をぬぐってくれる女性を死に追い詰めたのだと死体は無言で語る。兵士達の間の空間には何の言葉もでてこない。ただ、無言で肉片の埋葬を繰り返す。佐々木先生の遺体はどうする?兵士達は一瞬戸惑った。軍法会議にのせられたら・・・。だが、佐々木先生を撃った兵士は、「ホルマリン浴槽に・・」と、命じた。申し開きができるとかんがえたんじゃない。彼も千秋の無言の威圧にこそうちのめされていたんだ。どうせ、たすかりゃしない。軍法会議にかけらられるまで、いきのこれはしない。彼は自分のしでかした事がそれ相当のリベンジをもたらしてくると覚悟した...空に架かる橋46
佐々木先生の言葉は兵士達の臓腑をえぐる。無抵抗の人間の命を奪い、今の享楽を得るために女を犯し、露木先生を惧れ死へ導いた。いま、また、自分達がつらいから、仲間をらくにさせろという。身勝手をへいきで、おしつけ、自分達の狂いを助長させ、いたみさえかんじないのか?人間ならば、すくいもしよう。治療もできよう。その悪魔にも劣る心は腐って膿をはなつ。「私は君達をすくうことはできない。治療は身体をなおすだけ。君達が病んでいることは、この先戦争が終結したときに、君達を一生くるしめてゆくだろう」思いがついて、離れない。思いという病巣はけして、完治しない。「これ以上、君達の病巣をひろげたくはない」仁理に落ちる行動はすべて、死を恐れるところから始まっている。それを間違いだと指摘することは兵士達に逃げ場をなくさせるだけだ。「許せな...空に架かる橋45
佐々木先生がリネン室にはいってくると、まるで、死体のような兵士をみた。足がちぎれ、腕もない、息をしているだけの身体はまだ、損傷をうけている。頭部がさけ、兵士が類推したとおり、脳挫傷。確かに腹部こそキズをうけてないが、構造に与えられた衝撃は破裂、破損をおこさせているだろう。「ドクター」兵士のひとりがたずねる。たすからないのか?たすけられないのか?佐々木先生にたずねることが、万に一つの可能性がないと、判断できるのは、医師である、佐々木先生だけだ。「無理だ」先生の抑揚のない声だけが静かにリネン室に響いた。「たしかにか?」佐々木先生が兵士の身体に触れもせず、言い放った言葉は納得できない。「私は彼をすくえない」プロがいうことだ。医者が言う事だ。本当なのだろう。兵士は深いため息をつくと、佐々木先生に頼んだ。「助からな...空に架かる橋44
千秋の精神は正常な判断をうしなっていた。ううん。正常な判断ができたとて・・・。千秋のこの先に残されたものを判断してみたら、それは、**正常な状況**ではない。千秋はこの先も兵士達の蹂躙をうけとめさせられるだろう。それが生きてる事?身体も心も死んで・・・。男達の道具にされて・・・。それが生きてる事?千秋は机の前を離れるとホルマリン浴槽に向かっていった。蓋を開けると、すぐそこに、やはり、露木先生がいた。「先生・・・」あたし・・・、綺麗な身体じゃなくなってしまったんだよ。それでも、やっぱり、先生が好きだなんて、いえないかな?「先生・・」声を掛けても、手を伸ばしてみても、千秋に応えてくるものは何も無い。「だけど、そんなこと・・はじめから、のぞんでいやしないわ」ココに来ると決めたときから、露木先生を好きになったとき...空に架かる橋43
「悪童丸」においては、政勝が因縁通り越すとはいかなることだと尋ねている。実は、「因縁通り越す」と、書きながら櫻井さながら、憂生もうまく説明できずにいた。判っているのだが的確に言いあらわせる言葉がない。物語中においても、まだ、しっくりきていなかった。それは、通り越すという事でなく因縁を通るという自主的な行動が具体的にどういうことなのか?を、物語のなかで書いていなかったせいだろう。「悪童丸」第2話の時点ではかくことができなかった。物語の中でここをはっきりさせなきゃいけないというのがのこっていくことになり、これが、オムニバスという形式をとらせた。「蟷螂」の話は一番最初の設定だった。だが、よくありがちな話ですでににたような話しが別の人の手で書かれているとおもう。この話から3年くらいしてからだったか。突如ひらめいた...(因縁通り)ー(因縁通り越す)
物語を書いていく中で基本的に、主人公たちの性格や考え方など、いわゆるキャラクター・個性といわれるところを軸にして、書いていきます。ところが、ストーリーを優先させてしまうと、なにか、しっくりこない部分があります。極端になってくると、この主人公じゃこんな事しない。こんな考え方じゃこの主人公らしくない。と、なって続きがかけなくなってしまうことがあります。一番よく覚えてるところでは白蛇抄、白峰大神のラストですね。現在選択している結末がでてこなかったのです。子蛇、みずから、草薙の剣の刃の下に滑り込むというものですが、実際、子蛇を討たねばならず主人公、あるいは、副主人公が討つしかないわけです。ところが、どう考えてもこの二人にはできない。性格というか、精神というか・・・。この物語は、最後で破綻してしまうのかと半ばあきら...言霊ならぬ文霊にできるまで
土用の丑になると、親父は鰻を、炭火で焼いた。普段は魚屋の白焼きの鰻をしいれて、一緒に骨ももってこさせて、骨を天火で焼いて、鰻のたれを作る。ところが、土用の丑の日は、炭をいこらせ、骨もそこでやいて、新たれを作った。鰻が取れる地方であったせいか、小僧寿しなどにいくと、鰻の白焼きのにぎり寿司というメニューがあったものである。このせいか、今でも寿司を握る時も必ず、鰻の蒲焼は購入していた。薄めにそぎ切りにしておいてから、たれをかけて、レンジで加熱しておく。ところが、中国の事件(危ないものが混入)とか、日本産という商品偽装などにより、鰻の値段が上がってしまった。気持ち、中国産はさける・・・し。小ぶりの鰻も最近は見かけず、小ぶりなのは、日本物ということか?新たなる偽装か?でかい中国産の鰻をかってしまったら、鰻の寿司だけ...鰻飯
