本願寺の興亡・百姓の持ちたる国編~その⑦ 「永正三年の大乱」能登・越中を席巻する一向一揆
1506年、実如の呼びかけにより一斉に蜂起した一向一揆。近畿近国一円がこの争いに巻き込まれることになるが、主戦場は何といっても北陸である。 北陸における一揆を指導したのは、本泉寺の蓮悟(蓮如第7男・実如の実弟)だ。大本営にあたる山科本願寺にいる実如が、越中の門徒たちに対して蓮悟の命に従うよう書簡を発していることから分かるように、彼こそが加賀一向一揆の、ひいては北陸における一向一揆の最高司令官なのである。 その蓮悟が各地の一揆指導者に送った、3月16日付の檄文が残っている。内容を紹介してみよう――「能登の畠山義元と越後の長尾能景(よしかげ)は、長年一向宗を滅ぼさんと企てており、このたび遂に動き出…
2025/05/31 11:13