『もう決めたの。7月7日が過ぎたらお父さまに頼んでみるわ。 …あぁでも7月7日まで1ヶ月もある。 うんざりだわ。明日にでもお願いしてみようかしら』 わたしが、彦星さまと引き裂かれた織姫さまのお世話をするようになって 何年経ったでしょう。 泣き暮らしていた織姫さまが徐々にお元...
3日ほど覗かなかっただけで、 どっさり溜まっていた。 季節の変わり目に送られてくるズシッと重い通販カタログの類、 ピザ屋、宅配寿司、塾のチラシ、スイミングスクール、 水道修理のシール、リフォームの案内、市の広報… 1階にある集合ポストの中を見ただけで うんざりした。 中身を...
随分前から、公共施設の多目的トイレに、このお知らせが貼ってありましたが、 気がついたら、いつの間にか外されていました。 … もう必要なくなったのかな? と思っていましたら、 館内にまた! ゴミ箱、加工しました (加工 自分) < お知らせ部分拡大 わたしだって、他人様のこと...
叶うことなら、不食の人になり、 人気のない廃墟の陰に居を構え 忍者のように身を潜め、 目立たず、ひっそり生きるのが 望みだというのに… 朽ち果てかけているビル 裏口 毎年イヤでもやってくる『生まれた日』 というものを当事者でも無いのに何故か 覚えている友だちが2人ほどいまし...
いつ降ってきてもおかしくないような鉛色の空でした。 その頃所属していた、サークルの友だち2人と お茶を飲んでの帰り道でした。 朝から心に引っ掛かっていたことが思わず言葉になりました。 『この近くに◯◯くんのアパートがあるよね』 (同じサークルの◯◯くんです) 『あ〜そうだっ...
徒歩1分にある小さなスーパーでは、週に3日ほど、 先着100名に6枚綴りの30円割引シールが配られます。 その日1日限りですが、 100円以上どの商品に貼って使っても構いません。 6枚のシールが使えるのは、その日限りなので、 使い切ってしまわないと損をするような気がして、 ...
わたし 『家の中を一瞬でキレイにする技を発見した!』 どうにかして消息が知りたい場合、 何でもいいから返事が来そうな話題を探します。 息子A 『なんや?』 しめた!食いついた! 『なんや?』の文字は、脳内でパッと音声に切り替わりました。 わたし 『これや』 しばらく経ってか...
青くさい高校生のガキでもあるまいに、 その人とすれ違うと心臓が高鳴る。 このマンションに入居してかれこれ25年になる。 鉛色の空から雪でも舞いそうな入居者説明会のあの日、集会室にポツンと座る、 あまりにも似過ぎるその人を見た瞬間、驚きで椅子に蹴躓きそうになった。 ところどこ...
今ではほとんど消滅しましたが、 どうでもいい妙な能力?を最大限に発揮できた時期がありました。 能力? 最寄りの図書館では、ひとり10冊まで、2週間借りることができます。 家族分4枚の利用者カードを握りしめて、週末になると通う図書館。 ズラリと並ぶ本の背をジッと見つめます。 ...
我ながら『しょうもない画像』が溜まっています。 何を思ったのか、恐る恐る インスタグラムというものを始めてみました。 リアルの友だちでは、成り行き上3人だけに知らせました。 見る人がいなくても構わない、 見る人がいない方が気楽かな、なんて思っていました。 わたしは、その友だ...
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『もう決めたの。7月7日が過ぎたらお父さまに頼んでみるわ。 …あぁでも7月7日まで1ヶ月もある。 うんざりだわ。明日にでもお願いしてみようかしら』 わたしが、彦星さまと引き裂かれた織姫さまのお世話をするようになって 何年経ったでしょう。 泣き暮らしていた織姫さまが徐々にお元...
スーパーの裏口で真っ黒い塊を見つけハッとしました。 (驚くことはない、ただの猫の塊だ) なんだ、猫だったのか そろそろと近づきましたが、逃げるでもなくジッとしています。 (それは何というものだ?その小さい四角いもの。 四角いものに目をやりながら歩くヒトをよく見かける) スマ...
うろうろしているうちに、自分が何処から来たか分からなくなりました。 焦って闇雲に進んでみても、地下鉄の駅に辿り着けません。 寂れかけた商店街の中程に、こぢんまりとしたパン屋さんを見つけたので 道を尋ねようと中に入りました。 4、5人も入ればぎゅうぎゅう詰めになりそうな小さな...