この白銅の文句?はまあ、じつのところ、憂生の感慨であるといってもよい。讃岐うどんの本拠地まで食べにいって、実演をかねたうどんつくりからはじまり、実際、自分もうどんをふんずけて、こねるなんてこともやったりしたわけで、この時に、まあ、なんちゅうめんどうなことだろうとおもったものである。自宅で作るときは、最近はHBにまかせて、こねてもらうんだけど、それからでも、けっこう、てまがかかる。昔は当然、HBはない。電気もない。ただただ、人力のみである。食べる時間をみはからって、こねるという計算をするのも、寺の鐘だけが、たよりであったか・・・・。う~~む。しかし、うどんの時代考証をとっていなかった。蕎麦にすべきだったか?***********返事はしぶったこえである。「どうした?」「いや、けっこう、台所というは簡単にみえ...稲荷のうどん
多く、職人の頂点を極めるものは「男性」が多い。特に食べ物関連は、女性の進出が少ない。と、いうのも、女性は、いわゆる、生理があるからだそうである。この生理によって、体温の上がり下がりが違うらしくもともと、女性のほうが体温が高いとかで、すし職人は女性を排除してきていた。あと、生理による、味覚の変化があるらしい。同じ仕事を続けていた場合、男性はほとんど、味覚の変化がない。ところが、女性は急に甘いものがたべたくなったり、塩味が薄いとかんじたり、油物がいやになったり(あるいは、よくなったり?)と、舌が狂うらしい。まして、女性は出産・妊娠などがあり、これによっても、味覚がへんかするし、出産後に嗜好がかわるということもあるらしく、同じ味を続けてだしていくということが、むつかしいそうである。つまるところ、女性は家庭料理と...くどをてつのう(台所を手伝う)
ハンバーガーというと、マグドナルドのイメージが強い。だが、このファーストフードというのは、実は実に食いにくい。かなり、大きな口をあけて食べなきゃ、いけない。妙齢の美女を誘ってハンバーガーというわけにはいくまい。美女の方が遠慮するだろう。と、なると、公園でハンバーガーをぱくつくのは、すくなくとも美女ではないだろう。むろん、美女というのは、女性全般をさすから、公園でハンバーガーをぱくつくのは、野郎ということになるのだろうか?が、この物語の設定の、目の前のうろんな存在を煙たがるという感覚は、むしろ女性特有のものではないだろうか?男なら、まあ、無茶には遠慮すまい。美女を連れていたか?美女単独だったのだろうか?どうも、ここら辺を考えると、微妙に感覚的設定が矛盾しているが・・・。まあ、男のめからみても、気分がわるくな...ハンバーガー
コーヒーは一日5,6杯は飲む。豆からのときもあるし、インスタントも飲む。インスタンドはブレンディ。一般的に流通?している某商品はコーヒーというより、何かを(何?)ローストしたものの抽出味というかんじのほうがきつく、憂生は使わない。初めてコーヒーを飲んだのは、7~8歳のころで、一般にまだ、出回ってないころだったので(たんに田舎だったから?)ドリッパーやコーヒー濾紙などというものがなく、立て方も判らず、ヤカンに水とコーヒーをいれて、にたてて、布巾でこして、飲んだ。まともにコーヒーをたてはじめたのは、15のころで家業を手伝うためだったが、このころはネルのドリッパーでたてた。おふくろが、立てるとコーヒーの粉の表面にきれいに泡がたち、表面もこんもり盛り上がり、湯をそそいでいくと、表面がわれて、つややかな泡が出た。最...アイスクリームとコーヒー
親父は東京・銀座のスエヒロ/今もあるのだろうか?/に務めていたことがあったそうだ。支店が地方にあって、憂生の小さいころに厨房にではいりしたことがある。有名人も多くきたから、一緒に勤めていたおふくろが、いろいろ、サインをもらってきた。この間、オークションで、そのサインを売った。(例のノーベル物理学賞のひとのは、大事にしている)しみだらけだったけど、3枚で、10万以上になって、驚いた。普通に和食の店だったら、ああも有名人がこなかっただろうと思う。ステーキというものが、いかにステータスであるかわかる。いつだったかも、大枚30万以上はいってると思える財布を拾ったときも神戸の社長?かなにかだったのだろう。金でお礼をしたいみたいに口座をきいてきたので、断ったら、数日後、神戸牛のステーキ肉が届けられた。あれほど大きくて...ステーキ
最近はどういうわけか、どこに行ってもランチコースには、ポタージュがついてくる。憂生もポタージュのほうが好きだから、ポタージュをつくる。作り方を考えると、コンソメスープのほうがはるかにヴァリエーションがあるきがする。どっちに分類すべきかわからないスープも多い。ミネストローネなどは、ポタージュでもないがコンソメスープとも言いがたい。中華スープまで、コンソメかポタージュかに分けるのは無理があるが、これもふかひれスープなどどちらともいえない。憂生が作るコンソメスープの定番はベーコンとオニオンとにんじんとわかめのスープ。仕上げに牛乳を入れる。だが、日本には味噌汁があるせいか?だしがあるせいか?スープというと、どうしても、ポタージュを思ってしまう。もうひとつ思うのは、この間も作ったすじ肉を使った肉じゃがであるが、この...ポタージュVSコンソメ
物語の中に多くの「食」が点在している。「食」が表す物事は「生きる」という一言になるだろう。神戸にて・・でも、この科白が使われている。食べて・・生き抜かなきゃ・・。空に架かる橋でも、食事は重要なシーンになる。「生かせてやりたい・生きていたい」この心が「食」に込められている。************秘めやかなる想いは五月の空に・・*******「いいか、キリアン。今度奴が現われたらあの銃で打ちぬくんだ。後で銃をかえすよ。いいな、あの銃で撃抜くのは君じゃない。悪しき存在を君に信じ込ませる、居るわけもないエドガ―こそを撃ち抜くんだ。もうアイツを土に帰してやるんだ。それが出来るのは君しかいないんだ」「テオ、マチアスが誰を想っていたか知っている?」「いや・・・それが、どうしたんだよ。今更死んじまったマチアスが誰を好き...朝食・食べて・・生きていかなきゃ
