日本中世における仏教、そして根来寺・新義真言宗について~その③ 神仏習合と、奈良期の「南都六宗」について
そんなわけで、この時期本格的に国政に仏教が入ってきたのであるが、今まであった日本古来の神道はどうなったのか。他国においてはこういう場合、今まで信ぜられていた宗教は破棄、ないしは上書きされてしまう場合が多いのだが、日本においてはそうならなかった。 そもそも仏教が伝来した時から、日本の人々によって「神」と「仏」は、漠然と同じようなものとして信仰されていた。仏は「蕃神」つまり「外国の神」として捉えられていたのである。また仏教はヒンズー教が強かったインドで生まれ、発展していった宗教であったから、多神教的な味付けを加えられていたことも大きい。古代日本人の一般的な認識としては、あくまでも「外国の神ではある…
2024/01/30 19:38