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  • 邪宗の双神・・1 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・・1 白蛇抄第6話

    「することが無いの」ニコニコと笑いながら八代神は、白峰に声をかけた。が、白峰は応える気力も失せている。天空界に引き戻されるように上がって来ると、白峰は十日ほどどっと、深い眠りの狭間に落ちた。十一日目に薄目を開けると八代神が覗き込んでいた。「何時までも、拗ねていてもしょうがなかろう?」丸で赤子か何かを諭すような物言いである。「判らぬでもないがの。千年はもう、取り返せぬ」「煩いの」「ほ、元々黒龍が物への、横恋慕。叶わぬ、叶わぬ」「・・・・・・」白峰の頬につううと涙が伝う。「判っておった。が、・・の・・」男泣きに泣崩れる所なぞ見とうもない。慌てて、八代神はその場を立ち去った。地上を見下ろせばそこには愛しいひのえがおる。が、その横にはつかず離れずひのえを守る白銅の姿がある。『人間に負けた訳ではないわ』己の情の薄さ...邪宗の双神・・1白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・・2 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・・2 白蛇抄第6話

    ゆっくり歩んでくる、八代神を黒龍は見ている。八代神は、その黒龍に「長きものは、人の姿の方が楽のようじゃの?」と、声を懸けた。八代神の瞳の中で精かんな男がにこりと笑っている。その男は「天空界とは名ばかりじゃ。丸で化け物屋敷の様じゃ」と、言う。祭神と成った者達がやがては天空界に上がってくる。狸狐の類はいうまでもなく、申神に鬼神、はてには百足の神まで居るのである。「まあ、言うな。白峰も居るではないか?」これも元を正せば蛇である。「まあの」「お前とは古い付き合いじゃ」慰めとも付かない事を言う。同じ長き物同士ではないかと言いたいらしい。「向うから来たのが、そも初めだ」白峰など相手にしたいわけではない黒龍なのである。「知った事ではないか?」八代神は黒龍の胸の内を量って苦笑した。「相手が悪いわ」白峰が懸想した相手が黒龍...邪宗の双神・・2白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・・3 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・・3 白蛇抄第6話

    正月を迎え正眼の元に政勝夫婦と白銅がやってきていた。久し振りに顔を合わせた白銅が「えらく色が黒うなりましたな」思わず政勝に言った。それもその筈で、政勝の代わりのかのとが「ああ、この人。一穂様の養育係りを仰せ付かりましたのよ。闊達でよう動きますそうです。馬も弓も剣に槍まで、その上に毎日の様に外歩きをなさいますに付いて歩く内にあのように・・・」「黒うなった」かのとの後を政勝が一言継いだ。一穂は主膳のたった、一人の男である。数えの十二になるが頭も良い。身体も機敏でなにより政勝の教える事の呑みこみが早い。「あれは良いお子じゃ」政勝も手放しに誉めるのであるがそれもその筈で、主膳の相好が崩れるような話がある。主膳の方も、勢姫の死を知るとさすがに心の寄る辺を失くしたのであろう。自然、一穂に目が向けられる様になる。そうな...邪宗の双神・・3白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・・4 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・・4 白蛇抄第6話

    明くる日の朝。城の中の拝謁の間である。主膳に呼ばれて四方を護る四人の陰陽師が顔を揃えた。と、言っても何かあったわけではない。歳の初めに、必ず主膳は四人を招くのである。四人の前に座ると主膳は深々と頭を下げた。「今年も都の守り、何卒宜しく願い奉る」其れだけであるのだが、主膳はその折り目筋目を崩す事なく、必ず頭を下げるのである。それがすむと「おお、そうじゃ」と、相好を崩す。一穂の事なのである。四人も揃うておるのは寿ぎの日を決めるには丁度良いのである。「?」「ぁ、いや、元服を前にの」髪揃えの儀式を何時にしたらいいかと言うのである。そこに、呼ばれていたのであろう。道守より帰って来ていた海老名が一穂を連れてはいってきた。「ささ。一穂様こちらに」主膳の横に座らせる様にするのを見ていた四人の目がちらりと動くのに主膳は気が...邪宗の双神・・4白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・・5 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・・5 白蛇抄第6話