レモンロックは夏の代名詞に思う。レモンをしぼったものに氷をうかべるだけの飲み物だがどこの喫茶店に入っても高い。おいてないほうが多いけど。せいぜい一個をしぼるくらいだから、量もすくないが、他のどののみものよりすっきりしている。好みでガムシロップかシュガーをいれてもらうこともあるが、個人の好みはわかりにくいので、おいてあるコーヒー用のシュガーを使う。ストローも付いていないことが多く、砂糖をいれないでのむこともしばし。最近は経費節減か?テーブルにシュガーをおいてないところも多い。スティックシュガーを添える店も多い。ミルクも小さな容器に入ったものだったりする。ミルクピッチャーにたっぷり、ミルク(フレッシュ)を添えてくれると、コーヒーの時はウィンなーコーヒー張りにたっぷり、うかべたものだが、レモンロック同様、あまり...レモンロック
ベーコンエッグかオムレツ。ボタージュかコンソメ。サラダ。パン。バターかジャム。コーヒーかジュース
ここしばらく顔をだすビストロでは、チョイスメニューが多い。値段がいくらかプラスされるものもあるが、前菜から、4~6種あり、メインも5種。デザートは7種。飲み物も5~6種類。こうなると、悩む。おまけに月(季節)が替わると微妙に品物が変わる。1000円也のプレートも日替わり。どうする、どうする。こうなると、ベーコンエッグかオムレツ。ボタージュかコンソメ。サラダ。パン。バターかジャム。コーヒーかジュース。なんてちょろいもんだ。ちょっとまえまでは、何が何でもご飯の人だったがビストロでおいしいパンに出会って以来他所でもパンを注文することにしている。なぜなら、ご飯は家でもそれなりに作れ、店でだされるご飯とは、さほどの違いを感じない。ちょっと、特殊な作り方をしていれば(サフランライスとか・・・)考えるが代わり映えの無い...ベーコンエッグかオムレツ。ボタージュかコンソメ。サラダ。パン。バターかジャム。コーヒーかジュース
お弁当というのは、人のものが妙に旨そうに見えて、くれくれとねだって、えらい思いをしたことがある。当時は牡蠣が嫌いだった。フライが旨そうに見えて、ねだった挙句が牡蠣フライ。ねだった手前吐き出すわけにも行かず・・。職場によっては、手弁当で行かなきゃならない時もあって、卵焼きはよく作った。憂生の卵焼きは塩一つまみ、さとう二つまみ、薄口醤油わずか。濃口醤油(香りつけのため)ちょっと、たらして、焼き上げる。焼き方には妙なコツがあるようで、さめてもしっとりして、やわらかくおいしい。別段、だしまきにしているわけでもないのに、我ながら不思議に思った。おそらく、最初の段階。卵を流し込んでまとめる時に、中まで火が通らないうちにまきこむから、最初は形がきれいにまとまらず、オムレツつくってんのか?って、かんじで、もこもこしてる。...お弁当
以前の仕事で、病人食も作った。重湯は、米の粒の入らぬように、粥の上澄み?をすくいとり、三分、五分、七分全粥と上澄みの入れ方をかえていく。軟飯というのもあった。これは、ちょっと特殊なつくり方をする。普通通り米をたいておいて、炊き上がった飯に同量くらいの熱湯をいれて、かき混ぜて蒸らす。お粥の兄貴みたいな、ご飯の弟みたいなものが出来上がる。こういう経験がそのまま、反映された一文であると思う。飴湯も、幼い頃の思い出がしたにある。新潟の土産にゆかり?ゆべし?だったか、お湯にいれて、解かして呑む飴湯の元のようなものがあった。5色くらいある、大豆くらいのおおきさの甘い菓子であったが、ゆずなどの香りがあり、おいしかったのを覚えている。これに、笹飴。「坊ちゃん」のなかにもでてくる有名?な土産だが、この飴は文字通り、笹の葉に...重湯と飴湯
この飽食の時代において、物語の中それも、餓えを敷いた物語中の食物を語るのは、あまりにも、うらはらなきがしている。鯉・鮒ときかされただけで、まず、どう思うのだろうか?鯉は鯉のぼりなどもあるし、憂生の自宅の池にも鯉が(訂正・大きいぼらがいるんだよ。略して大ぼら)いるが・・・どちらかというと金持ちのステータスだよな?鯉のぼりも大きいものになると、随分の値段だとか・・。一方鮒は、理科の教科書の解剖図?魚釣りというくらいのイメージしかないが、高級品としては鮒寿司とか、あるか・・。で、一緒に名前挙げざるを得なかったけど、食としては、鯉だな。鯉をたべるというと、中華料理の姿揚げあんかけとか、鯉こくとかが有名かもしれない。憂生はもっぱら、あらい。あらいでなくても、そのまま刺身でも良い。わさびやしょうが醤油で食べるのもうま...鯉&鮒
憂生が友人宅に泊まりいくと、なると、おふくろは『迷惑をかける』と、よくぶつくさ言った。じゃあ、憂生の友人が泊まりに来たのも、「迷惑なんじゃな!!」と、言い返した。これで、ぐうの音もでまいと思ったのに、逆になってしまった。「うちん家はな、商売やっとるから、3人来ようが10人来ようがなんと言うことはない。だが、普通の家にいったら、一人にひとつしかないおかずだったら、おまえのせいで、おかあさんがおかずへつらなきゃいけなくなる。家族の数しか作らないんだから、迷惑をかけることになる」お袋の意味合いもわかるが、でも、やっぱ、そうはいかないのが、友人つきあい。で、泊まりに行った時、友人のおふくろさんは、やっぱり食べなさいといってくれる。で、言いながら鍋から、よそう準備をしてた。土鍋とかじゃなくて、普通の鍋・・。あっ・・...鍋の中
芋の歴史を紐解けば、この物語の中の恭一の死はあまりにも、皮肉であるといえる。飢饉に備えるためにサツマイモの栽培が広がっていったわけである。元はといえば、人々を餓えからすくうためのものであった。一つには荒地でも育つ。もう一つは保管しやすい。さらに言えば、サツマイモの茎も食料になる。干し芋などにしたら、さらに保存が利く。いまでこそ、芋はいろんなおやつ、料理に利用され、非常食のイメージは何処にもないがそれでも当初のサツマイモはそんなには、甘くなかったようである。今から100年ほど前に、突然変異種から、「甘い」芋が確立していったようである。この甘い芋をさらに甘くしたがるのは、素材の良さゆえかもしれない。スイートポテトは無論のこと。芋けんぴに大学芋・・など家庭で手軽に甘さを足すことが出来るので、たいていの人がこれら...芋
