chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 楽園 - この町内の片隅から 毛並みに沿って、頭から背を撫でる手の感触が心地良すぎて、 うっとりしてきました。 記憶の中にある感触です。 喉の奥がごろごろします。 お腹と背中がくっつくくらい空腹ですが、今日はこの温かい感触だけで 腹いっぱい胸いっぱいになりそうです。 突然、...

  • ある侍女の告白 其の八 織姫

    ある侍女の告白 其の五 織姫 - この町内の片隅から ある侍女の告白 - この町内の片隅から 「いつもそうだけど、あんたのぶり大根まずいわ」 いきなり、不機嫌な物言いをされて驚いた。 気持ちが弱っている時だったから、その言葉を額面通りに受け取ってしまい、 不覚にもポロリと涙...

  • 遅い出勤の方だったのでしょう。 若い親子3人の姿を、毎日のように駅で見かけました。 がっちりとして上背があり、少々無愛想に見えるお父さん。 お父さんとお母さんに挟まれて嬉しいのか、 くるくるはしゃぎ回る2歳くらいの男の子。 男の子を嗜めたり、追いかけたり、これまたくるくる身...

  • 痛み

    「いたっ!」 洗い桶に手を入れた母が小さく悲鳴を上げました。 (しまった!) その瞬間、心臓をキュッと掴まれ、身が縮みました。 先ほど使った包丁を、他の食器と一緒に洗い桶に突っ込んだままだったのです。 洗い桶の中の包丁にうっかり触れてしまうなんて… スッと指を切ったかもしれ...

  • ガラスの靴

    夢中で踊っていたので、全然気づかなかった。 ボーン!ボーン!ボーン… 午前零時を告げる鐘だ! ハッと我に返ったアタシは、王子の手を乱暴に振り払い、 ドレスの裾を翻して大広間の出口へと向かった。 間に合うか!間に合わなくても間に合わせねば! いきなり腕を振り払われて、驚いてポ...

  • 275円のしあわせ

    20分ほど経過したところで、 「わるいけど、引き取りできるものはないですね」 「え?1枚も?」 狼狽えて問うわたしに、彼はあっさり 「はい、ありませんね」 【ノーブランド、シミ有、他社で断られたお品も買い取りいたします】 そんな謳い文句に釣られ、着なくなった洋服の査定、引き...

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、あさこさんをフォローしませんか?

ハンドル名
あさこさん
ブログタイトル
この町内の片隅から
フォロー
この町内の片隅から

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用