    澄明は白銅と並んで城を出た。ここ何度か白銅が城に上がって来ていたのは、主膳の認めを得る為ではあったが何よりも主膳が澄明が女であると言う事に得心がいかなかったせいである。確かに男にしてはやけに線が細い。顔付きも女子顔だとは思っていたと言うのではあるが陰陽事が女でも出きると言う事に主膳はどうしても納得ができない。切り落とされた鬼の男根を褒賞紙を通してではあるがむずと掴むのも見ているのである。女の何処にそんな豪胆な肝があるものかというのが主膳の言い分なのであるが白銅がそれでも、澄明を嫁取りたいと言って、くいさがるのであるから信じざるを得ない。主膳は「尻に敷かれるのは覚悟の上じゃな?」と、やっとこの縁組を認めたのである。日取りが決まると二人は子蛇の塚に詣でた。二人の縁を結び直したの子蛇に手を合わせたのである。あれ...邪宗の双神・・5白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・・6 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・・6 白蛇抄第6話

    政勝はその神社の境内の中に入ってみた。そこには、今、思ってみても妙な物ばかりがあった。石に刻み込まれた道祖神に過ぎないと思って何気なく目をやっていた政勝もうっと息を飲んだ。描かれた道祖神は向かい合う男女であったり、男同士、あるいは女同士であったのであるがそれが一様に互いの性器に手を延ばしている。慌てて辺りを見渡せばあちこちにそれと判る物が並び立っている。民間信仰の産土神に子を授かりたい夫婦が性器を模った物を奉納する事は良くある事であり政勝自身は驚く事ではなかったが、連れ歩いてきている一穂の事が一番に懸念された。年端の行かぬ一穂に見せられぬ物であった。「流石に・・あれ・・は、いかぬ」と、政勝は言うと、また話し出した。慌てた政勝は一穂を境内から連れ出そうとしたが、すぐ側に居たはずの一穂が見当たらない。間の抜け...邪宗の双神・・6白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・・7 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・・7 白蛇抄第6話

    それで、澄明は改めて政勝に尋ねた。「社があったのですね?」政勝は澄明の問いに訝りもせず「おお。東北のほうに深く進んで行くと。そうじゃな、大きな椎がある。それを右手にして曲がって行くとすぐ、開けた場所に出てゆく、そこにある社じゃ」はっきり場所まで断言するのである。「大きな椎というのは?腰の高さの辺りに大きなうろのある椎の木ですか?」澄明の問いに政勝も「そうじゃ。人が抱かえたら二抱えはあるかも知れぬ。立派な椎の木じゃ」どうやら澄明の思った木と政勝の見た木は同じ物であるらしい。「そうですか」澄明は頷いて白銅を見た。白銅も周知の事であるが、その椎の木の先には確かに政勝の言うように開けた場所があることはある。が、それだけでの場所であり神室(かむろい)に値する場所であるのであろう、しんと張り詰めた雰囲気がするだけのま...邪宗の双神・・7白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・・8 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・・8 白蛇抄第6話

    新羅を訪ねたものの、今更になくしたものに気がつかされた波陀羅は止めど無い涙と深い焦燥にかられ、再び一樹と比佐乃の姿を垣間見にいった。屋敷の中の気配を窺う内に波陀羅が知らされた事実は更なる驚愕を波陀羅に与えただけであった。怪死を遂げた二親の四十九日もすんでいない。が、取りたてて、二人が塞ぎ込んでいる様子もなく、夕刻の闇の中に二人のマントラを唱える声が途切れ途切れに聞こえて来ていた。庭先の石灯篭に身を潜めていた波陀羅に、どうにもならぬ地獄への引導を唱和する二人の声に、また、己も同じ地獄に落ちる身である定めを知らされるだけなのであった。が、ふと比佐乃の声が途切れると、「兄様・・そのような・・無体な・・ややに・・障りませぬか?」不安な声が聞こえて来たのである。今、何と言った?何と聞こえた?波陀羅は耳を疑った。が、...邪宗の双神・・8白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・・9 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・・9 白蛇抄第6話