☆あぁ、そっか・・・・。切ない。苦しすぎるよ、そんなの。☆なんと言ったらいいのか、心が痛いというか身近におこる人の死が、どれだけの深い傷を負うか・・・。心の変化が気になるところ~^^;☆明美・・凄い・・凄いというのが正しいのかはワカランけど・・・死はそんな簡単なもんじゃないけど・・哲司への思いが凄い・・・あぁ~コメント下手(笑)「あたし」はどぅなるんだぁ・・・気になる・・・☆生きることへは感情がある。確かに身体も正直。心より正直かもしれない。死を予感する、死を覚悟する人は、開き直りの気持ちもある。寂しさもあるけれど、未練もあるけれど、それをねじ伏せるぐらい、すごく冷静なものなんだと、そう思う。明美は哲司への思いがあればあるほど、包み込む強い女性になっていった、そんな気がする。今後の展開を期待しています。☆...アトラス語録・・4
千秋は倒れ落ちた床から、身を起こすと先生の服を見にいった。「先生・・」約束したじゃない?すぐ戻るっていったじゃない?先生が最後に触っていた注射器が服の傍に並べてあった。きっと、先生は自分を・・・。最後にコレをうったんだ。それをココに置いたのは佐々木先生だろう。露木先生に関連するものをここにおいて佐々木先生は何をおもっていたんだろう・・・。机の上には何もかかれてないカルテがある。佐々木先生はカルテを書くといってココに降りてきたんだろう。白いカルテを前に佐々木先生はそこに露木先生の名前をかきいれようとしたのだろうか?千秋はカルテを何枚かめくってみた。患者達の今までの治療記録。だけど、その続きはやっぱり書かれてない。そのカルテの中に千秋は佐々木先生のメモを見つけたんだ。死は怖いものじゃない。本当に怖いものは「思...空に架かる橋42
千秋はホルマリン室にとどまると、じっと、たちつくしていた。さっき。そんな気もする。遠い昔。そんな気もする。この場所で皆が死を選んでいった。生きてるあたしは、暴行されて、まだ、おめおめと生きている。明美は死んだ・・。明美もきっと、自分から、死を選んだんだろう。佐々木先生もなにか、心に決めたものが在る。それを通すためにいきるつもりだろう。たとえ、しんでしまっても、先生がなにかを通しきったら、それはいきつづけているってことだろう。あたしは・・泣き叫ぶことしかできず、おびえることしかできない。こんな生き方は嫌だなって思う。思うけど、じゃあ、生きるのをやめて・・・??・・なに?心で思いをめぐらしていた、千秋の思考が止まった。千秋はさっき佐々木先生が座っていたあたりをぼんやり見てたんだ。そこには、綺麗に折りたたまれた...空に架かる橋41
佐々木先生は兵士が銃を千秋に向けると、黙って立ち上がってホルマリン室をでていった。兵士はそれでも、用心深く千秋に銃をむけたまま、先生のあとを追おうとしたんだ。顎でしゃくるように千秋に行けと命令する。すると、先に行った筈の佐々木先生がドアを押し開いて言った。「看護婦に構ってる間に私がどこにいってもいいのかね?」「な・・なんだと?」千秋は佐々木先生の策略に気が付いたのだろう。兵士に命令されても、動こうとしなかった。看護婦を盾に取るから先生が仕方なく動いたんだ。千秋を盾に男はリネン室に先生をつれてゆこうとしたが、だけど、そのたてが動かない。「畜生。今は・・みのがしてやるだけだ。いいか、お前がリネン室にいかなきゃあとからだってこいつをころしてやる」兵士はあらためて、脅しの形を変えると、先生のあとをついて、いくこと...空に架かる橋40
千秋のあとをついていった兵士は千秋の行く先がホルマリン室だと見当が付いたのだろう。千秋を縫うようにおいこすと、エレベータのドアの中にすべりこんだ。千秋が直ぐに追いついてくるのをみこして、ドアがしまってゆく。一刻の猶予もおしむ様子と兵士の顔。千秋とて、兵士に何があったと聞きただすのはおそろしかったろうが、兵士の口はつむがれていた。何かを語るのは、ドクターにだけだと事の切迫をみせつけられれば、いっそうのこと、きくのは、こわかろう。エレベータが止まると兵士は走り出す。ホルマリン室にはいった兵士は神妙にしたてな口調で先生を呼んだ。「すぐきてくれ。生存者がいるんだ」ホルマリン室のデスクで書き物をしていた佐々木先生はゆっくりとたちあがった。「どういうことだね?」兵士は怪訝な顔をした。「爆発にきがつかなかったというのか...空に架かる橋39
千秋を蹂躙していた男は爆発の音を聞くと千秋を放して爆発のあった場所にむかっていった。千秋の傍に居た男達もみな、そうした。千秋はひとり、とりのこされたまま、爆発の音のいみするものと、自分の身体に起こった変化をかんがえていた。陵辱?暴行?レイプ?自分はなんにも変わりはしない。なのに・・・。この・・悲しみはなに?千秋はほんのつかの間でも自分だけの悲しみに浸りたかっただろう。だけど・・。あの爆発はどういうこと?千秋の腿の内側にへばりつく、血の跡はかわきはじめ、千秋の心はいやな予感という現実を探り始める。いやな予感はときにすぐ、その予感の的中を知らせる。爆発を確かめに行った兵士が戻ってきたのは、佐々木先生を探すためだった。「「ドクターは?どこだ?」と、たずねた兵士の顔は余りにも悲壮だ。「なに?なにがあったの?」千秋...空に架かる橋38
ドアがあけられると、その中は・・・。職業柄、死体は見慣れてる。無残な怪我人だって、何度も見てる。だけど、たった一発の手榴弾が至近距離で爆発するとこうも、肉体を微塵にするかと、あたしは、思うだけだった。明美の身体を捜すことはとても、むつかしいことにおもえた。でも、人の心は不思議だね。あたしは明美が居ただろう場所に目を凝らしてみたんだ。そこに、明美の手首の先が見えたんだ。シッカリ、何かを握り締めたままの綺麗に白い手首。あたしは、明美の手を開いて見なくても、明美がペア・リングを握り締めていると判った。最後の明美の思い・・・。「これで、哲司の所にいけるよ」「天国でいっしょになるよ」「だって、ホラ・・リングもそろったんだよ」明美の手の中から明美の声がするようだった。幸せな思いで死んだんだよと、あたしに知らせるために...空に架かる橋37