たった今、パンの焼き具合を確かめる魔女を蹴り上げ、 真っ赤に燃え盛るカマドにぶち込んでやった 渾身の力で扉を閉める。 『ギャーーー!』 この世のものとは思えぬ恐ろしい叫び声 仕方ない ヤらねばヤられていた タラリと伝う汗を乱暴に拭って息をついた 〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜...
最後の講座が終わったあと、 ひとりひとりに『無料占い券』が配られました。 いつだったか、手相占いの講座に通ったときのことです。 講座は終了したものの、核心に触れる内容に達したとは言えず、 特に得たものも無く (これで終わりなのか?)肩透かしを食らったような最後に配られた 『...
『はい、これ』 頼んだ買い物の中から、息子がごそごそ取り出したのは 『カーネーションと淡い色合いのタオルというか?手拭いのセット』でした。 5〜6年前の母の日のことです。 何でも揃う遠くのスーパーまで、車で買い物を頼みました。 『なにこれ?頼んでない』 『きょう、母の日らし...
『来る?』 連休前に息子Aに聞いてみました。 しびれを切らしたころ、やっと届いた返事は 『忙しいでムリ』 ふうふうと途中まで膨らみかけた風船が、ポロッと口から落ちて シュルシュルと萎んでいくのを感じました。 小さくペチャンコになった風船をポイっとゴミ箱に捨て、 (がっかりな...
若葉のころでした。 何通かのダイレクトメールと一緒に一通のハガキが届いたのは… クルッとひっくり返すと真っ白いハガキいっぱいに大きく、 『ヒダリ』 誰が送ってきたか分かりません。 何のことだろう? 何処から届いたのだろう? 気になりましたが、日常に紛れ、妙なハガキのことは忘...
緊張が走って、ハッとして 脳裏が真っ赤になるくらいの悔しさが伝わってきて、 耳をつんざく音がした。 すこし安堵したり、またハラハラしたり。 息を止めて思わず目を瞑った。 息を整えてからまたページをめくり、ホッとした。 そうきたか! そうして少しだけニヤリと笑えた 泣きそうに...
2月上旬の画像 濃い桃色を思い浮かべながら撮りました 最近の画像 時季を逃してしまったので、緑の葉っぱ混じりになってしまいました この駐車場の片隅を濃い桃色に染める『花桃』です。 名所でも何でもありません。人通りも少ないこの場所に咲く花を 気に留める人も居ないと思いますが、...
『こちらです。どうぞ』 枯葉色のドアを開け、中に入る不動産屋さんに続き、 半畳ほどの狭い三和土に立ちました。 1Kの部屋全体に立ち込めるムッと異様な匂いに、 暫し言葉を失くしました。 20代前半の頃、実家を出てひとり暮らしをするため、 駅近の手頃な部屋を探していた時のことで...
誰かに言いたくて仕方なかったのかもしれません。 『浮気』 『不倫』 『相手はシングルマザー』 『探偵事務所』 『弁護士』 『慰謝料』 … 一旦口火を切ったら、歯止めが効かなくなったのでしょう。 怒涛のように聞きなれない言葉が次から次へと 耳に流れ込んできました。 時には静か...
『ふふふっ』 天から声が降りてきた? それとも幻覚なのか? ダイジョブ?…自分 薄手のカーテンでシャッと仕切られただけの四角い箱、 靴を脱いで上がったここは大きなショッピングモールの片隅にある試着室です。 試着室に引っ掛かっているS字フックに、細い足をぶらぶらさせて座ってい...
『財布の中にある一番高額な紙幣を取り出してください』 (え!何が入ってたっけ?) ごそごそ探ると、奇跡的に紙のお金が数枚入っていました。 千円札を大事に取り出して目の前に置きました。 『では、紙幣の真ん中からやや左を左の親指と人差し指で挟み、右側は右手の親指と 人差し指で同...
電車の扉がプシューと開きました。 ホームには2人の駅員さんに付き添われた車椅子の男性。 大柄でガッチリした体格の方です。 車椅子ごと乗車するのだろうか?やや緊張しながら待ち構えていましたら、 乗車口の手前でよろよろと車椅子から降り、おぼつかない足取りながらも1人で乗車 され...