    その波陀羅の姿に気が付いたのは政勝のいう社のある辺りに近づいて来た澄明と白銅であった。気配を殺しながら先を歩いていた白銅が澄明を押し留めた。澄明も白銅に引かれ押し黙ったまま木の幹の裏に身を潜めて白銅が見つけた者を木陰より窺い見た。「見かけぬ女鬼じゃな」澄明が白銅の潜めた声に、頷くと二人はそのまま女鬼を見詰めていた。やがてその女鬼はとぼとぼと森の奥に向かって歩き出して行った。飛び退ろうとしなかったのも妙な事に思えたが、それが女鬼にには行く当てが無いように思えた。女鬼が立ち去ると、二人は木陰をでて社の在ると言われた開けた土地の真中まで歩いて行った。そこまで行ってもやはり社の痕跡一つなく、勿論政勝の言うような道祖神の石彫りさえ無ければ、辺りの空気もしんと静まり返っていて不穏な気配一つ感じ取られなかったのである。...邪宗の双神・・9白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・10 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・10 白蛇抄第6話

    森羅山の北側の麓の木々が跳び退る足に蹴た繰られては大きく揺れ動いている。その木々を動かせているのは森羅山に入った澄明を探している伽羅である。澄明の筋書き通り事が運び天守閣から飛び降りた勢姫を受け止めた悪童丸はすでに一昨年の冬にてて親になっていたのであるが、それから一年すでに年が改まったというのに相変わらずの幼名のままでいるのである。その悪童丸に伽羅は澄明の一字を貰い受けて大人名に改名してやりたく思っていた。澄明にその許しを得たくもあり伽羅は澄明に逢える機会を待っていたのである。その澄明が城を出て森羅山に入ったのが判ると、伽羅は澄明を探しに森に入った。『澄の字を貰おうか、明の字を貰おうか。それともいっそ澄明に字名を考えて貰おうか?』と、伽羅の胸の内で算段も膨らんでゆく。拾いあげた悪童丸の名はその、産着の中に...邪宗の双神・10白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・43 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・43 白蛇抄第6話

    城へ上がった白銅は待たされる事もなく主膳の前に額ずいていた。それも道理でいい加減、まだか、まだかと尋ねても、「まだです」の一言で済ますと、後は何も言わぬ善嬉に拉致が開かぬと澄明を呼び正そうかと考えていた所に折りよく白銅が現れたのである。「一体、どうなっておる?髪揃えの儀式は運気が悪い!?一体、何時まで運気が悪い?」じりじりと先延ばしにされて行くのは、まだしも禊なぞと称して善嬉が一穂にへばりつかねばならぬほど運気が悪いと言う。陰陽師四人も揃っていての事であれば、悪気を祓えぬわけもない。白銅がどう切り出そうか考えるより先に主膳の方が、府に落ちぬ事として問質して来たのを、もっけの幸いとして、「実は・・・梃子摺っております」主膳の次の言葉を引き出すために勿体をつけた回りくどい言い方をすると、案の定「な、なんぞあっ...邪宗の双神・43白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・44 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・44 白蛇抄第6話

    主膳の若かりし頃、今は亡き妻であるかなえを娶る前の話である。伊勢の父の元の姫君であったかなえであるが、そのかなえ恋しさに都度都度伊勢に参られた主膳であった。姫君に会うには色々な口実が必要でもあり、また将を射んと欲すれば馬を欲っすの喩えそのままではないが、姫君の父に目を止めて貰いたくもある主膳は、弓の名手で知られる姫の父君の気を引く為にも多少なりとも弓の事に精通しておきたく、まずは弓矢の腕に磨きをかけ始めたのである。そんな様子を人に見られたくもなく、主膳の弓の稽古場所に自然人目のつかない森羅山を選んだのである。主膳が稽古場所に選んだのは森羅山の北東の椎の木より向こうにある窪地で、その窪地が僅かに傾斜する山の上昇線に一端、胸の高さくらいで双に分れた幹が上部で一つに繋がった榛の木があった。双に分れた所に丁度、拳...邪宗の双神・44白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・45 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・45 白蛇抄第6話