明美はわざと看護服を脱がなかったんだ。それは、明美が看護服のポケットの中に自分の大切なものをいれていたからなんだ。だから、明美はわざと自分から下着をぬいだんだ。そうすれば、ポケットの中のものを離さずに持っていられるから。その大事なものを明美は自分を抱く男に見せてやるんだ。それが、哲司への忠誠の証だったから。男は見せられたものがなんであるか、直ぐに判った。だって、男は兵士だもの、直ぐにわかる。「哲司がくれたの。婚約指輪の代わりよ」明美は手榴弾のピンをみせた。そして、明美は男に「ごめんね」と、謝ったんだ。その侘びの言葉の意味を男が理解するのに、さして、時間はかからなかった。「あたしね・・。片一方しかない婚約指輪なんて、かなしかったのよ」ああ、あたしが言った事だよね。ペアリングじゃないんだよね。って。明美はたと...空に架かる橋36
明美・・・。あたしはこのときの明美がなにもかも計算づくのうえで、行動をおこしてるなんて、思いもしなかった。明美がわざわざ、リネン室へはいったのも、最後の男に鍵をかけさせたのも、下着を自分からぬいでみせたことも、自分の性交渉を男達に見せ付けたのも、なにもかも、明美の目論見どおりに事を進めるためでしかない。あたしは・・・。語りたくない。こんなことは出来るなら、話したくない。明美はそのときこの世への未練一つも残さずに逝けた。ううん、むしろ、明美の死の瞬間はこの世での幸せの頂点に立っていた。だけど、そんなことが・・・。死が、死だけが、明美を幸せにするなんて、そんなこと・・しか・・・。そんなことしか、ないなんて・・・。それでよかったんだ。明美は精一杯生き抜いたんだというしかないなんて・・・。いいたくないけど、いわな...空に架かる橋35
物語の中によく使われるのがやはり主食であろう。状況によってパンになったり、握り飯になったりお粥になったりするが、パンと水さえあればなんとか、生きていける。命をつなぐという意味を象徴する表現なんだと思う。他の物語においても、命をつなぐ・・糧としてのシーンも多いと思う。****握り飯*****(パンパンとチョコレート)から抜粋人通りのある場所。例えば駅舎。そこにうずくまっている人間に時折食い物を与えてくれる者が居る。だけど、食い物を与える人間も阿呆かもしれない。自分の哀れみに負けて握り飯を差し出す相手は決まって、もう、死に掛けてそこに座っているしかない人間に渡すんだ。目がうつろに開かれ生死の境をさまよっている人間を見てしまった人は見ぬふりをするのが辛いのだろう。末期の水のつもりか。決まって、差し出された握り飯...パンと水・・・他
人の肉を食らうといわれて、まっさきに思うのは羅生門の鬼とアンデスの聖餐。ともに、映画でも有名なので、いっそう記憶深いのかもしれない。とは、いうものの、人の食い方など・・レシピや、感慨などかけるわけがない。ただ、生命のサイクルを考えれば、今でこそ火葬だが、昔は土に返り・・自然のエネルギーサイクルに取り込まれていったと考えば、次の次の次の次のと、段階を経ているが人を食らっているとも言えたかもしれない。が、こういうサイクルの中でほぼ偶然であるが、「人を食らう」循環に参加するものがある。狼や熊・ライオン・鮫とか、獰猛な生物もときに飛び入り参加をするが、これは、あるいは、積極的に人を襲うという初期行動の上に成り立っているので、人間側が避けることが出来る。どうしても避けられないのが「すでに死んでしまっている状態」への...喰らう
今年の夏はほとんど雨が降らず、あつかった。必要な水分をためなければならない果実は自分の糖度を上げた(ひょっとして、浸透圧の原理で・・・)おかげで、今年の果実は何を食べても甘く、おいしかった。中でも、桃が例年より安く手に入った。桃は傷みやすい。大きく甘い桃がいっせいに収穫をむかえ、値段も崩れたのだろう。例年なら倍以上する・・いや、あの大きさだったら、3倍以上?思い切って大人買いした。安い桃をかって、あまりおいしくなくて桃のコンポートをつくったこともあったが、それくらいなら、缶詰のほうがよほど良いと思った年もあった。桃の葉は皮膚病にきくとかで、利用範囲の広い果樹である。こんなことから、神仙樹ともよばれるのかもしれない。**************『人間に負けた訳ではないわ』己の情の薄さに負けたのだと思う。ひの...桃の実
スコーンを作ってみたいとおもっているのであるが、これは、どちらかというと、クッキーのパンもどきといっていい品物かもしれない。ウィキによると、イギリス風のお茶には、スコーンは欠かせないものである。英国ではジャムやクロテッドクリームを添えたスコーンを食べながら紅茶を飲む習慣をクリームティーと呼ぶ。と、ある。憂生も物語に挿入しておきながら確かそうだなという、思いで書いていただけに過ぎなかったが一応安心した。スコーンの発祥を考えると、逆にこの物語は16世紀以降ということになってしまう。このあたりの設定は無論史実を書いているわけではないのでちょっと、大目に見てもらおう。そして、どういうわけであるのか?イギリス人は紅茶。アメリカ人はコーヒーというイメージがしっかり定着しているがこの歴史的背景はどこにあるのだろうか?イ...紅茶&スコーン&ミルク
カカオフィズ・ヴァイオレットフィズ・メロンフィズ・・などこういうフィズものは色が綺麗だ。ジンフィズの造り方はサークルの中に上げたことがあるが、カカオフィズは?といわれると・・。これは、そういうシロップのごときリキュールがある。これを炭酸で割るんだけど、そこに30~50mlほど、ジンを投入する。甘さが気になる人には、さらにレモンをすこし絞り込む。(別途、リキュール・シロップを使わず、レモンを絞ってという、ジンフィズも作っていたがおばさま団体が一人、2~3杯のむ・・ということになり、レモンが、足りなくなることが有った。箱買いしてたのだが・・・)女の子に受けたのが、カルピスにリキュールを注ぎ込むもの。カルピスを作っておいてゆっくりとリキュールの原酒をグラスの淵から流し込む。底に止まったリキュールがアルコールのせ...カカオフィズ・エンジェルキッス