駅の券売機でTOICAにチャージしようとしました。 2台ある券売機の前には、どちらも数人が並んでいます。 片方に並びました。 春休み中の中高生くらいの女の子3人が券売機の前で固まっていました。 様子を窺うと、直ぐに切符を買うでもなく、何となく行き先を決めかねて 顔を寄せ合い...
あんな些細なことで怒るなんて思わなかった。 考えなしに言葉を発した自分がわるかったのだろうか? 喉元まで込み上げる塊をグッと飲み込んだわたしは、 上下の取り合わせも何もなく、手近にあった服にサッと着替え、 財布とケータイだけリュックに押し込んで、黙って外にでました。 行くあ...
『ちょっと!あなた!お待ちなさい! アタシを見るのよ!』 突然呼び止められ、きょろきょろと辺りを見回しましたが、 誰もいません。 (空耳かしら? それにしても随分はっきり聞こえたわ?) 『空耳なんかじゃなくってよ!アタシよ! ア・タ・ク・シ! あなたの直ぐ目の前よ。 ボッ〜...
廃屋の裏手に広がる空き地。 いつの頃からか、ここに洗濯機が放置されています。 寂しげに佇む洗濯機が気に掛かるので、ときどき遠回りをするのですが、 その日、通り過ぎようとしましたら 洗濯機の向こうに何かいる! 近所の飼い猫なのか? 住み着いているのか? 暫し見つめ合う1人と1...
その夕方、最寄り駅の構内にて地元の飲食店の 出店イベントがありました。 ケーキ、和菓子、お酒、居酒屋風お惣菜… ちょっとした立ち呑みテーブルの用意まであります。 おいしそうだけど、高そうだな… 賑わい始めた屋台を横目にサッサと通り過ぎようとしたところ、 いちばん端の屋台に食...
去年の夏は何を着ていたのだろう? 幾度繰り返しても、季節の変わり目になると、途方に暮れます。 夏用のパジャマを探し当てましたが、2度の夏を共にしたそれらは、改めて見ると 何処か草臥れています。 4本あるズボンのゴムの入れ替えをしましたが、 とてつもなく不器用だからか、2回ず...
起き抜けに、とてつもなくイヤな気がしました。 恐る恐る鏡を覗いたら 『あ!また腫れてる!』 泣きそうになりました。 何と!きょうは両方です。 どういう加減か分かりませんが、年に数回、瞼が腫れることがあります。 時間があるときだったら構いませんが、その日は初めての方とお会いす...
登り続けるうちに、どんどん狭く険しい坂道になっていきます。 気を緩めると、落ち葉に足を取られ滑り落ちそうになります。 以前、偶然に見つけた猫が居る神社をもう一度訪れたくて、 うろ覚えの山道を登って行ったのですが、 進むほどにどんどん険しくなる山道に、どうもおかしい?見覚えが...
しろさんの記事に関連して思いだしたことがあります。 お料理の先生に怒られそうですが、あまり大きな声で言えませんが、昔から 計量スプーンも計量カップも使わず、目分量で味付けしてます。 気力が溢れ、すごく元気な気持ちのときと、どんよりした気持ちのときと 味が違うような気がします...
無人駅を降りて、真っ先に目についた『店?』です。 パッと見て廃墟なのか?と思いました。 よく見ると、案内らしきボードが立てかけてあります。 不思議ですが、営業されているようでした。 ここまでぐちゃぐちゃな店構えではありませんが(失礼) 近所の商店街の入り口に、それほどキ...
年末年始もそうでしたが、 (年末年始は自分がカゼ引きだったので仕方ないのですが…) この連休も、どっちの息子も顔を見せません。 もしかして?そうなのかな?気になるけど、聞くのも変かな?と思いましたが、 息子AにLINEで聞いてみました。 『わたしのこと、キライなのか?』(そ...
いつものように、無意識にリュックのポケットを探りました。 ところが、そこには覚えのある感触がありません。 ファスナーを大きく開けて、目で確かめました。 ハンカチ、ティッシュ、ビニール袋… それらの間にある筈の、小さなポーチが見当たりません。 一気に血の気が引くのを感じました...
おれたちは、バケツに突っこまれた皮付きのサトイモみたいになって暮している。 どろどろでね、何をするにも、隣にいる人間、同じ職場の人間に、ごろごろ、突っ転が されてるよ。 曽野綾子さん『虚構の家』より 抜粋 時間を過ぎても到着しない電車を待つホームに流れてきたアナウンスは 『...