    「そうですか」が、澄明の顔色は暗い。「どうした?」「あ、いえ。せっかく双神を救う手立てが見つかったというものの、一体どうやって元に戻してやればよいか」元に戻れるのなら双神とて、とっくに戻っていよう。戻る方法もなく、生き長らえる為に餓えを満たして来た双神なのである。だが運命は、刻一刻と双神の潰える時に向かって動きだしている。神の望むさにわが双神の一方を一樹の身体の中に閉じ込める事であると、澄明も悟っている。閉じ込められた双神がシャクテイを吸う事も叶わず餓えて死に行くのを待つだけである。もう片一方の双神は、その片割れの死に行く様を、もがき苦しみながら見ているしかない。己達が仕出かしていた事の酷さを返される事が果たして双神にとってのさにわなのであろうか!?せめても罪を悔いる気持ち、罪を購う気持ちにならずに、与え...邪宗の双神・45白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・46 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・46 白蛇抄第6話

    波陀羅が帰ってきたのでいなづちは扉を開いた。中に入ってきた波陀羅に「どうした?誰が邪魔をしに来た?あやつら何者なのじゃ?」いなづちが聞くので、波陀羅波は不思議な顔をした。「お判りになっておったのでないのですか?」「何ぞ誰かがおったのは知っておる。が、我等は同門の者同士の間の事しか読めぬ」双神が根を張ったもの同士の事だけが判ると聞くと、波陀羅は己らが地中深き穴の中の蟻に感じられた。同じ蟻の巣の中にいる蟻達の事は判るがその蟻が外に出てしてきた事は判らないと聞こえた。「黒龍と言いました。八代神と言いました」「な?」奥の部屋に一樹を残しておいて、なみづちがやってきた。やはり波陀羅の失敗は知っていた。「何者じゃという?」なみづちの問いに「黒龍と、八代神というのだ」「なに?」波陀羅を振り返ると「何故?そのような者が現...邪宗の双神・46白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・47 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・47 白蛇抄第6話

    「なみづち・・・・どうする気でいる?」「政勝が事か?」「聴けば聴くほど・・・・惜しい」「だろうの・・・。考えがある」「考え?」いなづちがにたりと笑った。「波陀羅が因縁というたじゃろう?わしはそれをずううと考えておった。・・・・・。比佐乃は一樹を殺す。そう思わぬか?」なみづちは考え込んでいたが、考えに辿り付いたのであろう。「確かに。・・・・だが、それが?」「死体が出来る。同門の死体じゃ。乗り移れる。そして、御前も政勝を振ればよい。わずかの隙を狙えばよい。わしだったら、波陀羅のようなへまはしない」双神自らが、双方で一人の男の思念を振ろうというのである。「成る程。が、比佐乃が一樹を殺す?どうやって?」「ふ?今から馳走になろうという、シャクテイをかもし出すその、二人の濡れ場を見れば比佐乃も鬼になろう?」「は?はは...邪宗の双神・47白蛇抄第6話

  • 邪宗の双神・48 白蛇抄第6話

    邪宗の双神・48 白蛇抄第6話

    一樹が比佐乃の元にさえ行かねば、一樹が比佐乃に殺される事は有得ない。だが、それを食い止める事が自分との情交なのである。「判りました。波陀羅が頼みをきいてくれますな?比佐乃様には、出きるなら、もうお会いする事の無いように」「ああ。波陀羅。切ない事を言う」一樹とて比佐乃には逢いたいのである。だが子を宿した比佐乃を抱くには一樹とて遠慮がある。逢えば愛欲の果て無体な事をしてしまいそうな自分の満たされぬ欲求と、何処か母親を思い起こさせる波陀羅への恋しさが重なり合って今は波陀羅を求めてはいるが、けして比佐乃に飽きたわけでなく、比佐乃への心を無くした訳でもないのである。「御約束下さい」一樹も波陀羅の言葉に逆らえば、同門の波陀羅との情交をもてなくなると考えた。双神の用事とやらも済んでいないのに、ここから出られる事もどうせ...邪宗の双神・48白蛇抄第6話