もち米には独特の「苦味」がある。この「苦味」を苦味と表現するのは、いささか、御幣ではあるが、この「苦味」ゆえに餅やおこわを嫌う人が居るのも事実である。憂生はプリンが好きだとよくあちこちでかいているが、実はもち米も好きである。プリンは幼い頃に食した焼きプリンがひどく口にあった。いい大人になっても好きなのは、どこかで、子供の頃に食べた味を追い求めているせいなのかもしれない。ところが、餅・・の記憶がない。あたりまえのように、正月にたべるものだったからかもしれないし、もともと、「あられ」「せんべい」が好きだった。餅からつくるものが好きだったのでなく、餅自体がすきだったのかもしれない。おこわというと、赤飯というイメージが強いがもち米をむしたものをおこわという。「こわい」=「かたい」という意味合いだと思う。小豆をいれ...赤飯&お神酒
紅茶というのは、紅い色をしているから、紅茶なのだと思っていたが、一説によると、プリンス・オブ・ウェールズは黒茶とも呼ばれるらしい。が、紅茶とたいして、かわらない色である。はてな?どうやら、抽出された色でなく、はっぱ自体の色のようである。どちらかというと、黒っぽく、ちょっと、くるりと、ねじをまいてる。味もほうじ茶に近い感がする。なるほどと、思うとともに野坂昭如のアメリカひじきを思い出す。蛍の墓と一緒に収録されていたと思う。アメリカのひじきだと思って盗んできた?だったかな?ものが、実は紅茶だったのだが、そんなものがわかるわけもなく、煮ても、苦い汁がでてきて・・アメリカ人は変なものを食う。と、こういうようなくだりがあるが・・。どうも、これは、プリンス・オブ・ウェールズではないかと思うのである。ひじきと間違えても...プリンス・オブ・ウェールズ
昔からお茶は好きだった。親父に「年寄りみたいだ」と、言われたのを良く覚えてるし、小、中学校の修学旅行でも、土産にお茶をかった。中でも、雁音・・字、あってるのかな?かりがね、が好きだった。お茶の葉のぶぶんではなく、葉の軸?茎の部分になるのだろうか?ごく細い小枝のようなお茶である。好んで飲んでいたので、親父が雁の話をきかせてくれた。なぜ、そのお茶が雁がねというかという話だった。雁は海を渡って暖かいところに越冬しにいくわけであるが、その時に一本の枝を咥えて飛ぶのだという。(無論、事実ではない)夜中になって、雁が羽をやすめようにも、そこが海の上だったら、休むに休めない。そのために、小枝を海上におとして、そこにとまって、眠る。と、いう逸話というのも、妙だがその逸話にちなんで、雁がね・・。ひょっとすると、雁ヶ寝と書い...お茶
結納などに、桜の花茶をだす(と、思う)塩付けにしてあるものなので、年がら年中手に入るものだと思ったが、まあ、季節的に、雛の季節。禰宜(神主)の接待であるのなら、桜の花茶も妙かとおもった。陰陽師であるものであり、薬湯の準備にも卒が無いわけで、白峰大神の段では、蛇の毒には蛇がきくと、まむし酒をなおらいに利用させているし、そのあとに、薬湯をてわたしている。てわたされた白銅も確か「用意の良いことだの」と、かえしている。くらいだから、なにかにつけての生薬まがいのものは、もっているだろう。梅の花茶もなんらかの意味合があって、用意周到のものだったかもしれない/笑だが、あの小さな花をあつめるのは、さぞかしたいへんであったことだろう。梅干などの効能に食あたりをなおすなど、殺菌作用もおおく、本文をたどれば、むしろ、禰宜が自宅...梅の花茶
昔のプロポーズに「味噌汁をつくってくれないか」とか、いうのがあったが、日常をともにするという象徴が食事に置き換えられる。日本風に言えば、「目玉焼きをやいて、味噌汁をつくって」という科白になるだろうか。昨今、女性が家庭だけにおさまっているということがめずらしくなって、「目玉焼きをやいて、味噌汁をつくって」などと聞くと、平凡というより、活力のある人だとおもってしまう。仕事もこなしながら、亭主のために朝食を準備する。どうこういいながら、仕事をもっていたって、女性は家事をもこなすというひと仕事(以上?)多いわけで、こうなると、サーシャのいう「平凡でありきたり」というのは、「家庭だけにおさまることを想定した」うえでの、平凡であるわけで、現状の女性の位置をかんがみると、とてもじゃないが、「平凡でありきたり」ではない。...ベーコンエッグ&オニオンスープ&パン
無花果などこれといったとりえの無い果物だと思っていた。生でたべる以外芸がないといったら、コンポートにしても良いとか味噌汁にいれても旨い(おい?)とか、いわれたが、どれも実行したことが無い。ところが、前にもちらりと書いたが、パンの中に無花果を練りこんだものを食べた。無花果の種がぷちりとした食感を残してくれて、ほんのりとした甘さがある。これは、ケーキなどの素材や思い切って無花果パイとか?応用できそうだと思っていたある日。ケーキを買いに行くことになった。おりょ?あるんだね。無花果を載せた綺麗なケーキ。人様への使い物だったので、こっちの試食には出来なかったが・・ふむふむ・・。メインに昇格させる方法は無いか?悩んでいるうちに季節が過ぎていってしまった。そして、↓の作品も無花果の季節に若干ずれがある。出版社の審査担当...無花果
物語の中に埋められた「食」を先日、拾い出し、抜書きしてみた。ひとつ、ふたつ「食」にしてよいものか、どうか、悩んだ事例があった。ひとつが下に添付したもので、もうひとつは、一種・スプラッターなので、迷ったが、あげた。そして、この「雄を食らう」について、どういうモノローグを挟み込もうか、考えていた。対峙するように浮かんだのは「雌を食らう」で、この部分はすぐに思い浮かんだ。ししゃもである。漢字で書くと柳葉魚だったかな、形からきているらしいがアイヌかなにかの民話があったように思う。「雌を食らう」を拡大していけばめんたいことか、かずのことか、からすみにつながっていく。ならば、「雄をくらう」は、たらの白子/余談だが、これも、また、旨物でとりあげたい素材である/とか、う~むなにがあるか?まあ、書いていけば、なにか、沸いて...雄を食らう