夕方、外から帰ってきたら、玄関先に大小さまざまなダンボールの箱がいっぱい! マンションの狭い通路は荷物でいっぱいです。 (これは一体…?なに?) 管理人さんだったら何か知っているかもしれない、と聞きに行きました。 一階の小部屋の窓を覗くと、わたしと目が合った 管理人さんは満...
昔からあんまり手がかからないので、ついうっかり息子Aのことを忘れていましたが、 きょう、急に思いだしました。 話したいことはいっぱいある気がするけど、何を話したらいいか分かりません。 LINEの画面を眺め 考えた挙句、とりあえず わたし『あ』 3分も立たぬうちに返事が来たの...
近所のスーパー、◯◯マートはちょっと割高なので、この頃ずっと避けていたら 先日、K田さんが ピンポ〜ン! (同じマンションの人) 『さっき◯◯マート行ったら魚屋のおばちゃんに、〝あの人〟どうしてる?って 言われたよ。心配しとるでたまには行ったりゃあ。』 〝あの人〟だけで全て...
しばらくは元気そうでしたが、新年度になり業務が増えたのか、 調子が良くなさそうなので、また様子を見に行きました。 部屋に入ったら、布団にくるまってごろごろしていました。 ゴミ袋には、コンビニの空き容器… 今週いっぱい休みを取ったようです。 よくないのは身体の具合ではなく、気...
2人掛けの席にふんぞり返るその人には、どことなく薄汚れた雰囲気が漂っていました。(人のこと言えるんか?) 白髪混じりの髪はもじゃもじゃ。 着古したジャケットに草臥れた靴。 ところどころ破れ目が入っている濃い緑色のナップザック。 隣の席は空いていましたが、何となく警戒し、握り...
実は、昔からあまりキチンと手を洗う習慣がありません。 食事の支度中 (あ!また手洗い忘れたかも?まぁいいか) 思うことしょっちゅう。支度前、無意識に水でサッと洗っている気はします。 (家族はいい迷惑、知らぬが仏?) おにぎりを握る前は、気をつけて洗っています。 手の傷には神...
その連絡が入ったのは、予約していた日の前日、夜の遅い時間でした。 『本日叔父が亡くなり、通夜、葬儀の為明日の予約を変更して頂けませんでしょうか。』 まだ起きていてよかったと思いながら、直ぐ返事しました。 『かしこまりました。予約の変更について近いうちにご連絡頂けますか。 ど...
『かゆい!痒い!カユイ!あぁ〜かゆい!』 頭の中、そればっか渦巻いています。 後先考えずに、6人+子ども1人での花見に出かけた報いなのか、いつにも増して かゆい 鼻の中も目も耳の中も唇も顔も…頭も…(それは髪を洗えば解決するか?) 最寄駅に立ててあったホワイトボードを見て(...
ゴソゴソとバッグの中から出てきたものは、虎屋さんの『桜餅ういろ』でした。 春先だけの期間限定! これぞ!ういろの中のういろ! 美しい断面! 仄かな淡い春の色3色! 桜咲く時期に、このういろが販売される事だけを楽しみに長くつらい冬をやり過ごすのです。(大袈裟やわ) 先日、ある...
息子Bが突然やって来たので、駅前の居酒屋にご飯食べに行きました。 毎日のように店の前を通りますが、入るのは初めてです。 メニューを見ると、案外お高めです。 きょうは、 『オレが払うから』 ってことでしたが、 でもやっぱり、お財布に少し多めに入れてきて良かったとちょっと安堵し...
ウォーキングAコース途中に、畑付きの一軒家があります。 いつの頃からか、その家に住むオジサン(80代と言ってた)とよく口を聞くようになりました。 先日通りかかったとき、 『おい!ちょっとこい!』(いつも偉そうです🤣) 手招きされ、訳が分からないまま細い裏道をどんどん進むオ...
『まだ下手なんだけど、これ焼いてみたんだ。よかったら使ってくれん?』 その昔、結婚祝いにと友だちが持ってきてくれたのは、5枚組の手作りの皿です。 長い間、食器棚の奥にしまってありましたが、ふと思いついて とうふや豆蔵さんの期間限定チョコドーナツをのせてパチリ。 友だちと...