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    邪宗の双神・49 白蛇抄第6話

    波陀羅は森羅山を出た所で見かけた女の姿を借りると澄明の屋敷の玄関先に立った。中から正眼が最初に出て来ると波陀羅に言われるまま、澄明を呼んでくれた。正眼から鬼の映し身の女子じゃが、伽羅ではないと聞かされた澄明は、さては波陀羅であるなと玄関先に出て行った。話したい事があるという女を白銅のいる鏑木の部屋に招じ入れた。「私の連れ合いになる人です。たぶん、色々と貴方の話しに良い知恵を浮かばせてくれると思いますが同席を許してくださいますか?」澄明に尋ねられると波陀羅も即座の返答に困った。判る事は、陰陽師である男を澄明が信用しているという事だけである。澄明が信をおくとならばと、波陀羅も伽羅の様に澄明を信じて行くしかないと、思えた。「まあ。波陀羅。座るが良かろう」立ち尽くしている波陀羅にその男が声を懸けて来た。「ご存知で...邪宗の双神・49白蛇抄第6話

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    邪宗の双神・50 白蛇抄第6話

    澄明は、波陀羅が去ると肩を落として、ため息をついた。「どうした?」白銅が頃合の良い頃に波陀羅に話し置かねばならないきっかけを与えてくれていたのは澄明にも判っていた。「いえ。一番聞かれたくない事を波陀羅が聞き忘れていてくれていた事に」良かったというべきなのか、その覚悟もつけて貰ったほうが良かったのか、澄明はどちらともいえない成り行きにまかせた。が、後ろめたい思いがなきにしもあらずであった。「言えはすまい?」白銅も比佐乃に殺される一樹の因縁を考えた。その、一樹の死体に双神が乗り移ろうというのであれば比佐乃が一樹を殺さなければならない理由をむしろ双神が積極的に作ろうとするのではないか?親子であろうが、兄弟であろうが、双神にとって利用できる者を今まで、どう使い回してきたか。波陀羅の感情などお構いなしに双神は目的を...邪宗の双神・50白蛇抄第6話

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    邪宗の双神・51 白蛇抄第6話

    玄関先に現われた一樹の声で比佐乃があっと小さな声を上げると一樹にむしゃぶりついて行った。「元気でおったか?身体はつろうないか?よう、ここまできてくれたの」比佐乃の顔を見る為に一樹は比佐乃の肩に手をおきほんの少し比佐乃の身体をおしやった。身体を少し離されて、比佐乃は一樹を真直ぐに見上げた。「ああ。相変わらず・・綺麗じゃ・・ますます、母さまに似て来た」泪が潤んで来る目元さえ亡き母親を思い起こさせる比佐乃なのである。久方の逢瀬に浸りこんでいる二人を裂いてまで、一樹を責めることもできない。因縁の時に一歩近づく恐れが身体を震わせていたが波陀羅は「比佐乃さま・・・早うにあがってもらわねば・・・」奥から声をかけた。「ああ・・・そうでした」比佐乃も慌てて一樹を招じ入れたのである。床の間には、春を感じるのか軽く綻び掛けた梅...邪宗の双神・51白蛇抄第6話

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    邪宗の双神・52 白蛇抄第6話

    だが、其れも束の間。波陀羅の浮き立たせた因縁からの解脱法が、何も役に立たないという事をしらされる時がくる。夕餉も終え、片付けを済まし、波陀羅は古手屋を回り少しずつ集めまわってきた木綿の着物を解くと生まれくる子の為にしめしを縫った。洗いざらし草臥れたぐらいの古着が、赤子の肌を柔らかく包むことであろう。そろそろ腹帯を蒔いてやらねばならぬ頃でもある。戌の日は何時になるのであろうか。取りとめなくそんな物事を考えながら、夜遅くになって布団の中に潜り込んだ。うとうととまどろんだ波陀羅の胸を弄る者がある。それが誰の手であるか、波陀羅がきくまでもない。「なりませぬ」その手を掴むと波陀羅は声を潜めて制止した。が、「比佐乃には・・・できぬ」一樹が呟き返した。一樹が求められないといっているのか、比佐乃の身体ではできないといって...邪宗の双神・52白蛇抄第6話

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