どうも、立ち食いそばといわれて思い出すのは駅にあるそば屋である。プラットホームなどにあるそば屋のほうがなぜか、旨い。何故だろう?腹をすかせていて、なにかほしいと思うときに合致するからか?学生だったころは、有名なプラットホームそばやがあって、わざわざ・・反対方向の電車にのって、食べに行ったことがある。かえりは、プラットホームから元の方向の電車にのるから、運賃はただ。いまでは、立ち食いそばというよりも、屋台のラーメンとか?そば屋のほうがむしろ高級店になっている。憂生はあまり、蕎麦が好きじゃなかったが、九州の熊本で、(阿蘇の湧き水をつかったせいか?)手打ち蕎麦をたべてから、蕎麦も良いなと思うようになった。そもそもが、冷やし中華が好きなので、蕎麦もざる蕎麦がよいのだが、麺にこしのある冷やし中華になれてから、蕎麦は...立ち食い蕎麦
柊二郎同じく、憂生も聞いた事が無い。あくまでも、創作の「塩杯」ですが、この手のごまかしは、よくやるパターンです。登場人物自らに「聞いた事が無い」といわせることで、とってつけた感を軽減しようとする策なのですが由女の策とだぶるため、違和感がないというか。由女がうまくきりぬけた。という物語世界にはいれるとともに、疑念をもたれたら?策がばれたら?と、いう、うしろにある綱渡り(かけひき)もかもしだされる。作中の人物の文中にない心理をにおわすことができる、小道具この短いやりとり。塩杯をえらんだ理由。柊二郎が喉がかわいて、水をのみに座敷牢からでてくるしかないように追い込む。そして、わざわざ、水瓶の水を捨てるということは、井戸にでむくしかなくなるわけで、そこで、由女は柊二郎を井戸につきおとす。しかないわけで・・。今までの...塩杯
この物語をかいたのは高校1年生の頃だったと思う。随分たってから、改めてやきなおしたものなのだが、当時、歴史的資料?なんてものをかんがえつけず、「うどん」でなく、インスタントラーメンという設定だったが・・・。よくよく、考えたら、インスタントラーメンなんてものがでてきたのは、戦後、だいぶたってからだろう。最初に発売されたインスタントラーメンがなんであるかさえしらないが、物語の設定に無理があるときがついて、「うどん」にかえた。「うどん」ならば、旨物で、自分でもこねてつくってみたが、多少成り、素人でも作れたものだと思うし、今より、昔の人のほうが日常的につくりえたのではないかと思え、「うどん」にかえた。その考えにより、「うどん」は「法祥回向せしむるかや」の中でも扱っている。白銅がおもしろおかしく、うどんを愚痴る。や...「うどん」
小松菜は別名、ふだん草といったと思う。土地を選ばず、発芽率もよく、成長も早い。言い換えれば庶民の暮らしの知恵である。食うものが無いときに、大根やかぼちゃた芋など、収穫までが長い間待たなければならない作物を育てる余裕は無い。物語の中で小松菜を扱う裏側にはそれがある。そして、そんなに食うに困っていないとしても、小松菜には何らかの「つつましさ」がある。***********「蛙」より抜粋―あれ?―石が揺れたかと思う僅かな弾みが草を揺らした蛙のせいだとわかるまで、僕は随分庭石の側にちかづいていた。案の定、庭石を覆いかける草を揺らしながら小さな雨蛙が這い登ってきていた。雨を喜ぶのはこいつだけかもしれない。いや、Ryoukoも・・。雨の日はずっと、一緒に居れる。それに中庭を囲む他の部屋の住人と分けた地面に植えた小松菜...小松菜
MOONさんの記事をよんで・・・。香箱蟹とあったので、よみにいってきた。別解釈で子箱蟹ともかいてあったが、ようは、ずわいがにのめすである。ズワイガニはとれるところによって、呼び名が違う。山陰のほうでは、松葉蟹。福井のほう・・越前では、越前蟹で、他にも有るかもしれない。友人の伝で越前蟹を頼まれたことがあったが、このときに越前の蟹を手配したが、漁がおわり、もう、北海道のほうからのズワイガニしか手に入らないが、良いか?と返された。そのまま、友人に伝えると、また頼みだったらしく、依頼主に問い合わせたところ、「だったら、いらないとのことだ」と、返ってきた。そうかと電話を切ったが待てよ?と思った。もう一度友人に問い合わせて貰うようにいった。「越前かにはずわい蟹だとしっているのか?山陰では松葉かにというし、わかってるの...香箱蟹・・・(物語に埋ずむ「食」)
美穂神社の美穂津姫は奴奈川姫だという説がある。おおなもち(大国主命)と奴奈川姫との間に、健御名方がいる・・・と、いうことで、大国主命が、奴奈川姫を出雲に連れてきたということになり美穂埼あたりに住んだ・・と、いう話になるのだろうが・・・糸魚川のほうでは、そんなことはない。と、奴奈川姫-出雲出張説は、否定されている。このあたりは、判らない事。だが、美穂津姫・・・・奴奈川姫だとしても、だが美穂に住んだから、美穂津(の)姫かと思っていたら美穂津姫から、美穂の地名となった・・・との由緒書き(あれれ?)さらに、戸惑ったのが三保の松原の看板を美穂埼に行った時にみかけた。あほだから、な~~んも、気にしていなかった。で、猿田彦をおっていくうちに伊勢だったかで、ひらふ貝にはさまれて、おぼれ死んだとか・・・猿(田彦)も木から落...判らない事、多し。
「空に・・」ゆっくり、あげたいと、いいながら・・・ついつい、走ってしまった。ひとつには、アトラス語録に書いたこと。ココにいたって、書くことを躊躇している。なぜか?簡単に言うと、うまく、説明できないという不安。もう一つは、ブログの性質上・・。当初の予定ではこのあたりから、もろな、性描写に入っていこうと、思っていた。が、これをうまく、かききれるかどうか。一歩間違えると、「あたし」がつたわらなくなる。あるいは、多くの共感を得られるかきかたができるかどうか・・・。難しいのは、初めからわかっていたけど。やってみるしかないとおもいつつ、戸惑う。**********ブログの性質上というより、連載形式でのブログ投稿と、いうべきか。仮に、その性表現が主になってるスレッドを、最初(はじめて)に読んだら・・・ーなに?これ!!不...作品の根底に流れているはずの、作者の思い
明美は選んだ部屋にむかってあるいていく。診察室をでると、玄関とは、反対側にある通路の奥には搬入物資や食品を運び入れるためのうらぐちがある。その裏口の近くにリネン室があるんだ。明美はリネン室のドアを開いたんだ。クリーニング業者にだすはずのものが袋にはいったまま、リネン室に並んでいる。それは、見方を変えればちょっとした、アブノーマルなベッドのようだ。明美は男の手をすり抜けると袋の上に身体をなげだした。すぐさまに自分の看護服を丁寧にめくりあげると、下着をその手でずりさげていった。あっけにとられていたのは、哲司を撃った男のほうだ。だけど、明美はお構いなしに男をさそいだした。「ほら・・」日に当たることの無い太ももの白さの奥にあるものをむき出しにするかのようにさらけだしてみせると、男の戸惑いは欲望に変質して行く。挑み...空に架かる橋34
明美は大きな声で叫んだんだ。「はい!そんなとこで待ちぼうけをくらってないで、こっちへおいで!!」明美?正気?正気だよね?あ・・あんたのことだから・・・。すこしでも、あたしにまとわり付く男を千秋を泣き叫ばせてる男をへらしてやろうとおもったんだろ?自分だけ、同じ目にあわないでいるのが、すまないっておもったんだろ?それがほんの少しの猶予しかないとしても、自分だけが・・・。って。同じ目にあってみせてやるって。こんなこと、なんでもない。へっちゃらさって、街中で餓えた女が男をナンパするみたく、なんてこっちゃないさ。なんでもないことさ。そんな風に平然と明美はさけんだんだ。その声は千秋に届いた。届いたに決まってる。だって、千秋の声がしずまったもの。「ほら、はやく・・おいでよお」明美は自分をふりかえった兵士達の視線が身体に...空に架かる橋33
哲司の弔いを済ませ、診察室に戻ってきた明美はその瞳と、その耳で悲しい事実を知る事になる。診察室の床に転がされたあたしの周りに兵士達は群がりその真ん中であたしの中に兵士の肉の棒がつきこまれている。診察室の奥に作られている4畳半の畳の部屋はいつも、私達の仮眠場所になっていたけど、そこからは千秋の悲しい叫び声が間断なく聞こえてくる。明美のその瞳でその耳であたし達になにがあったのかしらされている。そして、明美も又自分の身に何が起きるか、諦めとともに、悟っていた。悟った明美の心の中の思いが小さな呟きになっていた。「役に立つ・・・」ホルマリン室の前で兵士は明美に言った。そう、あのときの言葉だ。あのとき・・・。*****「ど・・どうして・・?」明美は敵兵の行動を察したんだ。銃口を向けていた男は明美の呟きをチャント聞いて...空に架かる橋32
☆さて、だいたいここまでで、お話の柱はたておわったといいかと思う。もう少し、佐々木先生の独白が必要かと思うけど、ココは、ま、ちょっと、思案中。ココにいたって、書くことを躊躇している。なぜか?簡単に言うと、うまく、説明できないという不安。もう一つは、ブログの性質上・・。当初の予定ではこのあたりから、もろな、性描写に入っていこうと、思っていた。が、これをうまく、かききれるかどうか。一歩間違えると、「あたし」がつたわらなくなる。あるいは、多くの共感を得られるかきかたができるかどうか・・・。難しいのは、初めからわかっていたけど。やってみるしかないとおもいつつ、戸惑う。☆ここまで来て、さらにますます、軽々しくコメント書けないくらい胸に迫るものが感じられて・・・。死の際にも性への力があるのは、本能?子孫を残そうと?そ...アトラス語録・・3
☆これから死ぬってわかってホルマリン室に入ってゆく人たち・・・それを見ている明美・・・抗えない流れ、でもどちらが苦しいだろう。どちらも苦しいのは違いないけれど。人が死んでゆくところ・・・悲惨で目を背けたくなるけれどそこを敢えて丁寧に書いている憂生。読んでると震えそうだけど、でもそうでなくてはいけない、そこをはしょったらいけないんだ・・・。見据えなくてはいけないものなんだ、きっと・・・。☆ふと・・何故か・・自分がそんな場面に出くわしたらどぉーなるか・・・そんなこと思った・・・ホォルマリン室に行く立場?・・嫌や・・絶対無理やわ・・んじゃ・・浴槽に入れる立場?・・コレも嫌や・・デモ・・明美にもなれん・・・あはは^^;・・ならんでもエエやんか(爆)なんで・・こんなこと思ったんやろ・・・相変わらずのとんちんかんな...アトラス語録・・2
居並ぶ兵士達の眼の前にあるのは、「生」と「死」少年の身体は死という様相をうかびあげてゆく。兵士達の中に浮かぶのは「畏れ」自分にもやってくるだろう死が現実にまざまざと横たわっている。見たくないと瞳を伏せても自分に降りかかってくる死の重みは他人事じゃない。その一方で生きてる事を謳歌するかのような男と女の営みが目の前にある。生きてる事を確かめたい。快楽の刹那は生きている頂点。誰もが、みな確実な命の証に酔いたがる。兵士達は当然、順番を待つ。あたしの身体で知らされる命の歓喜をてにいれるために。だけど・・・。そのうち、きがつく。女はあたしだけじゃないと。触手が伸びて行くのは渇望に近い。あたしは次の男にだかれながら、千秋の悲しい悲鳴をきいた。馬鹿・・・。性でしか、生きてる事を確かめられないかわいそうな男に何をされたって...空に架かる橋31
「エンジェル・・・もう・・・いい」少年の命の火が尽きた事を告げる兵士の声があたしの耳元でささやかれた。嘘だ。あたしの口の中の物体はまだ、硬直し、体温が広がってきている。嘘だ。まだ、彼は生きてる。生きようとしている。あたしは納得できないまま、彼の最後の命の残像を確かめている。「エンジェル・・・」少年が呼んだようにあたしを呼んでいた兵士はあたしの体の変化に気が付いていた。兵士はあたしの下着の隙間に指をいれ、あたしの身体が泣いているのを確かめた。あたしの身体が少年を本当にうけとめてやろうとしていたんだと悟ると兵士は「ありがとう」と、そういったんだ。身体を結びつける事だけがセックスじゃない。心が彼を求め彼を包もうと思う。そんな慈しみを本当にもってくれたんだと兵士は少年の最後にあたしがもった思いにあたしの体の反応に...空に架かる橋30
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